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10.三日月の真相編
50三日月を討つ日 ⑧
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***
どんな朝にも、日は昇る。
太陽は、早朝の境内に誰の姿を探すこともせず、ただ緩慢に世界を照らし始めた。
白みがかった青空に、やがて鳥が飛び、町の呼吸がこだまする。今日も快晴だ。この天気は終日続くようで、今夜、多くの人が手にして帰るだろうケーキの箱は、濡れずに済みそうだ。
師走も後半とあって、冷たい空気は耳が痛くなるほどだが、フル装備にはまだ早い。待ち合わせ場所に立つ氷架璃と芽華実も、裏地付きとはいえ薄手のコートで、マフラーは芽華実しか巻いていない。
やがて、そこへ歩いてくる二人の姿を認めて、氷架璃が手を振った。
「おーっす。おはよ」
彼女の息が白く舞うには、まだ早い。
芽華実も「おはよう」と笑いかける。やってきたアワとフーは人間姿で、フーはニットのカーディガンを羽織っていた。なんだかんだで、男子制服はデフォルトで上着を着ているようなものなので、コートの出番が少ない。
「おはよう、二人とも。ああ、私もマフラーを巻いてくればよかったわ。意外と首って冷えるのね」
「アワ、あんたの学ランの詰まってる襟部分、引きちぎってフーにあげてやって」
「どういう要求なんだい!?」
挨拶のように茶番を繰り広げ、ひとしきり笑うと、一同の足は自然と通学路のほうへ向いた。
「さて。そろったし、行くか」
「そうね」
氷架璃と芽華実、アワとフーが隣り合うように二列に並んで、いつもの待ち合わせ場所を後にする。
今年の登校を締めくくる四人の姿を、朱色の鳥居は見守るように黙って見下ろしていた。
***
「そういやさ、駅前のラーメン屋、あるじゃん?」
「あそこ、パン屋さんになったんじゃなかった?」
「いや、その後すぐまたラーメン屋になった」
「変遷激しいわね……」
後ろを歩く二人にも話を振るように、時々振り返りながら氷架璃が続ける。
「で、そのラーメン屋がさ。年末キャンペーンで、今ならラーメンに無料でチャーハン食べ放題つけてくれるんだと」
「でも、チャーハン食べ放題って……ラーメンだけでお腹いっぱいになるんじゃないの?」
「だよな! いや、まあ、チャーハン一杯なら、入りそうだし、嬉しいけどさ。食べ放題にして喜ぶヤツって……」
我が意を得たりとアワを指した人差し指を、そのままくるくる回しながら話していた氷架璃は、一度言いよどんで、言葉を止めた。思考を巡らせるように、指だけ回し続けてから、
「……食べ盛りの男子運動部員とか?」
「ああ……確かに、そうね」
「食べ盛りの運動部員の部活動も休みになるような年末に、そんなキャンペーンするって……」
「まあ、深くは考えとらんだろ」
そんな話をしながら、歩いて体も温まってきたころ、皇学園の正門が見えてきた。敷地の広いこの学校は、正門から中等部の校舎までも少し歩く。
やがて到着した昇降口は、日が当たらないうえに暖房もないので、外よりもひんやりしていた。階段を上るにつれて濃くなる、教室内から漏れる暖気には、ため息さえ出る。公立の中学校は、一クラスに一つ、ストーブがあるだけだという。こういう時、エアコン完備の私立校のありがたみが身に染みるのだった。
まだ人も少ない教室に足を踏み入れると、授業の準備も必要ないので、ひとまず鞄を落ち着けてから、四人は再集結した。そうして今日の放課後のことを話し合っていると、徐々に人が増えてきた。そろいもそろって、今日から始まる冬休みに浮かれ、上ずった声で談笑している。
と、氷架璃と芽華実が初等部のころから仲良くしている二人の女子生徒が、通りがかりに四人の話を小耳にはさんで、声をかけてきた。
「えっ、クリパ? クリスマスパーティの話してる?」
