皇帝の継承。

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episode.2

ヴラド・シリウス

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 俺はいつも通りこの腐った世界を徘徊する。
俺の住んでる場所は言わばスラム街。
盗みなんてものは当たり前。
死体なんてものもゴロゴロと転がっている。
「ちっ。相変らずくせぇな。」
「…もらった。」
俺の背後から襲いかかる1人の人間。
そいつはナイフを持っており、
これに当たれば死ぬだろう。
「わかってんだよ。雑魚が。」
俺は左目を赤くし、後ろの人間を
色のない世界で捉える。
俺は即座にかわし、振り下げられたナイフを
右足の回し蹴りで蹴り飛ばして、
そのまま右足で着地すると同時に
左足で顔面を蹴り込む。
俺の中のリミッターを少しだけ外して
蹴ったのだが、相手は想像以上に吹き飛んだ。

 俺の中にはよく分からない力がある。
俺はこの力を使うと目が赤くなり、
人間よりも強い力を得る。
俺にはこれくらいのことしかわからない。
だが、俺はこの力の使い方を自然にわかっていた。
身体能力、動体視力、脳の回る速度の向上。
これらを自由に扱える。
俺は選ばれた人間なのだ。
生き残る力を持ち、人をねじふせる力がある。
俺は強くなりすぎた。
つまらない。つまらない。つまらない。
面白くない。面白くない。面白くない。
そうして、俺はこのスラム街の王になった。
はずだった。

 俺の領土に堂々と足を踏み入れる男がいた。
「ちっ。誰だよ。くそ雑魚が。」
「おやおや。くそ雑魚とは
 俺のことを言ってるのかい?」
「ここにいるのは俺以外にお前しかいねぇだろ。
 そんなのもわからんとはな。
 脳までくそ雑魚なのか?」
「あはは。煽るのが上手いね。
 まぁいいよ。かかってきなさい。
 このスラムの王よ。」
「あぁ。いいぜ。やってやるよ。」
俺は足に力を入れる。
そして、一瞬で距離を詰める。

 俺は小手調べの蹴りを入れ込む。
相手は腕で受け止める。
そのまま相手も蹴りを入れてきたので
俺は無理やり体勢を変えてその蹴りをかわす。
そして、その男を殴るのだが、
まるで何もかもを見据えてるかのように
その拳をかわす。
だが、俺は拳の勢いを使って肘打ちをする。
その攻撃は左手で受け止められ下段蹴りされる。
モロにくらったが俺は気にする様子もなく、
飛びつき三角絞めを試みる。
だが、笑顔でかわされてしまった。
俺はそのまま地面に背中で着地する。
相手との距離は離れた。

「あれをくらっても攻撃するとはさすが王だね。」
「お前こそかわすとはな。
 やっと骨のあるやつが来たのか。
 俺をもっと楽しませろ。くそ雑魚。」
「二度と僕に刃向かえないようにしてやるよ愚王。」
はぁ。至高だ。楽しい。
だが、こいつの行動に違和感がある。
まるで俺の行動を予知するかのような動きだ。
まぁ未来が見えてると仮定して動こう。
未来予知しても不可避の攻撃をぶち込めば
いいんだからな。
俺は中指を立てて告げる。
「楽に死ねるように神に祈るんだな。」
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