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外伝 星に秘められし封印は……
光り輝く地上の恒星
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ヒカらの過ごす地……エルクス
様々な貴重な生物たちが住む森の楽園……
異質なこの地は滅びの道を最後に辿り想界へ堕ちたのだった
エルフや妖精、ゴブリン
隣国に語られてるそれはエルクスの者達だろう
名称は何故広がったか?
それはこの大結界と世界にある
大結界は魔力を留めるのと外からの襲撃を防ぐという二つの力を持っている
いや持っていた
原初の大結界はそうだった
ただ継承されていく度にその力は弱めいていた
それに継承の時は結界が1度消える
わんぱくな奴や好奇心旺盛の奴らはその瞬間に外に逃げ出したりすることが多々あった
それで外にも名を残したのだ
継承される度に力が弱くなった大結界が滅びる時は近く彗星で破壊されたのもそのせいだ
力の劣化、神力の暴走
それが大結界の破壊を生んだのだった
「んー……また平和な毎日のスタートか」
ヒカはそう呟き目覚める
何処か物足りなさそうなそんな表情を浮かべて
元の生活に戻ったヒカらはまた普段通りに多種族と触れ合い過ごしていた
「平和を物足りなさそうな顔で語るなよ またああなるのは俺からしても嫌だぞ」
クアはヒカの呟きを聞いてそう返す
クアはまたいつものように研究をして過ごすという友達の居ない毎日を過ごしていた
まぁ五等星達とは友達的な関係を築けたが
他の者からは自分が活躍したなんて夢にも思わないようで友達申請してくる奴なんて1人も来なかった
本当にざけんなとクアは思った
「だってなんだかんだいってあれ楽しかったでしょ?良い経験になったし」
ヒカはそう感想を述べる
仲間と協力する
それ自体にヒカは楽しさを感じた
「初戦が最終章の奴がなんか言ってるわ」
クアは毒舌を吐く
まるで五章のヒカみたいだ
「しょうがないでしょ 位置的に光輝星だとバレてたとしてもこの森の動物たちは外の世界でいう絶滅危惧種だし 森燃やしてまであいつらが攻め込むとは思わないし」
ヒカはそう持論を返し反論する
エルフや妖精、ゴブリンは外の世界じゃあまり見かけない
勿論飛び出して帰ってこなかった奴も一定数いるから一概にも言えないけど
とりあえず他に例がないこの森の動物達は絶滅危惧種と言っても過言ではないのだ
まぁ絶滅危惧種登録はされていないからヒカの主観ではあるが的は得ている
「敵なのに随分モラルがあるな 侵略するとかいう人の心ない奴らなのに」
クアはそう言葉を返した
敵がモラルや法を気にするか?
クアは敵には容赦の無い奴らぐらいにしかイメージがない
まぁ言ってしまえば偏見って奴だ
文字らは従っている中で自我を持っていた
フェニキアに命じられなければ積極的に破壊に協力しないだろう
堕ちたとはいえ元々は魔解屋と言う世界を守る組織だったから
まぁそれをヒカ達は知り得ていない
リエルに関わりがあるまで運がよかった程度の認識なんだろう
「何か攻め込むべき事態があったんじゃない?」
彗星による領域の破壊……
それだけが攻め込む理由じゃなかったのでは?とヒカは主張する
神々との繋がり それは私も見た
けどそれ以外に何か理由があるんじゃないかとか
「確かにフェニキアらの計画は割れていなかったな そういや」
理概神を復活させるため?否
世界を統べる為?それも否
崩壊を起こすため?それも否だろう
ならば何のために攻める必要があったのだろうか?
込められた力が肉体を持ち復活するのも反応を見るにイレギュラー
崩壊させるならアルファとオメガを殺すだけで始まりと終わりの理が消滅し崩れる
わざわざ俺らに世界を回らせる必要は全くない
もしかして本来なら星らと文字らで軍を組みをアルファとオメガに攻めさせるつもりだったのだろうか?
それに神であれば人間の命なんぞ速攻奪えても良いと思うが…
かなり遠回しな作戦だなとクアは思った
「言語の神や星の神が動くなんて相当な事態だよね……言語と星 共通点は神話……?」
ヒカはクアの部屋から神話の本を持ってきて2人の神の名を探す
しかしフェニキアと印された神の名は存在しなかった
アストライオスの名は印されていたがフェニキアは架空の神だと言うことだろう
フェニキアが弾かれた真の言語の神には神話にはヘルメースやサラスヴァティ、言知主命などが印されていたのだった
「無い!」
ヒカは驚いた
神ではないのに言語を統べている
……いや当たり前なのかもしれない
始想があるとは言え言語は1度死んでいる
なのに今も言語を扱える
理概神に取り込まれた事実を知らぬヒカ達にはその理論で説明は付いている
フェニキア……それはフェニキア文字と言う紀元前1050年頃にフェニキア人により使用された文字であり祖先の文字である
楔形文字と言う紀元前3500年の始祖がいるため始祖では無いが歴史的に見るとアルファベットの派生元であると言えアルファらを従えられるのは歴史からして矛盾していない
神ではないが昔のものには神聖が籠もるとも言われている
神聖の具現化……擬神として成り立っていたのだろう
「つまりフェニキアは神ではない……か」
そうなると一つ疑問が浮かぶ
擬神であり神より下のものがアストライオスと言う星の神やゲテルギウスという軍人を従えられるかと言う問題だ
年代的に関わりあえないのは置いといて神聖の塊であるフェニキア自体にアストライオスとの共通点はあまり存在しない
星の男と言語
アストライオスはギリシャ神話出身なので恩恵は受けてると言えるが言語が伝わったのは紀元前800年頃で神話が作られたのは紀元前1500年頃なのだ
つまり印された言葉にフェニキア文字から象られたギリシャ文字は存在しない
これではアストライオスはフェニキアに恩義や関係性を抱けず仲間になるメリットが存在しない
ゲテルギウスはギリシャ文字の人名……日本語に訳すと「大地で働く人」となるため言語面で恩義や関係性が生まれている
いまいち理解を得ない
「等星について先に探ろう」
クアはフェニキアの話題を置きそう提案する
等星も神話と関わり深い
フェニキアとのキーもあるかもしれない
「分かったわ」
ヒカはそう言うと等星について情報を上げた
「……等星は封印星でそれぞれ神関係 解放した力は水魔彗星ステュクス、緑閃彗星ガイア、そして光輝星テイア これらを統べるのは本来ゼウスのはずだったが統べたのは何処からともなく現れた神話に記載されてない理概神……」
ヒカは過去に読み取った水魔彗星と緑閃彗星、光輝星から推測を作ろうとした
しかしこの推測において邪魔なのは紅き彗星とブラスターだ
他はギリシャ神話に登場する神々と共通点を述べられるが理概神と改造恐竜は本当に謎なのだ
ゼウスの上に入るのがカオスやウーラノスならまだ理解できる
しかし理概神アルファクス・ グレイス・エンシャント……その名が割って入る意味が分からない
神話に記載されてない幻の神
「もしかしたら本当に理概をぶち抜いたんじゃ?」
理概神
その名の通り理、概念を操作できる最強の神
全知全能と名高いゼウスの上をゆく神
つまりは誕生する神々の順番の理概を弄れば原初の神に成り代われる
そこに反抗する理、概念すらも自らの良いように変えることが出来る
全ての世界、全ての理、全ての概念ですら邪魔されず速攻で変えることが出来る
無すら理、概念であるほかならない
そう……最強で最凶の自己中能力
そして……理概そのもの
陰謀論と言っても差し支えないがそうしないと話は共通しない
クアはそう思った
「確かに理概神はそれで説明が付くけどブラスターをわざわざ神々の遊戯の産物にする必要は無いでしょ」
理概神にそうしなければならない意義はない
そしてどの神話とも関わりはない
古代の産物恐竜にプラナリアをくっつけた最強生物はギリシャ神話にも他の神話にも登場しない
完全な想像の産物 架空の恐竜……
「偶然としか言いようがない……」
クアは歪な生物であるそれに理論が浮かんでこなかった
他四星が神であればブラスターも神であってもいいだろう?と思うだろうがブラスターは合成獣の最強生物……神々の遊戯で生まれた産物
