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罰ゲーム
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午前中にかなり身体に負担をかけたので、あのデリバリーの羞恥プレイ以降はわりとのんびり過ごした。
リバーシをしたり、テレビゲームをしたり、おしゃべりをしたり。
こうして普通の時間を過ごすのも楽しい。
あのデリバリーのお寿司も美味しかった。ただ、あの痴態を晒してしまったので、もう一度頼むのにはちょっと勇気がいりそうだけど。
晩御飯は家にあるものでちゃちゃっとパスタを作って、またゲーム。
もともとゲームで出会ったから、単純にゲームをしているのは楽しかった。
午後九時をまわったところで、「さて瑞姫さん」と声をかけられる。
「? なんですか、奏輔さん」
「ここに、本日の勝敗一覧があります」
スマホの画面を見せてくる。
リバーシやら各種テレビゲームやらボードゲームやら、今日の勝敗が書かれていた。いつのまにこんなものを付けていたのだろう。
「で、現在勝率七割で僕の勝ちです」
「そりゃ、奏輔さんの方がゲーム得意ですもん」
瑞姫はゲームが好きだが、特別得意なわけではない。特に戦略の必要なゲームは奏輔のほうが格段に上だったし、ボタンをたくさん使わなければならないような格闘、アクション系のゲームは奏輔と比較するまでもなく下手だ。
「でもほら、勝った方にはご褒美、負けた方には罰ゲーム、でしょ?」
なるほど、そういうことか。
「瑞姫の負けた回数分罰ゲームでもいいけど、それだと大変だから、七割の七回でいいよ」
「その計算でいくと、奏輔さんも三回は罰ゲームですよ?」
「じゃあ、相殺して瑞姫が四回罰ゲーム」
「うう……。いいですよ、何しましょうか」
「そうだなぁ……とりあえず定番で脱ごうか」
言われて、瑞姫は着ていたワンピースを脱いだ。下着は着けていなかったのでそれだけで全裸だ。もう、奏輔の家では下着をつけていないのが普通になっていた。
「次は……あ、これ使おうか」
奏輔が出してきたのは、この前書いた『気持ちよかったこと』の紙だった。四つ書いて、そのうちの一つ『お人形さんごっこ』をしたことを思い出す。
「んーと、これ。『浣腸』」
深夜のかなり倒錯的な気分で書いたものを持ち出されて、瑞姫は死ぬほど恥ずかしいが、奏輔はわりと平然と言ってくる。
「ねえ、瑞姫。この『浣腸』って、一回目の方? それとも二回目の方?」
これまで、浣腸は三回やっている。
一回目は注射器みたいなシリンダーで、二回目は確かポンプで入れた。その後にこの紙を書いて、さらにラブホで一回。
そういえば、一回目はそうでもなかったのに、二回目はかなり便意が強くて大変だった気がする。
「えっと……二回目の方が大変だった、かな?」
「だよね。実は瑞姫には言ってなかったんだけど……」
そう言って、奏輔は何かを持ってきた。
「お湯以外に、これも入れてたんだ」
渡されたものを見ると、『イチジク浣腸』と書かれている。便秘改善用の医薬品だ。どうりで二回目の方が大変だったはずだと思う。
「お湯の量は変えてなかったんだよ。あんまり入れると危険だからね。『たくさん入れる』って言われたから、そのせいだと思ってたんじゃない?」
まさかそんなことをされているとは。
「ということで、罰ゲーム二つ目は、浣腸。もちろん、これも入れようね」
しっかり栓もされて、ソファに戻ってくる。
イチジク浣腸が入っていると聞かされたので、あっというまに限界が来そうな気がしてしまう。
「大丈夫だよ、この前ちゃんと三十分我慢できてたから」
奏輔は、瑞姫の額にちゅっとキスをしてくれた。頑張れそうな気がする。
しかし、罰ゲームはあと二つも残っていた。
「じゃあ、今回はベランダで耐えてみようか」
手を引かれて、ベランダへと出る。もうすぐ五月だが、まだ夜の風はひんやりしている。
「で、最後。両手をあげて」
挙げた両手首をビニールテープでくるくると巻かれる。
「少し背伸びして」
背伸びした状態で、手首のビニールテープを物干し竿にも巻かれてしまう。これで、ビニールテープを外さないと踵を付けて立つことはできなくなってしまった。
「このまましばらく待っていてね。僕はちょっと用事をするから。大丈夫、部屋にいるから瑞姫からちゃんと見えるよ」
奏輔は、一人部屋に戻って、トランプを出している。
そこに、マジックで何かを書いているようだ。
(用事って、何をしてるんだろう……?)
ベランダから覗いたのでは、奏輔が何をしているのかはよくわからなかった。
そうこうしていると、お腹がぐるぐると鳴り始める。イチジク浣腸が効果を発揮し始めたようだった。
つま先立ちなので、足もぷるぷるする。
もう、奏輔が何をしているのかをのんびり眺めている余裕はなさそうだ。
リバーシをしたり、テレビゲームをしたり、おしゃべりをしたり。
こうして普通の時間を過ごすのも楽しい。
あのデリバリーのお寿司も美味しかった。ただ、あの痴態を晒してしまったので、もう一度頼むのにはちょっと勇気がいりそうだけど。
晩御飯は家にあるものでちゃちゃっとパスタを作って、またゲーム。
もともとゲームで出会ったから、単純にゲームをしているのは楽しかった。
午後九時をまわったところで、「さて瑞姫さん」と声をかけられる。
「? なんですか、奏輔さん」
「ここに、本日の勝敗一覧があります」
スマホの画面を見せてくる。
リバーシやら各種テレビゲームやらボードゲームやら、今日の勝敗が書かれていた。いつのまにこんなものを付けていたのだろう。
「で、現在勝率七割で僕の勝ちです」
「そりゃ、奏輔さんの方がゲーム得意ですもん」
瑞姫はゲームが好きだが、特別得意なわけではない。特に戦略の必要なゲームは奏輔のほうが格段に上だったし、ボタンをたくさん使わなければならないような格闘、アクション系のゲームは奏輔と比較するまでもなく下手だ。
「でもほら、勝った方にはご褒美、負けた方には罰ゲーム、でしょ?」
なるほど、そういうことか。
「瑞姫の負けた回数分罰ゲームでもいいけど、それだと大変だから、七割の七回でいいよ」
「その計算でいくと、奏輔さんも三回は罰ゲームですよ?」
「じゃあ、相殺して瑞姫が四回罰ゲーム」
「うう……。いいですよ、何しましょうか」
「そうだなぁ……とりあえず定番で脱ごうか」
言われて、瑞姫は着ていたワンピースを脱いだ。下着は着けていなかったのでそれだけで全裸だ。もう、奏輔の家では下着をつけていないのが普通になっていた。
「次は……あ、これ使おうか」
奏輔が出してきたのは、この前書いた『気持ちよかったこと』の紙だった。四つ書いて、そのうちの一つ『お人形さんごっこ』をしたことを思い出す。
「んーと、これ。『浣腸』」
深夜のかなり倒錯的な気分で書いたものを持ち出されて、瑞姫は死ぬほど恥ずかしいが、奏輔はわりと平然と言ってくる。
「ねえ、瑞姫。この『浣腸』って、一回目の方? それとも二回目の方?」
これまで、浣腸は三回やっている。
一回目は注射器みたいなシリンダーで、二回目は確かポンプで入れた。その後にこの紙を書いて、さらにラブホで一回。
そういえば、一回目はそうでもなかったのに、二回目はかなり便意が強くて大変だった気がする。
「えっと……二回目の方が大変だった、かな?」
「だよね。実は瑞姫には言ってなかったんだけど……」
そう言って、奏輔は何かを持ってきた。
「お湯以外に、これも入れてたんだ」
渡されたものを見ると、『イチジク浣腸』と書かれている。便秘改善用の医薬品だ。どうりで二回目の方が大変だったはずだと思う。
「お湯の量は変えてなかったんだよ。あんまり入れると危険だからね。『たくさん入れる』って言われたから、そのせいだと思ってたんじゃない?」
まさかそんなことをされているとは。
「ということで、罰ゲーム二つ目は、浣腸。もちろん、これも入れようね」
しっかり栓もされて、ソファに戻ってくる。
イチジク浣腸が入っていると聞かされたので、あっというまに限界が来そうな気がしてしまう。
「大丈夫だよ、この前ちゃんと三十分我慢できてたから」
奏輔は、瑞姫の額にちゅっとキスをしてくれた。頑張れそうな気がする。
しかし、罰ゲームはあと二つも残っていた。
「じゃあ、今回はベランダで耐えてみようか」
手を引かれて、ベランダへと出る。もうすぐ五月だが、まだ夜の風はひんやりしている。
「で、最後。両手をあげて」
挙げた両手首をビニールテープでくるくると巻かれる。
「少し背伸びして」
背伸びした状態で、手首のビニールテープを物干し竿にも巻かれてしまう。これで、ビニールテープを外さないと踵を付けて立つことはできなくなってしまった。
「このまましばらく待っていてね。僕はちょっと用事をするから。大丈夫、部屋にいるから瑞姫からちゃんと見えるよ」
奏輔は、一人部屋に戻って、トランプを出している。
そこに、マジックで何かを書いているようだ。
(用事って、何をしてるんだろう……?)
ベランダから覗いたのでは、奏輔が何をしているのかはよくわからなかった。
そうこうしていると、お腹がぐるぐると鳴り始める。イチジク浣腸が効果を発揮し始めたようだった。
つま先立ちなので、足もぷるぷるする。
もう、奏輔が何をしているのかをのんびり眺めている余裕はなさそうだ。
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