diver

不知火美月

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『いいか航、diverはその時間に存在しない者でないと戻ることは出来ない。だから私は行けない、お前が行くしかないんだ』

『まだ人での実験は行ってない、それでも本当にいいんだな!?』

『期限は2ヶ月だ、いいな!2ヶ月だぞ!それを越えることは許さない、必ず、必ず戻ってこい!お前の居場所はここだ!父さんが待ってるからな!』


※     ※     ※


「俺・・・さ、未来から来たって言ったら・・・信じないよな」

虚しくも時は流れる。太陽の輪郭はすっぽりと山の影に取り込まれ金色の時間は消え、薄暗い闇が漂い始める。
空を見上げたままの彼をそっと覗き見ると、柵を掴んだ手が震えていた。

「信じるよ、航くんは嘘つくような子じゃないもんね」

ぶつかるような衝撃と共に私は力いっぱい航くんに抱きしめられていた。触れると骨格や筋肉の違いがもう大人の男性なのだと伝わってくる。守られているみたいで安心した、頼もしかった。
でも、航くんの頬には沢山の涙粒が流れ、手のひらは震えていた。

「か・・・さ、ん。俺、幸せだよ。かぁさ・・・んの子でよかっ、た。あ、りが、とう」

震える唇を噛み締めて必死に届いた言葉に何故か涙が溢れた。あの人の顔、声、髪、耳、手のひらでそっと撫でる。

「航くんはね、あの人にそっくりだけど、笑った顔がね私に似てるんだって。そう言われた時凄く嬉しかったなぁ」

そういうと、彼は抱きしめた腕を解いて、涙で濡れた顔でにっこりと優しい笑顔浮かべながら、ふわりと消えてしまった。
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