異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

文字の大きさ
37 / 266
第2章……迷宮都市編

32話……サポーター

しおりを挟む
 外で眠ることになったがウルトが警戒してくれている安心感からかぐっすりと眠ることが出来て疲れはしっかり取れた。

 朝食の支度の時にもちゃんと魔法を使って練習、しっかりと片付けまで魔法を使って行った。

「じゃあテントも片付けて出発しましょうか」

 テントを解体しようとみんなが動き始めた時にあることを思い付いたのでリンに話してみる。

「これさ、組み立てたままウルトに積み込んだら次使う時楽じゃない?」
「出来るの?  出来るなら助かるけど……組み立てるのもバラすのも面倒なのよね」

 可能ならやって欲しいようなのでウルトに確認してみると問題無いと返ってきたのでお願いする。

 一瞬でテントが積み込まれこれで出発準備完了、楽でいいな。

「クリード殿、ウルト殿、ありがとうございます」
「これ結構疲れるんスよね」

 このテント、というか2階層やここ安全地帯で見かけたテントもだが撥水性に優れた魔物の皮を使っていて結構思重い。
 組み立てるのもバラすのも割と重労働なのだ。
 その作業が無くなるのだからソフィアとアンナの喜びもわかる。
 昨日俺も手伝ったけど疲れた、だから考えたってのもあるね。

「準備もできたし行きましょうか。この先は上位種も出てくるようになるから気をつけて進みましょう」
「はい!」


 ~リバーク迷宮第4階層~

 この階層に来てからというもの、一気に戦闘機会が激増した。
 1つ上の3階層では多数居た冒険者の数もかなり減っているのも原因の1つだろう。

「アンナ!」
「任せるッス!」

 今も目の前ではホブゴブリン2匹とソフィア、アンナが戦っている。
 ホブゴブリンが引き連れていたゴブリンたちはリンの魔法で一掃しているので今はアンナが1匹抑えてその間にソフィアがもう1匹と戦っている。

「おっと!」

 俺はと言うと後ろから挟むように迫ってきたオーク3体と戦っている。
 オークは2メートルを軽く超える二足歩行の魔物で顔は完全に猪だ。
 見た目通りに力は強いが動きはそこまで早くない。

 今は大振りに振るわれる攻撃を避けてオークの足を中心に斬りつけている。
 かなり背が高いので首を狙うと隙が出来るし胸を貫くにしても肉が分厚いので抜くのが大変そうだから突きでの攻撃はしていない。

 俺を無視して進まないように全てのオークに平等に攻撃しながらヘイトを稼いでいる。

「ブモォオ!」

 立っていられなくなったのか1匹のオークが膝を着く。
 大変狙いやすい位置に首が来たのでありがたく斬り落とす。

「ブモッ!」
「ブモォオ!」

 仲間を殺られた怒りか残った2匹の攻撃が強烈になるが3体で囲っても俺にかすり傷1つ付けることは出来なかったのに2匹でどうにかなるわけも無い。

 あっさりと2匹目のオークも膝を着かせて首に一撃、最後に残ったオークは俺が足を狙っているのに気付いたのかかなり足元を警戒している。

 オークの注意が完全に足元に向いたのが分かったのでそれならばと接近して胸を一突き。

 抜くのに苦労するかな?  と思ったが案外あっさり引き抜くことが出来たのでこれからは突きも使っていこうと思う。

「リン、オークも全身売れるって言ってたよね?」
「そうね、そのまま回収しもらえると助かるわ」
「オッケー」

 オークの死体をそのまま回収、その頃にはソフィアたちも戦闘を終えていたのでホブゴブリンの魔石だけ回収して先へ進む。

「しかしこの階層は魔物が多いですね」
「そうね、4階層はゴールドランクの中でも強い冒険者やプラチナランクの冒険者の狩場になってるみたいだからどうしても人が少ないのよ。その分魔物との戦闘が増えるのは自然なことね」
「4階層でゴールド上位、プラチナですか……ならここより下は……」
「魔物はどんどん強くなって狩られてないから数も増えるわね。ここから先はサーシャちゃんの出番も増えると思うわよ」
「わかりました。全力で治療します!」

 そうだな、サーシャの出番ってことは誰か怪我するってことだよな。
 誰も大怪我はしないよう祈っておこう。

 それから少し進むと、サーシャの光源魔法に照らされて周囲の岩とは少し色の違う岩を発見した。

「リン殿、ここの岩の色が他とは違うのですが……」
「これは魔鉱石ね、それなりの値段で売れるしランク昇格ポイントも溜まるけど掘り出すのも大変だし今はいいわ」
「ウルト、この部分だけ積み込むとかは流石に無理だよね?」

 手間に見合う金額にはならないっぽいけどウルトが回収出来るならしない手はない。

『可能です』
「ならお願い」
『かしこまりました』

 そう短くやり取りしてウルトは魔鉱石に近付き回収を終える。

「なんかもうすごすぎて理解が追いつかないわね……」
「そうですね……」
「もう訳わかんないッスよ」
「ウルト様すごいです!  なんでも出来るのですね!」

 リン、ソフィア、アンナはなんとも言えない顔をしているがサーシャだけは何故かテンションが上がって大喜びだ。
 ちなみに俺はリンたち寄りな感じ。

『マスター、魔鉱石の反応は覚えましたので感知可能となりました。見付けた魔鉱石は全て回収しますか?』

 またとんでもない事言い出したな。

「全部はほかの冒険者に悪いから止めなさい。ところで今のでどれくらい回収したの?」
「5キロに満たない程度です」

 5キロか……どれくらいで売れるんだろ?

「リン、魔鉱石ってどれくらいで売れるんだ?」
「え?  そうね、キロあたり大銅貨1枚くらいだと思うけど……」
「ありがとう。ならウルト、採りすぎても価格暴落の可能性もあるからとりあえず20キロくらいまで回収しておいて」
『かしこまりました』
「それでどうやって感知するんだ?  新しいスキル取得したの?」
『いえ、【生命感知】の応用です。新しいスキルは得ていません』

 絶対おかしいと思う。魔鉱石は生き物じゃないのになんで【生命感知】の応用で見付けられるんだよ……

「もうなんでもありね……」
「そうッスね……」

 今までもウルトのことは考えても無駄だと思ったことは何度もあるがどうしても考えてしまうな……

 戦闘面も頼りになるけどサポートの方がチートな気がするよ。
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~

下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。 二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。 帝国は武力を求めていたのだ。 フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。 帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。 「ここから逃げて、田舎に籠るか」 給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。 帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。 鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。 「私も連れて行ってください、お兄様」 「いやだ」 止めるフェアに、強引なマトビア。 なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。 ※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

処理中です...