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楽しい旅行。
不吉なシエリアの言葉。
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夕焼け迫る頃、子供達と遊んで満足したシエリアが二人の元に帰って来た。
「シア、エドワードさま~ 夕ご飯は夕焼けが見えるお店に行きましょう~ 」
そう言って、シエリアは腕にしがみついた。
「エリー、放して…… 」
「え~~ いいじゃない、コレくらい普通、普通~ 」
シエリアはじゃれつく猫のようにしがみついて放さない。
「エリー…… 」
「その、シエリア嬢…… 放してくれないか…… 」
「え~~ やだ~~ 」
シエリアは頭までこすりつけた。
「頼む、その場所を譲ってくれないかシエリア嬢。」
「仕方ないな~ デザート2つ。」
「エリー。」
エドワードは頷いた。
シエリアはホクホク顔で、エリシアの右腕を放して左腕にしがみついた。
「ごめんなさい…… 」
「いや、行こうか。」
エドワードは左腕を折り曲げる、その腕にエリシアはそっと右手を置いた。エスコートである。
エリシアの左腕にはシエリアがしがみついているが。
真ん中にエリシアで、両手に花である。
「シア、シアは何が食べたい? エリーは~ やっぱり海鮮かな~ 」
「そうね、海に来たなら海鮮かしら。」
楽しそうに話す二人に疎外感を感じるエドワードであった。
エドワードのデートプランでは、二人っきりで夜景の綺麗な丘の近くの店でディナーしてその後丘へ行くつもりであった。
夜風に震えるエリシアにそっと上着をかけ、できれば恋人つなぎの手をつなぎたいと思っていたのだ。
(ああ…… 此処まで来る途中までは、楽しかったな。)
馬車の中で二人っきり、つたない話をしながらエリシアの事を知っていく。自分の事も知ってもらい、どれ程嬉しかったか。
目を瞑り、しみじみと思う。
この旅行の為に大量の仕事を片付けて来たと言うのに。
王都を出て暫くの間はエリシアと語り合い、ディナーは夜景の綺麗な丘の近くですませその後は、
「見に行こう。」
「はい。」
エドワードがエリシアを誘うと、頬を染めて頷いてくれた。幸せの絶頂だった。
「そのお店、海鮮料理ある? 」
シエリアが馬車上から、窓に張り付くまでは。
「きゃーー、シエリア!! 」
「馬車を止めろーー!! 」
エリシアは悲鳴をあげ、エドワードは馬車を止めろと叫んだ。
馬車が止まると、シエリアは上から飛び降りてきた。
「エリー、いつから? 」
「最初から~ 」
心配して馬車から降りてきたエリシアに抱きつく。驚いてるエドワードに向かって不敵に笑った。
「海鮮料理、たのしみ~ ね、ね、シア!! 」
「え、ええ、そうね…… 」
腕を捕まえてそのまま馬車に乗り込む。もちろん、席はエリシアの隣に陣取る。
「エドワード様…… 」
「エリシア…… 」
二人は困ったように目を合わせた。
「うふふっ。楽しい、楽しい、旅行よ~~ 」
シエリアだけが、空気を読まず楽しそうであった。
お昼を途中の店で軽くすまし、馬車は夕方前に目的地につく。
シエリアは馬車から飛び降りると、丘滑りをしている子供達の方へと走り出した。
先に降りて、手を差し出したエドワードを無視して。だが、さり際にエドワードに囁いた。
「きっとわたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。」
「えっ? 」
エドワードは走り去るシエリアに振り返る。
「エドワード様? 」
「ああ、エリシア。」
エドワードは疑問に思いながらも、エリシアに手を差し出す。
『わたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。』
(俺が? いや、ないないない。)
シエリアの言葉を思い出して、首を振る。
「きれい…… 」
潮風が彼女のさらさらの金髪を撫でる。
「君の方がずっと…… 」
傍らに寄り添いエドワードはエリシアを見つめながら呟いた。優しい瞳がエリシアを見詰める。
『わたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。』
不吉シエリアの言葉。
(喜ぶはずはないだろう。)
