22 / 90
第1章
22 侯爵令嬢と死者の国
しおりを挟む
私が生まれ育ったこの世界が、分断された7つの世界のうちのひとつだと言われて本当に驚いたけれど、実は私は「そんなのあり得ない!」というふうには思わなかった。
小さな頃からイザベラやお母様や神父様に何度も聖書を読み聞かせられてきたからだ。
聖書の創造記に、こんな記述がある。
―――神は9日間で世界を創った。
1日目、まず神は世界を光と闇に分けた。
2日目、光あるところに空と海と大地を創った。
3日目、空に双子の太陽を創った。
4日目、双子はひとつになり星と月が生まれた。
5日目、海に落ちた星は魚になった。
6日目、大地に落ちた星は植物と動物になった。
7日目、空の星の一部は鳥と竜になった。
8日目、そして神は神の姿に似せて人を創った。
9日目、最後に神は世界を7つに分けた。
「その7つに分けられた世界というのが球体世界…」
私がそう呟くと、アルミラは短く「そうだ」と言った。
「ファルナレークは他の多くの球体世界に繋がっている。お前の家族がファルナレークにやってきたことはアタシも知るところだ。今もそこにいるのか、すでに他の球体世界へ飛んだのかはわからんがな」
私はこんがらがった頭を整理するのに精一杯だった。
まず、そんなものはただの神話だと思っていたけど、聖書にある通り、この世界は球体世界と呼ばれる7つの小さな世界に分けられているという。
私たちがいる球体世界の名前は『ユークレア』。
他に判明している球体世界は4つ。
アンデッドが支配する球体世界『ファルナレーク』。
恐竜と獣人たちの球体世界『ロドンゴ』。
機械が支配する球体世界『エントロクラッツ』。
言語がバラバラで戦争の絶えない殺戮の球体世界『チキュウ』。
あと残り2つの球体世界は名前もわからない。
お父様たちはエロール帝国を後ろ盾にもつクレアティーノ王国と向き合うための戦力を求めて、まずはファルナレークに渡った。今もそこにいるか、またはファルナレークを経由して他の球体世界へと渡った。
つまり私がするべきことは、私もファルナレークに行って私が吸血鬼にされた理由や人間に戻る方法を探りつつ、お父様たちの足跡を調べること。
「でも別の世界なんて、一体どうやって行くんですの?」
ローザが風になびく長い金髪を手で抑えながらそう言った。
アルミラがそれに答える。
「球体世界の間を移動するためには大きく分けて3つの方法がある。転移魔術か魔具か乗り物を使うことだ。本来、別の球体世界に移動するためにはその移動手段を持つ者を見つけ出し、連れて行ってもらうよう交渉する必要がある。しかし、今のアタシにはこれがある」
アルミラは左手をかざして吸血鬼としての固有能力である底なしの棺を発動させ、馬車を出現させた。
私たちをクレアティーノ王都からこのエスパーダ領の屋敷まで運んでくれた馬車だ。
「この馬車こそが球体世界の間を移動するための乗り物なのだ。ここユークレアとファルナレーク間の限定だがな。『あの方』に賜った特別製の馬車だ」
アルミラは流麗な動作で馬車の扉を開けた。
「さあ乗れ」
私はローザと顔を見合わせて頷き、イザベラ、アルフォンス、ヴァルゲスに振り返った。
私はこの馬車に乗って、アンデッドが支配するファルナレークという別の世界に行く。
そこで私は自分が吸血鬼にされた理由や人間に戻る方法を調べて、できれば普通の人間に戻って、あわせてお父様たちの居場所も見つけ出して一緒にこのエスパーダ領に帰ってくるつもりだ。
でもアルミラに私を連れてくるよう命じた『あの方』とやらは、きっと私をおとなしく帰すつもりはないと思う。もしかしたら私を食べようとしているのかもしれない。
それでも私は行かなければいけない。
この屋敷に閉じこもって待っていても、誰も私を人間に戻してくれたりはしない。
私の運命は、私が切り拓くしかない。
「それじゃ、行ってくるわ」
私がそう言って馬車に乗り込むと、イザベラとアルフォンスは丁寧にお辞儀をし、ヴァルゲスは柔らかな唸り声を上げた。
******
私とローザが馬車に乗り込むと御者台のアルミラは馬にムチを入れ、数歩ほど駆け出すと不思議な光りに包まれて気がつけばあたりは深い闇の中。
馬車の窓から見える風景は、枯れ木がまばらに生える荒涼とした赤土の大地だった。