「ああ、希湖、てまち。おはよ。うん、今日の放課後、神社で」
「ああ、神社……」
ぱっちりした目が特徴的な希湖と、今日もセミロングの髪をツーサイドアップにしたてまちが、そろって苦笑した。
「三日月さんはまだちょっと近寄りがたいかなー。だから私はパスで」
「あたしもー」
「まだ誘ってないっつの。つーか、悪いけど定員オーバー」
呆れたような氷架璃の言葉に、二人はころころと笑った。
雷華が編入してきたのは去年の三学期。一年巻き戻ってしまった結果、編入の事実もなくなったのかと思いきや、最初から在籍していたことにはならなかった。編入生という認識には変わりなく、ただ、その時期が人々の中で曖昧になっているようだった。希湖とてまちは、以前「二年の終わりごろに来たんじゃなかったっけ?」と言っていた。相変わらず、つかみどころのない気味の悪いループだ。
ともかく、この一年間でクラスメイトと寡黙な編入生の距離が縮まることはなかったらしい。おおむね雷華に原因があるような気がするが……と氷架璃が考えていると、希湖がおどけて敬礼しながら高らかに宣言した。
「そうだ、私、休みの間に長野にスキー旅行行ってきます! みなさん、お土産楽しみにしててね!」
「おう、マジか」
「楽しんできてね、希湖」
「でも、冬の長野って相当雪深そうだよね」
隣でてまちがあごに指をあてて言う。
「雪深いからスキーできるんじゃ?」
「や、芽華実の言う通りなんだけどさ。気を付けてよね、希湖。遭難しないでよ? 雪山って、毎年何人か死んでるんだから」
「怖いこと言わないでよ。大丈夫だってば。たぶん」
「凍死って意外とむごいって聞いたんだから。聞いたことない? 六甲田山とか、ディア……トロフ事件? とか」
最近、テレビ番組でそんな特集をやっていたらしい。てまちが手ぶりを交えながら話しすところによると、眠るように静かに息を引き取るというイメージがある凍死だが、実はしばらく意識がある間、すさまじく震え、恐怖に襲われるらしい。さらに、錯乱状態になったり、寒いはずなのになぜか薄着になろうとする矛盾脱衣という現象が起きたりと、かなり狂気的な沙汰になるという――。
「いや、何で雪山に旅行予定の人の前でそんな話するかな!? ほら、ひかちゃんもめーちゃんも呆然としてるから! 私じゃなくても怖いから!」
「えへへー」
いたずらっ子のてまちが舌を出したところで、予鈴が鳴った。この後、担任の出欠確認を経て、体育館で終業式が行われる。
自分の席へ戻るてまちの肩をぽかぽかと小さくたたきながら、希湖も去っていく。二人の姿を見送りながら、立ちすくむ氷架璃と芽華実の肩に、アワは後ろから左右の手をぽんと置いた。
「……さ、ボクたちも席に着こうか。とりあえず、時間と役割分担はさっきの話の通りでいいよね?」
「……おう。ああ、でもあれだ、雷華にも周知しとかないと。……そういえば、予鈴鳴ったけど、雷華は?」
「自分の席にいるみたいよ」
フーの指さす先、雷華はまだ先生も来ていないのに、背筋を伸ばし、前を向いて人形のように静かに座っていた。来たなら声かけろよ、と氷架璃は苦笑。結局、席の近い芽華実が、先生が来るまでの間に手早く段取りを伝えたのだった。
***
校長の演説を聞くというのは、多くの生徒たちにとって、言わずと知れた苦行であるが、校長にとってもなかなか頭の痛いイベントであるらしい。始業式や終業式、入学式や卒業式と、節目節目に求められる「校長先生のお話」だが、いつもセンセーショナルな話題があるわけではない。まさか同じネタを使いまわすわけにもいかず、毎回悩んだ末にひねりだしているようなところがあるという。
これは、体育館で二列に並んで座っている間に、隣の列、つまりC組の男子が話していた内容による。彼の所属する部の顧問が校長先生らしく、そんな愚痴を聞かされたことがある、と笑いあっていた。
なので、今回もそうして絞り出した話題なのだろう。年末年始、寮に住んでいる生徒は里帰りするだろうし、親の実家へついて行って祖父母と年を越す生徒もいるだろう――ということで、テーマは故郷についてだった。
「郷愁」という言葉にもみられる、郷里に対する愛しさ、恋しさ。学校唱歌の「故郷」に、ふるさと納税。結局、あちこちに飛び散らかっているような気がしないでもない故郷講話は、最終的に、「人間青山とはいえ、私は故郷に骨をうずめることが幸せだと思います」という主張で締めくくられた。意味深長な結論のようにも聞こえるが、紆余曲折に蛇行を重ねた話の流れに、すでに混乱しかけていた生徒たちは、とりあえず「『兎おいしい かの山』じゃなかったのか!」という新たな教養だけを手土産に、冬休みを迎えることとなった。
学校を出た後、アワたちと別れて駅前に繰り出していた氷架璃と芽華実は、校長の餞別とは別に、物理的な手土産の箱を持って帰路をたどっていた。
「……結局、フィライン・エデンメンバーはアワとフー以外誰も誘わなかったな」
「……そうね」
「だったらクラスメイトくらい誘えばよかったか? まあ、希湖やてまちを見てたら、雷華の部屋でやるってだけで敬遠されそうなもんだけど」
「……そうね」
足音だけが規則正しく鳴る中、氷架璃はちらと隣の芽華実を流し目にうかがった。
そっと視線を前に戻す。十字路で、芽華実より半歩前で車の往来がないか確認し、渡り切ってから前を見たまま言う。
「校長の話は気にしなくていいぞ」
「え?」
「C組の男子の笑い話、芽華実にも聞こえてたろ。校長だってネタひねり出してんだよ。誰かから聞いた話を受け売りにしたのかもしれないし、とりあえず尺稼ぐためにそれっぽいこと言っときゃいいと思っただけかもしれないんだからさ」
「……うん」
「……これからパーティなんだから、しけた顔すんなって。そういや、昼にケーキ食べるってことは……夜は? 芽薫実ちゃんは夜ケーキ食べたいだろうけど、それだと芽華実のお腹が心配になる。胃というより、脂肪という意味で」
一瞬きょとんとした芽華実は、氷架璃を見つめた後、吹き出すように苦笑いした。
「氷架璃ったら。……うちは芽薫実とも相談して、ケーキやチキンは明日にすることに決めたから。そういう氷架璃は?」
「別腹」
「胃と脂肪と血糖値とコレステロール値が心配よ」
「中年オヤジかよ」
ふふ、と声を漏らして笑った芽華実の頭を、氷架璃はぽんぽんと撫でて、見えてきた鳥居に足を速めた。あと一週間ほどで、ここは一気に参拝客で埋まることになるだろう。やれツリーだ、やれサンタクロースだと大盛り上がりしたかと思えば、何食わぬ顔で改宗して初詣にいくものだから、日本人はあだし心だ。どうせまた、四月になればころっと変わってイースターを祝うのだろう。
宿坊につくと、部屋の戸は閉まっていたが、縁側に沿ってローファーが三足並べられていた。暖房を入れて準備しているのだろう。
カラカラッ、と引き戸を開けて入ると、入れたてのエアコンのふんわりした暖気と、いかにもファーストフード店らしいフライドチキンの香りに包まれた。ふすまを開けて大部屋にした畳の、向かって左にローテーブルを置き、その上に雷華が皿を並べている。奥では、腰の高さほどまでしかないかわいらしいクリスマスツリーに、アワとフーが百円ショップで買った飾りを施していた。クリスマスの慣習がないからだろう、イメージがわきにくいのか、スマホで画像を見ながら、試行錯誤している。
氷架璃と芽華実が入ってきたのを見ると、彼らは「お疲れー」「ケーキありがとう」「む」と、文字通り三者三様の反応で迎えた。
「うーっす。アワとフーのほうが早かったんだな」
「季節だからか、ツリー用の飾りは店に入ってすぐに陳列されててね。探す手間もなかったし、あまり迷わなかったしで、割とすぐこっち来たよ」
「見て、百円なのに、光る飾りまで置いてあったのよ」
「おー、意外と本格的になりそうだな」