丘の上を三人で歩く。エドワードは少しキツ目で、エリシアにしがみついているシエリアを見る。
「エドワード様? 」
そんなエドワードにエリシアは少し不安になるのだった。
「シア、エドワードさま~ 夕ご飯は夕焼けが見えるお店に行きましょう~ 」
そう言って、シエリアは腕にしがみついた。
「エリー、放して…… 」
「え~~ いいじゃない、コレくらい普通、普通~ 」
シエリアはじゃれつく猫のようにしがみついて放さない。
「エリー…… 」
「その、シエリア嬢…… 放してくれないか…… 」
「え~~ やだ~~ 」
シエリアは頭までこすりつけた。
「頼む、その場所を譲ってくれないかシエリア嬢。」
「仕方ないな~ デザート2つ。」
「エリー。」
エドワードは頷いた。
シエリアはホクホク顔で、エリシアの右腕を放して左腕にしがみついた。
「ごめんなさい…… 」
「いや、行こうか。」
エドワードは左腕を折り曲げる、その腕にエリシアはそっと右手を置いた。エスコートである。
エリシアの左腕にはシエリアがしがみついているが。
真ん中にエリシアで、両手に花である。
「シア、シアは何が食べたい? エリーは~ やっぱり海鮮かな~ 」
「そうね、海に来たなら海鮮かしら。」
楽しそうに話す二人に疎外感を感じるエドワードであった。
エドワードのデートプランでは、二人っきりで夜景の綺麗な丘の近くの店でディナーしてその後丘へ行くつもりであった。
夜風に震えるエリシアにそっと上着をかけ、できれば恋人つなぎの手をつなぎたいと思っていたのだ。
(ああ…… 此処まで来る途中までは、楽しかったな。)
馬車の中で二人っきり、つたない話をしながらエリシアの事を知っていく。自分の事も知ってもらい、どれ程嬉しかったか。
目を瞑り、しみじみと思う。
この旅行の為に大量の仕事を片付けて来たと言うのに。
王都を出て暫くの間はエリシアと語り合い、ディナーは夜景の綺麗な丘の近くですませその後は、
「見に行こう。」
「はい。」
エドワードがエリシアを誘うと、頬を染めて頷いてくれた。幸せの絶頂だった。
「そのお店、海鮮料理ある? 」
シエリアが馬車上から、窓に張り付くまでは。
「きゃーー、シエリア!! 」
「馬車を止めろーー!! 」
エリシアは悲鳴をあげ、エドワードは馬車を止めろと叫んだ。
馬車が止まると、シエリアは上から飛び降りてきた。
「エリー、いつから? 」
「最初から~ 」
心配して馬車から降りてきたエリシアに抱きつく。驚いてるエドワードに向かって不敵に笑った。
「海鮮料理、たのしみ~ ね、ね、シア!! 」
「え、ええ、そうね…… 」
腕を捕まえてそのまま馬車に乗り込む。もちろん、席はエリシアの隣に陣取る。
「エドワード様…… 」
「エリシア…… 」
二人は困ったように目を合わせた。
「うふふっ。楽しい、楽しい、旅行よ~~ 」
シエリアだけが、空気を読まず楽しそうであった。
お昼を途中の店で軽くすまし、馬車は夕方前に目的地につく。
シエリアは馬車から飛び降りると、丘滑りをしている子供達の方へと走り出した。
先に降りて、手を差し出したエドワードを無視して。だが、さり際にエドワードに囁いた。
「きっとわたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。」
「えっ? 」
エドワードは走り去るシエリアに振り返る。
「エドワード様? 」
「ああ、エリシア。」
エドワードは疑問に思いながらも、エリシアに手を差し出す。
『わたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。』
(俺が? いや、ないないない。)
シエリアの言葉を思い出して、首を振る。
「きれい…… 」
潮風が彼女のさらさらの金髪を撫でる。
「君の方がずっと…… 」
傍らに寄り添いエドワードはエリシアを見つめながら呟いた。優しい瞳がエリシアを見詰める。
『わたしが来たことをエドワードさまは、喜ぶわ。』
不吉シエリアの言葉。
(喜ぶはずはないだろう。)
丘の上を三人で歩く。エドワードは少しキツ目で、エリシアにしがみついているシエリアを見る。
「エドワード様? 」
そんなエドワードにエリシアは少し不安になるのだった。
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