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第1章……王国編
18話……身バレ
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通された会議室に入室すると、中には資料のような紙を持った人が数人待機していた。
あの資料はゴブリンキングの資料かな?
全員が席に着いたのを見てギルドマスターが口火を切った。
「さて、集まってもらって感謝する。いくつか聞きたいのだが取り急ぎ状況説明を頼みたい」
「はい。場所東大門を抜けてまっすぐ行った森の入口です。初めは数匹のゴブリンが出てくる程度でしたがいきなり大軍で現れました。それを率いていたのがホブゴブリン2匹、ゴブリンの大軍の中には石武器を持つものも多くいましたし数からしてゴブリンキング出現の可能性が高いと判断しました」
リーダーらしくリンがスラスラと答える。
「なるほど……それとパーティでの殲滅では無く単独での殲滅と聞いているのだが?」
「事実です。こちらのクリードが単独で対処しました。あたしたちは見ていただけです」
チラリとリンは俺に視線を送ってきた。
ランクとレベル上がるまではあんまり目立たないようにって方針だったはずなんだけどなぁ……
「あなたが単独で?」
「そうですね。必死に戦ってたら気が付いたらって感じです」
嘘は言ってないよ。
「そうか……では何故君が教国の聖女様と一緒に居るのか聞いてもいいかな?」
「それは……」
なんて答えたらいいの? というかやっぱりサーシャ身バレしてますやん……
目立ちたくないからソフィアとアンナに目立たない装備してもらってるとか言ってたけど思い切りバレてますやん……
「答えられないか……理由は察しているしなんなら協力してもいいとすら思っているのだが」
じっと俺の目を見つめてくるギルドマスター、さてどうしたもんかね?
「答えなければなりませんか?」
ここでサーシャが会話に入ってくる。
「出来れば知っておきたいのです。それによってはこちらも何か出来ないかと思いまして」
ギルドマスターはようやく俺から視線を外してサーシャに向き直る。
「私が王都に来ている理由はご存知で?」
「えぇ。王国の召喚する勇者に帯同して共に魔王と戦うためですよね?」
「その通りです。そしてそれは王国側から断られたという話は?」
それから少しの間サーシャとギルドマスターの会話が続いた。
中には政治的な話もあったりして中々難しい。
しかしよくギルドマスターも王国の内部事情ここまで掴んでるよな。
「ではクリード殿は勇者の1人である、ということですか」
「はい。聞いた事のない職業、他の勇者と比べると低いステータスであったため暇を出されたとのことです」
そうですよね? と俺に振ってきたので頷いておく。
「なるほど……だからクリード殿は聖女様と一緒に居られるのですね」
「私たちとしても都合が良かったので……それにクリード様はお強いですよ」
「ゴブリン100以上、ホブゴブリン2匹を1人で倒したというのが事実であればゴールドでも上位、プラチナでもおかしくありませんな」
ギルドマスターは顎に手を当てながら呟く。
そこには疑いの感情は見えず俺がソロで倒したこと自体は何故か納得しているようだ。
「提案なのですが、クリード殿にゴブリンキング捜索、討伐をお任せしてもよろしいでしょうか?」
「俺に?」
みんなの俺の強さの評価が正しいのであれば可能だって判断なのかな?
「えぇ、もちろんソロではなくパーティとして。討伐報酬は金貨4枚、クリード殿とリン殿のゴールドランク昇格、さらに他の御三方のシルバーランク昇格、いかがでしょう? もちろん捜索して発見出来なかった場合でも金貨1枚、リン殿除く全員シルバーランク昇格ということで……」
討伐成功した場合金貨4枚。
確か金貨1枚で約50万円くらいって計算してたから……約200万!
5人で割るとして1人40万……月収じゃん!
さらにゴールドランクに昇格、報酬としては十分だと思うんだけど、問題は倒せるかどうかだよね。
俺が倒せなくてもリンもいるし……ウルトもいるし問題無いかな?
「プラチナではなくゴールドですか?」
「えぇ、申し訳ありませんが流石に一足飛びにプラチナには……」
ギルドマスターは言葉通り申し訳なさそうな顔をして謝るが仕方ないと思う。
「いえ、少し気になっただけですのでお忘れください。その依頼受けるか少し相談してもよろしいでしょうか?」
「もちろんです」
ギルドマスターから許可が出たので俺たちは顔を見合わせる。
「私はいいと思います。クリード様、リン様、ウルト様が居て私とソフィアとアンナがサポートすれば問題ないかと思います」
「あたしも賛成ね。確かにゴブリンキングは強敵だけどこのパーティ倒せないわけじゃないと思う。雑魚はあたしの魔法で殲滅出来るしね」
「異存ありません」
「問題無いッス」
全員やる気だね。
リンの魔法で雑魚を殲滅してウルトに突撃させれば終わる気もするし俺も賛成かな。
「クリード様はどう思われますか?」
「いいんじゃない? ランクアップは早い方がいいと思うし聞いた限り俺たちで達成できそうだしね」
「では受けるという方向で」
短い意思確認を終えサーシャが受けると答えた。
「ありがとうございます。ではゴブリンキングについての資料を……」
ギルドマスターが資料を持った職員に目配せすると職員は俺たちの前に何枚かの資料を並べた。
「ご存知だとは思いますがゴブリンキングは単体でもゴールド上位相当の魔物です。その強さもそうですがら最大の問題は配下の数ですね。今までに確認されたゴブリンキングの配下は少なくとも150、最大数ですと500に上ります。さらに指揮官としてホブゴブリンが数匹ですね」
500か……想像以上だなぁ……
「ですが今回は他に目撃例が無く既にゴブリン150、ホブゴブリン2匹を倒していますのでそこまでの数は居ないと予想出来ます」
「そうですね……あまりこの辺りの地理には詳しくないのですが、私たちが戦った付近に大規模なゴブリンの巣になりそうな場所はあるのですか?」
サーシャの質問にギルドマスターは1枚の資料を押し出した。
「恐らく皆さんが戦闘を行なったのはこの辺りでしょう? なら……そこから少し入ったところにいくつか洞穴があります。おそらくそこかと」
「洞穴ですか……戦うには足場が悪そうですね……」
「そうですね、なのでかなり難度の高い依頼になりますね」
地図見た感じ森の入口から300メートルくらいかな?
俺が囮になって洞穴から草原まで引っ張って来るとかアリじゃない?
最悪コケて袋叩きにされてもゴブリンの攻撃ならノーダメージだし……
子供の頃は裏山が遊び場だったから多少は自然の中を走るのは慣れてるしね。田舎暮らしを舐めてはいけない。
それにコケそうになったら後ろにウルト投げて巨大化させて壁にすれば追いつかれないだろうし、ウルトが森の中でも走れるならウルトに乗って逃げれば安全だと思うし。
あ、それならウルトにリンを乗せて行って魔法ぶっぱなして貰ってから森の外に逃げるのが一番かな?
「地図見た感じ森の入口から洞穴まで200~300メートルくらいだと思うんですけど、合ってます?」
「大体それくらいですね、なにか思いつきましたか?」
「えぇいくつかは……とりあえず自分が囮になってゴブリンたちを草原に引っ張ってから倒すのが一番安全かな? と。」
俺がそう言うと場は静まり全員が考えるような顔をした。
あの資料はゴブリンキングの資料かな?
全員が席に着いたのを見てギルドマスターが口火を切った。
「さて、集まってもらって感謝する。いくつか聞きたいのだが取り急ぎ状況説明を頼みたい」
「はい。場所東大門を抜けてまっすぐ行った森の入口です。初めは数匹のゴブリンが出てくる程度でしたがいきなり大軍で現れました。それを率いていたのがホブゴブリン2匹、ゴブリンの大軍の中には石武器を持つものも多くいましたし数からしてゴブリンキング出現の可能性が高いと判断しました」
リーダーらしくリンがスラスラと答える。
「なるほど……それとパーティでの殲滅では無く単独での殲滅と聞いているのだが?」
「事実です。こちらのクリードが単独で対処しました。あたしたちは見ていただけです」
チラリとリンは俺に視線を送ってきた。
ランクとレベル上がるまではあんまり目立たないようにって方針だったはずなんだけどなぁ……
「あなたが単独で?」
「そうですね。必死に戦ってたら気が付いたらって感じです」
嘘は言ってないよ。
「そうか……では何故君が教国の聖女様と一緒に居るのか聞いてもいいかな?」
「それは……」
なんて答えたらいいの? というかやっぱりサーシャ身バレしてますやん……
目立ちたくないからソフィアとアンナに目立たない装備してもらってるとか言ってたけど思い切りバレてますやん……
「答えられないか……理由は察しているしなんなら協力してもいいとすら思っているのだが」
じっと俺の目を見つめてくるギルドマスター、さてどうしたもんかね?
「答えなければなりませんか?」
ここでサーシャが会話に入ってくる。
「出来れば知っておきたいのです。それによってはこちらも何か出来ないかと思いまして」
ギルドマスターはようやく俺から視線を外してサーシャに向き直る。
「私が王都に来ている理由はご存知で?」
「えぇ。王国の召喚する勇者に帯同して共に魔王と戦うためですよね?」
「その通りです。そしてそれは王国側から断られたという話は?」
それから少しの間サーシャとギルドマスターの会話が続いた。
中には政治的な話もあったりして中々難しい。
しかしよくギルドマスターも王国の内部事情ここまで掴んでるよな。
「ではクリード殿は勇者の1人である、ということですか」
「はい。聞いた事のない職業、他の勇者と比べると低いステータスであったため暇を出されたとのことです」
そうですよね? と俺に振ってきたので頷いておく。
「なるほど……だからクリード殿は聖女様と一緒に居られるのですね」
「私たちとしても都合が良かったので……それにクリード様はお強いですよ」
「ゴブリン100以上、ホブゴブリン2匹を1人で倒したというのが事実であればゴールドでも上位、プラチナでもおかしくありませんな」
ギルドマスターは顎に手を当てながら呟く。
そこには疑いの感情は見えず俺がソロで倒したこと自体は何故か納得しているようだ。
「提案なのですが、クリード殿にゴブリンキング捜索、討伐をお任せしてもよろしいでしょうか?」
「俺に?」
みんなの俺の強さの評価が正しいのであれば可能だって判断なのかな?
「えぇ、もちろんソロではなくパーティとして。討伐報酬は金貨4枚、クリード殿とリン殿のゴールドランク昇格、さらに他の御三方のシルバーランク昇格、いかがでしょう? もちろん捜索して発見出来なかった場合でも金貨1枚、リン殿除く全員シルバーランク昇格ということで……」
討伐成功した場合金貨4枚。
確か金貨1枚で約50万円くらいって計算してたから……約200万!
5人で割るとして1人40万……月収じゃん!
さらにゴールドランクに昇格、報酬としては十分だと思うんだけど、問題は倒せるかどうかだよね。
俺が倒せなくてもリンもいるし……ウルトもいるし問題無いかな?
「プラチナではなくゴールドですか?」
「えぇ、申し訳ありませんが流石に一足飛びにプラチナには……」
ギルドマスターは言葉通り申し訳なさそうな顔をして謝るが仕方ないと思う。
「いえ、少し気になっただけですのでお忘れください。その依頼受けるか少し相談してもよろしいでしょうか?」
「もちろんです」
ギルドマスターから許可が出たので俺たちは顔を見合わせる。
「私はいいと思います。クリード様、リン様、ウルト様が居て私とソフィアとアンナがサポートすれば問題ないかと思います」
「あたしも賛成ね。確かにゴブリンキングは強敵だけどこのパーティ倒せないわけじゃないと思う。雑魚はあたしの魔法で殲滅出来るしね」
「異存ありません」
「問題無いッス」
全員やる気だね。
リンの魔法で雑魚を殲滅してウルトに突撃させれば終わる気もするし俺も賛成かな。
「クリード様はどう思われますか?」
「いいんじゃない? ランクアップは早い方がいいと思うし聞いた限り俺たちで達成できそうだしね」
「では受けるという方向で」
短い意思確認を終えサーシャが受けると答えた。
「ありがとうございます。ではゴブリンキングについての資料を……」
ギルドマスターが資料を持った職員に目配せすると職員は俺たちの前に何枚かの資料を並べた。
「ご存知だとは思いますがゴブリンキングは単体でもゴールド上位相当の魔物です。その強さもそうですがら最大の問題は配下の数ですね。今までに確認されたゴブリンキングの配下は少なくとも150、最大数ですと500に上ります。さらに指揮官としてホブゴブリンが数匹ですね」
500か……想像以上だなぁ……
「ですが今回は他に目撃例が無く既にゴブリン150、ホブゴブリン2匹を倒していますのでそこまでの数は居ないと予想出来ます」
「そうですね……あまりこの辺りの地理には詳しくないのですが、私たちが戦った付近に大規模なゴブリンの巣になりそうな場所はあるのですか?」
サーシャの質問にギルドマスターは1枚の資料を押し出した。
「恐らく皆さんが戦闘を行なったのはこの辺りでしょう? なら……そこから少し入ったところにいくつか洞穴があります。おそらくそこかと」
「洞穴ですか……戦うには足場が悪そうですね……」
「そうですね、なのでかなり難度の高い依頼になりますね」
地図見た感じ森の入口から300メートルくらいかな?
俺が囮になって洞穴から草原まで引っ張って来るとかアリじゃない?
最悪コケて袋叩きにされてもゴブリンの攻撃ならノーダメージだし……
子供の頃は裏山が遊び場だったから多少は自然の中を走るのは慣れてるしね。田舎暮らしを舐めてはいけない。
それにコケそうになったら後ろにウルト投げて巨大化させて壁にすれば追いつかれないだろうし、ウルトが森の中でも走れるならウルトに乗って逃げれば安全だと思うし。
あ、それならウルトにリンを乗せて行って魔法ぶっぱなして貰ってから森の外に逃げるのが一番かな?
「地図見た感じ森の入口から洞穴まで200~300メートルくらいだと思うんですけど、合ってます?」
「大体それくらいですね、なにか思いつきましたか?」
「えぇいくつかは……とりあえず自分が囮になってゴブリンたちを草原に引っ張ってから倒すのが一番安全かな? と。」
俺がそう言うと場は静まり全員が考えるような顔をした。
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