異世界勇者のトラック無双。トラック運転手はトラックを得て最強へと至る(トラックが)

愛飢男

文字の大きさ
90 / 266
第4章……グリエル奪還編

84話……勇者は苦手

しおりを挟む
 ウルトを元のサイズに戻して勇者たちを乗り込ませる。

 ウルトを見た勇者たちはおぉ……とかほんとにトラックだ……などと呟いていたが気にしない。早く乗れ。

 勇者たちを後ろの観音扉から乗り込ませて俺は運転席へ、あまり話したくないので運転しているふりをしようと思う。
 話は……まぁリンあたりが上手く聞き出してくれることを願おうかな……

 運転席のドアから乗り込むと助手席にはケイトが座っていてシートベルトも締めて何時でも出発して大丈夫な状態で俺を待っていた。

 勇者たちはまだ立ったままでキョロキョロとウルトの車内を見ているので雲泥の差だと思う。

 サーシャたちも荷台前方のベンチシートに座って待っているので勇者たちだけが立っている。早く座れよ。

「ねぇ……」
「とりあえず座ろうか、話は移動中でも出来るから」

 勇者が話しかけてきたがいいから座れよ。
 揺れたりしないから立ってても大丈夫ではあるけどもし万が一バランスを崩してコケたりでもしたら文句を言われそうなので大人しく座らせる。

「全員座ったな?  じゃあ出発するから」

 ハンドルを握りアクセルを踏み込む。
 電気自動車もかくやという静音性でウルトはゆっくりと走り始めた。

 移動を開始してすぐに勇者はサーシャに声を掛けていた。
 ミスリルランク冒険者なんて辞めて勇者パーティに入らないか?  などとふざけた事を仰っている。

 これは運転席に座るのは間違いだったかな……

 サーシャはニコニコと躱し上手いこと断ってくれたので安心した。
 その後は勇者の相手をせずにあっちの聖女……名前なんだったかな?  と話し込んでいる。
 内容は聞こえないが2人して真剣な顔で話し合っているので大切なことなんだろう。

 様子を見ていると勇者パーティの男どもがウチの女性陣に話し掛けているが相手にされてない模様、見ていてとても面白かった。
 こいつらチャラいというか軽いというか……

 結局俺は運転席に座ったのが正解なのか不正解なのか?  と考えているうちに目的地付近に到着、あと15分もしないうちに目的地の森にたどり着くだろう。

「もうすぐ着くけど……準備は大丈夫か?」
「え?  もう?」

 俺の声掛けに慌てて装備の確認を始める勇者たち。大丈夫か?

「あー……作戦は理解してるよな?  光乃くんたち降ろしたら俺たちは周りのカブトムシ……フライングビートル片付けて迷宮から出てくるフライングビートル倒しに行くから」
「そうなんですか?  一緒に戦うのかと……」
「おい英雄!」

 なんか勇者くんだけが理解していない模様、聖騎士らしい大柄な男子と賢者っぽい小柄な男子に咎めるような目で見られている。

 女性陣は……あぁ、男子たちが自分たちを放って他所の女性に声掛けまくってたからか若干不機嫌そうだ。
 これ大丈夫か?

 不安には思うけど作戦変更する訳にもいかないし……殲滅はウルトに任せて俺だけでも同行するべきか?

「クリード、考えていることは分かるけど……ここは任せましょう。グレートビートルも倒せないようじゃ魔王なんて夢のまた夢、勇者たちだけでやらせるべきだわ」
「リン……それもわかるけどもし何かあったら……」

 リンは首を横に振り俺の言葉を制する。

「ダメよ、やらせなさい」
「分かったよ」

 何を言ってもダメそうだし俺が折れることにする。
 まぁなんかガーシュでは嫌われてるっぽいし挽回のためにも勇者たちだけでやらせた方がいいかもしれないね。

 俺たちが手伝っちゃったら勇者とは?  ってなるだろうし、手を貸しといて勇者たちだけで倒しましたって嘘つくのもはばかられるしね。

 そんなこんなで森に到着、降りてすぐ襲われないように周りのカブトムシをウルトで殲滅してから勇者たちを降ろして俺たちは森の周りに居るカブトムシの殲滅へと向かった。


 ~参考データ~

 勇者パーティステータス


 名前……光乃英雄  レベル37
 職業……勇者
 年齢……17
 生命力……A  魔力……A  筋力……A  素早さ……A  耐久力……A  魔攻……A  魔防……A

 スキル
【神器召喚】【魔法適性(光、雷)】【剣術】【鉄壁】【剛腕剛撃】【限界突破】【ブースト】【魔力撃】【身体強化】【疾風加速】【見切り】【知覚強化】【回復力強化】

 ◇◆

 名前……徳之島賢人  レベル35
 職業……賢者
 年齢……18
 生命力……B  魔力……S  筋力……C  素早さ……B  耐久力……C  魔攻……S  魔防……A

 スキル
【魔杖召喚】【魔法適性(全)】【魔力極大ブースト】【トリプルマジック】【魔力吸収】【魔法威力上昇(極)】【魔力感知】【合成魔法】

 ◇◆

 名前……媛野愛子  レベル36
 職業……剣聖
 年齢……16
 生命力……A  魔力……C  筋力……S  素早さ……A+   耐久力……A  魔攻……D  魔防……C

 スキル
【魔剣召喚】【剣術(上)】【闘気剣】【気配察知】【金剛力】
【疾風加速】【魔力撃】【直感強化】【身体強化(大)】【弱点看破】

 ◇◆

 名前……高瀬知也  レベル35
 職業……聖騎士
 年齢……17
 生命力……A+  魔力……C  筋力……A  素早さ……B  耐久力……S  魔攻……D  魔防……B

 スキル
【聖盾召喚】【盾術(上)】【魔法適性(光)】【鉄壁】【闘気盾】【気配察知】【不動】【衝撃緩和】【挑発】【攻撃反射】

 ◇◆

 名前……逆川香織  レベル34
 職業……忍者
 年齢……15
 生命力……B  魔力……C  筋力……C  素早さ……S  耐久力……C  魔攻……D  魔防……C

 スキル
【暗器召喚】【投擲】【隠密】【五感強化】【韋駄天】【弱点看破】【気配察知】【忍術】【知覚強化】【アイテムボックス】【見切り】【弱点看破】【魔力察知】

 ◇◆

 名前……ベラ  レベル9
 職業……聖女
 年齢……13
 生命力……D  魔力……C  筋力……E  素早さ……E  耐久力……E  魔攻……D  魔防……D

 スキル
【魔法適性(聖、光)】【聖なる護り】【聖女の祈り】【浄化の光】
しおりを挟む
感想 194

あなたにおすすめの小説

元皇子の寄り道だらけの逃避行 ~幽閉されたので国を捨てて辺境でゆっくりします~

下昴しん
ファンタジー
武力で領土を拡大するベギラス帝国に二人の皇子がいた。魔法研究に腐心する兄と、武力に優れ軍を指揮する弟。 二人の父である皇帝は、軍略会議を軽んじた兄のフェアを断罪する。 帝国は武力を求めていたのだ。 フェアに一方的に告げられた罪状は、敵前逃亡。皇帝の第一継承権を持つ皇子の座から一転して、罪人になってしまう。 帝都の片隅にある独房に幽閉されるフェア。 「ここから逃げて、田舎に籠るか」 給仕しか来ないような牢獄で、フェアは脱出を考えていた。 帝都においてフェアを超える魔法使いはいない。そのことを知っているのはごく限られた人物だけだった。 鍵をあけて牢を出ると、給仕に化けた義妹のマトビアが現れる。 「私も連れて行ってください、お兄様」 「いやだ」 止めるフェアに、強引なマトビア。 なんだかんだでベギラス帝国の元皇子と皇女の、ゆるすぎる逃亡劇が始まった──。 ※カクヨム様、小説家になろう様でも投稿中。

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合

鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。 国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。 でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。 これってもしかして【動物スキル?】 笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

【完結】異世界で魔道具チートでのんびり商売生活

シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!

処理中です...