魔眼がみつめるこの世界~転生した私は好きに生きる。だから聖女にはなりたくない~

悪転

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1年の長期休暇後のルセリア

78話 新たな出会い

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長期休暇も終わり、学園が再開した。

久しぶりに見る生徒達は、やけて肌が変色している子や少し疲れぎみな子、目の下にクマが出来ている子などいろいろ休暇前と変わった子がみれた。もちろん、変わっていない

子もいる。約一か月で変わることもないがそれでも、子供の一か月は大人の一か月とは違うと前世の記憶がある私は思う。



教室に向かうまでに見知った生徒たちを見ながら教室にはいる。



「ごきげんよう。皆さん。」



久ぶりに入る教室は、なぜか気恥ずかしいように感じる。私が挨拶をすると、すでに教室にいた生徒達も、「おはようございます」「お元気でしたか?」「お変わりない言うで」など挨拶を返してくれた。

自分の席に座ると、既に席に座ってきたリーネットが話しかけてきた。



「ルセシア様、今日からまたよろしくお願いします」

「こちらこそ、よろしくリーネットさん」



数日前に会っているが、学園で会うのは久しぶりだから、改めてあいさつしたのだろう。

その後、王子達も教室に入ってきて、クラス全員がそろうとロバート先生が入ってきて挨拶をした。

長期休暇の課題をそれぞれ提出して今後の学園の流れを説明して先生の話は終わった。

そのあとは、体育館に移動し、学園長の長い話を聞いた後に教室に戻り、今日は半日で学校が終わった。一日あると思った私は夕方迎えに来てと、伝えたので、帰りの馬車がない状態だ。

そのため、夕方まで待つのもどうかと思った私は、屋敷まで歩いて帰ることにした。友達にお願いして、馬車に乗せてもらってもよかったが、久しぶりに王都の街を歩いてみたいと思ったから、あえてお願いはしなかった。



そんなわけで、今私は一人、王都の街を歩いて帰っている。一人で学校から帰るというのがすごく新鮮でいつも送り迎えの馬車の中で眺めるだけだったお店や建物をゆっくり観察しながら歩いている。

転生する前の私は、旅行と言っても現地では乗り物は使わず、いけるところは歩ていた。

お金がもったいないということもあったが、歩いてその場を景色を見るということが好きだった。

ただ、ホテルや帰りのフェリーでは、足が棒になって、自身でよくもんでいた。



そんなことを思い出しながら、歩いていると、前から男の子が走ってくる。追われているような必死な顔で走っている。ちょうど私の横を走りすぎたとき、男の子と私の目が合った。すると男の子は走る方向を変え建物と建物の間に入り身を隠した。しばらくして、少しガラの悪い大人数人が男の子が走ってきた方向から走ってくる。息を切らしながら、あたりを見回しながら走ってくる。

そのまま私の横を走りぬけていこうとして止まり



「そこのお前!」

なぜか大人の一人が、私に声をかけて来る。



「何でしょうか?」

「先ほど、子供が走ってこなかったか?」



「・・・向こうに、走っていきましたよ」



私は男の子が身を隠している方向ではない方向を指さす。



「・・・そうか」

私の言葉を聞いた大人たちが指さした方向に走り出した。

しばらくして、大人たちが見えなくなったため、私は建物の間に隠れた男の子に声をかけた



「もう行きましたよ」





しばらくして、男の子が建物の間から姿を出してきた。男の子は私の方に歩いてきて、



「サンキュー。おかげで助かったよ」



親指を立てて、笑顔でお礼を言ってくる。少しワイルド少年といった印象を私は受けた。



「別に大したことはしていませんよ。それでは私はこれで」



かかわるのも面倒と思った私は早々に話を切り上げて帰ろうとしたとき、





グゥゥゥゥーーーーー。



大きな腹の虫の音が男の子から聞こえてきた。

帰ろうとした私の足は進むのをやめ、男の子のほうに振り向いた。



「お腹すいているの?」

「あははは、うん、今日は何も食べていないんだ」



このまま無視して、帰ってもよかったが、さすがにそれは、と思いカバンの中を確認する。

確認しているのは、カバンの中に入れてあるお金だ。

貴族である私は、基本的に財布やお金は持たないことが多い、それは執事たちや警備のものがアストライア公爵家からお金を預かり私の代わりに払ってくれるからだ。上位貴族の子息や令嬢達なら同じだろう。

ただ、私の場合は密かにカバンのポケットの中にお金を隠している。言わゆるへそくりだ。

何かあった時のために、少量のお金は持って行動しないと、何かあった時に困ると前世の記憶がある私は学園がはじまってから、ずっと使うことはなかっただけで、持っていたのだ。と言っても金貨のようなものではなく本当に小遣い程度のお金だ。



「何か?食べたいものはある?」

「ええ、おごってくれるの」



嬉しそうな顔で私を見て来る。その顔が少し犬のように思いながらも



「ええ」



「・・・それじゃ、お肉が食べたい」



「お肉ですか?」



今の手持ちではレストランに入るのはきついと思いながらも私自身が街のことをよく知らないため、どこにどのような店があるのか把握できていない。屋敷に連れていく手もあるが、屋敷の人に迷惑はかけたくないため、それは却下。残るは



「露店の店を探しましょうか?」

「露店の店か?うんいいよ。」



男の子は私の手を引き、走り出した。



「僕、アンディア、君は?」

「ルセリアよ」



走りながら、お互いの自己紹介が始まった。
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