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推しの誘惑【完全版】

着衣最高 *

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「んっ」
「エロい反応。……いただきます」

 口づけが降ってきた。
 鷹城は甘美なキスを続けながら、真琴の制服風コスチュームのネクタイを緩め、襟のボタンを全て外した。すると白いシャツの淡いから、バター色の健康な肌が縦に現れる。タンクトップなどの肌着はつけてこなかった。

「えっろ……。着衣最高。素肌Yシャツは至宝」
「あん、変態……っ」

 耳たぶを甘噛みされながら、真琴は首を反らせた。鷹城がうなじにキスマークを散らしていく。赤紫の花びらが、真琴の肌をますます妖艶に見せる。

「真琴……かわいいよ。好きだ……。どんな格好をしていても、めちゃくちゃかわいい」
「んもう……さっきまで、アイドルのマコに夢中だったくせに」
「わりぃ、わりぃ。ぶっちゃけ興奮した。おまえの女装……すっごくかわいい。理性飛んだよ。もし真琴が本当にアイドルになったら、間違いなく推しだな。で、俺はドルオタになって、毎日楽しく推し活するぞ。観客席や、画面の向こうから、真琴を応援する。一生ついていく……」

 鷹城が鳶色の目を細めた。真琴のふっくらした頬を大きな手のひらで包み、親指の腹で撫でる。
「真琴は俺の、最推しだよ」
 彼の愛しげな表情に、真琴の胸はきゅんと疼いた。

(ずるいなあ……)

 ――おれに甘いんだから。そんな顔されたら、こっちは駄々をこねている訳にはいかないじゃないか。
 ――それにおれだって、もし鷹城先生が芸能人になったら、夢中になってしまうかも……。

 家にこもって仕事をさせておくには惜しいほど、彼の顔は整っている。スタイルもよい。
 こんな魅力的な男性に嘘でも愛を囁かれたら、誰でも恋に落ちてしまうのではないか、と真琴は半ば本気で思っている。

(おれが鷹城先生に首ったけな分……せんせいもおれに夢中になればいい)

「ん……おれも、好き……っ」
「真琴……」

 二人は甘いキスをする。鷹城は咲いたばかりの跡{あと}を指でなぞった。するとぞくっと官能が走り、肌が粟立った。

「あぅ……っ」

 真琴はきゅっと目を閉じた。恥ずかしい器官が反応し、先端からじゅわっと蜜が滲むのを感じた。
 アイドルのコスプレをした真琴が、悩ましげに顔を歪めると、まるで本物の女子高生が男に襲われているようだ。

 歓{よろこ}びで濡れる漆黒の瞳や、震える睫{まつ}毛に、唾液で濡れた桜色の唇など、官能的なビジュアルだ。
 加えて、忙しなく動く胸元に、スカートの裾からちらちら見える、むっちりした太股。健康な男子ならみな勃起してしまいそうな様である。
 鷹城はそれらを見下ろしながら、はあはあと息を荒くした。

「やばい……すっげえかわいい。っていうかエロい。相当エロいぞ。なんか未成年に手を出してる気分。鼻血出そう……いかん」
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