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一章 第四皇子、白百合との婚姻を命じらる。
1-7 つがいに授ける聖旨
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瓔偲の口から滔滔と語られたのは、どうやら、戸部の仕事に関する話のようだ。意外な成り行きに、燎琉は虚を突かれた。
しかし、瓔偲と鵬明との関係を思えば、彼の口から出た文言も、ある意味、当然のものなのかもしれない。
鵬明は現在、戸部の員外郎――国家の財務を掌る部署の、員外郎とは第四席の役職である――として、国府に勤めている身である。そして、郭瓔偲は、その鵬明の直属の部下なのだと燎琉は聞いていた。
だから、いま目の前で繰り広げられた遣り取りは、きっと彼らにとっては日常のそれそのもの。別段、何も奇異なものではなかったのだろう。
だが、燎琉との婚姻が内々に決まり、叔父の預りとなっている人物が、まさかそこでいまなお職務に当たっていようとは、燎琉は欠片ほども想像していなかった。だから、正直、面食らってしまったのだ。
しかし、そんな燎琉の様子を、瓔偲は――すくなくとも表面上は――気にするふうもない。書卓の端にあった一冊の帳面を、白い手指で、流れるように優雅に持ち上げた。
すらりとした立ち姿が、そのまま、ゆっくりと叔父のほうへと歩み寄ってくる。
彼が纏っている深衣が、その歩みに合わせて、さらさらと衣擦れの音を立てた。
また、ふわり、と、百合の香が辺りに漂ったような錯覚を覚える。
それに眩まされるかのように、燎琉は瓔偲が帳面を鵬明に手渡す様子を、ぼう、と、眺めていた。
「瓔偲」
鵬明が部下を呼ぶ。
その叔父の声で、燎琉もはっと我に返った。
気づけば鵬明が、彼の隣に立つ燎琉のほうへと視線をくれていて、瓔偲にもまたこちらを向くよう促していた。
燎琉と瓔偲は再び正面から向き合うことになる。
物怖じすることなく真っ直ぐに燎琉を見詰めるその黒曜石の眸は、燎琉より、ほんのわずかばかり低い位置にあった。
姿態は細いものの、決して頼みないというほどではない。白い瞼の下には意志の強そうな黒眸がのぞいていたが、それは不思議ときつい印象を与えなかった。
だからだろうか、瓔偲の双眸を燎琉は思わずじっと覗き込んでいる。
静かで、澄んでいて、とてもきれいだ。
もの言わず燎琉に注がれる視線を受け止め、こちらも彼を見詰め返しているうちに、またしてもぼうとなっていた。
無意識のうちに、ふらり、と、手が持ち上がっている。気づけばそれを瓔偲のほうへと伸ばしている。白い頬に手指が触れた瞬間、ひやり、と、意外な冷たさに、燎琉ははっとした。
慌てて、手を離す。
「す、すまない……その」
なぜそんなことをしてしまったのか、自分でもわかりかねて、気まずさから目を逸らす。瓔偲は、いえ、と、こちらの動揺がかえって恥ずかしくなるくらいに平坦な声で応じた。
「瓔偲、こいつは陛下の第四皇子・朱燎琉だ」
鵬明が瓔偲に告げる。
「内々に話しておいたあの件だ。――さあ、跪いて……陛下の聖旨を享けなさい」
鵬明に促された瓔偲は、躊躇う素振りもなく、言われた通りに燎琉の前に膝をついた。
深く頭を垂れる相手の姿を目にして、ようやく、燎琉はここへ来た目的を思い出す。
そう、いま自分は、皇帝の聖旨を――自分たちふたりの婚姻に関する勅を――授けるために、瓔偲のもとを訪っているのだった。
そう思い、やや焦りつつも懐から煌びやかな錦張りの台紙に挟んだ書を取り出した。
披けば、力強い墨の跡が目に入る。そこには、形式に則った文言が綴られていた。
「天命を享けて勅を下す。――戸部書吏・郭瓔偲は、品行方正にして職務にも忠実である。国への献身の甚だたるによって、ここに、第四皇子・朱燎琉の妃として、これを封ずるものとする……欽此」