満悦そうな氷架璃の横、芽華実がケーキの箱をテーブルの中心に置く。
「雷華、ケーキナイフって……」
「そこの長細い箱の中だ。むき出しでは危険なのでな」
「そうよね。ありがとう」
箱の中から引き出されたケーキに、フーが目を輝かせる。彼女の嬉しそうな顔に、アワまで嬉しそうに微笑むと、「そういえば」とその笑みをいたずらっぽく彩った。
「このパーティ、最後に来た人は……何するんだっけ?」
その言葉に、全員きょとんとした顔を見せた。――雷華だけはすぐに答えに気づいたらしく、ポーカーフェイスでチキンや、肉類は食べないアワとフーのフライドポテトを配膳していたので、正確には氷架璃、芽華実、フーの三人であるが。
その反応に、アワは苦笑交じりに、主に氷架璃を見ながら言った。
「サンタクロースの格好をして来いって、誰が言ったんだったかなぁ」
その言葉で、ようやく修学旅行の夜の思いつきを失念していたことに気づいたらしい氷架璃は、「……おおう」と低い声を発した。漫画ならば、汗をたらたら流しているところだろう。彼女の動揺に失笑してから、アワは飾りつけに戻りながら一言漏らす。
「まあ、正確には部屋に後から入ってきたのは芽華実なんだけどね」
「えっ!?」
ケーキを切る手元が狂った。トップのイチゴが、首を傾げたように斜めにゆがむ。
「てめえ、芽華実のオフショルミニスカが見たいとか、変態か!?」
「いや、その趣向は君の案でしょ!? しかも、あろうことか、君ってば、ボクが最後だったらボクにそれ着せようとしてたでしょ!? それはどうなの!?」
「うるせえ! この話はナシだ、ナシ!」
「むしろ芽華実に対しての過保護が微笑ましいね!? 何だろ、このデジャヴ! 希兵隊にもこんな二人がいた気がする!」
ぎゃあぎゃあ騒いでいる間に、ケーキを切り分け終わり、ツリーの飾りつけも完了した。スイッチを入れると、ツリーにちりばめられた色とりどりのLEDライトがピカピカと光りだし、口論していた二人も「おー」と見入って鎮火した。
しばらく見とれていた一同は、芽華実の「さて、ケーキを分けましょうか」の一言に我に返った。
「均等に切ったつもりだけど、ちょっとトッピングとかクリームの量が違うから、喧嘩しないようにお好みでね」
「私は最も小さいものでよいぞ」
「大きさは全部同じだろ。じゃあ私、このイチゴが微妙に大きいやつ、もーらいっ」
「じゃあ、次にイチゴが大きそうなこれ、フーが食べたらいいよ」
「え、いいの?」
「そこ! のろけない!」
「のろけてない!」
雷華、氷架璃、フー、アワとケーキを配っていき……芽華実は首をかしげた。
「あら? お皿が一つ足りないんじゃないかしら」
見れば、空いている皿が残り一つに対して、ケーキは二切れ残っている。
「私は人数分持ってきたぞ」
「でも、私もちゃんと六等分したのよ。私、アワ、フー、氷架璃、雷――」
指さし確認をしていた芽華実が、声を飲み込むように言葉を止めた。人差し指も、中途半端な宙を指したまま固まっている。
そして、何か、大きな過ちを犯してしまったかのように目を伏せ、「ごめん、私が間違えた」と小さく笑った。
少しの時間、気まずさがざらつく沈黙が流れた。
「……じゃあ、ひとまず、食べ終わってから、まだ入るヤツが早い者勝ちでいただくということで」
「え、みんなで分けたらいいのに」
「五等分するつもりか? 一切れを? どんな高度なテクニックがいるんだよ」
「案ずるな、私はいらぬ」
「四等分でもちょい難しいだろ。アワ、あんたスポンジひとかけでいい?」
「ザツっ!?」
結局、自分の分を食べ終わってから、余裕がある人達の間で決めようということになった。
グラスに炭酸飲料を注ぐと、「では、メリークリスマスー」という氷架璃の音頭で乾杯。チリン、とグラス同士がぶつかり合う音が室内に溶けて消えると、クリスマスの代名詞的な食べ物を、各々口に運ぶ。
チキンにかじりつき、ケーキを崩し、咀嚼する。