それにしても論じるにはブラスターの情報が足りなすぎる
レックスは地方魔王として自ら命を断った
カーリー・シヴァメクトについての伝承もあの町にはなかった
いやあったのかもしれないが失われているのだろう
カーリー・シヴァメクトを継承すると言うことは過去にも半滅や全滅があったかもしれない
何処かの代で襲われと同時に焼いてしまったと言うことも考えられるだろう
リンナ達の等星が論じられたのは神力を引き出せる深淵が見えたのと共通点が見えたからだ
そんなに複雑なものでもなく家系についてもその後の話で割れている
しかしレックスに関しては引き出せると言うわけではなく魂として付与する方の神力の深淵を見た
こちらは共通点が見えず複雑で家系も割れていない
分かるのはブラスターが合成獣の能力を持つ、カーリー・シヴァメクトという継承された魔の者が居る 恐竜の名を名乗る暴力団の長をしていたぐらいだ
家系についてさえあれば多少論じられるのだろうが燃えてしまった物は修復できない
ブラスターはどこか例外なのだろう
「ブラスターは例外でも他の等星はギリシャ神話という共通点を持っている やはりギリシャ神話と関わり深いのは間違いない」
合成獣といえばキマイラだがブラスターとは関連性は見えない
獅子、山羊、蛇で成り立っているキマイラとブラスターの恐竜、プラナリアは強いて獰猛な生物と軟体な生物の融合ということしか共通点はない
カーリー・シヴァメクトに関しても人型の人成らざる破壊の塊
無理矢理伝承を引っ張るにしてもヒンドゥー教のカーリーとシヴァとカルキの合成精霊(式神)だ
レックスの家系がヒンドゥー家だったら尚更ギリシャ神話との関係性がなくなる
一つは唯一の人生を説き、もう一つはこれが多くの人生の一つだと説く
全く共通性のない二つの宗教であるヒンドゥー教とギリシャ神話
何故混じり合ったのだろう?
「神話が作られたのは同年紀元前1500年頃……インドとギリシャは関わるのには厳しい国……ロストテクノロジー?」
陸地には幾つもの国がある
陸地を歩くのは厳しい
船は紀元前4000年ぐらいにはあるらしいから海上を渡ればいけるか?という感じだ
まぁ知り合う手段もない
キリスト教+スパイス計画やインド・グリーク朝をこの時代にやってたなら繋がりはワンチャンあるかもしれないが歴史はそうなっていない
インド・グリーク朝は紀元前六世紀~二世紀ぐらいだからもしこの計画を組めるときがあったとしたらそこか
まぁだとしてもだ
フェニキアは現代までしぶとく生き延び計画を進めていた
「割れた……ここだ」
ヒンドゥー教とギリシャ神話の関係は歴史的に見ればインド・グリーク朝であるのだ
まぁだからヒンドゥー教との繋がりはそこなんだろう
わざわざブラスターのみをヒンドゥー教にしたのはフェニキアがギリシャ文字の祖先でありギリシャ教徒であったからだろう
インド・グリーク朝でフェニキアはヒンドゥー教を知り計画に組み入れた
それが推測だ
「まだ合成獣問題は解決してない 両方の教にいるキメラの中に共通点を探さなきゃ」
ヒンドゥー教のキメラ候補は幾つか出るが共通点は見つからない
謎に包まれていた
キメラ実験をしているという情報も出てきたがそれは1度置いておこう
「ヒンドゥー教の教えのこれが多くの人生の一つを間違った解釈で捉え多くの人生を一つにまとめた それがカーリー・シヴァメクトな可能性は?」
クアはそう論ずる
その解釈ならカーリーとシヴァとカルキが合成してもおかしくはない
神話を持つ神々を一つにまとめる
それは本来の世界では出来ないかもしれないが神や魔力を持った者はそれを可能とする
元々のこの世界のように魔法によって混血を生み出したり出来る
過去に魔女という存在がいたのは知っているだろうか
魔女狩りによって外のはみんな殺されてしまったのだが一部は魔力を持ち新界であるこの世界を作った
それが前のこの世界の作成理由だった
「確かにそれならカーリー・シヴァメクトの説明は出来るけど……でもブラスターの方の合成獣はどう解釈するの?」
ヒカはそう訊いた
キマイラへの共通点も質感が似てる生物程度
解釈する証拠にはならない
「んー……」
クアも解釈に迷う
ブラスターについては本当にイレギュラー
