フィライン・エデン Ⅱ

夜市彼乃

文字の大きさ
19 / 108
7.追想編

34虹は呼ぶ、手の鳴るほうへ 中編

しおりを挟む
***

 五月半ばには、ルシルは帯刀してパトロールに同行するようになっていた。もう少し実地経験を積めば、ダーク退治の応援の際、前線にも立たせてくれるそうだ。他の同期よりも歩みが速いと褒められる一方で、コウがそれを凌駕する勢いで追い上げてきているのが、ちょっとした焦りの種だった。
 その日、ルシルは主体のうとめとカヅチを腕の中に抱きかかえ、弾趾で東の遠方に出向いていた。僻地でダークの危険が生じた場合、たとえ食事中であろうと夢の中であろうと、すぐに支度して馳せ参じなければならない。その時、少しでも早く弾趾で駆けつけるために、術の技量と必要なスタミナを鍛えておくのは必要条件だ。
 指定されたのは、飛壇から弾趾で飛んで飛んで最初に見えてくる田舎町だ。竹林が印象的な農業の地。ルシルの住んでいた垂河村周辺一帯は、嗜好品や代替果実――猫以外の動物がいないフィライン・エデンで、加工次第では牛乳や卵の代わりになる、人間界にはない果実――の生産が盛んであったが、この辺りは米や野菜が作られているらしい。
 ちょうど竹林近くの道端で足を止めたルシルは、たたらを踏んでからへたり込んだ。
「はぁ、はぁっ……ちょっと、休ませてください……」
「もちろんよ。でも、だいぶ体力がついてきたわね」
「やー、楽ちんだったよ」
「帰りは竈戸さんの番にしましょうね」
 一足早く人間姿になったうとめが、カヅチの小さな額をつついた。
 今日の業務は、主に自然環境的に危険な場所がないかを見て回ることだ。これからの季節、ますます川辺や山林に立ち入ることが増える。事前に手を打っておけば、被害も最小に抑えられるというわけだ。警察・消防組織である希兵隊の後者の機能である。
「この辺りは大きな川があるからね、そのヘリを見て回りましょうか。あと、山の中に崩れそうな道がないかとか」
 入隊以来、ずっと東を担当してきたうとめの頭には、このあたりの地理はほとんど入っている。どのルートで回ろうかと思案していた時だった。
「あ、希兵隊!」
「おーい、来てくれ!」
 道の向こうから少年の声が二人分聞こえて、ルシルたちは振り返った。ちょうど、竹林のほうから向かってくる。七歳くらいの青髪の男の子と、彼の背中にしがみついた、友人と思しき太り気味の猫だ。しがみつかれているほうは少しかわいそうである。
「どうしたの?」
「友達の女の子が、竹の上のほうに登ったはいいけど、下りられなくなってしまったんです!」
 人間界の猫でも時々ある事象だと聞くが、フィライン・エデンでも珍しいことではない。特に子供などは下りる際の力量も確認せずに、好奇心のままに上を目指し続け、いざ地上へ戻ろうとすれば高所のあまりにすくんでしまう。近くの大人に助けられて事なきを得る場合もあれば、難しい状況では希兵隊へ通報が行く。大人を呼びに出てきたのだろうが、偶然すぐそばに隊員を見つけられた彼らはラッキーというほかないだろう。
 二人が案内したのは、竹林の入り口近いところだった。天に向かってまっすぐ伸びる一本の竹の先に、耳の先だけピンクの白猫がしがみついていた。高さ十メートル、学院や病院でいう三階部分くらいの高所である。泣き叫ぶのも無理はない。
「ずいぶん登ったな。すごー」
「感心してる場合じゃないでしょ。どうしましょうか。私の白翔はくしょうで……と思ったけど……」
「竹ってだいぶしなるよね? 風にあおられてゆらゆらしたら、あの子落ちるんじゃないかな。これ、だいぶ細い種類みたいだし」
「ええ、やっぱりそうですよね」
 今ここにいるのは、風猫・うとめ、炎猫・カヅチ、水猫・ルシル。林の中で炎術を使うのは論外として、どの術を使えば安全に助けられるか……と素早く頭を回していると、
「あ、わかったぞ、竹がしなるなら……」
 丸々とした少年猫が双体をとり、やはりよく肥えた人間姿で腕を伸ばした。
「えーっと、墓無き命、感情無き魂、こと……ことならば裁きは有る者に帰せよ。指数え……えーと、つながれた自由に従え!」
 たどたどしく紡ぐ詠唱によれば、彼は草猫らしい。そして、今のは撓葛しなりかずらの詠唱だ。何をする気だ、とうとめが凝視する中で、少年は太い声で言霊を唱えるとともに、手のひらから長い若草のつるを伸ばした。先端が白猫のあたりまで上っていくのを見て、まさかつるで猫を下ろすつもりか、と冷や汗をかいた三人だが、彼の目的は竹の上部にひっかけることだったらしい。上手く途中の枝を利用してつるを固定すると、
「せいやーっ」
 その平均以上の体重をもって、竹を横倒しに引っ張り始めた。しなやかな細身は折れることなく曲線を描き、他の竹の間にのけぞっていく。子供の体重でも曲がるとは、かなり柔軟性の高い品種だったようだ。
 隣で見ていたもう一人の少年が興奮気味に飛び跳ねた。
「なるほど! 曲げていけば上のほうが地面に近くなるから、ユーリちゃんも飛び降りられるね!」
 もう、子猫のしがみついている位置は元の半分の高さまで来ている。あと少し高度を下げれば、猫の身体能力をもってすればケガもなく帰還できるかもしれない――と、無邪気な子供たちが思った時だった。
「斬り裂け、游断ゆうだん!」
 スパァン、と小気味良い音が響いたかと思うと、竹の上部の四分の一ほどが胴から離れて落下した。同時に、ズザザッと地を滑る音。土まみれになったルシルが、キャッチした猫を抱きしめて転がっていた。そばに、水の刃できれいに切断された竹がカシャンと落ちる。少年たちは、「え? え?」とそれらを交互に見た。
「今……竹、切ったの? 希兵隊のねーちゃん」
「……ああ。ほら、お友達だ」
「お、おう、ありがとな。……何だよ、もうすぐ下りられたんだから、そんな無理しなくてもよかっただろ? ねーちゃん、せっかちだな」
 震える女友達をルシルから受け取ると、恰幅のいい少年はそう言ってはやし立てた。対するルシルは、冷やかしを歯牙にもかけず、戒めるように言う。
「違う。あと少しで、つるが竹から滑るところだったんだ。あのままつるを離してしまえば、反動で向こう側に大きく振られる。そうしたら、お友達は振り落とされていたかもしれないだろう。危なかったんだぞ」
「滑りそうだった? そうかぁ?」
「そうだった。危なかった。気をつけろ」
「わ、悪かったよ……」
「よし」
 ルシルが小さく微笑むと、しっかり者そうな青髪の少年が礼を言い、続いて小声で少女猫が、最後に草猫の少年がそれに倣った。
 今日はもう家の中で遊ぼうぜ、との声かけで、彼らは竹林から出て行った。子供たちの背中を見送ると、カヅチは途中で切断された竹を見上げて頭をかいた。
「しっかし、思い切ったねぇ。竹かわいそー」
「でも、私もルシルちゃんと同じ危機感をもっていたわ。下手に止めたら余計に危ないから、手をこまねいていたけれど。いい判断だったわ、ルシルちゃん」
「もしかして、花摘んだり枝折ったりするの抵抗ないタイプ?」
「こら、竈戸さん」
 うとめがたしなめる傍らで、ルシルは口元に微笑を浮かべた。
「いえ、そんなことはありません。竹だって、切るのは忍びなかったんです。ただ……あのまま放っておいたら、取り返しのつかないことになっていそうで。ためらう暇なく、切らなければ後悔すると、そう思ったので」
 うとめとカヅチは黙って後輩を見つめた。微笑みがそこだけ避けたように、彼女の目は冷たい真剣みを帯びていた。
「私の妹は、クロに崖から落とされて亡くなりました。走り寄りながらも、誰かが助けてくれるだろうと甘えた私の目の前で。あの時、もし私が本当の本当に全力をだして助けに入っていれば、そんな後悔しない選択をしていれば、妹は助かりました。もしできたなら、その私はきっと強かったと思うのです」
 瑠璃色の双眸は、長身の先輩を見上げて凛と輝いた。
「うとめ隊長。ようやく見つけました。私にとっての強さとは、後悔しない選択をして、それを成し遂げること。それが、これから私が目指すものです」
「……そっか」
 うとめは、ふわりと顔をほころばせると、ルシルの顔に手を伸ばした。
「あなたがそう思うのなら、きっとそうなのよ。それから、先人としてもう一つ教えてあげる」
 温かく柔らかな指が、ルシルの左頬に触れた。土を払うじゃりっとした感触とともに、かすかな痛みが走った。
「その強さは、一人で成し遂げるものでなくてもいい。周りの状況を利用し、仲間と協力して達成するも強さ。……游断を放ってから滑り込まなくったって、声を上げてくれれば、私もキャッチできる位置にいたのよ?」
 水出して、と指示されてルシルが手のひらに水をためると、うとめは懐から出したハンカチをそれで濡らした。よく絞ってから、ルシルの頬の傷口をぬぐいながら、彼女はそれでも嬉しそうに相好を崩した。
「なんにせよ、目標が見つかってよかったわ。私たちはチームだから、協力し合いながら、自分の望む強さに近づけるといいわね」
 距離もわからぬ道の向こう、けれど彼方に理想をはっきりと見たルシルは、笑みをこぼしながら「はいっ」と答えた。

