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第2章……迷宮都市編
32話……サポーター
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外で眠ることになったがウルトが警戒してくれている安心感からかぐっすりと眠ることが出来て疲れはしっかり取れた。
朝食の支度の時にもちゃんと魔法を使って練習、しっかりと片付けまで魔法を使って行った。
「じゃあテントも片付けて出発しましょうか」
テントを解体しようとみんなが動き始めた時にあることを思い付いたのでリンに話してみる。
「これさ、組み立てたままウルトに積み込んだら次使う時楽じゃない?」
「出来るの? 出来るなら助かるけど……組み立てるのもバラすのも面倒なのよね」
可能ならやって欲しいようなのでウルトに確認してみると問題無いと返ってきたのでお願いする。
一瞬でテントが積み込まれこれで出発準備完了、楽でいいな。
「クリード殿、ウルト殿、ありがとうございます」
「これ結構疲れるんスよね」
このテント、というか2階層やここ安全地帯で見かけたテントもだが撥水性に優れた魔物の皮を使っていて結構思重い。
組み立てるのもバラすのも割と重労働なのだ。
その作業が無くなるのだからソフィアとアンナの喜びもわかる。
昨日俺も手伝ったけど疲れた、だから考えたってのもあるね。
「準備もできたし行きましょうか。この先は上位種も出てくるようになるから気をつけて進みましょう」
「はい!」
~リバーク迷宮第4階層~
この階層に来てからというもの、一気に戦闘機会が激増した。
1つ上の3階層では多数居た冒険者の数もかなり減っているのも原因の1つだろう。
「アンナ!」
「任せるッス!」
今も目の前ではホブゴブリン2匹とソフィア、アンナが戦っている。
ホブゴブリンが引き連れていたゴブリンたちはリンの魔法で一掃しているので今はアンナが1匹抑えてその間にソフィアがもう1匹と戦っている。
「おっと!」
俺はと言うと後ろから挟むように迫ってきたオーク3体と戦っている。
オークは2メートルを軽く超える二足歩行の魔物で顔は完全に猪だ。
見た目通りに力は強いが動きはそこまで早くない。
今は大振りに振るわれる攻撃を避けてオークの足を中心に斬りつけている。
かなり背が高いので首を狙うと隙が出来るし胸を貫くにしても肉が分厚いので抜くのが大変そうだから突きでの攻撃はしていない。
俺を無視して進まないように全てのオークに平等に攻撃しながらヘイトを稼いでいる。
「ブモォオ!」
立っていられなくなったのか1匹のオークが膝を着く。
大変狙いやすい位置に首が来たのでありがたく斬り落とす。
「ブモッ!」
「ブモォオ!」
仲間を殺られた怒りか残った2匹の攻撃が強烈になるが3体で囲っても俺にかすり傷1つ付けることは出来なかったのに2匹でどうにかなるわけも無い。
あっさりと2匹目のオークも膝を着かせて首に一撃、最後に残ったオークは俺が足を狙っているのに気付いたのかかなり足元を警戒している。
オークの注意が完全に足元に向いたのが分かったのでそれならばと接近して胸を一突き。
抜くのに苦労するかな? と思ったが案外あっさり引き抜くことが出来たのでこれからは突きも使っていこうと思う。
「リン、オークも全身売れるって言ってたよね?」
「そうね、そのまま回収しもらえると助かるわ」
「オッケー」
オークの死体をそのまま回収、その頃にはソフィアたちも戦闘を終えていたのでホブゴブリンの魔石だけ回収して先へ進む。
「しかしこの階層は魔物が多いですね」
「そうね、4階層はゴールドランクの中でも強い冒険者やプラチナランクの冒険者の狩場になってるみたいだからどうしても人が少ないのよ。その分魔物との戦闘が増えるのは自然なことね」
「4階層でゴールド上位、プラチナですか……ならここより下は……」
「魔物はどんどん強くなって狩られてないから数も増えるわね。ここから先はサーシャちゃんの出番も増えると思うわよ」
「わかりました。全力で治療します!」