今までの考察が全部通用しない
なぜなら神話にそんな生物は存在しない
今まで理論をこんなに通せたというのにブラスターの恐竜+プラナリアの要素だけ語れない
フェニキアがアストライオスを従える理由も同じギリシャ文字を持つぐらいしか解釈されておらずそちらの方も頭を悩ませる
「神の失敗作……そうしか言えない 無理矢理理由付けをするならそれぞれの生息地と宗教が一致するぐらいだ」
恐竜は世界全体に居たと言われている
ティラノサウルスの生息地は米国でありキリスト教に通ずる
ギリシャ神話は独自の神話だったがキリスト教が出来て以来、ギリシャ神話を信仰する者は正教会へと名を変えた
つまりティラノサウルスとギリシャ神話は通ずるところがある
そしてプラナリアは世界各地に居たのだ
つまりかなり無理があるがティラノサウルス、プラナリアは関係があり尚且つギリシャ神話とも関わりが存在すると言うわけだ
「カーリー・シヴァメクトの時に使った融合論をこれにも使うならそれでも成り立ちはするけど……」
「無理があると思うがこれしか納得できる理由がない」
これでブラスターについて無理矢理だが証明が可能になった
クアとヒカはその立証の混沌さに違えていることはないか、もっと詳しく立証できないかと再度神話に読みふける
そして最後の問い フェニキアは何故下に神を用意できたのか?
言葉への信仰が形となった神霊が神を上回る
そんなこと有り得るのか?
公用語と化した英語の元になったからって信仰が神までを上回れるのか?
神は信仰程度で白旗を上げるのか?
2人の脳内にそれらが駆け巡った
それは神話に答えはない
あるとすればそれはフェニキアの頭やアストライオスの頭だ
過去のみを見つめてきたが起きたのは最近なのだ
これらは全て神話と情報を兼ね合わせた2人の推測、考察でしかない
「……見つけたい」
「そうだな」
「再度神の元へ行こう」
END
様々な貴重な生物たちが住む森の楽園……
異質なこの地は滅びの道を最後に辿り想界へ堕ちたのだった
エルフや妖精、ゴブリン
隣国に語られてるそれはエルクスの者達だろう
名称は何故広がったか?
それはこの大結界と世界にある
大結界は魔力を留めるのと外からの襲撃を防ぐという二つの力を持っている
いや持っていた
原初の大結界はそうだった
ただ継承されていく度にその力は弱めいていた
それに継承の時は結界が1度消える
わんぱくな奴や好奇心旺盛の奴らはその瞬間に外に逃げ出したりすることが多々あった
それで外にも名を残したのだ
継承される度に力が弱くなった大結界が滅びる時は近く彗星で破壊されたのもそのせいだ
力の劣化、神力の暴走
それが大結界の破壊を生んだのだった
「んー……また平和な毎日のスタートか」
ヒカはそう呟き目覚める
何処か物足りなさそうなそんな表情を浮かべて
元の生活に戻ったヒカらはまた普段通りに多種族と触れ合い過ごしていた
「平和を物足りなさそうな顔で語るなよ またああなるのは俺からしても嫌だぞ」
クアはヒカの呟きを聞いてそう返す
クアはまたいつものように研究をして過ごすという友達の居ない毎日を過ごしていた
まぁ五等星達とは友達的な関係を築けたが
他の者からは自分が活躍したなんて夢にも思わないようで友達申請してくる奴なんて1人も来なかった
本当にざけんなとクアは思った
「だってなんだかんだいってあれ楽しかったでしょ?良い経験になったし」
ヒカはそう感想を述べる
仲間と協力する
それ自体にヒカは楽しさを感じた
「初戦が最終章の奴がなんか言ってるわ」
クアは毒舌を吐く
まるで五章のヒカみたいだ
「しょうがないでしょ 位置的に光輝星だとバレてたとしてもこの森の動物たちは外の世界でいう絶滅危惧種だし 森燃やしてまであいつらが攻め込むとは思わないし」
ヒカはそう持論を返し反論する
エルフや妖精、ゴブリンは外の世界じゃあまり見かけない
勿論飛び出して帰ってこなかった奴も一定数いるから一概にも言えないけど
とりあえず他に例がないこの森の動物達は絶滅危惧種と言っても過言ではないのだ
まぁ絶滅危惧種登録はされていないからヒカの主観ではあるが的は得ている
「敵なのに随分モラルがあるな 侵略するとかいう人の心ない奴らなのに」
クアはそう言葉を返した
敵がモラルや法を気にするか?
