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3◆ワイルドなハチさん
◆4
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弟がやられてから何日くらい経った頃だったか。
公園でショーゴと会って二回くらいは朝が来た気がするそうだ。
その公園にて、ギャーッ、とけたたましい叫びがハチさんの耳に飛び込んできた。あの日と同じ、空の色が変わった頃合いにそれは起こったらしい。
ハチさんは全速力で風を切って走った。まるでハチさん自身が風になったかのようにして。
駆けつけた先には、弟が言ったように大きな人間がいた。
ただし、ハチさんが考えていた大きな人間とはちょっと違ったんだそうだ。なんというのか、横に大きい。太いというヤツだ。
黒っぽい服と、頭にも黒っぽいものを被って、顔にだけ白いものをつけている。
――顔に白いものって、マスクかな。頭にも黒い帽子を被ってたんだね。
虐待者は肥満体か。じゃあ、動きが鈍くてハチさん楽勝だったんじゃないの?
え? そんな簡単じゃないって?
今回狙われた猫は、何度か見かけたことがある程度の猫だった。白とヨモギの毛をしたヤツだ。
弟の時ほど鮮やかには行かなかったらしい。その猫の背には茶色の細長いベタベタがついているけれど、それが伸びて塊が続いている。茶色のベタベタが丸まっていて、それが丸ごとその猫に繋がっている。
動けないほどではないにしろ、重たい。動きが鈍っている。それでも、その野良猫はなんとかして人間の手から逃れようとしていた。
でも、その人間はとっさに足を出し、その茶色のベタベタの丸まっているものを踏んで止めた。
その時に見た人間の横顔は、目元しか見えないのに獲物を捕らえた喜びに満ちていたって……
ハチさんは思いきり跳躍し、その人間の手を引っかいてやったそうだ。
そうしたら、人間が悲鳴を上げた。
「なっ、お前、どこから……っ! クソッ、人間様になんてことしやがる、この駄猫!」
その人間のオスは、目を潤ませてハチさんに怒鳴った。でも、ハチさんはこんなヤツに負けてなるものかと、毛を逆立て、精一杯体を大きく見せながらフーッと威嚇してやったんだって。
ハチさんの迫力に、人間は一瞬怯んだ。もう一匹の猫は茶色のベタベタの塊を引きずりながらも少し離れたところに避難していた。それを見た人間は、さらに怒りを爆発させた。
「猫のくせに、馬鹿にしやがって!」
猫を馬鹿にしている人間に言われたくない。ハチさんはさらに威嚇を続け、その人間と睨み合ったそうだ。
すると、その人間は服の中に一度手を引っ込め、それから何かを取り出した。
キチキチキチ、耳障りな変な音がした。
鈍く光るものが手に握られていて、あれが危ないものだっていうのはハチさんも本能でわかったって。
「皆、俺を馬鹿にして! 俺は、俺はっ!」
何かよくわからないことを吠えながら、人間はハチさんに向かって凶器を振り回し始めた。
逃げてもいい。さっきの猫も上手く逃れた。ハチさんが全力で逃げれば、この人間が追いつけることはないだろう。
――それなのに、ハチさんは逃げることをしなかった。戦うことを選んだ。
弟の仇を取ってやりたかった。このままこの男を逃がして、また繰り返されるのは嫌だった。
ハチさんは姿勢を低くし、人間のそばをすり抜け、その脚に爪を立てた。
「いてぇっ!」
叫びはするものの、人間の服は案外硬くて、爪を完全には通さなかった。ハチさんは内心ガッカリした。すると、人間のもう片方の足がハチさんを蹴りにかかる。
足が触れるか触れないかというところで、ハチさんは柔軟に体をよじり、衝撃を和らげる。まともに食らっては、さすがに動けなくなってしまうだろう。
ハチさんは勝負に出た。
再び跳躍し、人間の手から凶器を離させようと手に噛みついたんだって。でも――
「このクソ猫がぁっ!」
男は意地で、噛みつかれた手から凶器を反対側の手に持ち換えたそうだ。とっさにハチさんはいけない、と思ったけれど、あと少しが躱しきれなかった。刃物に切り裂かれる痛みが、ピリリッと体に走ったって……
でも、ただでは転ばなかった。ハチさんは最後の最後に、その男の顔に爪をお見舞いしてやったそうだ。口元の白いものに男の血が滲む。
「ぎゃあああっ!」
凶器も放り投げ、顔を押さえてのたうち回る人間から、ハチさんは飛び上って着地した。その途端に激痛が走ったって。
あの凶器は、ハチさんの後ろ足を傷つけた。ハチさんもまた、足の白い毛が血に染まっていた。
これは、少し舐めてどうにかなる怪我じゃないことくらいはすぐにわかった。
そんな時、明るい光を手に持った人間がこっちに走ってきた。ハチさんはこれ以上戦える気がしなかった。だから、とっさに隠れようとしたそうだ。
でも、その時に聞こえた声は、ショーゴのものだったって。
「おまわりさん、こっち!」
「わ、わかった!」
「すごい声がしたんです」
声を聞くだけで三人はいた。でも、ショーゴがいるのなら、とハチさんは少し離れて成り行きを見守った。
大人の男が明るい光をのたうち回る男に向ける。
「……君、その怪我は猫の爪痕だね? 最近、この辺りで猫に悪戯をしている不審者が出ているんだ。ちょっと署の方で事情を訊かせてくれるかい?」
「お、俺はっ、何も……っ」
太った人間はヒィヒィ呻きながらそんなことを言う。何もしていないなんて、言い逃れをする気か。
それなら、こちらにも考えがある。ハチさんはその場でにゃあと鳴いた。
人間たちはハチさんの方へ一斉に目を向けたって。
「クロム! お前、足から血が……っ」
ショーゴが慌てふためく。そのショーゴをもう少し大人にしたような人間がそばにいた。
「そこにカッターが落ちてます。これでやったんでしょうね」
すると、大人の男はそのカッターとやらを何かで包んで持った。
「さあ、行くよ」
太った人間は、その大人の男に腕をつかまれた途端に大人しくなった。
「君たちも通報と協力、ありがとう。今日はもう気をつけて帰りなさい」
「はい。ありがとうございました!」
ショーゴたちは頭を下げ、連れていかれた太った人間を見送る。
そのあとで、ショーゴはもう一人の人間に言った。
「兄ちゃん、クロムが怪我してる! どうしよう!」
「うーん、病院に連れていくしかないな。お前、つかめるか? 怪我をして気が立ってると思うから、気をつけてな」
どうやら、このもう一人はショーゴの兄のようだ。
二人して、ハチさんの心配をしてくれた。本当に、いろんな人間がいるものだって。
にゃあ。
ハチさんはショーゴに自分の思いを告げた。
気持ちだけ受け取っておく、と。
自分は野良猫だから、自分の後始末も自分がするんだと。
でも、お前には世話になったし、ありがたいと思ってる。
もしかすると、もう会うことはないかもしれないが、お前のことは忘れないつもりだ――って。
この時、ハチさんはすでに覚悟があったんだね。
「あっ、クロム」
ハチさんは痛む足に鞭打って、隠れ家まで帰った。
そうして、弟に顛末を告げたそうだ。
弟はすごくびっくりして、ハチさんの傷に心を痛めたそうだ。
何度も何度も舐めて、一生懸命ハチさんの怪我を直そうとしてくれたって。
ハチさんは、怪我が少しよくなるまで隠れ家から出なかった。そうしたら、弟が外へ出て、ハチさんのためにご飯を運んできてくれたそうだ。
なんだ、やればできるんじゃないかって、ハチさんは弟を褒めた。
だって、兄ちゃんが怪我をしている時くらい、オイラが頑張らないと! って、弟は意気込んでいた。今、弟にはハチさんに餌を運んで面倒を見るっていう目的がある。やることがあるだけで、あの時の恐怖なんかは吹き飛んだらしい。
ハチさんは怪我をしたけど、弟がしっかりしたことを思うと、悪いばかりじゃなかったんだって。
でも。
わかっていた。ハチさんは前みたいに自分が素早く動けないってことに、この時にはもう気づいていた。後ろ足の怪我は、まったく何もなかった時のようには戻らない。
不幸中の幸いというのか、普通に歩くくらいは問題ない。それでも、高いところへ飛び乗ったり、全速力で駆け抜けたり、思いきり足に負担をかけるようなことはできないんだ。
このままでは、ハチさんは弟の足手まといになるかもしれない。
優しい人間に食べ物をもらって、安全な場所でなら生きていけるだろう。でも、もう、それでは野良とは呼べない。ハチさんは歯がゆく思ったけど、その事実から目を背けることはできなかった。
公園でショーゴと会って二回くらいは朝が来た気がするそうだ。
その公園にて、ギャーッ、とけたたましい叫びがハチさんの耳に飛び込んできた。あの日と同じ、空の色が変わった頃合いにそれは起こったらしい。
ハチさんは全速力で風を切って走った。まるでハチさん自身が風になったかのようにして。
駆けつけた先には、弟が言ったように大きな人間がいた。
ただし、ハチさんが考えていた大きな人間とはちょっと違ったんだそうだ。なんというのか、横に大きい。太いというヤツだ。
黒っぽい服と、頭にも黒っぽいものを被って、顔にだけ白いものをつけている。
――顔に白いものって、マスクかな。頭にも黒い帽子を被ってたんだね。
虐待者は肥満体か。じゃあ、動きが鈍くてハチさん楽勝だったんじゃないの?
え? そんな簡単じゃないって?
今回狙われた猫は、何度か見かけたことがある程度の猫だった。白とヨモギの毛をしたヤツだ。
弟の時ほど鮮やかには行かなかったらしい。その猫の背には茶色の細長いベタベタがついているけれど、それが伸びて塊が続いている。茶色のベタベタが丸まっていて、それが丸ごとその猫に繋がっている。
動けないほどではないにしろ、重たい。動きが鈍っている。それでも、その野良猫はなんとかして人間の手から逃れようとしていた。
でも、その人間はとっさに足を出し、その茶色のベタベタの丸まっているものを踏んで止めた。
その時に見た人間の横顔は、目元しか見えないのに獲物を捕らえた喜びに満ちていたって……
ハチさんは思いきり跳躍し、その人間の手を引っかいてやったそうだ。
そうしたら、人間が悲鳴を上げた。
「なっ、お前、どこから……っ! クソッ、人間様になんてことしやがる、この駄猫!」
その人間のオスは、目を潤ませてハチさんに怒鳴った。でも、ハチさんはこんなヤツに負けてなるものかと、毛を逆立て、精一杯体を大きく見せながらフーッと威嚇してやったんだって。
ハチさんの迫力に、人間は一瞬怯んだ。もう一匹の猫は茶色のベタベタの塊を引きずりながらも少し離れたところに避難していた。それを見た人間は、さらに怒りを爆発させた。
「猫のくせに、馬鹿にしやがって!」
猫を馬鹿にしている人間に言われたくない。ハチさんはさらに威嚇を続け、その人間と睨み合ったそうだ。
すると、その人間は服の中に一度手を引っ込め、それから何かを取り出した。
キチキチキチ、耳障りな変な音がした。
鈍く光るものが手に握られていて、あれが危ないものだっていうのはハチさんも本能でわかったって。
「皆、俺を馬鹿にして! 俺は、俺はっ!」
何かよくわからないことを吠えながら、人間はハチさんに向かって凶器を振り回し始めた。
逃げてもいい。さっきの猫も上手く逃れた。ハチさんが全力で逃げれば、この人間が追いつけることはないだろう。
――それなのに、ハチさんは逃げることをしなかった。戦うことを選んだ。
弟の仇を取ってやりたかった。このままこの男を逃がして、また繰り返されるのは嫌だった。
ハチさんは姿勢を低くし、人間のそばをすり抜け、その脚に爪を立てた。
「いてぇっ!」
叫びはするものの、人間の服は案外硬くて、爪を完全には通さなかった。ハチさんは内心ガッカリした。すると、人間のもう片方の足がハチさんを蹴りにかかる。
足が触れるか触れないかというところで、ハチさんは柔軟に体をよじり、衝撃を和らげる。まともに食らっては、さすがに動けなくなってしまうだろう。
ハチさんは勝負に出た。
再び跳躍し、人間の手から凶器を離させようと手に噛みついたんだって。でも――
「このクソ猫がぁっ!」
男は意地で、噛みつかれた手から凶器を反対側の手に持ち換えたそうだ。とっさにハチさんはいけない、と思ったけれど、あと少しが躱しきれなかった。刃物に切り裂かれる痛みが、ピリリッと体に走ったって……
でも、ただでは転ばなかった。ハチさんは最後の最後に、その男の顔に爪をお見舞いしてやったそうだ。口元の白いものに男の血が滲む。
「ぎゃあああっ!」
凶器も放り投げ、顔を押さえてのたうち回る人間から、ハチさんは飛び上って着地した。その途端に激痛が走ったって。
あの凶器は、ハチさんの後ろ足を傷つけた。ハチさんもまた、足の白い毛が血に染まっていた。
これは、少し舐めてどうにかなる怪我じゃないことくらいはすぐにわかった。
そんな時、明るい光を手に持った人間がこっちに走ってきた。ハチさんはこれ以上戦える気がしなかった。だから、とっさに隠れようとしたそうだ。
でも、その時に聞こえた声は、ショーゴのものだったって。