枯れ木から飛び立った鴉や蝙蝠が羽ばたく空は、怪しく輝く満天の星の光で赤紫色に染まっている。その夜空を切り裂くように泥が固まったような背の高い建造物がそびえ立っており、その足元には仄かな灯りが整然と並んでいた。
「向こうに見えるのがファルナレークの城、薔薇の不死城だ。その城下には『茨の街』が広がっている」
馬車は舗装されていない道をガタガタと進んだ。
殺風景な荒野には時々、ボロボロの布切れを身に纏って腹からはみ出た腸を引きずる死体が歩いてたり、人の形をした半透明の何かが彷徨うように宙を舞っていたりした。
「ゾンビにレイス…本当にアンデッドの世界なのですわね…」
ローザがそう呟くと、御者台のアルミラが補足する。
「奴らはまともな思考能力もない下等なアンデッドたちだ。城はもちろん街からも追い出された野良アンデッドといったところだな」
私は馬車の中で《うう、怖いし気持ち悪いし、もう最悪…》と泣きそうになっていたが、こんな最初から泣いていたら絶対アルミラとローザに笑われるので必死に澄ました顔を作って耐えていた。
――私だって吸血鬼なんだから…!怖くなんかないわ…!
しばらくすると『茨の街』の入り口へとやってきた。アルミラに促されて私たちは馬車を降りる。
街は私の背丈の3倍くらいの高さの泥の壁で囲まれていて、壁に一定の間隔で埋め込まれた水晶のようなものが仄かな光を放っていた。向こうから見えた灯りはこの水晶のようなものの光だったようだ。
泥壁にはベタベタと無造作に札が貼られた分厚そうな木の門があって、その上の胸壁から2人の子どもが顔を出した。2人は完璧に声を揃えて言った。
「おかえりなさいませ、麗しき闇騎士アルミラ様」
2人の門番は男か女かわからないが10歳くらいのように見えて、双子のように瓜二つだった。ただし顔色は死人としか思えないほど青白い。きっと彼らもアンデッドなのだろう。2人は左右対称にまったく同じ動作で門を開ける。
「ご苦労」
アルミラがそう言って街の中に入っていく。私とローザもあとに続く。
私たちが門をくぐる時、2人の青白い子どもは「良き血の巡り合わせがありますように…」と言った。
******
「この街に住む皆様もアンデッドですの?」
ローザの質問にアルミラは少し前を歩きながら振り返らずに答えた。
「もちろんアンデッドもいるが街の住民は大半が普通の人間だ」
私はアルミラとローザの後ろについて歩きながら、陰鬱な雰囲気の街を見回した。
民家と思われる建物は城と同じく泥を固めたような材質で、外壁のところどころに埋め込まれた水晶のようなものがぼんやりと光を放っている。扉は木で窓にはガラスが嵌められている。家の中に人の気配はあるが、今が夜だからなのか、人通りもないし家の中で煮炊きする様子や話し声ひとつ聞こえてこない。
私が「みんな寝ているのかしら」と呟くと、アルミラは「いや、ファルナレークに太陽が昇ることはない。今は人間どもも活動しているはずの時間だ」と答えた。
「こんなところに生きている人間なんかいるの?」
私がそう尋ねると、アルミラは振り返ってニヤリと微笑う。
「ああ、生きているというより、生かされているというほうが正確だがな」
私には意味がわからなかったが、ローザがすぐに理解して言葉にした。
「要するに家畜として、アンデッドの餌として生かされているということですわね」
アルミラは満足そうに頷く。
「まあそういうことだ。だがここの人間はいつか吸血鬼に血を吸われることを夢見る者が大半だ。屍食鬼や死霊など下等なアンデッドには食われたくないようだがな」
私は思わず本音を漏らした。
「…虫酸が走るわね」
その時、アルミラは民家の扉の前で立ち止まった。
「少し寄り道するぞ」
小さな頃からイザベラやお母様や神父様に何度も聖書を読み聞かせられてきたからだ。
聖書の創造記に、こんな記述がある。
―――神は9日間で世界を創った。
1日目、まず神は世界を光と闇に分けた。
2日目、光あるところに空と海と大地を創った。
3日目、空に双子の太陽を創った。
4日目、双子はひとつになり星と月が生まれた。
5日目、海に落ちた星は魚になった。
6日目、大地に落ちた星は植物と動物になった。
7日目、空の星の一部は鳥と竜になった。
8日目、そして神は神の姿に似せて人を創った。
9日目、最後に神は世界を7つに分けた。
「その7つに分けられた世界というのが球体世界…」
私がそう呟くと、アルミラは短く「そうだ」と言った。
