あの日の恋

河衣佳奈

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出会い系サイト

趣味繋がりで②

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真代さんの家は最寄り駅から車で5分ほど北の閑静な住宅街の一角でした。僕の家は同じ駅の南側で、車だと15分とかからない近いところに住んでいて、世間は狭いね。お互い悪いことはできないね、と二人で笑いました。

「どうぞ」とリビングに通され、奥にデスクとPCがあり、これが私のPCなの。さっき教えてくれたアプリを入れてくれる?と。

僕が彼女のPCの前に座り作業を始めると、真代さんはキッチンに向かい珈琲を淹れてくれました。

インストールが終わり、真代さんに説明が終わると、リビングのテーブルに場所を移し、珈琲をいただきながら話をしました。

「ご主人はいつ頃帰ってくるの?」
「単身赴任はあと1年で、今度のお盆休みに4日くらい帰ってくるかな」
「じゃあ、あと1ヶ月ちょっと。会えるから良かったですね」
「ええっ、帰ってきたら帰ってきたで面倒なのよ」

そんな会話もしながら、真代さんがああ言うサイトに登録した理由を訊くと、逆によりみちさんはどうして?と。

「僕は、なんて言うか……あまり考えず、まぁ、良い出会いがあればくらいで」
「そっか、よりみちさんは独身だもんね。まだまだ遊べるじゃない」
「真代さんだって今は旦那さんいないんだし、遊べるじゃないですか?」
「そうだけど。やっぱりああいうサイトってどんな人がいるか分からないから怖いよね」
「僕は大丈夫だったんですか?」
「うん、なんだろう?安心できたの」
「嬉しいような、ちょっと残念なような……」
「残念?どうして?」
「真代さん、可愛いから……」
「また、そんなぁ……揶揄わないで」

ニッコリ笑う真代さんは本当に可愛くて、僕は立ち上がり真代さんの背後から抱きついていました。


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