クアは敵には容赦の無い奴らぐらいにしかイメージがない
まぁ言ってしまえば偏見って奴だ
文字らは従っている中で自我を持っていた
フェニキアに命じられなければ積極的に破壊に協力しないだろう
堕ちたとはいえ元々は魔解屋と言う世界を守る組織だったから
まぁそれをヒカ達は知り得ていない
リエルに関わりがあるまで運がよかった程度の認識なんだろう
「何か攻め込むべき事態があったんじゃない?」
彗星による領域の破壊……
それだけが攻め込む理由じゃなかったのでは?とヒカは主張する
神々との繋がり それは私も見た
けどそれ以外に何か理由があるんじゃないかとか
「確かにフェニキアらの計画は割れていなかったな そういや」
理概神を復活させるため?否
世界を統べる為?それも否
崩壊を起こすため?それも否だろう
ならば何のために攻める必要があったのだろうか?
込められた力が肉体を持ち復活するのも反応を見るにイレギュラー
崩壊させるならアルファとオメガを殺すだけで始まりと終わりの理が消滅し崩れる
わざわざ俺らに世界を回らせる必要は全くない
もしかして本来なら星らと文字らで軍を組みをアルファとオメガに攻めさせるつもりだったのだろうか?
それに神であれば人間の命なんぞ速攻奪えても良いと思うが…
かなり遠回しな作戦だなとクアは思った
「言語の神や星の神が動くなんて相当な事態だよね……言語と星 共通点は神話……?」
ヒカはクアの部屋から神話の本を持ってきて2人の神の名を探す
しかしフェニキアと印された神の名は存在しなかった
アストライオスの名は印されていたがフェニキアは架空の神だと言うことだろう
フェニキアが弾かれた真の言語の神には神話にはヘルメースやサラスヴァティ、言知主命などが印されていたのだった
「無い!」
ヒカは驚いた
神ではないのに言語を統べている
……いや当たり前なのかもしれない
始想があるとは言え言語は1度死んでいる
なのに今も言語を扱える
理概神に取り込まれた事実を知らぬヒカ達にはその理論で説明は付いている
フェニキア……それはフェニキア文字と言う紀元前1050年頃にフェニキア人により使用された文字であり祖先の文字である
楔形文字と言う紀元前3500年の始祖がいるため始祖では無いが歴史的に見るとアルファベットの派生元であると言えアルファらを従えられるのは歴史からして矛盾していない
神ではないが昔のものには神聖が籠もるとも言われている
神聖の具現化……擬神として成り立っていたのだろう
「つまりフェニキアは神ではない……か」
そうなると一つ疑問が浮かぶ
擬神であり神より下のものがアストライオスと言う星の神やゲテルギウスという軍人を従えられるかと言う問題だ
年代的に関わりあえないのは置いといて神聖の塊であるフェニキア自体にアストライオスとの共通点はあまり存在しない
星の男と言語
アストライオスはギリシャ神話出身なので恩恵は受けてると言えるが言語が伝わったのは紀元前800年頃で神話が作られたのは紀元前1500年頃なのだ
つまり印された言葉にフェニキア文字から象られたギリシャ文字は存在しない
これではアストライオスはフェニキアに恩義や関係性を抱けず仲間になるメリットが存在しない
ゲテルギウスはギリシャ文字の人名……日本語に訳すと「大地で働く人」となるため言語面で恩義や関係性が生まれている
いまいち理解を得ない
「等星について先に探ろう」
クアはフェニキアの話題を置きそう提案する
等星も神話と関わり深い
フェニキアとのキーもあるかもしれない
「分かったわ」
ヒカはそう言うと等星について情報を上げた