「ファルナレークは他の多くの球体世界に繋がっている。お前の家族がファルナレークにやってきたことはアタシも知るところだ。今もそこにいるのか、すでに他の球体世界へ飛んだのかはわからんがな」
私はこんがらがった頭を整理するのに精一杯だった。
まず、そんなものはただの神話だと思っていたけど、聖書にある通り、この世界は球体世界と呼ばれる7つの小さな世界に分けられているという。
私たちがいる球体世界の名前は『ユークレア』。
他に判明している球体世界は4つ。
アンデッドが支配する球体世界『ファルナレーク』。
恐竜と獣人たちの球体世界『ロドンゴ』。
機械が支配する球体世界『エントロクラッツ』。
言語がバラバラで戦争の絶えない殺戮の球体世界『チキュウ』。
あと残り2つの球体世界は名前もわからない。
お父様たちはエロール帝国を後ろ盾にもつクレアティーノ王国と向き合うための戦力を求めて、まずはファルナレークに渡った。今もそこにいるか、またはファルナレークを経由して他の球体世界へと渡った。
つまり私がするべきことは、私もファルナレークに行って私が吸血鬼にされた理由や人間に戻る方法を探りつつ、お父様たちの足跡を調べること。
「でも別の世界なんて、一体どうやって行くんですの?」
ローザが風になびく長い金髪を手で抑えながらそう言った。
アルミラがそれに答える。
「球体世界の間を移動するためには大きく分けて3つの方法がある。転移魔術か魔具か乗り物を使うことだ。本来、別の球体世界に移動するためにはその移動手段を持つ者を見つけ出し、連れて行ってもらうよう交渉する必要がある。しかし、今のアタシにはこれがある」
アルミラは左手をかざして吸血鬼としての固有能力である底なしの棺を発動させ、馬車を出現させた。
私たちをクレアティーノ王都からこのエスパーダ領の屋敷まで運んでくれた馬車だ。
「この馬車こそが球体世界の間を移動するための乗り物なのだ。ここユークレアとファルナレーク間の限定だがな。『あの方』に賜った特別製の馬車だ」
アルミラは流麗な動作で馬車の扉を開けた。
「さあ乗れ」
私はローザと顔を見合わせて頷き、イザベラ、アルフォンス、ヴァルゲスに振り返った。
私はこの馬車に乗って、アンデッドが支配するファルナレークという別の世界に行く。
そこで私は自分が吸血鬼にされた理由や人間に戻る方法を調べて、できれば普通の人間に戻って、あわせてお父様たちの居場所も見つけ出して一緒にこのエスパーダ領に帰ってくるつもりだ。
でもアルミラに私を連れてくるよう命じた『あの方』とやらは、きっと私をおとなしく帰すつもりはないと思う。もしかしたら私を食べようとしているのかもしれない。
それでも私は行かなければいけない。
この屋敷に閉じこもって待っていても、誰も私を人間に戻してくれたりはしない。
私の運命は、私が切り拓くしかない。
「それじゃ、行ってくるわ」
私がそう言って馬車に乗り込むと、イザベラとアルフォンスは丁寧にお辞儀をし、ヴァルゲスは柔らかな唸り声を上げた。
******
私とローザが馬車に乗り込むと御者台のアルミラは馬にムチを入れ、数歩ほど駆け出すと不思議な光りに包まれて気がつけばあたりは深い闇の中。
馬車の窓から見える風景は、枯れ木がまばらに生える荒涼とした赤土の大地だった。
枯れ木から飛び立った鴉や蝙蝠が羽ばたく空は、怪しく輝く満天の星の光で赤紫色に染まっている。その夜空を切り裂くように泥が固まったような背の高い建造物がそびえ立っており、その足元には仄かな灯りが整然と並んでいた。
「向こうに見えるのがファルナレークの城、薔薇の不死城だ。その城下には『茨の街』が広がっている」
馬車は舗装されていない道をガタガタと進んだ。
殺風景な荒野には時々、ボロボロの布切れを身に纏って腹からはみ出た腸を引きずる死体が歩いてたり、人の形をした半透明の何かが彷徨うように宙を舞っていたりした。
「ゾンビにレイス…本当にアンデッドの世界なのですわね…」
ローザがそう呟くと、御者台のアルミラが補足する。
「奴らはまともな思考能力もない下等なアンデッドたちだ。城はもちろん街からも追い出された野良アンデッドといったところだな」
私は馬車の中で《うう、怖いし気持ち悪いし、もう最悪…》と泣きそうになっていたが、こんな最初から泣いていたら絶対アルミラとローザに笑われるので必死に澄ました顔を作って耐えていた。
――私だって吸血鬼なんだから…!怖くなんかないわ…!
しばらくすると『茨の街』の入り口へとやってきた。アルミラに促されて私たちは馬車を降りる。
街は私の背丈の3倍くらいの高さの泥の壁で囲まれていて、壁に一定の間隔で埋め込まれた水晶のようなものが仄かな光を放っていた。向こうから見えた灯りはこの水晶のようなものの光だったようだ。
泥壁にはベタベタと無造作に札が貼られた分厚そうな木の門があって、その上の胸壁から2人の子どもが顔を出した。2人は完璧に声を揃えて言った。
「おかえりなさいませ、麗しき闇騎士アルミラ様」
2人の門番は男か女かわからないが10歳くらいのように見えて、双子のように瓜二つだった。ただし顔色は死人としか思えないほど青白い。きっと彼らもアンデッドなのだろう。2人は左右対称にまったく同じ動作で門を開ける。
「ご苦労」
アルミラがそう言って街の中に入っていく。私とローザもあとに続く。
私たちが門をくぐる時、2人の青白い子どもは「良き血の巡り合わせがありますように…」と言った。
******
「この街に住む皆様もアンデッドですの?」
ローザの質問にアルミラは少し前を歩きながら振り返らずに答えた。
「もちろんアンデッドもいるが街の住民は大半が普通の人間だ」
私はアルミラとローザの後ろについて歩きながら、陰鬱な雰囲気の街を見回した。
民家と思われる建物は城と同じく泥を固めたような材質で、外壁のところどころに埋め込まれた水晶のようなものがぼんやりと光を放っている。扉は木で窓にはガラスが嵌められている。家の中に人の気配はあるが、今が夜だからなのか、人通りもないし家の中で煮炊きする様子や話し声ひとつ聞こえてこない。
私が「みんな寝ているのかしら」と呟くと、アルミラは「いや、ファルナレークに太陽が昇ることはない。今は人間どもも活動しているはずの時間だ」と答えた。
「こんなところに生きている人間なんかいるの?」
私がそう尋ねると、アルミラは振り返ってニヤリと微笑う。
「ああ、生きているというより、生かされているというほうが正確だがな」
私には意味がわからなかったが、ローザがすぐに理解して言葉にした。
「要するに家畜として、アンデッドの餌として生かされているということですわね」
アルミラは満足そうに頷く。
「まあそういうことだ。だがここの人間はいつか吸血鬼に血を吸われることを夢見る者が大半だ。屍食鬼や死霊など下等なアンデッドには食われたくないようだがな」
私は思わず本音を漏らした。
「…虫酸が走るわね」
その時、アルミラは民家の扉の前で立ち止まった。
「少し寄り道するぞ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
悪役令嬢の断罪――え、いま婚約破棄と?聞こえませんでしたわ!
ちゃっぴー
恋愛
公爵令嬢アクア・ラズライトは、卒業パーティーの最中に婚約者であるジュリアス殿下から「悪役令嬢」として断罪を突きつけられる。普通なら泣き崩れるか激昂する場面――しかし、超合理的で節約家なアクアは違った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる