17 / 30
婚約破棄はパーティーで その1
しおりを挟む
「屍竜の情報を参照できなかったのは発生直後でデータが未登録だったせいです。
魔物の集団の方は、あなたの推測通り表示が追いつかなかったため。もっと数が少なかったら合計値の表示が可能だったかもしれないし、特定の魔物に焦点をあてて見ればそれを表示できたかもしれません」
本日のゲームマスターもブライズメイド風らしい。前回が淡いオレンジ色だったのに対して今回は淡いブルーグリーンに本物の葉っぱと小さめな白い花。清楚路線狙いなんだろうか。
「そうだったんですか。それで、ふよふよ浮いているのが二匹に増えたのは、どういうことで?」
前回、ゲームマスターに謁見した際にいたのは屍竜の縮小版だけだったが、今回はフェンリルの縮小版まで追加された。
「あなたの騎獣候補、召喚獣候補、またはその両方。
二体に共通しているのが上限なしの成長型ということで、生半可な人には任せられないのです。
技術担当者や研究機関界隈は、お互いに戦わせてデータを取りたいとうるさく言ってきているのですが、瘴気の大陸にはまだ善良な民が四割近く残っているため、戦闘の場所としては適切ではないとストップをかけています。大陸を沈める直前のタイミングであればありでしょう」
「あのぉ、俺も戦闘に加わることが決定済みなんでしょうか?」
「どうしても嫌だと言うなら強制はしませんが、屍竜に騎乗した状態およびフェンリルと組んだ状況での、強敵との本格的な戦闘経験を積むこと自体はお勧めしたいと思っています」
「シミュレーションとかで代用は……」
「データの収集がまだまだ不完全ですし、あなたを含めて三体とも成長曲線がアレだから、と聞いています。
まあ三つ巴の戦いはもう少し先の話で、直近は婚約破棄のパーティーですよ。
魔王になる素質を持つ人間と異世界の記憶を持つ転生者が、やらかしてくれそうです」
特定の属性と膨大な魔力を持つ人間が闇堕ちして魔王になると前回聞いた。
異世界からの転生者によって、この世界に深刻な悪影響を与えるような穴が、世界と世界の間に開いてしまうことがあるという話も。
「カプセルを渡される人と、その人が出席予定のパーティーとの対応表は前回見せてもらいましたけど、そのうちのどれですか?」
「どれでもありません。
前回リストアップしたのは婚約パーティーと結婚パーティー限定でしたが、婚約破棄の宣言と断罪により魔王が発生する可能性があるのは、リストにはなかった卒業記念のパーティーなのです」
ゲームマスターの言葉に俺は首をかしげる。
「学校の卒業パーティーで婚約破棄とか断罪とか不自然な話ではありませんか。
もともとそういうことをする場ではありませんよね? 強行したとしても効力があるとも思えません」
「それが……この世界の幾つかの国においては、卒業パーティーでの婚約破棄はよくある話で、定番なのです。
王子が婚約者の令嬢に婚約破棄を宣言して、魅了持ちのピンクブロンドの下位貴族令嬢を虐げたと言って断罪し、国外追放や処刑を宣告するというのが典型的な例です」
「ごめんなさい、よくわかりません。
ああ、でも浄化の聖女さんもパーティーで婚約破棄くらっていたんでしたっけ。
魅了の聖女が王様を誑かしたせいで」
「あのときのパーティーは卒業記念パーティーではなくて婚約披露のパーティーでしたけどね。配役もだいぶ異なります。一番の違いは、異世界の記憶持ちが深く関わっているかどうかです」
「卒業記念パーティーの進行如何によっては世界に穴が開いてしまうようなことになると?」
「この世界とは異なる世界の理による力の行使が、どのような結果をもたらすかは予測不可能な部分があります。
単純に素質持ちが魔王に変身するか、世界に開いた穴から化け物が登場するか、全てを吸い尽くすブラックホールでも現れるか」
魔物の集団の方は、あなたの推測通り表示が追いつかなかったため。もっと数が少なかったら合計値の表示が可能だったかもしれないし、特定の魔物に焦点をあてて見ればそれを表示できたかもしれません」
本日のゲームマスターもブライズメイド風らしい。前回が淡いオレンジ色だったのに対して今回は淡いブルーグリーンに本物の葉っぱと小さめな白い花。清楚路線狙いなんだろうか。
「そうだったんですか。それで、ふよふよ浮いているのが二匹に増えたのは、どういうことで?」
前回、ゲームマスターに謁見した際にいたのは屍竜の縮小版だけだったが、今回はフェンリルの縮小版まで追加された。
「あなたの騎獣候補、召喚獣候補、またはその両方。
二体に共通しているのが上限なしの成長型ということで、生半可な人には任せられないのです。
技術担当者や研究機関界隈は、お互いに戦わせてデータを取りたいとうるさく言ってきているのですが、瘴気の大陸にはまだ善良な民が四割近く残っているため、戦闘の場所としては適切ではないとストップをかけています。大陸を沈める直前のタイミングであればありでしょう」
「あのぉ、俺も戦闘に加わることが決定済みなんでしょうか?」
「どうしても嫌だと言うなら強制はしませんが、屍竜に騎乗した状態およびフェンリルと組んだ状況での、強敵との本格的な戦闘経験を積むこと自体はお勧めしたいと思っています」
「シミュレーションとかで代用は……」
「データの収集がまだまだ不完全ですし、あなたを含めて三体とも成長曲線がアレだから、と聞いています。
まあ三つ巴の戦いはもう少し先の話で、直近は婚約破棄のパーティーですよ。
魔王になる素質を持つ人間と異世界の記憶を持つ転生者が、やらかしてくれそうです」
特定の属性と膨大な魔力を持つ人間が闇堕ちして魔王になると前回聞いた。
異世界からの転生者によって、この世界に深刻な悪影響を与えるような穴が、世界と世界の間に開いてしまうことがあるという話も。
「カプセルを渡される人と、その人が出席予定のパーティーとの対応表は前回見せてもらいましたけど、そのうちのどれですか?」
「どれでもありません。
前回リストアップしたのは婚約パーティーと結婚パーティー限定でしたが、婚約破棄の宣言と断罪により魔王が発生する可能性があるのは、リストにはなかった卒業記念のパーティーなのです」
ゲームマスターの言葉に俺は首をかしげる。
「学校の卒業パーティーで婚約破棄とか断罪とか不自然な話ではありませんか。
もともとそういうことをする場ではありませんよね? 強行したとしても効力があるとも思えません」
「それが……この世界の幾つかの国においては、卒業パーティーでの婚約破棄はよくある話で、定番なのです。
王子が婚約者の令嬢に婚約破棄を宣言して、魅了持ちのピンクブロンドの下位貴族令嬢を虐げたと言って断罪し、国外追放や処刑を宣告するというのが典型的な例です」
「ごめんなさい、よくわかりません。
ああ、でも浄化の聖女さんもパーティーで婚約破棄くらっていたんでしたっけ。
魅了の聖女が王様を誑かしたせいで」
「あのときのパーティーは卒業記念パーティーではなくて婚約披露のパーティーでしたけどね。配役もだいぶ異なります。一番の違いは、異世界の記憶持ちが深く関わっているかどうかです」
「卒業記念パーティーの進行如何によっては世界に穴が開いてしまうようなことになると?」
「この世界とは異なる世界の理による力の行使が、どのような結果をもたらすかは予測不可能な部分があります。
単純に素質持ちが魔王に変身するか、世界に開いた穴から化け物が登場するか、全てを吸い尽くすブラックホールでも現れるか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
【完結】仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
偽者に奪われた聖女の地位、なんとしても取り返さ……なくていっか! ~奪ってくれてありがとう。これから私は自由に生きます~
日之影ソラ
恋愛
【小説家になろうにて先行公開中!】
https://ncode.syosetu.com/n9071il/
異世界で村娘に転生したイリアスには、聖女の力が宿っていた。本来スローレン公爵家に生まれるはずの聖女が一般人から生まれた事実を隠すべく、八歳の頃にスローレン公爵家に養子として迎え入れられるイリアス。
貴族としての振る舞い方や作法、聖女の在り方をみっちり教育され、家の人間や王族から厳しい目で見られ大変な日々を送る。そんなある日、事件は起こった。
イリアスと見た目はそっくり、聖女の力?も使えるもう一人のイリアスが現れ、自分こそが本物のイリアスだと主張し、婚約者の王子ですら彼女の味方をする。
このままじゃ聖女の地位が奪われてしまう。何とかして取り戻そう……ん?
別にいっか!
聖女じゃないなら自由に生きさせてもらいますね!
重圧、パワハラから解放された聖女の第二の人生がスタートする!!
捨てられた聖女、自棄になって誘拐されてみたら、なぜか皇太子に溺愛されています
h.h
恋愛
「偽物の聖女であるお前に用はない!」婚約者である王子は、隣に新しい聖女だという女を侍らせてリゼットを睨みつけた。呆然として何も言えず、着の身着のまま放り出されたリゼットは、その夜、謎の男に誘拐される。
自棄なって自ら誘拐犯の青年についていくことを決めたリゼットだったが。連れて行かれたのは、隣国の帝国だった。
しかもなぜか誘拐犯はやけに慕われていて、そのまま皇帝の元へ連れて行かれ━━?
「おかえりなさいませ、皇太子殿下」
「は? 皇太子? 誰が?」
「俺と婚約してほしいんだが」
「はい?」
なぜか皇太子に溺愛されることなったリゼットの運命は……。
神に逆らった人間が生きていける訳ないだろう?大地も空気も神の意のままだぞ?<聖女は神の愛し子>
ラララキヲ
ファンタジー
フライアルド聖国は『聖女に護られた国』だ。『神が自分の愛し子の為に作った』のがこの国がある大地(島)である為に、聖女は王族よりも大切に扱われてきた。
それに不満を持ったのが当然『王侯貴族』だった。
彼らは遂に神に盾突き「人の尊厳を守る為に!」と神の信者たちを追い出そうとした。去らねば罪人として捕まえると言って。
そしてフライアルド聖国の歴史は動く。
『神の作り出した世界』で馬鹿な人間は現実を知る……
神「プンスコ(`3´)」
!!注!! この話に出てくる“神”は実態の無い超常的な存在です。万能神、創造神の部類です。刃物で刺したら死ぬ様な“自称神”ではありません。人間が神を名乗ってる様な謎の宗教の話ではありませんし、そんな口先だけの神(笑)を容認するものでもありませんので誤解無きよう宜しくお願いします。!!注!!
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇ちょっと【恋愛】もあるよ!
◇なろうにも上げてます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる