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72 催花雨
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◇◇◇ローズ視点
その日学校から帰って来ると、珍しく執務室で仕事をしているフェルディナン様を訪ねた。
「ところでフェルディナン様、想い人の捜索は進んでますか?」
「ん? いや……進んでないな」
「これ、ナヴァル王国の有名な似顔絵師の方の連絡先です。フェルディナン様の記憶をもとに描いた女性の肖像画をこちらの絵師へ送ると、現在の姿を推測して描いてくれますから、良かったら、連絡を取ってみてください」
「ローズは、俺が彼女と再会して恋に落ちたとしても構わないのか?」
「心に残る女性がいるまま私と結婚して、後から後悔するよりはマシでしょう? 彼女が理想の女性になってたらどうするんです?」
(純粋なローズの厚意が心を抉る。自分が長年探し続けてきた女性と再会することを、何とも思ってないようだ。
過去の女性たちには嫉妬するのに、一体何なんだ?)
「嫉妬深い貴女がそんな鷹揚なことを言うとは、意外だな」
「フェルディナン様がその女性を忘れられずに今まで婚約をしてこなかったこと、いろんな人から聞いてるから。そういう想いは、大事にした方が良いと思って」
「普通、嫌だろう?」
「本音を言うと、嫌ですよ? でも、過去の想い人は美化されやすいから。ちゃんと彼女と再会した上で、私を選んでほしいんです。できたら、ですけど」
「過去の想い人、か。たしかに妬けるな、ローズが結婚を夢見たという彼には」
「それをいうなら、フェルディナン様だって一緒でしょ? 長年想い続けてるんだから」
「俺の場合は、女除けのための便利な言葉として使っていたところがあるからな」
「別に、今さら気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ?」
「気など遣ってない。ほんとに――」
「詳細は結構ですからっ!」
フェルディナン様が長年想い続けてきた女性と再会するのを手放しで喜べるかと聞かれると、そうだとは答えられない。それでも、その女性を探すお手伝いができるくらいには、彼との絆を信じられる自分になれたことを嬉しく感じていた。
――その日の夜。
夜半前から窓を打ち付ける雨音が一段と激しくなってきた。
「春の嵐かしら。まいったなぁ」
普段は何ともない背中の傷も、雨の日だけは酷く痛むことがある。季節の変わり目は特にそうだ。
いつもより早めにベッドに入ったけれど、ゴソゴソと這い出て痛み止めを飲んだ。目を瞑り、身体を丸めて痛みが去ってくれるのをひたすらにやり過ごすことにした。
◆◆◆フェルディナン視点
夜半過ぎにようやく仕事を終え、寝室に入ったところで外の雨音が激しいことに気が付いた。
花冷えの一日だったな。たしか、季節の変わり目は古傷が痛むんだよな……。
しばらく逡巡したのち、ローズの寝室へと続く中扉をノックした。何度かノックしたものの、返事がない。うっすらと灯が漏れているから、まだ眠っていないはずなのにと訝しく思いながらドアのノブを回すと、扉が開いた。
「ふっ。鍵はかけてないんだな。……ローズ? 入るぞ?」
やはり返事はない。寝台の上にローズの姿はなく、乱れたシーツが無造作に床の上に落ちている。
「ローズ? どうした? 大丈夫か?」
ローズの執務室へと続く扉が開いていることに気づき、大股で歩いて向かうが、そこにもローズの姿は見えない。浴室にもローズの姿がないことを確認してから、急いで階下へ降りて行った。
深夜の屋敷は、驚くほど静まり返っている。使用人達は別棟で寝起きしているため、この邸宅には護衛を除きローズと自分しかいない。
ふと、厨房の方向から甘い匂いが漂ってきた。ローズが湯たんぽを作るためにお湯を沸かしながら、ミルクに薬草を煎じたものを入れ煮詰めているようだ。
ローズは厨房の椅子に膝を抱えて座り、膝の上に顎を乗せて何やら物思いに耽っていた。
いつもは後ろで一つに束ねている髪の毛を自然におろし、少しウェーブがかった琥珀色の髪が、呼吸に合わせて上下に波打っている。
下がり気味の眉尻も、長い睫毛が縁どったパープルの瞳も、今夜はひどく不安気に見える。
いつもはその立ち振舞いから大人びて見えるローズだが、そこにいるのは、紛れもなく成人を迎えて間もない18歳の少女だった。
着ていたガウンを脱ぐと、そっとローズの細い肩にかけた。
ビクッとしてローズが振り返る。
「すまない、驚かせたか?」
「フェルディナン様……まだ起きていらっしゃったんですか?」
「少し喉が渇いてな。ローズは? 傷が痛むのか?」
「ちょっとだけ。ホットミルクを作っていたんですが、ご一緒に如何ですか?」
「そうだな。じゃあ俺は、こっちを頂くよ」
そう言って、ウイスキーのボトルを手にもう一脚椅子を持ってきて、ドカッと隣に腰掛ける。
パラパラと、雨が厨房の窓を打つ音が響く。
「……雨って、色んな呼び方があるのをご存知ですか?」
「ん? 雨は雨だろう?」
「春の雨はね、催花雨とか、春霖とか、甘雨とか。地方によっても、色んな呼び方があるんですよ。
昔はね、好きだったんです、窓から雨を眺めるのが。雨上がりの、息を吹き返した草木の香りも。でも今は、ちょっとだけ、辛い……」
そう言って、おでこを膝にくっつける。横髪がサラサラと落ちて、彼女の哀しそうな表情を隠してしまう。
自分が知る限り、ローズがここまで正直に弱音を吐いたことはない。横髪を優しく耳にかけてやると、不安気に揺れるラベンダー色の瞳と目が合った。
ローズの肩をそっと抱き寄せると、こめかみにチュッとキスを落とし、そのまま、古傷がある背中から腰にかけて、何度も優しく撫でた。
「……代わってやれたら良いんだけどな」
「え?」
「傷の痛み。……辛いよな」
「っ……」
「……そろそろ寝るか」
「フェルディナン様は先にお休みください。私は、もう少ししてから戻ります」
「湯たんぽか? ならもう用意してあるから大丈夫だ。一緒に戻ろう?」
「え?」と首を傾げるローズに、「大丈夫だから」と言って半ば強引に連れ戻した。
◇◇◇ローズ視点
「寝る準備が出来たら、俺の寝室へ来てくれ」と言われたので、寝支度を済ませてフェルディナン様の寝室へ入ると、こっちへ来いと言われた。ベッドのシーツをめくり、中へ入れという。
「ん?」
どこに湯たんぽがあるんだろうと思ってモゾモゾしていると、後ろからフェルディナン様に抱きしめられた。
「へっ?」色気も何もない声が出る。
「俺は、人より体温が高いんだろう? 雨の日は、俺を湯たんぽだと思えばいい」
ふっと笑ったフェルディナン様の吐息が首筋にかかってくすぐったい。
「そんなこと言って。雨降りのたびに寝室に忍び込んじゃっても、知らないですよ?」
「それは嬉しいな」
「襲っちゃうかもしれませんよ?」
「意味、分かって言ってるのか?」
「花街のお姉さま方に、いろいろ教えてもらってますから」
「は!?」
「『旦那様に全てお任せします』なんていうのは、古いんですって」
「はぁ――。俺の寝室には鍵をかけておくことにするよ」
フェルディナン様が前髪をくしゃっとして額に手を当てながら、呆れたように寝室の天井を眺める。
「その方が良いですね。スパイの婚約者に弱みを握られちゃう前に」
「そうだな」
「――まだ、晴れそうにないですか? 私の容疑」
身体ごとフェルディナン様に向き合って、真剣な眼差しで問う。
「晴れそうにないなぁ。貴女は、思いのほか重要人物との接触が多いから」
彼は私の髪の毛を少しだけ手に取ると、指にくるくると巻きつけて遊び始める。
「公爵家には、ご迷惑をおかけしますね」
フェルディナン様がピクリと眉毛を動かし、大げさに言う。
「ローズを側で監視し続けるのも悪くないんじゃないか? そのうち、可愛い子供も生まれるかもしれないし。……そうしたら、両親も喜ぶ」
「……添い寝をしたって、子どもは出来ませんよ?」
「そうだな」
冗談ぽく笑って、指に絡めていた髪の毛を解くと、私の頬を親指の腹で撫でて、唇にチュッと可愛いキスを落とす。
「ローズのことは、俺が守るから」
「それは、嬉しいです。とっても。……とってもですよ?」
「あぁ」
そう言うと、再び唇を重ねてきた。
だんだん口づけが深くなっていてく。
「ちょっと、フェルディナン様。待って――」
「待たない。……ずっと待ってたんだ。ローズに男として見てもらうの。だからもう待たない」
「そんなっ」
「ふっ。こんなので戸惑ってたら、大変だぞ?」
「何が?」
「結婚したら」
「どういう意味ですか?」
「ん。今は知らなくていい」
「何それ――」
それ以上の質問は、彼の唇に塞がれて聞けなかった。
フェルディナン様から女性として扱われるのを嬉しく感じる反面、一歩進んだ関係になるのが怖くもある。今の関係でいることが心地よくて、あえて未来のことは考えないことにした。
後ろから抱きしめながら背中を温めてくれている彼の吐息が耳元にかかってくすぐったい。
けれど、安心感の方がそれを上回っていつの間にか眠りに落ちた。
その日学校から帰って来ると、珍しく執務室で仕事をしているフェルディナン様を訪ねた。
「ところでフェルディナン様、想い人の捜索は進んでますか?」
「ん? いや……進んでないな」
「これ、ナヴァル王国の有名な似顔絵師の方の連絡先です。フェルディナン様の記憶をもとに描いた女性の肖像画をこちらの絵師へ送ると、現在の姿を推測して描いてくれますから、良かったら、連絡を取ってみてください」
「ローズは、俺が彼女と再会して恋に落ちたとしても構わないのか?」
「心に残る女性がいるまま私と結婚して、後から後悔するよりはマシでしょう? 彼女が理想の女性になってたらどうするんです?」
(純粋なローズの厚意が心を抉る。自分が長年探し続けてきた女性と再会することを、何とも思ってないようだ。
過去の女性たちには嫉妬するのに、一体何なんだ?)