そうだな、サーシャの出番ってことは誰か怪我するってことだよな。
誰も大怪我はしないよう祈っておこう。
それから少し進むと、サーシャの光源魔法に照らされて周囲の岩とは少し色の違う岩を発見した。
「リン殿、ここの岩の色が他とは違うのですが……」
「これは魔鉱石ね、それなりの値段で売れるしランク昇格ポイントも溜まるけど掘り出すのも大変だし今はいいわ」
「ウルト、この部分だけ積み込むとかは流石に無理だよね?」
手間に見合う金額にはならないっぽいけどウルトが回収出来るならしない手はない。
『可能です』
「ならお願い」
『かしこまりました』
そう短くやり取りしてウルトは魔鉱石に近付き回収を終える。
「なんかもうすごすぎて理解が追いつかないわね……」
「そうですね……」
「もう訳わかんないッスよ」
「ウルト様すごいです! なんでも出来るのですね!」
リン、ソフィア、アンナはなんとも言えない顔をしているがサーシャだけは何故かテンションが上がって大喜びだ。
ちなみに俺はリンたち寄りな感じ。
『マスター、魔鉱石の反応は覚えましたので感知可能となりました。見付けた魔鉱石は全て回収しますか?』
またとんでもない事言い出したな。
「全部はほかの冒険者に悪いから止めなさい。ところで今のでどれくらい回収したの?」
「5キロに満たない程度です」
5キロか……どれくらいで売れるんだろ?
「リン、魔鉱石ってどれくらいで売れるんだ?」
「え? そうね、キロあたり大銅貨1枚くらいだと思うけど……」
「ありがとう。ならウルト、採りすぎても価格暴落の可能性もあるからとりあえず20キロくらいまで回収しておいて」
『かしこまりました』
「それでどうやって感知するんだ? 新しいスキル取得したの?」
『いえ、【生命感知】の応用です。新しいスキルは得ていません』
絶対おかしいと思う。魔鉱石は生き物じゃないのになんで【生命感知】の応用で見付けられるんだよ……
「もうなんでもありね……」
「そうッスね……」
今までもウルトのことは考えても無駄だと思ったことは何度もあるがどうしても考えてしまうな……
戦闘面も頼りになるけどサポートの方がチートな気がするよ。
朝食の支度の時にもちゃんと魔法を使って練習、しっかりと片付けまで魔法を使って行った。
「じゃあテントも片付けて出発しましょうか」
テントを解体しようとみんなが動き始めた時にあることを思い付いたのでリンに話してみる。
「これさ、組み立てたままウルトに積み込んだら次使う時楽じゃない?」
「出来るの? 出来るなら助かるけど……組み立てるのもバラすのも面倒なのよね」
可能ならやって欲しいようなのでウルトに確認してみると問題無いと返ってきたのでお願いする。
一瞬でテントが積み込まれこれで出発準備完了、楽でいいな。
「クリード殿、ウルト殿、ありがとうございます」
「これ結構疲れるんスよね」
このテント、というか2階層やここ安全地帯で見かけたテントもだが撥水性に優れた魔物の皮を使っていて結構思重い。
組み立てるのもバラすのも割と重労働なのだ。
その作業が無くなるのだからソフィアとアンナの喜びもわかる。
昨日俺も手伝ったけど疲れた、だから考えたってのもあるね。
「準備もできたし行きましょうか。この先は上位種も出てくるようになるから気をつけて進みましょう」
「はい!」
~リバーク迷宮第4階層~
この階層に来てからというもの、一気に戦闘機会が激増した。
1つ上の3階層では多数居た冒険者の数もかなり減っているのも原因の1つだろう。
「アンナ!」
「任せるッス!」
今も目の前ではホブゴブリン2匹とソフィア、アンナが戦っている。
ホブゴブリンが引き連れていたゴブリンたちはリンの魔法で一掃しているので今はアンナが1匹抑えてその間にソフィアがもう1匹と戦っている。
「おっと!」
俺はと言うと後ろから挟むように迫ってきたオーク3体と戦っている。
オークは2メートルを軽く超える二足歩行の魔物で顔は完全に猪だ。
見た目通りに力は強いが動きはそこまで早くない。
今は大振りに振るわれる攻撃を避けてオークの足を中心に斬りつけている。