「おまわりさん、こっち!」
「わ、わかった!」
「すごい声がしたんです」
声を聞くだけで三人はいた。でも、ショーゴがいるのなら、とハチさんは少し離れて成り行きを見守った。
大人の男が明るい光をのたうち回る男に向ける。
「……君、その怪我は猫の爪痕だね? 最近、この辺りで猫に悪戯をしている不審者が出ているんだ。ちょっと署の方で事情を訊かせてくれるかい?」
「お、俺はっ、何も……っ」
太った人間はヒィヒィ呻きながらそんなことを言う。何もしていないなんて、言い逃れをする気か。
それなら、こちらにも考えがある。ハチさんはその場でにゃあと鳴いた。
人間たちはハチさんの方へ一斉に目を向けたって。
「クロム! お前、足から血が……っ」
ショーゴが慌てふためく。そのショーゴをもう少し大人にしたような人間がそばにいた。
「そこにカッターが落ちてます。これでやったんでしょうね」
すると、大人の男はそのカッターとやらを何かで包んで持った。
「さあ、行くよ」
太った人間は、その大人の男に腕をつかまれた途端に大人しくなった。
「君たちも通報と協力、ありがとう。今日はもう気をつけて帰りなさい」
「はい。ありがとうございました!」
ショーゴたちは頭を下げ、連れていかれた太った人間を見送る。
そのあとで、ショーゴはもう一人の人間に言った。
「兄ちゃん、クロムが怪我してる! どうしよう!」
「うーん、病院に連れていくしかないな。お前、つかめるか? 怪我をして気が立ってると思うから、気をつけてな」
どうやら、このもう一人はショーゴの兄のようだ。
二人して、ハチさんの心配をしてくれた。本当に、いろんな人間がいるものだって。
にゃあ。
ハチさんはショーゴに自分の思いを告げた。
気持ちだけ受け取っておく、と。
自分は野良猫だから、自分の後始末も自分がするんだと。
でも、お前には世話になったし、ありがたいと思ってる。
もしかすると、もう会うことはないかもしれないが、お前のことは忘れないつもりだ――って。
この時、ハチさんはすでに覚悟があったんだね。
「あっ、クロム」
ハチさんは痛む足に鞭打って、隠れ家まで帰った。
そうして、弟に顛末を告げたそうだ。
弟はすごくびっくりして、ハチさんの傷に心を痛めたそうだ。
何度も何度も舐めて、一生懸命ハチさんの怪我を直そうとしてくれたって。
ハチさんは、怪我が少しよくなるまで隠れ家から出なかった。そうしたら、弟が外へ出て、ハチさんのためにご飯を運んできてくれたそうだ。
なんだ、やればできるんじゃないかって、ハチさんは弟を褒めた。
だって、兄ちゃんが怪我をしている時くらい、オイラが頑張らないと! って、弟は意気込んでいた。今、弟にはハチさんに餌を運んで面倒を見るっていう目的がある。やることがあるだけで、あの時の恐怖なんかは吹き飛んだらしい。
ハチさんは怪我をしたけど、弟がしっかりしたことを思うと、悪いばかりじゃなかったんだって。
でも。
わかっていた。ハチさんは前みたいに自分が素早く動けないってことに、この時にはもう気づいていた。後ろ足の怪我は、まったく何もなかった時のようには戻らない。
不幸中の幸いというのか、普通に歩くくらいは問題ない。それでも、高いところへ飛び乗ったり、全速力で駆け抜けたり、思いきり足に負担をかけるようなことはできないんだ。
このままでは、ハチさんは弟の足手まといになるかもしれない。
優しい人間に食べ物をもらって、安全な場所でなら生きていけるだろう。でも、もう、それでは野良とは呼べない。ハチさんは歯がゆく思ったけど、その事実から目を背けることはできなかった。
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