ダンジョンがある日常

那田野狐

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第5話 イレギュラーとの遭遇

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第2話主人公描写が抜けてましたごめんなさい。

‐☆‐☆‐☆‐☆‐☆‐☆‐

「うん?」

 ギリギリと目の前の第一階層のボス部屋の扉が開いていくのが見える。ちょっと待って!ボス部屋のボスを討伐した場合は扉が消えるのが仕様で、扉が開く事はない。もしかしてイレギュラーモンスターの出現!?
 初心者ダンジョンの第一階層ボスのイレギュラーとなるとラージスライムよりは上位のビックスライムか、最下層の第五階層ボスであるハウンドウルフという大型の狼というのが相場だ。

「その姿を確認することぐらいは出来るはず・・・」

 造ったポーションをスペースにしまい込み隠密スキルを発動する。
 あとはドローンのカメラにイレギュラーボスの姿を納めて、ギルドに通報。あとは見つからないよう息を潜めていれば隣接する開拓者ギルドからの応援が来るからそれを待っていればいい。

 ぎぃ

 ボス部屋の扉が開いて、そこから出てきたのは二足歩行の狼。所謂・・・

「ワーウルフ?」

 想定外だ。ワーウルフは10階層以上ある中級ダンジョンの10階層より下の階層に出没する徘徊型のボスで、例えイレギュラーモンスターでも初級ダンジョンで出ていいモンスターではない。
 ソロだとまともにやり合えばこちらが確殺のモンスターだ。
 拙いな。今日は初級ダンジョンの第二階層だからって、死ぬようなダメージを受けた場合は肩代わりしてダンジョンの入口まで飛ばしてくれる「身代わりの護符」は家に置いて着たんだよね。
 何しろアイテムバックは、重さ、個数は無視出来るけど種類には制限がある。駆け出しの自分では基本である八個入りを用意するのが限度で、今でも塩、乳鉢、回復ポーション、解毒ポーション、スライムの粘液、スライムの魔石、野犬の魔石、野犬の牙が入っていて、これだけでアイテムバックは余裕がなくなる。だから、余分なモノはな入れなかったのだ。

 ルナ:『開拓者ギルドに通報しました』

 スベスベ饅頭:『同じく』

 チャボ:『逃げれそう?』

 タイキック:『ワーウルフとかヤバいな』

 コメント欄がざわついます。AIがダンジョン中のイレギュラーを感知しても最終的な判断をするのは職員の目なので、自分以外の通報は正直助かる。
 ぐるぐるという声とスンスンという鼻息。そして獣臭い匂いが私の横を過ぎていく。
 隠密は姿どころか匂いの痕跡も隠してくれるけど自分の隠密はレベル8で完璧ではない。

 スンスン、はぁはぁ
 スンスン、はぁはぁ
 スンスン、はぁはぁ

 明らかにこちらを探している挙動だ。

「イレギュラーはこっちか?」

「あぁ、中継している開拓者がいるはずだ」

 お、援軍が到着したらしい。ワーウルフも声のしたほうに視線を送る。
 これで勝る!

 ゆっくりとショートソードを構えタイミングを計る。

「居たぞ!」

 開拓者らしき男性が姿を表し大剣を構える。

「往生しいや!」

 渾身の力をショートソードに込めて、ワーウルフの背後から首の後ろ目掛けて突き刺す。

 ギャン!

 ワーウルフのロからショートソードが生える。

「加勢する!」

 大剣の男性が大剣を大上段から振り下ろす。
 ざっくりと袈裟斬りに、ワーウルフが右肩から斜めにズレていく。ラッキー!こいつ通常より弱いぞ!!

 ボフン

 ワーウルフの魔石とワーウルフの爪。あと水晶がドロップする。

「お、スキルオーブか!やったな嬢ちゃん」

 大剣の男性が笑う。

「あ、ありがとうございます・・・」

 大きく息を吐き出しながらドロップアイテムを拾う。

 あ、魔石の所有権は大剣の人だ。

「魔石の所有権はそちらですね」

 そう言ってワーウルフの魔石を大剣の人に渡す。

「おぉ悪いね」

「いえ、自分だけでは止めが刺せなかったと思うんで助かりました」

 小さく頭を下げる。

「そっか!まあ助かって良かったよ。じゃあな」

 大剣の男性は、一緒に着ていたローブ男と共に去っていく。
 基本、拾ったスキルオーブとかが何かを聞く事は不作法だとされている。殺してでも奪い取るという案件が発生するから。
 まあイレギュラーボスでも初心者ダンジョンのドロップだから大したことはないだろって思われているかもしれないけど。
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