憧れの異世界で個性あるイケメンたちに溺愛されてるみたいです！

冒険者！

脱出！

あのやり取りから3日たった頃2人は緊急の依頼が入ったとかで俺に留守を頼み慌ただしく家を出ていった。




「チャンスだ。」




きっと2人とも次家を外すタイミングはしばらくない。




今日は天気がよく2人がいない。絶好の脱出日和と言えるだろう。


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俺はこの3日間ジークとギルには内密に転移の魔法を練習してきた。





さりげなく魔法のことを聞き、転移魔法の存在を知った時は心の中で狂喜乱舞したのは、しょうがないことだと思う。





そして、話を聞くうちに2人とも魔法はそれなりに扱えるが剣メインの戦い方で魔力察知の能力が低いと言っていた。




試しに1人、部屋で風を起こす魔法を使ってみたけど気づかれることなんて全くなかったため。




1人でいる時は常に転移魔法の練習をしていた。



空間魔法は闇魔法を使ってできるという考察は間違ってなく、寝る前に2時間練習したら5mくらいの短距離転移ができるようになっていた。




「ふふふ、自分で言うのもなんだけど俺めっちゃ才能あるんじゃない？」





部屋で脱出し、キラキラの冒険者生活を送ることを想像し、薄ら笑いを浮かべていた。




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そんなこんなで転移魔法を習得した俺はご丁寧に厳重にかけられた玄関の鍵を見すえる。




「ふん、こんな鍵なんて直接外に出てしまえば問題ないんだよな～」




俺は玄関のドアの前に立ち外の風景を想像する。そして体全体を薄く覆うように魔力を放出する。




さすが異世界チートと言うべきか、初めて魔法を使った時から、魔力感知や魔力操作は完璧の状態に近かった。




そして、練習しているうちにイメージが何よりも大切だということを知ったため、魔力をねりながら外の風景を強く思い浮かべる。




思い浮かべられたらお次はそれっぽい呪文に魔力を載せるだけだ。




「精霊よ！我に手を貸し魔力を糧として救たまえ。転移！」







まぁそんなことを上がりきったテンションの勢いのまま即興で言う。




いかにも厨二病患者の言うようなセリフに少し恥ずかしさを覚えたものの、それが気にならないくらいには嬉しかった。この生活から抜け出せることが。







ﾋｭﾝ「、、、、、、おぉ！」





耳もとで風を切る音がし、ゆっくりと目を開ける。




転移魔法はなんなく成功した。





しかし、喜んではいられない。緊急の依頼とはいえ、いつ帰ってくるか分からないのだ。ここでのんびりしてせっかく脱出したのに見つかる訳には行かない。





早速馬車や馬の蹄の痕跡にそって俺が来た森方向とは別方向で道を進む。





この先を進めばギルドや街に着くのかは分からないがあの家に戻るよりはましだと思い、進み続ける。








日が少し傾き始めた頃前方500mに村よりは大きいが街と言うには少し小さい程度の人里がみえた。







一刻も早く着きたかった俺は風魔法を体にまとい走ることにした。