かなり背が高いので首を狙うと隙が出来るし胸を貫くにしても肉が分厚いので抜くのが大変そうだから突きでの攻撃はしていない。
俺を無視して進まないように全てのオークに平等に攻撃しながらヘイトを稼いでいる。
「ブモォオ!」
立っていられなくなったのか1匹のオークが膝を着く。
大変狙いやすい位置に首が来たのでありがたく斬り落とす。
「ブモッ!」
「ブモォオ!」
仲間を殺られた怒りか残った2匹の攻撃が強烈になるが3体で囲っても俺にかすり傷1つ付けることは出来なかったのに2匹でどうにかなるわけも無い。
あっさりと2匹目のオークも膝を着かせて首に一撃、最後に残ったオークは俺が足を狙っているのに気付いたのかかなり足元を警戒している。
オークの注意が完全に足元に向いたのが分かったのでそれならばと接近して胸を一突き。
抜くのに苦労するかな? と思ったが案外あっさり引き抜くことが出来たのでこれからは突きも使っていこうと思う。
「リン、オークも全身売れるって言ってたよね?」
「そうね、そのまま回収しもらえると助かるわ」
「オッケー」
オークの死体をそのまま回収、その頃にはソフィアたちも戦闘を終えていたのでホブゴブリンの魔石だけ回収して先へ進む。
「しかしこの階層は魔物が多いですね」
「そうね、4階層はゴールドランクの中でも強い冒険者やプラチナランクの冒険者の狩場になってるみたいだからどうしても人が少ないのよ。その分魔物との戦闘が増えるのは自然なことね」
「4階層でゴールド上位、プラチナですか……ならここより下は……」
「魔物はどんどん強くなって狩られてないから数も増えるわね。ここから先はサーシャちゃんの出番も増えると思うわよ」
「わかりました。全力で治療します!」
そうだな、サーシャの出番ってことは誰か怪我するってことだよな。
誰も大怪我はしないよう祈っておこう。
それから少し進むと、サーシャの光源魔法に照らされて周囲の岩とは少し色の違う岩を発見した。
「リン殿、ここの岩の色が他とは違うのですが……」
「これは魔鉱石ね、それなりの値段で売れるしランク昇格ポイントも溜まるけど掘り出すのも大変だし今はいいわ」
「ウルト、この部分だけ積み込むとかは流石に無理だよね?」
手間に見合う金額にはならないっぽいけどウルトが回収出来るならしない手はない。
『可能です』
「ならお願い」
『かしこまりました』
そう短くやり取りしてウルトは魔鉱石に近付き回収を終える。
「なんかもうすごすぎて理解が追いつかないわね……」
「そうですね……」
「もう訳わかんないッスよ」
「ウルト様すごいです! なんでも出来るのですね!」
リン、ソフィア、アンナはなんとも言えない顔をしているがサーシャだけは何故かテンションが上がって大喜びだ。
ちなみに俺はリンたち寄りな感じ。
『マスター、魔鉱石の反応は覚えましたので感知可能となりました。見付けた魔鉱石は全て回収しますか?』
またとんでもない事言い出したな。
「全部はほかの冒険者に悪いから止めなさい。ところで今のでどれくらい回収したの?」
「5キロに満たない程度です」
5キロか……どれくらいで売れるんだろ?
「リン、魔鉱石ってどれくらいで売れるんだ?」
「え? そうね、キロあたり大銅貨1枚くらいだと思うけど……」
「ありがとう。ならウルト、採りすぎても価格暴落の可能性もあるからとりあえず20キロくらいまで回収しておいて」
『かしこまりました』
「それでどうやって感知するんだ? 新しいスキル取得したの?」
『いえ、【生命感知】の応用です。新しいスキルは得ていません』
絶対おかしいと思う。魔鉱石は生き物じゃないのになんで【生命感知】の応用で見付けられるんだよ……
「もうなんでもありね……」
「そうッスね……」
今までもウルトのことは考えても無駄だと思ったことは何度もあるがどうしても考えてしまうな……
戦闘面も頼りになるけどサポートの方がチートな気がするよ。
応援ありがとうございます!
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