「……等星は封印星でそれぞれ神関係 解放した力は水魔彗星ステュクス、緑閃彗星ガイア、そして光輝星テイア これらを統べるのは本来ゼウスのはずだったが統べたのは何処からともなく現れた神話に記載されてない理概神……」
ヒカは過去に読み取った水魔彗星と緑閃彗星、光輝星から推測を作ろうとした
しかしこの推測において邪魔なのは紅き彗星とブラスターだ
他はギリシャ神話に登場する神々と共通点を述べられるが理概神と改造恐竜は本当に謎なのだ
ゼウスの上に入るのがカオスやウーラノスならまだ理解できる
しかし理概神アルファクス・ グレイス・エンシャント……その名が割って入る意味が分からない
神話に記載されてない幻の神
「もしかしたら本当に理概をぶち抜いたんじゃ?」
理概神
その名の通り理、概念を操作できる最強の神
全知全能と名高いゼウスの上をゆく神
つまりは誕生する神々の順番の理概を弄れば原初の神に成り代われる
そこに反抗する理、概念すらも自らの良いように変えることが出来る
全ての世界、全ての理、全ての概念ですら邪魔されず速攻で変えることが出来る
無すら理、概念であるほかならない
そう……最強で最凶の自己中能力
そして……理概そのもの
陰謀論と言っても差し支えないがそうしないと話は共通しない
クアはそう思った
「確かに理概神はそれで説明が付くけどブラスターをわざわざ神々の遊戯の産物にする必要は無いでしょ」
理概神にそうしなければならない意義はない
そしてどの神話とも関わりはない
古代の産物恐竜にプラナリアをくっつけた最強生物はギリシャ神話にも他の神話にも登場しない
完全な想像の産物 架空の恐竜……
「偶然としか言いようがない……」
クアは歪な生物であるそれに理論が浮かんでこなかった
他四星が神であればブラスターも神であってもいいだろう?と思うだろうがブラスターは合成獣の最強生物……神々の遊戯で生まれた産物
それにしても論じるにはブラスターの情報が足りなすぎる
レックスは地方魔王として自ら命を断った
カーリー・シヴァメクトについての伝承もあの町にはなかった
いやあったのかもしれないが失われているのだろう
カーリー・シヴァメクトを継承すると言うことは過去にも半滅や全滅があったかもしれない
何処かの代で襲われと同時に焼いてしまったと言うことも考えられるだろう
リンナ達の等星が論じられたのは神力を引き出せる深淵が見えたのと共通点が見えたからだ
そんなに複雑なものでもなく家系についてもその後の話で割れている
しかしレックスに関しては引き出せると言うわけではなく魂として付与する方の神力の深淵を見た
こちらは共通点が見えず複雑で家系も割れていない
分かるのはブラスターが合成獣の能力を持つ、カーリー・シヴァメクトという継承された魔の者が居る 恐竜の名を名乗る暴力団の長をしていたぐらいだ
家系についてさえあれば多少論じられるのだろうが燃えてしまった物は修復できない
ブラスターはどこか例外なのだろう
「ブラスターは例外でも他の等星はギリシャ神話という共通点を持っている やはりギリシャ神話と関わり深いのは間違いない」
合成獣といえばキマイラだがブラスターとは関連性は見えない
獅子、山羊、蛇で成り立っているキマイラとブラスターの恐竜、プラナリアは強いて獰猛な生物と軟体な生物の融合ということしか共通点はない
カーリー・シヴァメクトに関しても人型の人成らざる破壊の塊
無理矢理伝承を引っ張るにしてもヒンドゥー教のカーリーとシヴァとカルキの合成精霊(式神)だ
レックスの家系がヒンドゥー家だったら尚更ギリシャ神話との関係性がなくなる
一つは唯一の人生を説き、もう一つはこれが多くの人生の一つだと説く
全く共通性のない二つの宗教であるヒンドゥー教とギリシャ神話
何故混じり合ったのだろう?
