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第2章
第4話 2度目の目覚め
しおりを挟む『いつまで寝てるのー!遅刻しても知らないからね!』
真っ暗な世界が赤く光りだす。
瞼の裏側に熱を感じ、ゆっくり開けると強光が瞳の中へ射し込んできた。
反射的に固く瞑られた眼をパチパチと瞬きしながら意識と記憶を引っ張り込む。
頭が痛い、視界はぼやけ気分が悪い。
何だ、何が起きた…
なんとか体を起こし周囲を確認すると、石の混ざった砂利っぽい地面に沢山の人が転がっている…
これって…
意識がしっかり戻った瞬間、転がっている人の内何人かがバタバタと様々な方向へ走り出した。
まずい!出遅れる!
まだ寝ぼけている手足を気合いで引っ張って駆け出した。
周囲には木が一切生えていない。大きな岩があちこちに転がっているが、ファーストウルフが来たらひとたまりもない。
まずは木だ、森が見える方向へ最短で走る。
何メートルか走ると、同じ事を考えているのだろう人が何人か見える。
話しかけようとしたその時、後方から叫び声が轟いてきた。まだ森まで半分ぐらいだ、間に合わないかもしれない。
〈死〉の一文字が脳裏をよぎる。
「馬鹿野郎!こっちに来るな!向こうへ行け!」
少し前を走っていた男性が一目俺を見て左の方向へ指を指している。
言っている意図が分からず無言でいると、
「距離が近い!2人でいたら、わ!?ヴわぁぁぁぁぁ!!」
突然強い突風と共に前の男が宙へ浮かび上がった。
追うように宙を仰ぐと大きな翼とグリッとした目。
キーーーー!!
ワイバーン!!!
「あぁぁ離せ!離せこの化け物!なんで俺なんだよぉぉぉ嫌だ死にたくない!離せぇぇぇ」
暴れる男、だがワイバーンは力を緩めるどころか更に鋭い鉤爪を食い込ませたのか男の肩口はみるみる赤く染まっていた。
俺は必死で走った。次々ときた方向へ戻されていく人達に目もくれず、正面の森だけに集中していた。
森が目前に迫った時、背中に柔らかな風を受けた。
次は俺の番か。
耳元に悪魔の手が伸ばされる気配を感じる。
『じゃあな。助かると思ったか?お前にそんな価値ねーよ!』
そうだ…生きる意味があるんだ。
踏みしめた右脚に目一杯力を込めて地面を右に蹴った。
途端に体はバランスを崩し左側に飛び転げる。
ギーキャァーー!!
獲物の予想外な動きに反応しつつも降下するスピードとパワーのベクトルに引きずられ、ワイバーンは森の木々に飲み込まれていってしまった。
こんな所で死んでられるか!
迫り来る無数のワイバーンの鳴き声を背に、死にものぐるいで森の奥へと走った。
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