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不知火美月

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あれから数ヶ月経ち、学校は夏休みに入っていた。私と航くんはとても仲が良く、常に一緒にいる為校内では噂が絶えなかったが、事実は何も無い。私と同じ部活に入り、休みの日も一緒に遊びに行ったり、また家に来たりと親密さは増すものの恋愛的な事は欠片も無く、私自身彼に世話をやいてやるのが幸せで仕方がなかった。

「見て!航くん、夕焼けで空がピンク色になってるよ!」

「ホントだ!ピンクと水色が混ざって綺麗だなぁ」

落下防止の柵を掴んで2人で見上げる空はなんだか寂しく見えた。でもずっと見ていたい美しさだった。
楽しかった夏休みももう終わり。明日からはまた学校が始まる、楽しみだなこれから体育祭や文化祭もある。航くんが来てから私の世界が全て変わった。

「お祭り楽しかったね、航くん出店に興奮して食べ過ぎたり、花火に驚いて飛び上がったりしてさ」

「え?あぁ、あれは内臓にきたな」

「明日からもきっと楽しいよ!お弁当何食べたい?」

「うん・・・卵焼きがいい。甘くないあの味が好きなんだ。」

風に煽られてストライプのワンピースが揺れる。

「あれはね、本だしの粉を入れて焼くんだよ」

「そうなんだ・・・ありがとう。教えて貰えて良かった、今度父さんにも食べさせてあげられる」

その言葉で気づいた、航くんはいつも私の事ばかり知りたがって自分の事は何も教えてくれてない事に。

「航く・・・」

それ以上言えなかった。聞いてしまえば今が終わってしまいそうで・・・夢から覚めるように幸せな日々が、航くんが、消えてしまう気がして怖くなったんだ。

遠くの山に日が沈んでいく。光が反射して目の前を流れる広い川に黄金が流れ出す。
待って!まだ足りない、もう少し、もう少し時間を頂戴!まだ輝ける!輝きたいの私!!
山の縁から溢れ出す強い光は、終わるまいと最後の力を振り絞って足掻いて伸ばす手に見えた。
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