「神話が作られたのは同年紀元前1500年頃……インドとギリシャは関わるのには厳しい国……ロストテクノロジー?」
陸地には幾つもの国がある
陸地を歩くのは厳しい
船は紀元前4000年ぐらいにはあるらしいから海上を渡ればいけるか?という感じだ
まぁ知り合う手段もない
キリスト教+スパイス計画やインド・グリーク朝をこの時代にやってたなら繋がりはワンチャンあるかもしれないが歴史はそうなっていない
インド・グリーク朝は紀元前六世紀~二世紀ぐらいだからもしこの計画を組めるときがあったとしたらそこか
まぁだとしてもだ
フェニキアは現代までしぶとく生き延び計画を進めていた
「割れた……ここだ」
ヒンドゥー教とギリシャ神話の関係は歴史的に見ればインド・グリーク朝であるのだ
まぁだからヒンドゥー教との繋がりはそこなんだろう
わざわざブラスターのみをヒンドゥー教にしたのはフェニキアがギリシャ文字の祖先でありギリシャ教徒であったからだろう
インド・グリーク朝でフェニキアはヒンドゥー教を知り計画に組み入れた
それが推測だ
「まだ合成獣問題は解決してない 両方の教にいるキメラの中に共通点を探さなきゃ」
ヒンドゥー教のキメラ候補は幾つか出るが共通点は見つからない
謎に包まれていた
キメラ実験をしているという情報も出てきたがそれは1度置いておこう
「ヒンドゥー教の教えのこれが多くの人生の一つを間違った解釈で捉え多くの人生を一つにまとめた それがカーリー・シヴァメクトな可能性は?」
クアはそう論ずる
その解釈ならカーリーとシヴァとカルキが合成してもおかしくはない
神話を持つ神々を一つにまとめる
それは本来の世界では出来ないかもしれないが神や魔力を持った者はそれを可能とする
元々のこの世界のように魔法によって混血を生み出したり出来る
過去に魔女という存在がいたのは知っているだろうか
魔女狩りによって外のはみんな殺されてしまったのだが一部は魔力を持ち新界であるこの世界を作った
それが前のこの世界の作成理由だった
「確かにそれならカーリー・シヴァメクトの説明は出来るけど……でもブラスターの方の合成獣はどう解釈するの?」
ヒカはそう訊いた
キマイラへの共通点も質感が似てる生物程度
解釈する証拠にはならない
「んー……」
クアも解釈に迷う
ブラスターについては本当にイレギュラー
今までの考察が全部通用しない
なぜなら神話にそんな生物は存在しない
今まで理論をこんなに通せたというのにブラスターの恐竜+プラナリアの要素だけ語れない
フェニキアがアストライオスを従える理由も同じギリシャ文字を持つぐらいしか解釈されておらずそちらの方も頭を悩ませる
「神の失敗作……そうしか言えない 無理矢理理由付けをするならそれぞれの生息地と宗教が一致するぐらいだ」
恐竜は世界全体に居たと言われている
ティラノサウルスの生息地は米国でありキリスト教に通ずる
ギリシャ神話は独自の神話だったがキリスト教が出来て以来、ギリシャ神話を信仰する者は正教会へと名を変えた
つまりティラノサウルスとギリシャ神話は通ずるところがある
そしてプラナリアは世界各地に居たのだ
つまりかなり無理があるがティラノサウルス、プラナリアは関係があり尚且つギリシャ神話とも関わりが存在すると言うわけだ
「カーリー・シヴァメクトの時に使った融合論をこれにも使うならそれでも成り立ちはするけど……」
「無理があると思うがこれしか納得できる理由がない」
これでブラスターについて無理矢理だが証明が可能になった
クアとヒカはその立証の混沌さに違えていることはないか、もっと詳しく立証できないかと再度神話に読みふける
そして最後の問い フェニキアは何故下に神を用意できたのか?
言葉への信仰が形となった神霊が神を上回る
そんなこと有り得るのか?
公用語と化した英語の元になったからって信仰が神までを上回れるのか?
神は信仰程度で白旗を上げるのか?
2人の脳内にそれらが駆け巡った
それは神話に答えはない
あるとすればそれはフェニキアの頭やアストライオスの頭だ
過去のみを見つめてきたが起きたのは最近なのだ
これらは全て神話と情報を兼ね合わせた2人の推測、考察でしかない
「……見つけたい」
「そうだな」
「再度神の元へ行こう」
END
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本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
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