44 / 92
第二章 竜の魔王とモンスター娘四天王
第四十四話 マタンゴ娘に男のキノコを収穫される話
しおりを挟む
それはある日のことだった。
「創造主様? 何を作っているのかしら?」
仕事を終えた俺が執務室の机で作業をしていると訪ねてきたドーナが俺の手元を覗き込んできた。
「ん? これはプーカのベッドだよ。余った材木や布切れなんかを使って作っているんだ」
俺の手元にはプーカのために制作している小さなシングルベッドがある。
「へえ、そこそこ可愛い出来栄えね」
「これくらいならエメスに任せなくても俺だけでなんとかなる」
「創造主様が仕事と交尾以外のことをしているなんて珍しいこともあるのね」
「おい。俺は最初の頃は自分で家を建てたりしていたんだぞ」
「あー、そんなこともあったわね。あの粗末なあなたの家も懐かしいわ」
「確かに、便利になるのはいいことだが、たまには初心に返りたくもなる。ということで、気分転換にちょっとした工作を始めてみたんだ」
「いいんじゃないかしら」
「ううん、よくないよ」
しかし、そこにプーカが現れてジト目で俺を見つめてきた。
「どうしたんだよ。このベッドが気に入らないのか?」
「別に気に入らないとは言ってないよ。このベッドはこれはこれで寝やすそうだし」
「じゃあ、何か不満があるのか?」
「うんうん。よく訊いてくれたね。お兄さんの言う通り、私にはお兄さんの作った私の家にちょっと足りないものがあるんだよ!」
プーカは俺が作りかけていたプーカの家を指差す。
プーカの家は鳥の巣箱くらいの大きさの建物で、家具はもうほとんどが作り終わっている。
「何が足りないんだ?」
「この家には『キノコ』が足りないんだよ!」
「「……キノコ?」」
俺とドーナはプーカが何を言っているのか理解出来ず、首を傾げた。
✕ ✕ ✕
「フェアリーとキノコは切って切り離せない存在なんだよ。フェアリーサークルとかがその代表だね」
「フェアリー族が作るキノコの輪っかのことか。それは俺も聞いたことがある」
翌日の昼、俺はプーカを肩に乗せてモンスター娘の街を歩いていた。
「ところで、お兄さんはどこに向かってるの?」
「お前の欲しがっているキノコを手に入れに行くんだよ」
「えっ!? キノコ獲ってくれるの? やったー! お兄さん大好き♡」
「調子がいい奴だな」
「でも、お兄さん、キノコ狩りに行くような格好じゃないよね?」
「ある人からキノコを貰いに行くんだ」
「どういうこと?」
怪訝な表情をしているプーカに何も答えず、俺は目的の場所に到着した。
そこは街の外れにある沼地で、じめじめとした場所だった。
「ふえぇ……湿気で羽が萎びちゃうよ~」
「もうちょっとだけ我慢しろ。ここにその人がいるんだ」
俺は沼地の真ん中に建つ怪しげな木造の家を訪ねる。
「エリザベス! 俺だ! 入っていいか?」
ノックをして呼びかけると玄関ドアが開いて少女が一人出てきた。
「おや、創造主様……何かご用かね?」
「お前に頼みがあって来た」
「左様か。それなら家の中で話を聞こうかの」
まるで老人のような喋り方をするその少女はマタンゴのエリザベス。
髪の代わりに頭からキノコの笠が生えた彼女はこの沼地でいろいろな研究をしている。
「見た目は子供なのに言葉遣いはお婆ちゃんみたいで不思議だね」
「そちらのお嬢さんはフェアリー族じゃな」
「ああ。今日はこの子の依頼を聞いて欲しい」
「いいじゃろう。待っておりなさい」
俺が家に上がりこみ、食卓で待っているとエリザベスが湯呑を用意してくれた。
「さて、予想はついておるが話を聞いておこうかの」
「この子の家に置くキノコを探しているんだが、ここにないか?」
「フェアリー族の好んでいるキノコか。それはきっとヨウセイダケのことじゃな。ちょうど栽培が済んでいるものがある。一株分けてもよいぞ。……その代わり、もらうものはもらっておくぞ」
「ああ。分かってる。プーカはここにいてくれ。これから俺とエリザベスは取引をしなくちゃならない」
「うん!」
プーカを居間に残して、俺とエリザベスは奥の実験室に入っていった。
✕ ✕ ✕
「うっ……くうっ……」
「可愛い声じゃのう。幼子と遊ぶのはやはり心地が良い」
「俺は幼子って年齢でもないんだけどな……」
「わしに比べたら幼子じゃよ」
不気味な薬液漬けの標本や試験管が並ぶ実験室のベッドに座った俺はエリザベスに手コキをされていた。
「お前、一体いくつなんだよ……」
「女性に年齢を尋ねるのはよい趣味ではないぞ」
エリザベスが肉棒を握る手に力を込める。
「う、あ……」
「顔が蕩けておるのぉ。もうすぐ射精するのかの?」
「あ、ああ……駄目だ、もう射精るっ!」
「あと数秒だけ待っておれ」
エリザベスは試験管を一つ取り出し、肉棒の鈴口に押し当てる。
どぷっ! どびゅっ! びゅるるるるるるっ!
精液が鈴口から溢れ出し、試験管の中を満たしていく。
エリザベスは勃起が弱まっていくのに合わせて試験管を傾け、器用に精液を全て回収した。
「ふむ。これは良い。素材としては申し分ない」
試験管の精液を眺めて満足そうにエリザベスが頷いた。
「そんなもの集めて何をする気なんだ……」
「むふふ、研究じゃよ。お主の精液はどんなモンスター娘でも孕ませおる。そのメカニズムを解明出来ればわしは神にすら近づけるじゃろう」
エリザベスはニタニタとほくそ笑み、実験室の隅から小さなガラスケースを持ってきた。
「さあ、こちらが報酬のヨウセイダケじゃ」
エリザベスが持ってきたのは赤い笠に白い斑点のある一房のキノコだった。
「メルヘンチックな見た目だな」
「これは弾力もあって触ると気持ちが良いのじゃぞ。フェアリー族はこれがないと落ち着かないほどらしいのじゃとか」
「ありがとう受け取ろう」
「……こんな老いぼれでも役に立てることがあれば言って欲しい。対価はきちんと払ってもらうがの」
俺がキノコを受け取ると、エリザベスは俺と目を合わせて微笑みかけてきた。
「創造主様? 何を作っているのかしら?」
仕事を終えた俺が執務室の机で作業をしていると訪ねてきたドーナが俺の手元を覗き込んできた。
「ん? これはプーカのベッドだよ。余った材木や布切れなんかを使って作っているんだ」
俺の手元にはプーカのために制作している小さなシングルベッドがある。
「へえ、そこそこ可愛い出来栄えね」
「これくらいならエメスに任せなくても俺だけでなんとかなる」
「創造主様が仕事と交尾以外のことをしているなんて珍しいこともあるのね」
「おい。俺は最初の頃は自分で家を建てたりしていたんだぞ」
「あー、そんなこともあったわね。あの粗末なあなたの家も懐かしいわ」
「確かに、便利になるのはいいことだが、たまには初心に返りたくもなる。ということで、気分転換にちょっとした工作を始めてみたんだ」
「いいんじゃないかしら」
「ううん、よくないよ」
しかし、そこにプーカが現れてジト目で俺を見つめてきた。
「どうしたんだよ。このベッドが気に入らないのか?」
「別に気に入らないとは言ってないよ。このベッドはこれはこれで寝やすそうだし」
「じゃあ、何か不満があるのか?」
「うんうん。よく訊いてくれたね。お兄さんの言う通り、私にはお兄さんの作った私の家にちょっと足りないものがあるんだよ!」
プーカは俺が作りかけていたプーカの家を指差す。
プーカの家は鳥の巣箱くらいの大きさの建物で、家具はもうほとんどが作り終わっている。
「何が足りないんだ?」
「この家には『キノコ』が足りないんだよ!」
「「……キノコ?」」
俺とドーナはプーカが何を言っているのか理解出来ず、首を傾げた。
✕ ✕ ✕
「フェアリーとキノコは切って切り離せない存在なんだよ。フェアリーサークルとかがその代表だね」
「フェアリー族が作るキノコの輪っかのことか。それは俺も聞いたことがある」
翌日の昼、俺はプーカを肩に乗せてモンスター娘の街を歩いていた。
「ところで、お兄さんはどこに向かってるの?」
「お前の欲しがっているキノコを手に入れに行くんだよ」
「えっ!? キノコ獲ってくれるの? やったー! お兄さん大好き♡」
「調子がいい奴だな」
「でも、お兄さん、キノコ狩りに行くような格好じゃないよね?」
「ある人からキノコを貰いに行くんだ」
「どういうこと?」
怪訝な表情をしているプーカに何も答えず、俺は目的の場所に到着した。