クリスマスツリーがピカピカと光る中、一日限りの特別な食事会は、ひっそりと静かに進んでいく。
どんな朝にも、日は昇る。
太陽は、早朝の境内に誰の姿を探すこともせず、ただ緩慢に世界を照らし始めた。
白みがかった青空に、やがて鳥が飛び、町の呼吸がこだまする。今日も快晴だ。この天気は終日続くようで、今夜、多くの人が手にして帰るだろうケーキの箱は、濡れずに済みそうだ。
師走も後半とあって、冷たい空気は耳が痛くなるほどだが、フル装備にはまだ早い。待ち合わせ場所に立つ氷架璃と芽華実も、裏地付きとはいえ薄手のコートで、マフラーは芽華実しか巻いていない。
やがて、そこへ歩いてくる二人の姿を認めて、氷架璃が手を振った。
「おーっす。おはよ」
彼女の息が白く舞うには、まだ早い。
芽華実も「おはよう」と笑いかける。やってきたアワとフーは人間姿で、フーはニットのカーディガンを羽織っていた。なんだかんだで、男子制服はデフォルトで上着を着ているようなものなので、コートの出番が少ない。
「おはよう、二人とも。ああ、私もマフラーを巻いてくればよかったわ。意外と首って冷えるのね」
「アワ、あんたの学ランの詰まってる襟部分、引きちぎってフーにあげてやって」
「どういう要求なんだい!?」
挨拶のように茶番を繰り広げ、ひとしきり笑うと、一同の足は自然と通学路のほうへ向いた。
「さて。そろったし、行くか」
「そうね」
氷架璃と芽華実、アワとフーが隣り合うように二列に並んで、いつもの待ち合わせ場所を後にする。
今年の登校を締めくくる四人の姿を、朱色の鳥居は見守るように黙って見下ろしていた。
***
「そういやさ、駅前のラーメン屋、あるじゃん?」
「あそこ、パン屋さんになったんじゃなかった?」
「いや、その後すぐまたラーメン屋になった」
「変遷激しいわね……」
後ろを歩く二人にも話を振るように、時々振り返りながら氷架璃が続ける。
「で、そのラーメン屋がさ。年末キャンペーンで、今ならラーメンに無料でチャーハン食べ放題つけてくれるんだと」
「でも、チャーハン食べ放題って……ラーメンだけでお腹いっぱいになるんじゃないの?」
「だよな! いや、まあ、チャーハン一杯なら、入りそうだし、嬉しいけどさ。食べ放題にして喜ぶヤツって……」
我が意を得たりとアワを指した人差し指を、そのままくるくる回しながら話していた氷架璃は、一度言いよどんで、言葉を止めた。思考を巡らせるように、指だけ回し続けてから、
「……食べ盛りの男子運動部員とか?」
「ああ……確かに、そうね」
「食べ盛りの運動部員の部活動も休みになるような年末に、そんなキャンペーンするって……」
「まあ、深くは考えとらんだろ」
そんな話をしながら、歩いて体も温まってきたころ、皇学園の正門が見えてきた。敷地の広いこの学校は、正門から中等部の校舎までも少し歩く。
やがて到着した昇降口は、日が当たらないうえに暖房もないので、外よりもひんやりしていた。階段を上るにつれて濃くなる、教室内から漏れる暖気には、ため息さえ出る。公立の中学校は、一クラスに一つ、ストーブがあるだけだという。こういう時、エアコン完備の私立校のありがたみが身に染みるのだった。
まだ人も少ない教室に足を踏み入れると、授業の準備も必要ないので、ひとまず鞄を落ち着けてから、四人は再集結した。そうして今日の放課後のことを話し合っていると、徐々に人が増えてきた。そろいもそろって、今日から始まる冬休みに浮かれ、上ずった声で談笑している。
と、氷架璃と芽華実が初等部のころから仲良くしている二人の女子生徒が、通りがかりに四人の話を小耳にはさんで、声をかけてきた。
「えっ、クリパ? クリスマスパーティの話してる?」
「ああ、希湖、てまち。おはよ。うん、今日の放課後、神社で」
「ああ、神社……」
ぱっちりした目が特徴的な希湖と、今日もセミロングの髪をツーサイドアップにしたてまちが、そろって苦笑した。
「三日月さんはまだちょっと近寄りがたいかなー。だから私はパスで」
「あたしもー」
「まだ誘ってないっつの。つーか、悪いけど定員オーバー」
呆れたような氷架璃の言葉に、二人はころころと笑った。
雷華が編入してきたのは去年の三学期。一年巻き戻ってしまった結果、編入の事実もなくなったのかと思いきや、最初から在籍していたことにはならなかった。編入生という認識には変わりなく、ただ、その時期が人々の中で曖昧になっているようだった。希湖とてまちは、以前「二年の終わりごろに来たんじゃなかったっけ?」と言っていた。相変わらず、つかみどころのない気味の悪いループだ。
ともかく、この一年間でクラスメイトと寡黙な編入生の距離が縮まることはなかったらしい。おおむね雷華に原因があるような気がするが……と氷架璃が考えていると、希湖がおどけて敬礼しながら高らかに宣言した。
「そうだ、私、休みの間に長野にスキー旅行行ってきます! みなさん、お土産楽しみにしててね!」
「おう、マジか」
「楽しんできてね、希湖」
「でも、冬の長野って相当雪深そうだよね」
隣でてまちがあごに指をあてて言う。
「雪深いからスキーできるんじゃ?」
「や、芽華実の言う通りなんだけどさ。気を付けてよね、希湖。遭難しないでよ? 雪山って、毎年何人か死んでるんだから」
「怖いこと言わないでよ。大丈夫だってば。たぶん」
「凍死って意外とむごいって聞いたんだから。聞いたことない? 六甲田山とか、ディア……トロフ事件? とか」
最近、テレビ番組でそんな特集をやっていたらしい。てまちが手ぶりを交えながら話しすところによると、眠るように静かに息を引き取るというイメージがある凍死だが、実はしばらく意識がある間、すさまじく震え、恐怖に襲われるらしい。さらに、錯乱状態になったり、寒いはずなのになぜか薄着になろうとする矛盾脱衣という現象が起きたりと、かなり狂気的な沙汰になるという――。
「いや、何で雪山に旅行予定の人の前でそんな話するかな!? ほら、ひかちゃんもめーちゃんも呆然としてるから! 私じゃなくても怖いから!」
「えへへー」
いたずらっ子のてまちが舌を出したところで、予鈴が鳴った。この後、担任の出欠確認を経て、体育館で終業式が行われる。
自分の席へ戻るてまちの肩をぽかぽかと小さくたたきながら、希湖も去っていく。二人の姿を見送りながら、立ちすくむ氷架璃と芽華実の肩に、アワは後ろから左右の手をぽんと置いた。
「……さ、ボクたちも席に着こうか。とりあえず、時間と役割分担はさっきの話の通りでいいよね?」
「……おう。ああ、でもあれだ、雷華にも周知しとかないと。……そういえば、予鈴鳴ったけど、雷華は?」
「自分の席にいるみたいよ」
フーの指さす先、雷華はまだ先生も来ていないのに、背筋を伸ばし、前を向いて人形のように静かに座っていた。来たなら声かけろよ、と氷架璃は苦笑。結局、席の近い芽華実が、先生が来るまでの間に手早く段取りを伝えたのだった。
***
校長の演説を聞くというのは、多くの生徒たちにとって、言わずと知れた苦行であるが、校長にとってもなかなか頭の痛いイベントであるらしい。始業式や終業式、入学式や卒業式と、節目節目に求められる「校長先生のお話」だが、いつもセンセーショナルな話題があるわけではない。まさか同じネタを使いまわすわけにもいかず、毎回悩んだ末にひねりだしているようなところがあるという。
これは、体育館で二列に並んで座っている間に、隣の列、つまりC組の男子が話していた内容による。彼の所属する部の顧問が校長先生らしく、そんな愚痴を聞かされたことがある、と笑いあっていた。
なので、今回もそうして絞り出した話題なのだろう。年末年始、寮に住んでいる生徒は里帰りするだろうし、親の実家へついて行って祖父母と年を越す生徒もいるだろう――ということで、テーマは故郷についてだった。
「郷愁」という言葉にもみられる、郷里に対する愛しさ、恋しさ。学校唱歌の「故郷」に、ふるさと納税。結局、あちこちに飛び散らかっているような気がしないでもない故郷講話は、最終的に、「人間青山とはいえ、私は故郷に骨をうずめることが幸せだと思います」という主張で締めくくられた。意味深長な結論のようにも聞こえるが、紆余曲折に蛇行を重ねた話の流れに、すでに混乱しかけていた生徒たちは、とりあえず「『兎おいしい かの山』じゃなかったのか!」という新たな教養だけを手土産に、冬休みを迎えることとなった。
学校を出た後、アワたちと別れて駅前に繰り出していた氷架璃と芽華実は、校長の餞別とは別に、物理的な手土産の箱を持って帰路をたどっていた。
「……結局、フィライン・エデンメンバーはアワとフー以外誰も誘わなかったな」
「……そうね」
「だったらクラスメイトくらい誘えばよかったか? まあ、希湖やてまちを見てたら、雷華の部屋でやるってだけで敬遠されそうなもんだけど」
「……そうね」
足音だけが規則正しく鳴る中、氷架璃はちらと隣の芽華実を流し目にうかがった。
そっと視線を前に戻す。十字路で、芽華実より半歩前で車の往来がないか確認し、渡り切ってから前を見たまま言う。
「校長の話は気にしなくていいぞ」
「え?」
「C組の男子の笑い話、芽華実にも聞こえてたろ。校長だってネタひねり出してんだよ。誰かから聞いた話を受け売りにしたのかもしれないし、とりあえず尺稼ぐためにそれっぽいこと言っときゃいいと思っただけかもしれないんだからさ」
「……うん」
「……これからパーティなんだから、しけた顔すんなって。そういや、昼にケーキ食べるってことは……夜は? 芽薫実ちゃんは夜ケーキ食べたいだろうけど、それだと芽華実のお腹が心配になる。胃というより、脂肪という意味で」
一瞬きょとんとした芽華実は、氷架璃を見つめた後、吹き出すように苦笑いした。
「氷架璃ったら。……うちは芽薫実とも相談して、ケーキやチキンは明日にすることに決めたから。そういう氷架璃は?」
「別腹」
「胃と脂肪と血糖値とコレステロール値が心配よ」
「中年オヤジかよ」
ふふ、と声を漏らして笑った芽華実の頭を、氷架璃はぽんぽんと撫でて、見えてきた鳥居に足を速めた。あと一週間ほどで、ここは一気に参拝客で埋まることになるだろう。やれツリーだ、やれサンタクロースだと大盛り上がりしたかと思えば、何食わぬ顔で改宗して初詣にいくものだから、日本人はあだし心だ。どうせまた、四月になればころっと変わってイースターを祝うのだろう。
宿坊につくと、部屋の戸は閉まっていたが、縁側に沿ってローファーが三足並べられていた。暖房を入れて準備しているのだろう。
カラカラッ、と引き戸を開けて入ると、入れたてのエアコンのふんわりした暖気と、いかにもファーストフード店らしいフライドチキンの香りに包まれた。ふすまを開けて大部屋にした畳の、向かって左にローテーブルを置き、その上に雷華が皿を並べている。奥では、腰の高さほどまでしかないかわいらしいクリスマスツリーに、アワとフーが百円ショップで買った飾りを施していた。クリスマスの慣習がないからだろう、イメージがわきにくいのか、スマホで画像を見ながら、試行錯誤している。
氷架璃と芽華実が入ってきたのを見ると、彼らは「お疲れー」「ケーキありがとう」「む」と、文字通り三者三様の反応で迎えた。
「うーっす。アワとフーのほうが早かったんだな」
「季節だからか、ツリー用の飾りは店に入ってすぐに陳列されててね。探す手間もなかったし、あまり迷わなかったしで、割とすぐこっち来たよ」
「見て、百円なのに、光る飾りまで置いてあったのよ」
「おー、意外と本格的になりそうだな」
満悦そうな氷架璃の横、芽華実がケーキの箱をテーブルの中心に置く。
「雷華、ケーキナイフって……」
「そこの長細い箱の中だ。むき出しでは危険なのでな」
「そうよね。ありがとう」
