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地星の章

私刑で死刑囚に死刑を下します

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スサノ「イザナギにはああ言われたが本当にここに居るのか?」
スサノは周りを疑うが魔血マジッドの気は感じられない
スサノ「やっぱり居ないのか?」 

ザワザワザワザワ
カイン「昨日神血ゴッドバーが収監されたらしいな」
アブラハム「そうらしいな 俺らに勘付かれる前に俺らで殺んなきゃな」
カイン「そうだな それにしても神の方が殺す人間が多いのは本当だったのか 俺らなんてアベルとイサク殺しただけで刑務所収監だよ?噂通りなら何人殺してるのかな?あいつ」
アブラハム「多分manyは確実だろ」

スサノ「変な噂されてる?なんか雰囲気が」
スサノはその雰囲気に勘付くが何を言われてたかは察せない
スサノ「それにしてもこの空気はな 俺のことを知ってるやつが」
スサノはキョロキョロと見渡しながら作業に向かう

カイン「あいつか?」
アブラハム「噂通りなら手刀でも風を纏える者らしいがどうだか……」
カイン「1回看守から情報を奪えないかな?」
アブラハム「ウァレフォルならまだしも俺らじゃ無理だろ」
カイン「での俺らの能力を使えば行けると思う」
アブラハム(……?)
アブラハムはこの世界という発言に違和感を感じる まるで別世界から来たかのように
アブラハム「まぁ……そうだな」
カイン「そもそもの俺らの罪も俺らが悪いわけじゃねぇし」
カイン(悪いのは……この力を継承させた神……!!)
カインはそう言う思想を抱き発言する
アブラハム「そうなのか?」
アブラハムはカインと一緒に行動するのにも関わらず世界の真理に気付いていなかった
カイン「あれ知らないのか?この世界には3種類の人間がいる 普通の人間と神血ゴッドバーを持つ神の力を継承した人間と魔血マジッドを持つ悪魔の力を継承した人間の三つだ 俺ら魔血マジッドは三つ目の悪魔の力を継承している 俺らが捕まったのは前世の悪魔の罪だよ 俺らを捕まえたあの警官は神血ゴッドバーを持つ人間だったし」
カインはそうアブラハムに説明する
アブラハム「へぇー面白いじゃん それで俺らに継承された能力はなんなんだよ?」
カイン「俺は殺死First・death、お前は高信与ハルギヴトだ」
アブラハム「高信与ハルギヴト?文字通りの解釈なら高く信じる者に何かを与える能力なのか?」
カイン「解釈については俺は自分の以外知らないんだ」
アブラハム「そうなのか……」
カイン「そう落ち込むな 自分で見つければ良いんだ 意味を」
アブラハム「分かった……」

