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深まる闇
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俺はいつの間に果てたのだろう。
気が付いて、腕時計を見ると、もうじき放課後になる時刻だった。
佐藤先輩の姿は無い。
俺はトランクスをはかされたまま、マットの上にうつ伏せに横倒されていた。
「ぐっ…!」
もう両手は縛られていなかったが、幾ら力を入れて立ち上がろうとしても、先輩に身体中を骨抜きにされたせいで身体に力が入らない。
「こ、これくらいのことで…!畜生…!」
俺は這うようにして、マットの上から、自分のロッカーまでやってきた。
幸い、俺のロッカーは着替えの途中だったことも有って扉は開けたままになっている。
ロッカーの下から、腕を何とか伸ばし、俺は制服とシャツを引っ張るようにしてもぎ取った。
だが、着る為には立ち上がらなければならない。
俺は片方の手で制服を握り締めたまま、長椅子にもう片方の手を掛け、身体を起こすと先ず上から着替え始める。
そして、長椅子に倒れ込むようにしてズボンを履いた。
着替えが終わったはいいが、次は教室までカバンを取りに行かなくてはならない。
駄目だ…。
俺は少しの間、動けなかった。
運動部の連中が入って来る前に何とか更衣室を出た俺は教室に向かう。
まだ誰かいるかと思ったが、誰もいない。
俺はカバンを手に取ると、クラクラする頭を押さえながら、昇降口に向かう。
自分の下駄箱の前まで来た俺は嫌な予感がして、情けねーことに、手の震えが止まらなかった。
中を開けると、そこには朝、佐藤先輩が言ってた連絡先だろう、スニーカーと一緒に紙が入っているのが見える。
やっぱ先輩はもう俺がタバコを吸ってようが構わないようだ。
俺はもう一度、捨てようとして、思い留まる。
佐藤先輩は俺を犯しに来た時、言う事を聞かなかったら今度は鈴木を襲うような事を言っていた。
それに俺の汚された身体が、フラフラする両足が、佐藤先輩に犯されたという残酷な現実を否応なく突きつけていた。
下手に捨てたら、今度は鈴木の身が危ない。
仕方なく、俺はカバンから携帯を取り出すと、そこに書かれている佐藤先輩の連絡先を登録した。
願わくばもう2度とあんな目には遭わせられない様に。
俺は祈るような気持ちで携帯をしまうと、学園を後にした。
当初は朝、新しい女をハントしようとしてた俺だったが、歩くのがおぼつかない。
夕方の繁華街に出たは良いが、さっきから通行人とぶつかってばかりいる。
中には舌打ちしてくる奴も居たが、今は喧嘩出来るどころの状態じゃなかった。
その矢先、俺はとうとう知らねー奴と思い切り正面からぶつかっちまった。
「おい、キミ?大丈夫か?」
相手の声が遠く聞こえる。
それがどんな奴なのか見据えた俺の視界にサラリーマン風のまだ若そうな男の姿が見えた。
…あれ?どっかで会ったか…?
俺は記憶を辿ろうとするが、頭が思うように働かない。
まあ、どうでもいいか。
基本、男には興味のない俺は、佐藤先輩との件も有って、構わず歩き出そうとする。
「待つんだ、キミ!足がふらついているぞ」
「るっせー…俺のことはほっといてくれ」
腕を掴まれた俺は、その手を振りほどいた。
しかし、その勢いで俺はそのままアスファルトの上に倒れ込む。
「少しも大丈夫じゃないじゃないか。しっかりするんだ」
俺は男に腕を再び掴まれ、男の肩にその腕をまわされた。
それを最後に俺は、そのまま意識を失った。
「…ん…」
何か味噌汁の香りを嗅いだような気がして、俺は薄っすらと目を開けた。
…どこだ?ここ。
見知らぬ天井に、いつの間に寝たのかベッドから嗅いだ事のない男臭さ。
どうなっているんだ?
俺の頭は、クラクラしなくなってはいたが、今度は今現在、俺自身がどうなってるのか状況が飲み込めず、混乱している。
顔を味噌汁の香りが漂ってくる方に向けると、さっきの男がお盆にお碗を乗せて俺のところにやって来るところだった。
「気が付いたかい?…ごめんな。病院に行ったら、もう診察受け付け時間を過ぎててな。キミのご家族には心配掛けて申し訳ないが、僕のマンションにとりあえず運び込んだんだ」
「そりゃどーも。悪いな、ベッド独占しちまって」
俺は長居をする気はなかったから、起き上がると直ぐにベッドから出ようとする。
そこを男に止められた。
「駄目だよ。何かお腹に入れた方が良い。それにベッドなら別の部屋にも在る。キミの名前は?」
「千夜保だ。あんたは?」
俺の質問に男が応える。
「安倍圭介だ。一応、会社の取締役をしているよ」
「その若さでか?」
圭介さんの言葉に俺は驚いた。
「親父が昨年、急死してね。結構大きな会社だから、色々なところを提供しているよ」
「大したもんだな。それより帰してくれないなら、シャワー浴びさせてくれ」
俺は佐藤先輩に汚された汗まみれの身体を早く洗い流したかった。
最も幾ら流そうとしても、もう俺の身体には消えない一生もんの傷が残っちまったが。
「これを食べてからだ。浴室で又、倒れられたら僕も困る」
確かに、俺自身もそう何度も倒れてたら身体が参っちまうな。
俺は圭介さんが作った味噌汁を口にする。
俺が作る味とは又違うが、これはこれで美味い。
俺は昼飯を最後に何も食べていなかったことも有って、ひと口目が呼び水になってからは、一気に全部飲み干した。
俺は圭介さんの部屋の浴室を借りて、シャワーをいつもより念入りに浴びる。
俺はシャワーを浴びたら帰ろうかと思っていたが、もう夜も遅いからと、圭介さんのはからいで今夜は部屋に泊めさせてもらうことになった。
シャワーを浴びてると、佐藤先輩にレイプされた時の事が次々と思い出されて俺は浴室の壁に両手を付いて下を向く。
禁煙の約束を破ったのに、連絡先を入れていた先輩。
結局、俺と又ヤりたいだけじゃねーのか…?
「うっ…ううっ…ひっく…!」
幾ら浴室が響くと言っても、シャワーの音で圭介さんには聞こえない筈だ。
俺は悔しさに下を向いたまま声を押し殺して泣いた。
佐藤先輩の前じゃ、ぜってー泣かねー。
先輩を図に乗らせたくなかった、俺のささやかな抵抗。
負けてたまるか。
これから佐藤先輩は留学する。
それまで俺は先輩の存在に怯えながら学園に通う事になるのか。
そして、俺は佐藤先輩の連絡先にテストメールを送らなければいけないのか?
だが、そうしたら最後、いつでも呼び出される可能性もある。
そう思っていると、全身に鳥肌が立った。
俺は、恐怖のあまり、全身の震えが止まらない。
シャワーの温度を上げて、俺は泣きながら歯を喰いしばった。
この日の夜から俺は夢を見るのが怖くなった。
浴室を出ると、圭介さんの物か、見たことのないパジャマが置いてあるのを俺は見つける。
そういや、女の部屋に泊まる時は毎回裸のままだから、新鮮な気がした。
試しに着てみたら、ゆったりサイズで丁度良い。
圭介さんはああ見えて俺と同じく、着痩せすると言うか細マッチョかも知れねーな。
そんな事を思いながら、リビングに戻ると、圭介さんが椅子に座っている。
「上がったみたいだね。そのパジャマ、ピッタリで良かったよ」
「ひょっとして待たせたか?」
「気にしなくても良い。僕はこれからシャワーを浴びるけど、きちんと親御さんに連絡するんだよ」
それだけ言うと、圭介さんは俺の肩をポンと叩いて、浴室の方へ行った。
親御さん、ねえ…。
俺が極道の息子だって知ったら、圭介さんはどう思うだろう。
明日も学校だから、寝るのが怖くても、そろそろ寝なくてはいけない。
徹夜で起きてたら、又、圭介さんを心配させそうだ。
俺は震える指で常夜灯を点ける。
薄暗い部屋の隅に、さっき俺が寝てたシングルベッドが在る。
中に入ると、俺の意思に反して睡魔が襲ってきた。
見慣れない天井を見てると色々な意味で疲れてた俺は、いつの間にか眠っちまった。
「起きるんだ、保」
佐藤先輩の声に俺はハッとなって目が覚めた。
俺は両手を後ろ手に縛られ、裸のまま仰向けに倒されていた。
「佐藤先輩…?」
今さっきまでのことは夢か?
混乱する俺を尻目に先輩は言う。
「お前に逃げ場は無い。大人しく俺に犯され続けるんだ、保」
佐藤先輩はそう言うと俺に襲いかかってきた。
「何するんだよ…っ?!」
「何、気持ちいい事だ」
佐藤先輩は、そう言うと俺のペニスを容赦なくシコる。
「あ…っ!ああ!あああああああああ…っ!」
俺は嫌いになった先輩にヤられて、気持ち悪いのか良いのかよく解らないまま、我慢出来ずに、声を出してしまう。
佐藤先輩はそんな俺の様子を見てニヤニヤ笑っていた。
「保は可愛いな」
そんな事言われても少しも嬉しくない。
だがそんな佐藤先輩に、俺はペニスを無理矢理、勃起させられたところで、勢いよく今度は白濁した精液を吸わされてしまう。
気持ちいいが、もうよして欲しかった。
だが、先輩は止めるどころか、先輩自身の勃起したペニスをも俺の口の中に突っ込んでくる。
俺は思わず先輩のペニスに、前歯で思い切り噛み付いた。
「大人しくしてろと言った筈だが?」
そう言うと先輩は今度は俺の顔に精液を射精する。
「うっ…ッ!」
視界がボヤけて俺は佐藤先輩のペニスがよく見えなくなった。
それだけじゃない。
先輩は俺を強引にうつ伏せにすると両足を開かせ、今度はバイブらしきモンを俺の尻の穴に入れてくる。
「ぎゃあああああああああああああああああああ…っ…!」
俺は堪らず悲鳴を上げた。
血の一滴も出てないが、身体の内側から壊されていく感覚。
しばらくしてバイブを抜かれるが、安心は出来ない。
そして、佐藤先輩は再び俺を仰向けにすると、俺の精液が付いた口で俺の唇にキスをしようとする。
「保、愛している…」
佐藤先輩の吐息が俺の顔にかかる。
「止めろおおおおおおおおおおおおお…っ!」
俺は激痛と恐怖、嫌悪感のあまり、絶叫した。
気が付いて、腕時計を見ると、もうじき放課後になる時刻だった。
佐藤先輩の姿は無い。
俺はトランクスをはかされたまま、マットの上にうつ伏せに横倒されていた。
「ぐっ…!」
もう両手は縛られていなかったが、幾ら力を入れて立ち上がろうとしても、先輩に身体中を骨抜きにされたせいで身体に力が入らない。
「こ、これくらいのことで…!畜生…!」
俺は這うようにして、マットの上から、自分のロッカーまでやってきた。
幸い、俺のロッカーは着替えの途中だったことも有って扉は開けたままになっている。
ロッカーの下から、腕を何とか伸ばし、俺は制服とシャツを引っ張るようにしてもぎ取った。
だが、着る為には立ち上がらなければならない。
俺は片方の手で制服を握り締めたまま、長椅子にもう片方の手を掛け、身体を起こすと先ず上から着替え始める。
そして、長椅子に倒れ込むようにしてズボンを履いた。
着替えが終わったはいいが、次は教室までカバンを取りに行かなくてはならない。
駄目だ…。
俺は少しの間、動けなかった。
運動部の連中が入って来る前に何とか更衣室を出た俺は教室に向かう。
まだ誰かいるかと思ったが、誰もいない。
俺はカバンを手に取ると、クラクラする頭を押さえながら、昇降口に向かう。
自分の下駄箱の前まで来た俺は嫌な予感がして、情けねーことに、手の震えが止まらなかった。
中を開けると、そこには朝、佐藤先輩が言ってた連絡先だろう、スニーカーと一緒に紙が入っているのが見える。
やっぱ先輩はもう俺がタバコを吸ってようが構わないようだ。
俺はもう一度、捨てようとして、思い留まる。
佐藤先輩は俺を犯しに来た時、言う事を聞かなかったら今度は鈴木を襲うような事を言っていた。
それに俺の汚された身体が、フラフラする両足が、佐藤先輩に犯されたという残酷な現実を否応なく突きつけていた。
下手に捨てたら、今度は鈴木の身が危ない。
仕方なく、俺はカバンから携帯を取り出すと、そこに書かれている佐藤先輩の連絡先を登録した。
願わくばもう2度とあんな目には遭わせられない様に。
俺は祈るような気持ちで携帯をしまうと、学園を後にした。
当初は朝、新しい女をハントしようとしてた俺だったが、歩くのがおぼつかない。
夕方の繁華街に出たは良いが、さっきから通行人とぶつかってばかりいる。
中には舌打ちしてくる奴も居たが、今は喧嘩出来るどころの状態じゃなかった。
その矢先、俺はとうとう知らねー奴と思い切り正面からぶつかっちまった。
「おい、キミ?大丈夫か?」
相手の声が遠く聞こえる。
それがどんな奴なのか見据えた俺の視界にサラリーマン風のまだ若そうな男の姿が見えた。
…あれ?どっかで会ったか…?
俺は記憶を辿ろうとするが、頭が思うように働かない。
まあ、どうでもいいか。
基本、男には興味のない俺は、佐藤先輩との件も有って、構わず歩き出そうとする。
「待つんだ、キミ!足がふらついているぞ」
「るっせー…俺のことはほっといてくれ」
腕を掴まれた俺は、その手を振りほどいた。
しかし、その勢いで俺はそのままアスファルトの上に倒れ込む。
「少しも大丈夫じゃないじゃないか。しっかりするんだ」
俺は男に腕を再び掴まれ、男の肩にその腕をまわされた。
それを最後に俺は、そのまま意識を失った。
「…ん…」
何か味噌汁の香りを嗅いだような気がして、俺は薄っすらと目を開けた。
…どこだ?ここ。
見知らぬ天井に、いつの間に寝たのかベッドから嗅いだ事のない男臭さ。
どうなっているんだ?
俺の頭は、クラクラしなくなってはいたが、今度は今現在、俺自身がどうなってるのか状況が飲み込めず、混乱している。
顔を味噌汁の香りが漂ってくる方に向けると、さっきの男がお盆にお碗を乗せて俺のところにやって来るところだった。
「気が付いたかい?…ごめんな。病院に行ったら、もう診察受け付け時間を過ぎててな。キミのご家族には心配掛けて申し訳ないが、僕のマンションにとりあえず運び込んだんだ」
「そりゃどーも。悪いな、ベッド独占しちまって」
俺は長居をする気はなかったから、起き上がると直ぐにベッドから出ようとする。
そこを男に止められた。
「駄目だよ。何かお腹に入れた方が良い。それにベッドなら別の部屋にも在る。キミの名前は?」
「千夜保だ。あんたは?」
俺の質問に男が応える。
「安倍圭介だ。一応、会社の取締役をしているよ」
「その若さでか?」
圭介さんの言葉に俺は驚いた。
「親父が昨年、急死してね。結構大きな会社だから、色々なところを提供しているよ」
「大したもんだな。それより帰してくれないなら、シャワー浴びさせてくれ」
俺は佐藤先輩に汚された汗まみれの身体を早く洗い流したかった。
最も幾ら流そうとしても、もう俺の身体には消えない一生もんの傷が残っちまったが。
「これを食べてからだ。浴室で又、倒れられたら僕も困る」
確かに、俺自身もそう何度も倒れてたら身体が参っちまうな。
俺は圭介さんが作った味噌汁を口にする。
俺が作る味とは又違うが、これはこれで美味い。
俺は昼飯を最後に何も食べていなかったことも有って、ひと口目が呼び水になってからは、一気に全部飲み干した。
俺は圭介さんの部屋の浴室を借りて、シャワーをいつもより念入りに浴びる。
俺はシャワーを浴びたら帰ろうかと思っていたが、もう夜も遅いからと、圭介さんのはからいで今夜は部屋に泊めさせてもらうことになった。
シャワーを浴びてると、佐藤先輩にレイプされた時の事が次々と思い出されて俺は浴室の壁に両手を付いて下を向く。
禁煙の約束を破ったのに、連絡先を入れていた先輩。
結局、俺と又ヤりたいだけじゃねーのか…?
「うっ…ううっ…ひっく…!」
幾ら浴室が響くと言っても、シャワーの音で圭介さんには聞こえない筈だ。
俺は悔しさに下を向いたまま声を押し殺して泣いた。
佐藤先輩の前じゃ、ぜってー泣かねー。
先輩を図に乗らせたくなかった、俺のささやかな抵抗。
負けてたまるか。
これから佐藤先輩は留学する。
それまで俺は先輩の存在に怯えながら学園に通う事になるのか。
そして、俺は佐藤先輩の連絡先にテストメールを送らなければいけないのか?
だが、そうしたら最後、いつでも呼び出される可能性もある。
そう思っていると、全身に鳥肌が立った。
俺は、恐怖のあまり、全身の震えが止まらない。
シャワーの温度を上げて、俺は泣きながら歯を喰いしばった。
この日の夜から俺は夢を見るのが怖くなった。
浴室を出ると、圭介さんの物か、見たことのないパジャマが置いてあるのを俺は見つける。
そういや、女の部屋に泊まる時は毎回裸のままだから、新鮮な気がした。
試しに着てみたら、ゆったりサイズで丁度良い。
圭介さんはああ見えて俺と同じく、着痩せすると言うか細マッチョかも知れねーな。
そんな事を思いながら、リビングに戻ると、圭介さんが椅子に座っている。
「上がったみたいだね。そのパジャマ、ピッタリで良かったよ」
「ひょっとして待たせたか?」
「気にしなくても良い。僕はこれからシャワーを浴びるけど、きちんと親御さんに連絡するんだよ」
それだけ言うと、圭介さんは俺の肩をポンと叩いて、浴室の方へ行った。
親御さん、ねえ…。
俺が極道の息子だって知ったら、圭介さんはどう思うだろう。
明日も学校だから、寝るのが怖くても、そろそろ寝なくてはいけない。
徹夜で起きてたら、又、圭介さんを心配させそうだ。
俺は震える指で常夜灯を点ける。
薄暗い部屋の隅に、さっき俺が寝てたシングルベッドが在る。
中に入ると、俺の意思に反して睡魔が襲ってきた。
見慣れない天井を見てると色々な意味で疲れてた俺は、いつの間にか眠っちまった。
「起きるんだ、保」
佐藤先輩の声に俺はハッとなって目が覚めた。
俺は両手を後ろ手に縛られ、裸のまま仰向けに倒されていた。
「佐藤先輩…?」
今さっきまでのことは夢か?
混乱する俺を尻目に先輩は言う。
「お前に逃げ場は無い。大人しく俺に犯され続けるんだ、保」
佐藤先輩はそう言うと俺に襲いかかってきた。
「何するんだよ…っ?!」
「何、気持ちいい事だ」
佐藤先輩は、そう言うと俺のペニスを容赦なくシコる。
「あ…っ!ああ!あああああああああ…っ!」
俺は嫌いになった先輩にヤられて、気持ち悪いのか良いのかよく解らないまま、我慢出来ずに、声を出してしまう。
佐藤先輩はそんな俺の様子を見てニヤニヤ笑っていた。
「保は可愛いな」
そんな事言われても少しも嬉しくない。
だがそんな佐藤先輩に、俺はペニスを無理矢理、勃起させられたところで、勢いよく今度は白濁した精液を吸わされてしまう。
気持ちいいが、もうよして欲しかった。
だが、先輩は止めるどころか、先輩自身の勃起したペニスをも俺の口の中に突っ込んでくる。
俺は思わず先輩のペニスに、前歯で思い切り噛み付いた。
「大人しくしてろと言った筈だが?」
そう言うと先輩は今度は俺の顔に精液を射精する。
「うっ…ッ!」
視界がボヤけて俺は佐藤先輩のペニスがよく見えなくなった。
それだけじゃない。
先輩は俺を強引にうつ伏せにすると両足を開かせ、今度はバイブらしきモンを俺の尻の穴に入れてくる。
「ぎゃあああああああああああああああああああ…っ…!」
俺は堪らず悲鳴を上げた。
血の一滴も出てないが、身体の内側から壊されていく感覚。
しばらくしてバイブを抜かれるが、安心は出来ない。
そして、佐藤先輩は再び俺を仰向けにすると、俺の精液が付いた口で俺の唇にキスをしようとする。
「保、愛している…」
佐藤先輩の吐息が俺の顔にかかる。
「止めろおおおおおおおおおおおおお…っ!」
俺は激痛と恐怖、嫌悪感のあまり、絶叫した。
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