箱の中から引き出されたケーキに、フーが目を輝かせる。彼女の嬉しそうな顔に、アワまで嬉しそうに微笑むと、「そういえば」とその笑みをいたずらっぽく彩った。
「このパーティ、最後に来た人は……何するんだっけ?」
その言葉に、全員きょとんとした顔を見せた。――雷華だけはすぐに答えに気づいたらしく、ポーカーフェイスでチキンや、肉類は食べないアワとフーのフライドポテトを配膳していたので、正確には氷架璃、芽華実、フーの三人であるが。
その反応に、アワは苦笑交じりに、主に氷架璃を見ながら言った。
「サンタクロースの格好をして来いって、誰が言ったんだったかなぁ」
その言葉で、ようやく修学旅行の夜の思いつきを失念していたことに気づいたらしい氷架璃は、「……おおう」と低い声を発した。漫画ならば、汗をたらたら流しているところだろう。彼女の動揺に失笑してから、アワは飾りつけに戻りながら一言漏らす。
「まあ、正確には部屋に後から入ってきたのは芽華実なんだけどね」
「えっ!?」
ケーキを切る手元が狂った。トップのイチゴが、首を傾げたように斜めにゆがむ。
「てめえ、芽華実のオフショルミニスカが見たいとか、変態か!?」
「いや、その趣向は君の案でしょ!? しかも、あろうことか、君ってば、ボクが最後だったらボクにそれ着せようとしてたでしょ!? それはどうなの!?」
「うるせえ! この話はナシだ、ナシ!」
「むしろ芽華実に対しての過保護が微笑ましいね!? 何だろ、このデジャヴ! 希兵隊にもこんな二人がいた気がする!」
ぎゃあぎゃあ騒いでいる間に、ケーキを切り分け終わり、ツリーの飾りつけも完了した。スイッチを入れると、ツリーにちりばめられた色とりどりのLEDライトがピカピカと光りだし、口論していた二人も「おー」と見入って鎮火した。
しばらく見とれていた一同は、芽華実の「さて、ケーキを分けましょうか」の一言に我に返った。
「均等に切ったつもりだけど、ちょっとトッピングとかクリームの量が違うから、喧嘩しないようにお好みでね」
「私は最も小さいものでよいぞ」
「大きさは全部同じだろ。じゃあ私、このイチゴが微妙に大きいやつ、もーらいっ」
「じゃあ、次にイチゴが大きそうなこれ、フーが食べたらいいよ」
「え、いいの?」
「そこ! のろけない!」
「のろけてない!」
雷華、氷架璃、フー、アワとケーキを配っていき……芽華実は首をかしげた。
「あら? お皿が一つ足りないんじゃないかしら」
見れば、空いている皿が残り一つに対して、ケーキは二切れ残っている。
「私は人数分持ってきたぞ」
「でも、私もちゃんと六等分したのよ。私、アワ、フー、氷架璃、雷――」
指さし確認をしていた芽華実が、声を飲み込むように言葉を止めた。人差し指も、中途半端な宙を指したまま固まっている。
そして、何か、大きな過ちを犯してしまったかのように目を伏せ、「ごめん、私が間違えた」と小さく笑った。
少しの時間、気まずさがざらつく沈黙が流れた。
「……じゃあ、ひとまず、食べ終わってから、まだ入るヤツが早い者勝ちでいただくということで」
「え、みんなで分けたらいいのに」
「五等分するつもりか? 一切れを? どんな高度なテクニックがいるんだよ」
「案ずるな、私はいらぬ」
「四等分でもちょい難しいだろ。アワ、あんたスポンジひとかけでいい?」
「ザツっ!?」
結局、自分の分を食べ終わってから、余裕がある人達の間で決めようということになった。
グラスに炭酸飲料を注ぐと、「では、メリークリスマスー」という氷架璃の音頭で乾杯。チリン、とグラス同士がぶつかり合う音が室内に溶けて消えると、クリスマスの代名詞的な食べ物を、各々口に運ぶ。
チキンにかじりつき、ケーキを崩し、咀嚼する。
クリスマスツリーがピカピカと光る中、一日限りの特別な食事会は、ひっそりと静かに進んでいく。
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