そこは街の外れにある沼地で、じめじめとした場所だった。
「ふえぇ……湿気で羽が萎びちゃうよ~」
「もうちょっとだけ我慢しろ。ここにその人がいるんだ」
俺は沼地の真ん中に建つ怪しげな木造の家を訪ねる。
「エリザベス! 俺だ! 入っていいか?」
ノックをして呼びかけると玄関ドアが開いて少女が一人出てきた。
「おや、創造主様……何かご用かね?」
「お前に頼みがあって来た」
「左様か。それなら家の中で話を聞こうかの」
まるで老人のような喋り方をするその少女はマタンゴのエリザベス。
髪の代わりに頭からキノコの笠が生えた彼女はこの沼地でいろいろな研究をしている。
「見た目は子供なのに言葉遣いはお婆ちゃんみたいで不思議だね」
「そちらのお嬢さんはフェアリー族じゃな」
「ああ。今日はこの子の依頼を聞いて欲しい」
「いいじゃろう。待っておりなさい」
俺が家に上がりこみ、食卓で待っているとエリザベスが湯呑を用意してくれた。
「さて、予想はついておるが話を聞いておこうかの」
「この子の家に置くキノコを探しているんだが、ここにないか?」
「フェアリー族の好んでいるキノコか。それはきっとヨウセイダケのことじゃな。ちょうど栽培が済んでいるものがある。一株分けてもよいぞ。……その代わり、もらうものはもらっておくぞ」
「ああ。分かってる。プーカはここにいてくれ。これから俺とエリザベスは取引をしなくちゃならない」
「うん!」
プーカを居間に残して、俺とエリザベスは奥の実験室に入っていった。
✕ ✕ ✕
「うっ……くうっ……」
「可愛い声じゃのう。幼子と遊ぶのはやはり心地が良い」
「俺は幼子って年齢でもないんだけどな……」
「わしに比べたら幼子じゃよ」
不気味な薬液漬けの標本や試験管が並ぶ実験室のベッドに座った俺はエリザベスに手コキをされていた。
「お前、一体いくつなんだよ……」
「女性に年齢を尋ねるのはよい趣味ではないぞ」
エリザベスが肉棒を握る手に力を込める。
「う、あ……」
「顔が蕩けておるのぉ。もうすぐ射精するのかの?」
「あ、ああ……駄目だ、もう射精るっ!」
「あと数秒だけ待っておれ」
エリザベスは試験管を一つ取り出し、肉棒の鈴口に押し当てる。
どぷっ! どびゅっ! びゅるるるるるるっ!
精液が鈴口から溢れ出し、試験管の中を満たしていく。
エリザベスは勃起が弱まっていくのに合わせて試験管を傾け、器用に精液を全て回収した。
「ふむ。これは良い。素材としては申し分ない」
試験管の精液を眺めて満足そうにエリザベスが頷いた。
「そんなもの集めて何をする気なんだ……」
「むふふ、研究じゃよ。お主の精液はどんなモンスター娘でも孕ませおる。そのメカニズムを解明出来ればわしは神にすら近づけるじゃろう」
エリザベスはニタニタとほくそ笑み、実験室の隅から小さなガラスケースを持ってきた。
「さあ、こちらが報酬のヨウセイダケじゃ」
エリザベスが持ってきたのは赤い笠に白い斑点のある一房のキノコだった。
「メルヘンチックな見た目だな」
「これは弾力もあって触ると気持ちが良いのじゃぞ。フェアリー族はこれがないと落ち着かないほどらしいのじゃとか」
「ありがとう受け取ろう」
「……こんな老いぼれでも役に立てることがあれば言って欲しい。対価はきちんと払ってもらうがの」
俺がキノコを受け取ると、エリザベスは俺と目を合わせて微笑みかけてきた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる