上 下
5 / 9
♡story♡

5章 急げ! いや、もう急がなくてもいいのかな……?

しおりを挟む
広樹の口から出た言葉は、信じられないものだった。
広樹「なぁ、領真。別にこのままヤっても良くない?今は両方とも、性別違うんだからさ」
領子「な、何言ってるの?私は沢波領子。波山領真じゃないよ」
広樹「……これなら、俺以外にも気付いてる人いるかもな」
あれ?そんなにバレるようなことしてたかなぁ。
広樹「お前って学年最下位なだけあるよ。何で今週1回も顔を出してない奴の名前知ってるのってなるだろ、普通。それに、俺の名前聞いてないのに何で広樹だって分かった?」
……そこまで考えてなかった。
広樹「それに、お前がいつもやる足の組み方で、もう判明したんだ」
領子「さすが、学年1位ね。でもカッコよさなら、私が1位であんたが最下位だよ」
広樹「で、これからずっとその姿なのか?」
領子「1週間だけ」
僕はもう認めた。自分が波山領真だってことを。
広樹「それで、俺のこと好きって本当なの?」
領子「……教えない」
僕は、そう言うとベッドから立ち上がった。
つられて広樹も立ち上がる。
広樹「じゃあ、領子ちゃんを見るのはこれが最後になるのか」
領子「そういうことになるね」
広樹「なら、最後に一緒に帰ろー」

その言葉に僕は頷いた。



【月曜日】

僕の姿はやっと元のかっこいい姿に戻った。
これが僕にはとても嬉しいことだった。
朝登校してきて、教室に入る。
そこにはいつも通り、京奈と龍二がいた。
相変わらず、喧嘩をしていたようだ。
京奈「あーーっ!領ちゃん久しぶりー!元気にしてた?心配してたよー」
龍二「あ、波山だ。亜伊来ないかなあ」
京奈が寄ってくる。
領子の時と全然接し方が違う……
その時教室の扉が開いた。
広樹かと思ったが、小鈴江美枝(こすずえ・みえ)だった。
美枝は僕のことが好きな女子。別に僕は美枝のことはどうも思ってないので、べたべた執着されてもどうでもいい。
美枝の次に教室に入ってきたのは今堀武元(いまほり・たけもと)。彼はとにかく変態。
最後に教室に入ってきたのは、僕達の担任の那須島(なすじま)先生だった。
先生はどんなことにも鈍感なあまり怒らない先生。
こんな教師が僕達の担任をやっていていいのだろうか…………
美枝「おはよー♪領真!」
こうして普段の生活が戻ってきたのだった。


キャラ紹介

小鈴江美枝(こすずえ・みえ) 領真が大好き。領真とお風呂事件を起こした広樹が羨ましい。亜伊と仲が悪い。

那須島(なすじま) 領真達の担任。面白い先生であまり怒らない。面白い企画を考える役。

今堀武元(いまほり・たけもと) 男子が大好きな男。男子とキスすることを望む。何回も男子とキスしたことがあるらしい。語尾に『ござる』がつく。



続くかも…………
しおりを挟む

処理中です...