小さな女の子の話

懺悔

すると、アリーナは泣き出した。皇子を含めた周りの人々は思わず驚く。なぜならアリーナはほとんど表情を表に表したことがないからだ。その影響で氷の女王のようだとも言われるほどだったのに、そのアリーナが泣いている。流石に皇子も予想外だったのか戸惑っている。するとアリーナがぽつりぽつり言葉を発した。

「ごめんなさい、、、。ごめんなさいっ、、、。」

大粒の涙を流しながら、静かに、静かにアリーナは謝った。その様子に皇子は戸惑いつつ質問をする。

「アリーナ、その謝罪は、どういうものだ？それは、つまりフレアを虐めていたと認めるのか？」

すると、アリーナはグズグズのままで返事をする

「いいえ、いいえ。そんなこと、私はしておりません。私は、私は私の家柄を汚すようなこと、しません。」

途切れ途切れにもそんな言葉を発する。それを聞いた皇子はもう一度問うた。

「では、それはどういう謝罪なのだ。アリーナ、お前は誰に謝っているんだ？」

するとアリーナは一度、スッと顔を上げて涙を零しながら皇子の顔を見つめた。それから震える口を少し開いて、また声を発する。

「それは、それは皇子にです。貴方にです。」

それからアリーナは言葉を続ける。今まで自分の中にあった何かを、ぶちまけるように。静かに、途切れ途切れになりながら言葉を続ける。

「皇子。皇子私は知っておりました。ちゃんとわかって おりました。私と皇子の婚約は避けられないものであることも、皇子が国のために、素晴らしい国王になるために、人一倍努力していたことも、それを周りから当たり前の事だと、努力を認められなくても、頑張っていた事を。それを踏みにじっては行けないと、」

使いのものが恐る恐る差し出したハンカチを、受け取り、ながら、アリーナは話を続ける。

「ちゃんと、ちゃんとわかっていたのです。わかってたんです。でも、でも、どうしようもなかったんです。自分じゃ、どうしようも出来ないのです。」

そして涙を拭い、すっと俯いてた顔を上げ、真剣に皇子を見つめた。

「皇子、私、私ね、好きな人がいるんですよ。」








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今回めっちゃ短いです。できるだけ短編で終わらせます。でも結構長くなるかもです。長くなったらごめんなさい💦