燎琉は聖旨を形通りに読み上げる。読み終えた書を台紙に挟み直して差し出すと、跪いて首を垂れたままの体勢で、瓔偲は両手を前に出した。
そこに書を載せてやる。相手は恭しく、それを押し戴き、そのまま、深々と拝礼した。
「聖恩に感謝いたします」
これもまた形式の通りに返された言葉だ――……けれどもその声には、いったい、どんな感情が宿っていたものだろうか。
「……立て」
燎琉は叩頭したままで動かない相手に声を掛けた。無意識に手を貸そうとしていたが、自分のその行動に戸惑って、慌てて出しかけた手を引っ込める。
そんな燎琉の動揺に気づいているのかどうか、瓔偲は顔色ひとつ変えぬまま、結局は自分ひとりですっと立ち上がった。
また相手の黒眸が燎琉を真直ぐに見詰める。はた、はたり、と、相手が緩慢に瞬く様から、なぜだか視線を外せなかった。
しばらく互いに見詰め合うふうになったが、やがて瓔偲が、ほう、と、息をついた。
ふ、と、またかすかに百合が香ったようだ。
「……あ」
燎琉はちいさく声を上げている。
けれどもそれは、まるで意味を成さぬ溜め息のような声でしかなかった。
どうしていいかわからぬままに立ち尽くしていると、そんなこちらの様子を見ていた叔父の鵬明が――いったいどういう意図のそれかはわからないが――くつくつ、と、喉を鳴らした。
「なんだ、己のつがいに、いまさら一目惚れでもしたのか、燎琉」
こそ、と、こちらの耳許に囁きかけてくる。
「っ、そんなわけが……!」
燎琉はややむきになって反発したが、鵬明はくつくつと喉を鳴らすばかりだった。
「冗談はさておき……なあ、我が甥どの」
叔父は改めてこちらを呼ぶ。
「椒桂殿で用意が調えられるなら、このまま瓔偲を連れて帰らないか?」
唐突にそんなことを言った。
「え?」
「なに、発情期も終わったことだし、別にいいだろう。こっちとしては、いつまでも他人のつがいを預かっておくのもなんだしな」
「は? いや、そんな急に言われても……!」
「これの生活は、この先、がらりと変わる。早く慣れさせてやってほしいが、いかぬか。――ああ、ちなみに、心配せずとも陛下の許可は下りているぞ。私が取りつけた」
最後にはそう逃げ道を塞ぐように告げられて、燎琉は叔父の用意周到がいっそ憎らしくなる。が、それよりもなによりも、戸惑いが大きかった。
もちろん、椒桂殿のほうの用意なら――多少の無理をすれば――調わぬことはないだろう。けれども、燎琉の心の準備のほうが、いまはまだまるで整えられていないのだ。
なんだろう――……奇妙に胸がざわついている。
目の前に立つこの人を、このまま、我が殿舎に迎え入れる。やがて伴侶になる人物として。いまやすでにつがいである相手として――……それが現実だという感覚を、まるで持てなかった。
しかし、うらはらに、そうと考えるだけでも妙にきもちが昂ってくるのだ。
いったい、これは、なんだろう。なぜなのだろう。
相手の顔をまともに見ていられない。それでも相手の反応は気にかかるから、ちら、と、覗き見るように瓔偲のほうを窺った。
その瞬間、燎琉の視線に気づいた瓔偲がこちらを見る。
その彼の口許が、ふわ、と――まるで春先に花の莟がそっと綻ぶときみたいに――ゆるんだ。
「殿下のお邪魔をせぬよう、努めます」
やわらかな声音が、そんな言葉を紡ぎ出す。
一拍遅れて、燎琉は相手がこちらに向けてちいさく笑んだのだと気がついた。
胸の奥が、ことん、と、奇妙な鼓動をひとつ刻んだ。
これはなんだ、と、また焦って視線を逸らした。
「益体もない我が身ではございますが、どうぞ宜しくお願いいたします……燎琉殿下」
瓔偲は深々と頭を下げた。そのとき、さらりと黒髪が流れ、白い項が顕わになる。
そこに、ふと、生々しい咬み痕が――燎琉が彼をつがいにしたその証が――のぞいた。
それが視界の端を掠めた刹那、同時に、気高く上品な百合のような芳香が漂い、そっとこちらの鼻腔を擽った。
しかし、瓔偲と鵬明との関係を思えば、彼の口から出た文言も、ある意味、当然のものなのかもしれない。
鵬明は現在、戸部の員外郎――国家の財務を掌る部署の、員外郎とは第四席の役職である――として、国府に勤めている身である。そして、郭瓔偲は、その鵬明の直属の部下なのだと燎琉は聞いていた。
だから、いま目の前で繰り広げられた遣り取りは、きっと彼らにとっては日常のそれそのもの。別段、何も奇異なものではなかったのだろう。
だが、燎琉との婚姻が内々に決まり、叔父の預りとなっている人物が、まさかそこでいまなお職務に当たっていようとは、燎琉は欠片ほども想像していなかった。だから、正直、面食らってしまったのだ。
しかし、そんな燎琉の様子を、瓔偲は――すくなくとも表面上は――気にするふうもない。書卓の端にあった一冊の帳面を、白い手指で、流れるように優雅に持ち上げた。
すらりとした立ち姿が、そのまま、ゆっくりと叔父のほうへと歩み寄ってくる。
彼が纏っている深衣が、その歩みに合わせて、さらさらと衣擦れの音を立てた。
また、ふわり、と、百合の香が辺りに漂ったような錯覚を覚える。
それに眩まされるかのように、燎琉は瓔偲が帳面を鵬明に手渡す様子を、ぼう、と、眺めていた。
「瓔偲」
鵬明が部下を呼ぶ。
その叔父の声で、燎琉もはっと我に返った。
気づけば鵬明が、彼の隣に立つ燎琉のほうへと視線をくれていて、瓔偲にもまたこちらを向くよう促していた。
燎琉と瓔偲は再び正面から向き合うことになる。
物怖じすることなく真っ直ぐに燎琉を見詰めるその黒曜石の眸は、燎琉より、ほんのわずかばかり低い位置にあった。
姿態は細いものの、決して頼みないというほどではない。白い瞼の下には意志の強そうな黒眸がのぞいていたが、それは不思議ときつい印象を与えなかった。
だからだろうか、瓔偲の双眸を燎琉は思わずじっと覗き込んでいる。
静かで、澄んでいて、とてもきれいだ。
もの言わず燎琉に注がれる視線を受け止め、こちらも彼を見詰め返しているうちに、またしてもぼうとなっていた。
無意識のうちに、ふらり、と、手が持ち上がっている。気づけばそれを瓔偲のほうへと伸ばしている。白い頬に手指が触れた瞬間、ひやり、と、意外な冷たさに、燎琉ははっとした。
慌てて、手を離す。
「す、すまない……その」
なぜそんなことをしてしまったのか、自分でもわかりかねて、気まずさから目を逸らす。瓔偲は、いえ、と、こちらの動揺がかえって恥ずかしくなるくらいに平坦な声で応じた。
「瓔偲、こいつは陛下の第四皇子・朱燎琉だ」
鵬明が瓔偲に告げる。
「内々に話しておいたあの件だ。――さあ、跪いて……陛下の聖旨を享けなさい」
鵬明に促された瓔偲は、躊躇う素振りもなく、言われた通りに燎琉の前に膝をついた。
深く頭を垂れる相手の姿を目にして、ようやく、燎琉はここへ来た目的を思い出す。
そう、いま自分は、皇帝の聖旨を――自分たちふたりの婚姻に関する勅を――授けるために、瓔偲のもとを訪っているのだった。
そう思い、やや焦りつつも懐から煌びやかな錦張りの台紙に挟んだ書を取り出した。
披けば、力強い墨の跡が目に入る。そこには、形式に則った文言が綴られていた。
「天命を享けて勅を下す。――戸部書吏・郭瓔偲は、品行方正にして職務にも忠実である。国への献身の甚だたるによって、ここに、第四皇子・朱燎琉の妃として、これを封ずるものとする……欽此」
燎琉は聖旨を形通りに読み上げる。読み終えた書を台紙に挟み直して差し出すと、跪いて首を垂れたままの体勢で、瓔偲は両手を前に出した。
