4 / 23
潜む
三
しおりを挟む
3時間目、数IIの授業が始まった。
にしても......
「じゃあここを......余湖。こたえて」
さっきから俺ばっか当てられんじゃん!
「は?またかよっ」
「は?じゃなくて早くこたえて」
わっかんねぇし、そもそも俺数II最後に受けたの1ヶ月前とかなんだけど。
何やってるかも知らないし、困ったもんだな。
「にしても先生、久しぶりに君の顔を見たよ」
数IIは不気味な男の教師が担当している。
いつもニヤニヤしていていつ犯罪を犯してもおかしくないような外見。はっきり言って気持ち悪い。
長い前髪からたまにのぞかせる目は虚ろな目というか生気が感じられない。
もちろん女子からも不評だ。当たり前だな。
「だからなんだよ」
「久しぶりだからたまには当ててみようかなと思って。まぁいなかったから全然わからないと思うけど」
そういうことか。
1つ前の2時間目の授業でも担当する先生がやたら俺を当ててきたな。
なるほどと納得していると、
「体調でも悪かったの?」
いつも以上に不気味な笑顔を向けて質問してきた。
「サボりだよ言わせんなっ」
本当に気持ち悪いというか気味が悪い。よく教師になれたなと思う。
俺の言葉に周りもクスクスと笑っている。
笑い事じゃねぇって、まじでずっとこの先こんなんなのかよ......
戸川にも京介のやつにもこんな不気味な数学教師にもクラスメイトにも馬鹿にされ続けるのか?
あぁもうやってらんねぇよー!!!
その後もあの気持ち悪い数学のじじいは俺ばっかり当ててきやがって、終いには、黒板に書けとか言われて前に立たされた。
でも分からなかったからその場にずっと立ってるだけになって、結果恥さらしだった。
それをみんな笑っていた。あの教師も、もちろん京介もだ!
「よっ!」
うわ来た。
俺の机に京介が座ってきた。
「お前、まじでやばいな。色々と!」
「うるせー!あんなん恥さらしじゃねぇか!」
先程のことを思い出してまたイライラしてきた。落ち着け自分……
「まぁ、今までサボってたお前が悪いな」
「それはそうだけど、あそこまでする必要なくねぇか?!」
なんだか惨めすぎて笑えてきた。
「もしかして、毎回あんなんされんのか?俺もう不登校になるけど?!」
「かわいそ!まぁさっきのは先生がおかしかっただけだろ」
そうだよな、あの気持ち悪い奴が100パー悪い。
「ま、あとはお前の頭が問題だな」
「それは……馬鹿にしてるのか?」
指をバキバキ鳴らして握った拳をゆっくりと近づければ、
「ち、ちげーよ!授業が数回遅れてんだからちゃんと勉強して追いつかないといけないって意味だよ!」
と必死に説得される。
「あぁそゆことか。びっくりしたわぁ」
そういうことにしておいてやろう。
「びっくりしたのはこっちだわ!」
「お、あと少しで授業始まるな」
京介の言葉を遮るように話を続ける。
俺の言葉に反応して、時計を見上げる京介。
「そうだな。次なんだっけ?」
「さぁな、どうでもいい」
そう言って席を立った。
「は?」
今更どこに行くんだとばかりに見つめて来る京介を見下しながら、
「頑張れよ、じゃっ!」
と言って教室を後にした。
「あいつ......!サボりか?」
追いかけようと思った京介だったがその時ちょうど授業の始まりを知らせる鐘が鳴り、断念せざるを得なかった。
にしても......
「じゃあここを......余湖。こたえて」
さっきから俺ばっか当てられんじゃん!
「は?またかよっ」
「は?じゃなくて早くこたえて」
わっかんねぇし、そもそも俺数II最後に受けたの1ヶ月前とかなんだけど。
何やってるかも知らないし、困ったもんだな。
「にしても先生、久しぶりに君の顔を見たよ」
数IIは不気味な男の教師が担当している。
いつもニヤニヤしていていつ犯罪を犯してもおかしくないような外見。はっきり言って気持ち悪い。
長い前髪からたまにのぞかせる目は虚ろな目というか生気が感じられない。
もちろん女子からも不評だ。当たり前だな。
「だからなんだよ」
「久しぶりだからたまには当ててみようかなと思って。まぁいなかったから全然わからないと思うけど」
そういうことか。
1つ前の2時間目の授業でも担当する先生がやたら俺を当ててきたな。
なるほどと納得していると、
「体調でも悪かったの?」
いつも以上に不気味な笑顔を向けて質問してきた。
「サボりだよ言わせんなっ」
本当に気持ち悪いというか気味が悪い。よく教師になれたなと思う。
俺の言葉に周りもクスクスと笑っている。
笑い事じゃねぇって、まじでずっとこの先こんなんなのかよ......
戸川にも京介のやつにもこんな不気味な数学教師にもクラスメイトにも馬鹿にされ続けるのか?
あぁもうやってらんねぇよー!!!
その後もあの気持ち悪い数学のじじいは俺ばっかり当ててきやがって、終いには、黒板に書けとか言われて前に立たされた。
でも分からなかったからその場にずっと立ってるだけになって、結果恥さらしだった。
それをみんな笑っていた。あの教師も、もちろん京介もだ!
「よっ!」
うわ来た。
俺の机に京介が座ってきた。
「お前、まじでやばいな。色々と!」
「うるせー!あんなん恥さらしじゃねぇか!」
先程のことを思い出してまたイライラしてきた。落ち着け自分……
「まぁ、今までサボってたお前が悪いな」
「それはそうだけど、あそこまでする必要なくねぇか?!」
なんだか惨めすぎて笑えてきた。
「もしかして、毎回あんなんされんのか?俺もう不登校になるけど?!」
「かわいそ!まぁさっきのは先生がおかしかっただけだろ」
そうだよな、あの気持ち悪い奴が100パー悪い。
「ま、あとはお前の頭が問題だな」
「それは……馬鹿にしてるのか?」
指をバキバキ鳴らして握った拳をゆっくりと近づければ、
「ち、ちげーよ!授業が数回遅れてんだからちゃんと勉強して追いつかないといけないって意味だよ!」
と必死に説得される。
「あぁそゆことか。びっくりしたわぁ」
そういうことにしておいてやろう。
「びっくりしたのはこっちだわ!」
「お、あと少しで授業始まるな」
京介の言葉を遮るように話を続ける。
俺の言葉に反応して、時計を見上げる京介。
「そうだな。次なんだっけ?」
「さぁな、どうでもいい」
そう言って席を立った。
「は?」
今更どこに行くんだとばかりに見つめて来る京介を見下しながら、
「頑張れよ、じゃっ!」
と言って教室を後にした。
「あいつ......!サボりか?」
追いかけようと思った京介だったがその時ちょうど授業の始まりを知らせる鐘が鳴り、断念せざるを得なかった。
0
あなたにおすすめの小説
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】I adore you
ひつじのめい
BL
幼馴染みの蒼はルックスはモテる要素しかないのに、性格まで良くて羨ましく思いながらも夏樹は蒼の事を1番の友達だと思っていた。
そんな時、夏樹に彼女が出来た事が引き金となり2人の関係に変化が訪れる。
※小説家になろうさんでも公開しているものを修正しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる