透明人間のラブソング

あを

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文花/25歳

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 東京の夜は長い。
 ビルのネオンが輝き、そこにいる者の感覚を狂わせる。
 はしゃぐ人々を横目に見つつ、私は歩く速度を早めた。
 夜の闇に、
 人波に飲まれないように。

 ふと聞こえた懐かしい声に、思わず振り返る。
 誰かが鼻歌を歌っているようだ。
 少しクセのある声に、短調なメロディー。
 間違いない、その曲は、その声は。
 「哲くん!」
 気がつけば、私はその声を追いかけていた。
 懸命に足を動かしながら、私は6年前の事を思い出していた。
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