そこに書を載せてやる。相手は恭しく、それを押し戴き、そのまま、深々と拝礼した。
「聖恩に感謝いたします」
これもまた形式の通りに返された言葉だ――……けれどもその声には、いったい、どんな感情が宿っていたものだろうか。
「……立て」
燎琉は叩頭したままで動かない相手に声を掛けた。無意識に手を貸そうとしていたが、自分のその行動に戸惑って、慌てて出しかけた手を引っ込める。
そんな燎琉の動揺に気づいているのかどうか、瓔偲は顔色ひとつ変えぬまま、結局は自分ひとりですっと立ち上がった。
また相手の黒眸が燎琉を真直ぐに見詰める。はた、はたり、と、相手が緩慢に瞬く様から、なぜだか視線を外せなかった。
しばらく互いに見詰め合うふうになったが、やがて瓔偲が、ほう、と、息をついた。
ふ、と、またかすかに百合が香ったようだ。
「……あ」
燎琉はちいさく声を上げている。
けれどもそれは、まるで意味を成さぬ溜め息のような声でしかなかった。
どうしていいかわからぬままに立ち尽くしていると、そんなこちらの様子を見ていた叔父の鵬明が――いったいどういう意図のそれかはわからないが――くつくつ、と、喉を鳴らした。
「なんだ、己のつがいに、いまさら一目惚れでもしたのか、燎琉」
こそ、と、こちらの耳許に囁きかけてくる。
「っ、そんなわけが……!」
燎琉はややむきになって反発したが、鵬明はくつくつと喉を鳴らすばかりだった。
「冗談はさておき……なあ、我が甥どの」
叔父は改めてこちらを呼ぶ。
「椒桂殿で用意が調えられるなら、このまま瓔偲を連れて帰らないか?」
唐突にそんなことを言った。
「え?」
「なに、発情期も終わったことだし、別にいいだろう。こっちとしては、いつまでも他人のつがいを預かっておくのもなんだしな」
「は? いや、そんな急に言われても……!」
「これの生活は、この先、がらりと変わる。早く慣れさせてやってほしいが、いかぬか。――ああ、ちなみに、心配せずとも陛下の許可は下りているぞ。私が取りつけた」
最後にはそう逃げ道を塞ぐように告げられて、燎琉は叔父の用意周到がいっそ憎らしくなる。が、それよりもなによりも、戸惑いが大きかった。
もちろん、椒桂殿のほうの用意なら――多少の無理をすれば――調わぬことはないだろう。けれども、燎琉の心の準備のほうが、いまはまだまるで整えられていないのだ。
なんだろう――……奇妙に胸がざわついている。
目の前に立つこの人を、このまま、我が殿舎に迎え入れる。やがて伴侶になる人物として。いまやすでにつがいである相手として――……それが現実だという感覚を、まるで持てなかった。
しかし、うらはらに、そうと考えるだけでも妙にきもちが昂ってくるのだ。
いったい、これは、なんだろう。なぜなのだろう。
相手の顔をまともに見ていられない。それでも相手の反応は気にかかるから、ちら、と、覗き見るように瓔偲のほうを窺った。
その瞬間、燎琉の視線に気づいた瓔偲がこちらを見る。
その彼の口許が、ふわ、と――まるで春先に花の莟がそっと綻ぶときみたいに――ゆるんだ。
「殿下のお邪魔をせぬよう、努めます」
やわらかな声音が、そんな言葉を紡ぎ出す。
一拍遅れて、燎琉は相手がこちらに向けてちいさく笑んだのだと気がついた。
胸の奥が、ことん、と、奇妙な鼓動をひとつ刻んだ。
これはなんだ、と、また焦って視線を逸らした。
「益体もない我が身ではございますが、どうぞ宜しくお願いいたします……燎琉殿下」
瓔偲は深々と頭を下げた。そのとき、さらりと黒髪が流れ、白い項が顕わになる。
そこに、ふと、生々しい咬み痕が――燎琉が彼をつがいにしたその証が――のぞいた。
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