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一章:賢者と精霊とスローライフ
プロローグ:賢者と勇者とパーティ追放
しおりを挟む賢者は、勇者のパーティを追放された。
追放された理由に、賢者は納得が行かなかったが、
勇者の動機が理解できないわけではない。
結局のところ勇者とて、ひとりの人間だということだ。
「仕方ない」
賢者は、勇者たちの元を去り、
ため息をつきながら、森へと向かう。
そこは、精霊が暮らす辺境の森。
モンスターが群れる戦場を離れ、街の喧噪を離れ、
賢者は静かに暮らしたい気分だったのだ。
鬱蒼と生い茂る森の中に入ると、賢者はまず精霊を探す。
賢者が森で暮らしていくために、精霊の力を借りたいからだ。
科学が未発達のこの世界で、精霊の力は、
生活の基本的なインフラを構成している。
薪なしで火を起こしたり、水を飲めるように浄化したりと。
不便な生活でもいいのなら、絶対必須というわけでもないのだが、
賢者は引退したとはいえ、自由で優雅な生活を望んでいたので、
精霊の協力はぜひとも得ておきたかったのだ。
「あれは……?」
草を掻き分けて進んでいくと、森の奥で精霊を見つけた。
精霊が人間の姿を見ると、
逃げてしまうこともあるし、攻撃してくることもある。
だから、精霊の協力を得られる人間は、ごく限られている。
はたして、賢者は精霊の協力を得られるのか……?
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