スサノ「くしゅん!……なんか噂されてる?気のせいか?」
スサノ(神血ゴッドバーであることは伝えても信じられなかったから囚人達にも伝えてないんだけどな……)
スサノはそんなことを考えながら作業を続ける
次の日
カイン「……つまりあーしてこうすればあーなって情報を盗めるって訳だ」
カインはそうアブラハムに説明する
アブラハム「なるほどな でもそしたら殺死First・deathの力に頼ることになるが良いのか?」
カイン「今のところは分からない この世界での魔力値や能力値はステータスが表示されないから魔力、能力切れが来るのか?ということもな」
アブラハム「高信与ハルギヴトが何かを付与する技だった場合そこの上限も底上げできるんじゃ?」
カイン「そうかもだけどアブラハムと俺はまだ高信与ハルギヴトの詳細を理解してないしな……賭けになるけどそれでもいいなら使え」
アブラハム「分かった…!」
カイン「じゃあ看守が門を開けたときが行動開始だ」
アブラハム「了解」
数時間後
看守「囚人番号666、665出て来い!」
カイン「……まだ出るな 近づいたら殺す」
看守「出て来いって言ってんだろ!」
アブラハム「……高信与ハルギヴト……先に預けとくよ」
アブラハムとカインは小声で会話する
看守「出て来いてめぇ!」
看守が門をこじ開け内部を見る
看守「どこだ?」
カイン「……行くぞ」
アブラハム「ああ」
壁をそって看守に見えないように外に出る
看守「ここか?あれ?」
ガチャッ!
カイン「チェックメイトっと!」
看守「!?ふざけんな!どうやって?」
アブラハム「知る筋合いはないよ」
門に鍵をかける
看守「脱g……」 
カイン「ちょっとうるさい死んで」
看守の頭部をぶん殴り気絶させる
カイン「行くぞ」
カインの能力殺死First・deathはどんな物で防がれても命中するFirstな性質と自身の攻撃値に自由に変更が可能な性質を持っている
しかし連続使用はできない
アブラハム「死んだのか?」
カイン「いや?気絶だ そんな力あげてないしな」
アブラハム「殺しとかないのか?」
カイン「コイツには後でやるべき事があるんだ」
アブラハム「へー」
ザワザワザワザワ
アブラハム「注目されてません?」
カイン「そりゃあな 下手すれば脱獄と似たような行為だしな」
アブラハム「ここから出るつもりはありますか?」
アブラハムはそう尋ねる
カイン「ねぇよ 今更……追われるとか面倒だし うちら死刑囚じゃねぇんだし刑期さえ全うすれば出れるよ わざわざ面倒なことしたくない」
アブラハム「……ねぇこれ暴行扱いされない?」
カイン「大丈夫だろ ダメージ値を負の数にすれば実質回復になるんだし」
アブラハム「出来るの?」
カイン「逆にできると思うの?この能力使うのここが初めてなんだけど…」
アブラハム「その割には手慣れてない?」
カイン「気のせいだよ気のせい」
ここでその発言をしてしまえば他の囚人に少なからず聞こえるだろう
そしたら刑務所での評価も変わる
余罪を作りたくないためそう嘘をつく
アブラハム「そうですか」
アブラハムは多分秘密があるんだろうと悟った
カイン「この牢獄で行った場所はここの収監所、作業場ぐらいか……作業場の先に警務室があったはず 警務室の場所は知ってるんだがそこに置いてあるかどうかってとこかな」
アブラハム「結構デカメなのに内装は多くないんだな」
カイン「作業場と収監所がデカいんだろうよ ここの刑務所は禁固刑と懲役刑で部屋分かれてるし結構な数が収監されてるし」
アブラハム「確かにな」
作業場
カイン「こっからどうやって警務室に向かうんだ?扉多くね?」
アブラハム「そうすね」
カインとアブラハムはそう思う
スサノ「あいつか?」
作業場にいたスサノは何かを企んでるような2人を見てそう思う
スサノ「おいこらお前ら何扉見てんだ?仕事しろ」
カイン「あ゛?」
アブラハム「うるせぇ」
スサノ「そんなんじゃ出れねぇぞ」
カイン「なんで出る気なんだよ?」
スサノ「そりゃあ誰しも出たいだろこんな所」
アブラハム「収監されてるだけで飯食えんだよ?この世の天国かって」
スサノ「だからって閉じ込められんのはちげぇだろ」
カイン「これだから陽キャは」
スサノ「はぁ!?陽キャ関係ねぇだろ!」
アブラハム「あるわボケ 陰キャはインドアの引きこもりだからこんな所余裕なんだよなぁ 最高かよ」
スサノ「犯罪の反省はしねぇのかよ?」
カイン「反省したって目には見えねぇし事実は変わんねぇんだから意味ねぇだろ」
スサノ「はぁふざけんな」
アブラハム「貴様の文句はそれで終わりか?」
スサノ「うっさいなぁ」
気付かれないように風で切り傷を入れる
スサノ(あれよく見たらこいつらの血色違くね?まさか魔血マジッド?)
スサノはそう勘付く
スサノ「そもそもてめぇらの時代は携帯ないだろ 陰キャアピールでイキんな犯罪者」
アブラハム「自分も犯罪者なのに犯罪者呼びは笑える」
アブラハムは笑顔を浮かべる 
カイン「携帯あるわボケ」 
スサノ「あ゛?嘘つくな 魔血マジッド共」
カイン「なんで知ってんだよ?」
スサノ「死ね」
回し蹴りだけで壁に2人が吹っ飛ぶ
カイン「な……なんで分かった?」
スサノ「分かるんだよな感覚的にそう言うの」
スサノは手刀を2人に向け言う
アブラハム「お前が最近来た神血ゴッドb…
プシャーッ!
スサノ「黙れ 俺は魔血マジッドを殺しに侵入した能力者だ」
カイン「ふざけんなぁぁぁぁ!!」
その罵声を聞きバタバタと足音が聞こえる
スサノ「ちっ……クソ共が来た」
風を消し作業を続行する
他の囚人もこれには驚いていたが敵に回したくないという理由で告発はしなかった
囚人たちが知らぬ存ぜぬを突き通した為、犯人が分からずカイン達の件は不起訴処分になった

カイン「くそっあいつのせいで注意された」
アブラハム「まぁあいつが神血ゴッドバーだと分かっただけいい収穫だろ 敵が確定したんだ ダメージ最大ドコんでKOだし」
カイン「それはそうだけどよダメージが大きくなると音も大きくなるからさできるだけ弱ダメージで殺したかったし」
アブラハム「看守も殺しときましょうよ そしたら敵は居ない」
カイン「正気か?生身の体で攻撃しねぇと能力発動しないんだから束で来られたら即終了だよ お前が鈍足付与とか看守達にかけられるなら別だが」
アブラハム「今のところはお前にしか付けれないみたいだ」
カイン「そうか……」

END
次回 牢獄脱出
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