「嫉妬深い貴女がそんな鷹揚なことを言うとは、意外だな」
「フェルディナン様がその女性を忘れられずに今まで婚約をしてこなかったこと、いろんな人から聞いてるから。そういう想いは、大事にした方が良いと思って」
「普通、嫌だろう?」
「本音を言うと、嫌ですよ? でも、過去の想い人は美化されやすいから。ちゃんと彼女と再会した上で、私を選んでほしいんです。できたら、ですけど」
「過去の想い人、か。たしかに妬けるな、ローズが結婚を夢見たという彼には」
「それをいうなら、フェルディナン様だって一緒でしょ? 長年想い続けてるんだから」
「俺の場合は、女除けのための便利な言葉として使っていたところがあるからな」
「別に、今さら気を遣ってもらわなくても大丈夫ですよ?」
「気など遣ってない。ほんとに――」
「詳細は結構ですからっ!」
フェルディナン様が長年想い続けてきた女性と再会するのを手放しで喜べるかと聞かれると、そうだとは答えられない。それでも、その女性を探すお手伝いができるくらいには、彼との絆を信じられる自分になれたことを嬉しく感じていた。
――その日の夜。
夜半前から窓を打ち付ける雨音が一段と激しくなってきた。
「春の嵐かしら。まいったなぁ」
普段は何ともない背中の傷も、雨の日だけは酷く痛むことがある。季節の変わり目は特にそうだ。
いつもより早めにベッドに入ったけれど、ゴソゴソと這い出て痛み止めを飲んだ。目を瞑り、身体を丸めて痛みが去ってくれるのをひたすらにやり過ごすことにした。
◆◆◆フェルディナン視点
夜半過ぎにようやく仕事を終え、寝室に入ったところで外の雨音が激しいことに気が付いた。
花冷えの一日だったな。たしか、季節の変わり目は古傷が痛むんだよな……。
しばらく逡巡したのち、ローズの寝室へと続く中扉をノックした。何度かノックしたものの、返事がない。うっすらと灯が漏れているから、まだ眠っていないはずなのにと訝しく思いながらドアのノブを回すと、扉が開いた。
「ふっ。鍵はかけてないんだな。……ローズ? 入るぞ?」
やはり返事はない。寝台の上にローズの姿はなく、乱れたシーツが無造作に床の上に落ちている。
「ローズ? どうした? 大丈夫か?」
ローズの執務室へと続く扉が開いていることに気づき、大股で歩いて向かうが、そこにもローズの姿は見えない。浴室にもローズの姿がないことを確認してから、急いで階下へ降りて行った。
深夜の屋敷は、驚くほど静まり返っている。使用人達は別棟で寝起きしているため、この邸宅には護衛を除きローズと自分しかいない。
ふと、厨房の方向から甘い匂いが漂ってきた。ローズが湯たんぽを作るためにお湯を沸かしながら、ミルクに薬草を煎じたものを入れ煮詰めているようだ。
ローズは厨房の椅子に膝を抱えて座り、膝の上に顎を乗せて何やら物思いに耽っていた。
いつもは後ろで一つに束ねている髪の毛を自然におろし、少しウェーブがかった琥珀色の髪が、呼吸に合わせて上下に波打っている。
下がり気味の眉尻も、長い睫毛が縁どったパープルの瞳も、今夜はひどく不安気に見える。
いつもはその立ち振舞いから大人びて見えるローズだが、そこにいるのは、紛れもなく成人を迎えて間もない18歳の少女だった。
着ていたガウンを脱ぐと、そっとローズの細い肩にかけた。
ビクッとしてローズが振り返る。
「すまない、驚かせたか?」
「フェルディナン様……まだ起きていらっしゃったんですか?」
「少し喉が渇いてな。ローズは? 傷が痛むのか?」
「ちょっとだけ。ホットミルクを作っていたんですが、ご一緒に如何ですか?」
「そうだな。じゃあ俺は、こっちを頂くよ」
そう言って、ウイスキーのボトルを手にもう一脚椅子を持ってきて、ドカッと隣に腰掛ける。
パラパラと、雨が厨房の窓を打つ音が響く。
「……雨って、色んな呼び方があるのをご存知ですか?」
「ん? 雨は雨だろう?」
「春の雨はね、催花雨とか、春霖とか、甘雨とか。地方によっても、色んな呼び方があるんですよ。
昔はね、好きだったんです、窓から雨を眺めるのが。雨上がりの、息を吹き返した草木の香りも。でも今は、ちょっとだけ、辛い……」
そう言って、おでこを膝にくっつける。横髪がサラサラと落ちて、彼女の哀しそうな表情を隠してしまう。
自分が知る限り、ローズがここまで正直に弱音を吐いたことはない。横髪を優しく耳にかけてやると、不安気に揺れるラベンダー色の瞳と目が合った。
ローズの肩をそっと抱き寄せると、こめかみにチュッとキスを落とし、そのまま、古傷がある背中から腰にかけて、何度も優しく撫でた。
「……代わってやれたら良いんだけどな」
「え?」
「傷の痛み。……辛いよな」
「っ……」
「……そろそろ寝るか」
「フェルディナン様は先にお休みください。私は、もう少ししてから戻ります」
「湯たんぽか? ならもう用意してあるから大丈夫だ。一緒に戻ろう?」
「え?」と首を傾げるローズに、「大丈夫だから」と言って半ば強引に連れ戻した。
◇◇◇ローズ視点
「寝る準備が出来たら、俺の寝室へ来てくれ」と言われたので、寝支度を済ませてフェルディナン様の寝室へ入ると、こっちへ来いと言われた。ベッドのシーツをめくり、中へ入れという。
「ん?」
どこに湯たんぽがあるんだろうと思ってモゾモゾしていると、後ろからフェルディナン様に抱きしめられた。
「へっ?」色気も何もない声が出る。
「俺は、人より体温が高いんだろう? 雨の日は、俺を湯たんぽだと思えばいい」
ふっと笑ったフェルディナン様の吐息が首筋にかかってくすぐったい。
「そんなこと言って。雨降りのたびに寝室に忍び込んじゃっても、知らないですよ?」
「それは嬉しいな」
「襲っちゃうかもしれませんよ?」
「意味、分かって言ってるのか?」
「花街のお姉さま方に、いろいろ教えてもらってますから」
「は!?」
「『旦那様に全てお任せします』なんていうのは、古いんですって」
「はぁ――。俺の寝室には鍵をかけておくことにするよ」
フェルディナン様が前髪をくしゃっとして額に手を当てながら、呆れたように寝室の天井を眺める。
「その方が良いですね。スパイの婚約者に弱みを握られちゃう前に」
「そうだな」
「――まだ、晴れそうにないですか? 私の容疑」
身体ごとフェルディナン様に向き合って、真剣な眼差しで問う。
「晴れそうにないなぁ。貴女は、思いのほか重要人物との接触が多いから」
彼は私の髪の毛を少しだけ手に取ると、指にくるくると巻きつけて遊び始める。
「公爵家には、ご迷惑をおかけしますね」
フェルディナン様がピクリと眉毛を動かし、大げさに言う。
「ローズを側で監視し続けるのも悪くないんじゃないか? そのうち、可愛い子供も生まれるかもしれないし。……そうしたら、両親も喜ぶ」
「……添い寝をしたって、子どもは出来ませんよ?」
「そうだな」
冗談ぽく笑って、指に絡めていた髪の毛を解くと、私の頬を親指の腹で撫でて、唇にチュッと可愛いキスを落とす。
「ローズのことは、俺が守るから」
「それは、嬉しいです。とっても。……とってもですよ?」
「あぁ」
そう言うと、再び唇を重ねてきた。
だんだん口づけが深くなっていてく。
「ちょっと、フェルディナン様。待って――」
「待たない。……ずっと待ってたんだ。ローズに男として見てもらうの。だからもう待たない」
「そんなっ」
「ふっ。こんなので戸惑ってたら、大変だぞ?」
「何が?」
「結婚したら」
「どういう意味ですか?」
「ん。今は知らなくていい」
「何それ――」
それ以上の質問は、彼の唇に塞がれて聞けなかった。
フェルディナン様から女性として扱われるのを嬉しく感じる反面、一歩進んだ関係になるのが怖くもある。今の関係でいることが心地よくて、あえて未来のことは考えないことにした。
後ろから抱きしめながら背中を温めてくれている彼の吐息が耳元にかかってくすぐったい。
けれど、安心感の方がそれを上回っていつの間にか眠りに落ちた。
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