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「黒翼の反乱」〜「蒼い血統」
しおりを挟む反乱本部の広間。
石と鉄で組まれた壇上に、燭火が灯された。
青い火。魔力に反応する、血の色を視るための焔。
ユエンが言った。
「この火の前に立ち、名を述べろ。偽りであれば炎は拒む。真実の血と意志を持つ者のみが、黒翼の証を得る」
リィナは歩み出た。
幾つもの視線が刺さる中、彼女は深く呼吸した。
「私の名は、リィナ・アゼレイド。
かつて王家に幽閉され、今、王政を討つためにここに立つ。
私は……この命を、未来のために捧げる」
その瞬間、青い焔が激しく揺れ、――白く変わった。
会場がざわめく。
「……これは……」
「“白炎”……王族の純血と、覚醒の兆し……」
魔導師が一歩前に出る。ローブの袖から取り出されたのは、古い石板。
そこには、かつて“第一王家”と呼ばれた一族の紋章が刻まれていた。
「リィナ……君は、第一王妃の直系だ。
帝国にも、今の王にも知られていない“最初の継承者”」
彼女は、言葉を失った。
血が震えていた。
自分の中に眠っていた何かが、今まさに目覚めかけている。
「私が……継ぐ?」
「君が否定すれば、その血はまた封じられる。
だが君が“望めば”、世界は動く」
リィナは答えなかった。
ただ、火を見つめていた。
青でもなく、赤でもない――“蒼”。
彼女の瞳が、ゆっくりと、その色に染まってゆくのを、誰もが目撃していた。
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