***

 飛壇に来て二度目の夏が来る頃には、ルシルも立派な希兵隊員と胸を張れるようになっていた。同期たちともすっかり打ち解け、稽古の時は切磋琢磨し、休み時間には軽口をたたく。充実した日々の中、一日たりとも、あの日見たまぶしいゴールから目を離したことはなかった。どうすれば後悔のない意思決定ができるか、試行錯誤を繰り返しながら、手を伸ばして奮闘していた。
 その日、床に就こうとしていたルシルの部屋に、ノック音が訪れた。
「はい?」
「あの、ルシル……私だけど」
「霞冴か。どうぞ」
 ガチャ、と遠慮がちに入ってきたのは、上京して一番初めにできた友人だ。早朝の空の色をした長い髪に、少し子供っぽい色白の顔。ルシルに負けず劣らず小柄な、総司令部所属の同期は、いつもの明るさはなりをひそめ、もじもじしながら歩み寄ってくる。
「どうした?」
「ごめんね、夜遅くに。その……えと」
「……こっち、来るか?」
「うん……ありがと」
 霞冴は主体になると、ベッドに腰かけたルシルの隣に飛び乗った。
 彼女は、仲良くなってから、よく部屋に遊びに来ていた。主に夜寝る前に、お菓子や四方山話を携えてやってきては、先にうとうとし始めてルシルに起こされ、帰っていく。大概はそうだが、たまに、こうやって手ぶらで不安そうに訪ねてくることもあった。
 理由は、いつも同じだ。ふとした瞬間に亡き姉を思い出しては、寂しくなって一人でいられなくなるのだ。総司令部には同い年の先輩がいるものの、彼女もまた、霞冴の姉と懇意であったらしく、一緒になってブルーになっては迷惑をかけてしまう、という事情があるようで、ルシルのもとへやってくるのである。
 そばで丸くなった霞冴を膝の上にのせて、ルシルは水術を発動させた。霞冴の上で、中が空洞になった水の玉を生成する。水琴窟の演奏は、幼いころからのたしなみだ。
「今日は何が聞きたい?」
「ん……今日は、水琴窟じゃなくて、ルシルの声が聞きたいかな」
「そうか。いいよ、お話しよう」
 ルシルは微笑んで、水琴窟をしまった。
 ゆっくりと時間が進んでいく暮夜。二人の言葉も、静かにおもむろに交わされる。大切なのは、やり取りの数ではない。同じ空間、すぐそばで過ごすひと時が、ルシルにとっても霞冴にとっても尊かった。話している間、ルシルの手のひらは休むことなく、ふわふわした毛並みを撫で続けていた。
「ルシルは、強いね」
 時計の針が十時を回ったころ、霞冴はルシルの上でそう言った。
「そうか?」
「だって、ルシルの妹も亡くなってるんでしょ? なのに、泣き言とか言わなくて、えらいなーって」
「……そんなことは、ないよ。私だって、あの時の感覚にとらわれたままだ。もうあんな思いをしないよう、強くなりたくてあがいているけど、今日は少し失敗してしまってね。聞いてくれるか?」
「うん」
 一年たった今でも、まだルシルが欲する強さは手中にない。上手くいくときもあれば、今日のように後で反省することだって少なくない。けれど、友人たちに支えられる中でなら、あの頼もしい二人のもとでなら、どれだけでも頑張れる気がしていた。
 訓練を重ねて、戦闘でも活躍して、次の年には後輩もできて、うとめに「強くなった」と言われる日を楽しみに精進していた。
 その最中、あの歴史的大事件は起こった。
 のちに「先の侵攻」と恐れられることになるそれは、ルシルの上司の片割れを含む、全隊員の実に半分近くを葬ったのだった。

***

 夜のノックは、親友の来訪を告げるものだ、とルシルは認識していた。だから、その日もアリスブルーをした彼女が来たものと思った。今夜は姉のことか、はたまた虐殺された仲間たちを想って苦悩を抱えたか。侵攻の惨状を経験し、心を病んで退職した者もいるほどだ。ルシルも、終戦直後は茫然自失としていた。
 そうはいっても、返事は誰が来た場合でも失礼のないよう丁寧にする。この時間だが、霞冴しか来ないという保証はないのだ。
 その行いは正しかった。今夜の客は、想定外の人物だった。
「ルシルちゃん、私。うとめです」
「……え、隊長?」
 ルシルは、今まさに横になろうとしていたベッドから跳ね上がると、慌ててドアを開いた。そこには、十代後半になってさらにすらりと伸びた長身があった。
「いきなりごめんね。……今、いいかな」
「はい……」
 二人とも、ケガはおおかた癒えていた。心の奥に負った傷はまだ痛むが、そう言って立ち止まっていられないのが彼女らの仕事だ。
「……どうかしたんですか」
「明日、最司官から、先月の侵攻を経ての発表があるでしょう? そこで言われることだと思うけど、あなたには先に言っておくわ」
「メルは……」
「メルちゃんは呼ばなくても大丈夫よ。彼女は、やることはあまり変わらないから。今までも、これからもしばらくは、彼女の仕事はルシルちゃんについていくこと。でも、あなたは違う。これから先頭に立って歩んでいくひとだから」
「え……」
 いつだって、ルシルの前を行くのはうとめとカヅチだった。その二人の背中が消えて、ルシルが追う者は誰もいなくなる。そう思った瞬間、想像の中のルシルは歩みを止めた。
「どういう……」
「私は、希兵隊をやめる。次の隊長の推薦を最司官に伝えて、もう承認されているわ。それがあなたよ、ルシルちゃん」
 愕然と立ち尽くすルシルに、うとめはそれ以上を言わず、ただ彼女を見つめていた。崩れ落ちそうな足を叱咤して、ルシルは震える声を絞り出す。
「……どうして、やめてしまうんですか」
「理由は言わない。好きに想像してくれていいわ。仲間の死を見て自分のそれが怖くなったのかもしれないし、麒麟隊の二人のように精神を病んだかもしれない。あるいは、自分たちと同じように振る舞うチエアリを殺すのに嫌気がさしたのかもしれない。……どう捉えてくれても構わないけれど、少なくとも、これは私の意志よ」
 毅然と言ううとめは、恐れているようにも、ふさぎ込んだようにも、罪悪感にさいなまれたようにも見えなかった。だが、強く引き結んだ唇は、頑として本当の理由を言わないだろう。
「……でも、私、できません……うとめ隊長の代わりなんて……」
「いいえ、やるの。もう決まったことよ」
「そんな……!」
「あなたしかいないのよ、ルシルちゃん。……だって」
 一瞬だけ、うとめの瞳に影が落ちた。一度目を閉じ、ゆるく開いて彼女はつぶやく。
「あなたの先輩で生き残ったのが、何人いると思っているの。……竈戸さんだって、もういないのよ」
 ルシルの息が詰まった。わずかに震えながら、ぐぐ、とうつむく。
 出世嫌いで隊長になりたがらなかったカヅチ。この状況なら否応なく昇進せざるを得なかっただろう彼はもう、「隊長なんかしたくなーい」と愚痴を言うこともできないのだ。
「私は今月いっぱいで寮を引き払うわ。今までありがとう。あと二週間足らずだけど、よろしくね」
 それが、うとめのその晩の最後の言葉だった。別れ際に、彼女は笑顔で手を振ったが、ルシルにはその顔はとても真似できなかった。
 ふらふらと寝床へ戻ると、ルシルはベッドに倒れこんだ。虚脱感で体が動かず、布団に潜り込むこともできない。
「……私が、隊長……?」
 先陣を切って、常に正しい判断をして、部下を育て、守り、指揮する。うとめが去れば、あとは自分とメルしかいなくなる青龍隊だが、いずれは最大四名を引き連れて先頭に立たなければならない。
 「強さ」を手に入れるために、頑張れる気がしていた。
 喉が引きつり、呼吸が震えた。泣き出す寸前の感覚に似ていた。
「……無理だ……私には、無理だよ……」
 口から零れ落ちた弱音は、自分の鼓膜だけを震わせると、シーツに吸い込まれていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

さようならの定型文~身勝手なあなたへ

宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」 ――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。 額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。 涙すら出なかった。 なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。 ……よりによって、元・男の人生を。 夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。 「さようなら」 だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。 慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。 別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。 だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい? 「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」 はい、あります。盛りだくさんで。 元・男、今・女。 “白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。 -----『白い結婚の行方』シリーズ ----- 『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

雷王、大いに懊悩す~ラスボス魔王、使命を果たして元の世界に戻りたくない異世界転移チート勇者によって全力で延命させられるの巻~

朽縄咲良
ファンタジー
 ――「要するに、アンタには死なれちゃ困るんだよ。俺が、この異世界で幸せな一生を送って、天寿を全うするまで、な」  魔族を統べる魔王イラ・ギャレマスは、自身の城へと攻め込んできた“伝説の四勇士”の三人、ジェレミィア・ファミィ・エラルティスを、その圧倒的な力を以て圧倒する。  残るは、黒髪黒目の冴えない男――シュータ・ナカムラのみ。  だが……シュータは、魔法陣で三人の仲間を魔王城の遥か彼方へと吹っ飛ばし、ただひとりで魔王と対峙する。  ――そして、二十分後。  不様に大理石の床に這いつくばっていたのは、魔王ギャレマスの方だった。  シュータの繰り出す圧倒的なチート攻撃の前に為す術もないギャレマスは、自身の敗北と迫りくる死を覚悟するが、そんな彼に対し、シュータは不敵な笑みを浮かべながら、意外な提案を持ちかけるのだった――。 「なぁ、魔王。ここはひとつ、手を組もうぜ……!」  『地上最強の生物』だが、めっぽうお人好しで、バカが付くくらいに娘の事を溺愛している中年オヤj……ナイスミドル(忖度)の魔王が、反則級のチートマシマシ異世界転移勇者をはじめとした周囲の者たちに翻弄されまくるコメディファンタジー、ここに開幕!  哀れな魔王の、明日はどっちだ……? (表紙イラストは、ペケさんから戴きました) *小説家になろう・ノベルアッププラスにも、同作品を掲載しております。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

【完結済】悪役令嬢の妹様

ファンタジー
 星守 真珠深(ほしもり ますみ)は社畜お局様街道をひた走る日本人女性。  そんな彼女が現在嵌っているのが『マジカルナイト・ミラクルドリーム』というベタな乙女ゲームに悪役令嬢として登場するアイシア・フォン・ラステリノーア公爵令嬢。  ぶっちゃけて言うと、ヒロイン、攻略対象共にどちらかと言えば嫌悪感しかない。しかし、何とかアイシアの断罪回避ルートはないものかと、探しに探してとうとう全ルート開き終えたのだが、全ては無駄な努力に終わってしまった。  やり場のない気持ちを抱え、気分転換にコンビニに行こうとしたら、気づけば悪楽令嬢アイシアの妹として転生していた。  ―――アイシアお姉様は私が守る!  最推し悪役令嬢、アイシアお姉様の断罪回避転生ライフを今ここに開始する! ※長編版をご希望下さり、本当にありがとうございます<(_ _)>  既に書き終えた物な為、激しく拙いですが特に手直し他はしていません。 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

処理中です...