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運命
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一通のメールが来る。
今から会えないか?
私はこの誘いを断れない。
断ってしまったら、二度と会えないと思うから。
私の想い人には恋人がいる。
昔からの知り合いで、いつも2人で遊んでいた。
その時は好きだと思っていなかったけど、好きな人ができたと言われた時、私は私の気持ちに気付いた。
今更、手を伸ばしても届かない。
届いても、触れてはいけない。
思いは通じ合い、見事に私の恋は終わった....
でも、私だけがいつまでも終われずにいる。
今は相談に乗って欲しいと言われ、何回か会っている。
いい加減、こうやって会うのは彼女のためにもやめた方が良いと思う。
変に誤解される。
.....なのに、私はこの時間をいつも待っている。
この時間のために髪も切ってきた。
最低な女だと....自分でも思う。
今度誕生日プレゼントをあげたいから、もしお前だったらどんな物が欲しいのか教えて欲しい。
とのことだった。
できることなら何もアドバイスはしたくない。
できることなら....あなたが欲しい。
なんて、言えるはずもない。
彼女はどんなのが好きなのか、そういうのを元にした方がいい。
私の好みと彼女の好みは多分違うから。
なんて、それっぽくアドバイスをした。
そしていろんな店を回り、少し時間をかけながらプレゼントを買った。
幸せだろうなぁ、自分を思ってくれて誕生日プレゼントをくれる。
私も昔は貰っていたけれど、あの時はただの友達だったから。
彼女とは違う。
時計を見て、そろそろ時間だからと彼は走って帰った。
今日も髪型を褒めて貰えなかった。
私は一体何を期待しているんだろう....
いや、分かってる。
分かってるんだ。
こんな事をしても、私に振り向くことは無い。
だけど....それでも、こうやって一緒に居られる時間がすごく好きなんだ。
決して、近くは無いこの距離に、私は甘えている。
そして月日が経って。
また一通のメールが届いた。
彼女と喧嘩した。
何があったのか.....
何をやらかしたのか....
相談に乗るために、私はまた身なりを整えて会いに行く。
聞いてみれば、なんてことはない。
話し合えばすぐに解決できる程の事だった。
とりあえず、今すぐ彼女に会いに行って、話し合うべきだ。
彼にそう伝えて、彼もそうだよなと頷き、また走って帰っていった。
今日の服も褒めて貰えなかった。
私なら....喧嘩なんて....
そして彼女と仲直りをして、また更に数年後....
彼は、結婚することになった。
私の気持ちは相変わらずだった。
あれから、徐々に相談の数は減っていき、メールも会うことも無くなった。
なのに、私の気持ちは変わらない。
だけど....彼が幸せなら、私はそれでいい。
彼が傷付かないのなら、私はそれでいい。
たとえ私の気持ちが報われなくても。
私は精一杯、結婚を祝った。
運命というのは、本当に残酷だ。
でも、とても綺麗だった。
無事、結婚式が終わり私は自分の家に帰った。
もう.....本当に終わりだ。
久しぶりにメールが届いた。
お前も幸せになれよ、髪型とか服とかいつも綺麗だったからお前なら大丈夫。
なによ.....それ.....
なんで....今言うの....
堪えていた涙が、溢れ出てきた。
泣かないって決めていたのに。
好きって言ってよ.....
嘘でもいいから.....好きって言ってよ....
そこから何時間も泣いた。
枯れることも忘れて、ずっと泣いた。
今更、届くはずのない願い。
今更こんなこと、願っちゃいけない。
私は....あなたを好きになれて幸せでした。
....あなたの幸せをいつまでも願っています。
私の運命は残酷だったけど、あなたの運命の人はとても綺麗だった。
あなたの事を愛しています。
必ず幸せになってください。
奥さんを幸せにしてあげてください。
じゃないと、許しません。
結婚....おめでとう。
最後の4行だけをメールで送り、それ以外は心の奥に閉じ込め、いつか終わる日まで、優しく蓋を閉じた。
fin
今から会えないか?
私はこの誘いを断れない。
断ってしまったら、二度と会えないと思うから。
私の想い人には恋人がいる。
昔からの知り合いで、いつも2人で遊んでいた。
その時は好きだと思っていなかったけど、好きな人ができたと言われた時、私は私の気持ちに気付いた。
今更、手を伸ばしても届かない。
届いても、触れてはいけない。
思いは通じ合い、見事に私の恋は終わった....
でも、私だけがいつまでも終われずにいる。
今は相談に乗って欲しいと言われ、何回か会っている。
いい加減、こうやって会うのは彼女のためにもやめた方が良いと思う。
変に誤解される。
.....なのに、私はこの時間をいつも待っている。
この時間のために髪も切ってきた。
最低な女だと....自分でも思う。
今度誕生日プレゼントをあげたいから、もしお前だったらどんな物が欲しいのか教えて欲しい。
とのことだった。
できることなら何もアドバイスはしたくない。
できることなら....あなたが欲しい。
なんて、言えるはずもない。
彼女はどんなのが好きなのか、そういうのを元にした方がいい。
私の好みと彼女の好みは多分違うから。
なんて、それっぽくアドバイスをした。
そしていろんな店を回り、少し時間をかけながらプレゼントを買った。
幸せだろうなぁ、自分を思ってくれて誕生日プレゼントをくれる。
私も昔は貰っていたけれど、あの時はただの友達だったから。
彼女とは違う。
時計を見て、そろそろ時間だからと彼は走って帰った。
今日も髪型を褒めて貰えなかった。
私は一体何を期待しているんだろう....
いや、分かってる。
分かってるんだ。
こんな事をしても、私に振り向くことは無い。
だけど....それでも、こうやって一緒に居られる時間がすごく好きなんだ。
決して、近くは無いこの距離に、私は甘えている。
そして月日が経って。
また一通のメールが届いた。
彼女と喧嘩した。
何があったのか.....
何をやらかしたのか....
相談に乗るために、私はまた身なりを整えて会いに行く。
聞いてみれば、なんてことはない。
話し合えばすぐに解決できる程の事だった。
とりあえず、今すぐ彼女に会いに行って、話し合うべきだ。
彼にそう伝えて、彼もそうだよなと頷き、また走って帰っていった。
今日の服も褒めて貰えなかった。
私なら....喧嘩なんて....
そして彼女と仲直りをして、また更に数年後....
彼は、結婚することになった。
私の気持ちは相変わらずだった。
あれから、徐々に相談の数は減っていき、メールも会うことも無くなった。
なのに、私の気持ちは変わらない。
だけど....彼が幸せなら、私はそれでいい。
彼が傷付かないのなら、私はそれでいい。
たとえ私の気持ちが報われなくても。
私は精一杯、結婚を祝った。
運命というのは、本当に残酷だ。
でも、とても綺麗だった。
無事、結婚式が終わり私は自分の家に帰った。
もう.....本当に終わりだ。
久しぶりにメールが届いた。
お前も幸せになれよ、髪型とか服とかいつも綺麗だったからお前なら大丈夫。
なによ.....それ.....
なんで....今言うの....
堪えていた涙が、溢れ出てきた。
泣かないって決めていたのに。
好きって言ってよ.....
嘘でもいいから.....好きって言ってよ....
そこから何時間も泣いた。
枯れることも忘れて、ずっと泣いた。
今更、届くはずのない願い。
今更こんなこと、願っちゃいけない。
私は....あなたを好きになれて幸せでした。
....あなたの幸せをいつまでも願っています。
私の運命は残酷だったけど、あなたの運命の人はとても綺麗だった。
あなたの事を愛しています。
必ず幸せになってください。
奥さんを幸せにしてあげてください。
じゃないと、許しません。
結婚....おめでとう。
最後の4行だけをメールで送り、それ以外は心の奥に閉じ込め、いつか終わる日まで、優しく蓋を閉じた。
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