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外国人パートナー
セフレビザⅡ
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「キレイジャナイケド……」
ホセの家は木造二階建で、お風呂とトイレは付いていたもののかなり古いアパートだった。
「大丈夫。ありがとう」
それでも部屋の中は綺麗に整えられていて、壁にはホセとホセの家族だろう人の写真が数枚貼ってあった。床には日本語学校の教科書と思われる本が積まれ、丸テーブルがひとつ。そしてその脇に布団が畳んであった。
ホセの話では、ここに入居した時は隣も下にも誰かが住んでいたようですが、今はホセだけのようです。家賃は40,000円で水道代が含まれており、それなら生活できると思い、ここに決めたようです。
「スワッテ、カナ」
「うん。ありがとう」
あらためて部屋を見渡す。
テレビはなく、生活に必要最低限のものだけの部屋。それだけに綺麗に畳まれている布団がどこかいやらしく見えた。
「カナ……」
名前を呼ばれ、少しだけ女の目をしてホセを見る。
(ここでホセに抱かれるんだ、私……)
しかし次の瞬間、私はキョトンとなってしまったのでした。
「スコシダケ、ニホンゴオシエテホシイ」
「えっ……と、日本語……ね」
丸テーブルを挟んでホセの宿題を2人でやることになった。
分からないというところを教えながら、ホセは真剣な表情で宿題を進めていく。私は変な期待をしてた自分が少し恥ずかしくなった。
ホセは一生懸命日本語を覚えて、それを母国に帰って活かそうとしているのだ。彼からすればこの先の人生が懸かっているに違いない。
私は変な期待はすぐに消して、ホセのためになればと一緒に取り組んだ。
そして1時間半が過ぎ、宿題が全て終わった。
「ありがとう、佳奈」
ホセはニッコリと笑いながら綺麗な日本語でそう言った。
「どういたしまして」
「トウシタイマシタ?」
「(笑)どういたしまして、よ」
ホセが淹れてくれたアイスグリーンティーをいただきながら暫し談笑していると、時刻は22時半になろうとしていた。
「じゃあ、そろそろ帰ろうかな、私」
さっきまでの変な期待から一変して、とても清々しい気持ちになった私。まだ帰宅できる時間だったので帰ろうと立ち上がると、
「佳奈……」
ホセも同じように立ち上がる。
「なあに? 途中まで送ってくれるの?」
ホセならきっとそう言うだろうと思い、戯けて見せた。
「違う……あの、その……」
さっき宿題をしていた時のような真剣な表情でホセは何か言おうとしている。
「どうしたの?」
「……mahal ko ito(大好きだ)」
「なあに? 分かんないよ……」
「I love you……」
「えっ……」
ホセはそのまま私を強く抱きしめてきました。
続
ホセの家は木造二階建で、お風呂とトイレは付いていたもののかなり古いアパートだった。
「大丈夫。ありがとう」
それでも部屋の中は綺麗に整えられていて、壁にはホセとホセの家族だろう人の写真が数枚貼ってあった。床には日本語学校の教科書と思われる本が積まれ、丸テーブルがひとつ。そしてその脇に布団が畳んであった。
ホセの話では、ここに入居した時は隣も下にも誰かが住んでいたようですが、今はホセだけのようです。家賃は40,000円で水道代が含まれており、それなら生活できると思い、ここに決めたようです。
「スワッテ、カナ」
「うん。ありがとう」
あらためて部屋を見渡す。
テレビはなく、生活に必要最低限のものだけの部屋。それだけに綺麗に畳まれている布団がどこかいやらしく見えた。
「カナ……」
名前を呼ばれ、少しだけ女の目をしてホセを見る。
(ここでホセに抱かれるんだ、私……)
しかし次の瞬間、私はキョトンとなってしまったのでした。
「スコシダケ、ニホンゴオシエテホシイ」
「えっ……と、日本語……ね」
丸テーブルを挟んでホセの宿題を2人でやることになった。
分からないというところを教えながら、ホセは真剣な表情で宿題を進めていく。私は変な期待をしてた自分が少し恥ずかしくなった。
ホセは一生懸命日本語を覚えて、それを母国に帰って活かそうとしているのだ。彼からすればこの先の人生が懸かっているに違いない。
私は変な期待はすぐに消して、ホセのためになればと一緒に取り組んだ。
そして1時間半が過ぎ、宿題が全て終わった。
「ありがとう、佳奈」
ホセはニッコリと笑いながら綺麗な日本語でそう言った。
「どういたしまして」
「トウシタイマシタ?」
「(笑)どういたしまして、よ」
ホセが淹れてくれたアイスグリーンティーをいただきながら暫し談笑していると、時刻は22時半になろうとしていた。
「じゃあ、そろそろ帰ろうかな、私」
さっきまでの変な期待から一変して、とても清々しい気持ちになった私。まだ帰宅できる時間だったので帰ろうと立ち上がると、
「佳奈……」
ホセも同じように立ち上がる。
「なあに? 途中まで送ってくれるの?」
ホセならきっとそう言うだろうと思い、戯けて見せた。
「違う……あの、その……」
さっき宿題をしていた時のような真剣な表情でホセは何か言おうとしている。
「どうしたの?」
「……mahal ko ito(大好きだ)」
「なあに? 分かんないよ……」
「I love you……」
「えっ……」
ホセはそのまま私を強く抱きしめてきました。
続
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