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6◆さすらいのマサオ
◆3
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箱と箱の丁度いい隙間にすっぽりと収まり、マサオは昼寝を決め込んだ。退屈な時は寝るに限る。
どれくらい寝ていたのか、マサオは寝ていたんだからよく知らないって。
起きたのは、また人間が車の部屋を開けたからだ。ガチャガチャと荒っぽい音がして、暗かった車の部屋に光が差し込む。人間はそのまま車の部屋に上がってきて、箱を物色し始めたそうだ。
大きいの、小さいの、色々とある。人間は何を基準にして選んでいるのか知らないけど、これだと思うのを見つけたのか、小さな箱を持って車の部屋から飛び降りた。
マサオは、このままここにいるとまた退屈に堪えなくちゃいけないのかと考え、とりあえずこの車の部屋から出ることにした。さっさと後方へ離れてしまえばはねられる心配もないだろう。
人間の横をスルリと抜けると、人間はひどくびっくりしていた。
「ね、猫っ!」
どこからどう見ても猫だろうに。今さら何を言ってるんだろうって、マサオはちょっと可笑しかったそうだ。
――配達員の人だよね、それ。可哀想に。
いや、マサオが荷物に爪を立てないでいてくれて、その人はすごく助かったよ。よかったな。
車の部屋から飛び出して、急いで物陰まで走る。
ただ――
その茂みの陰から見た光景は、マサオが知っているものとは随分違ったんだそうだ。
危ない車が、今までに見たこともない数で行き来している。あんなに連なって走っているのを初めて見たって。
それから、地面だ。ほとんど土がない。一面灰色だった。
人間たちもマサオが知っているヒトたちとは違って、シャカシャカと忙しなく歩いている。もしかすると、若いのかもしれないって思ったそうだ。
ゴー、ゴー、車の走る音だけがマサオの耳によく響いた。
マサオは茂みの中でしばらくじっとしていたらしい。どうしようかな、と。
車が動く速度はとても速いから、ここはマサオが知るどんな場所よりも遠いということになる。もといたところに帰ろうと思ったら、かなりの苦労をすることになるだろう。
――猫の帰巣本能って、すべての猫にあるわけでもないし、いくら野良で外の世界を知っていても、車で長距離移動したんじゃ戻るのは難しいはずだよね。
にゃ?
だろ? と、マサオは軽くうなずいた。
あそこでの暮らしは楽しかったし、安定していたけど、戻れるかどうかもわからないのに必死に頑張って、どうにかして帰りたいかって言えば、マサオはよくわからなかったって。
世の中は楽しいもので溢れているんだから、この知らない土地にも楽しいことがそれなりにあるんじゃないかって気になった――なったの?
にゃあ。
そうそう、なった。って、マサオは軽く答える。
母猫のマサミさんやサブたち、人間のオヤッサンたちに会えないのはちょっと残念だけど、それでもまた新しい出会いもあって楽しく過ごせるかもしれない。マサオは前を向いて茂みから出た。
にゃ、にゃ~。
ご機嫌で見知らぬ街を行く。
慌ただしい喧騒の中でもマサオはマイペースであった。あっちへ行ってもこっちへ行っても知らない場所、知らない顔、唯一同じだと思えるのは空の色くらいだったって。
ここには一体何があるんだろう。期待に胸を膨らませながら道を歩いていると、若い女性の二人組が通りかかり、マサオを見るなり顔を綻ばせた。
「やだ、あの猫可愛い!」
「ほんとだ、見ない顔だね」
なんて言ってる。
にゃあ。
うん、可愛いのは知ってるさってマサオは答えた。
おいでおいでとやたらと言うので、近づいてみた。
「わぁ、人懐っこいね」
人間の女性はマサオの背中をせっせと撫でた。あんまり上手じゃなかったけど。
「この辺りじゃ野良猫も珍しいし、首輪してないけど飼い猫かな?」
野良が珍しい?
マサオのいたところでは野良猫が圧倒的に多かった。野良が珍しいなんて、それこそ珍しいところだ。いろんなところがあるもんだなって思ったそうだ。
「迷子猫じゃないといいんだけど」
ある意味迷子だけど、別に困ってはいない。
にゃあ。
お気遣いなく、とマサオは言っておいた。
この女性たちは可愛いと褒めてくれたが、ご飯を振る舞ってくれる感じがしない。仕方がないので今日のご飯を調達しなくては。
尻尾をピンと立てて、マサオはさらに道を行く。
しかし、本当に車の多いところだ。ブーブーとうるさい。そのせいで煙や臭いがひどかった。
前にいた場所では海の匂い、重たい風が当たり前だった。あれはまだマシだったなとすでに懐かしく思ったって。
それでも、ヒトだけはとても多い。さっきも言われたように野良猫が珍しいらしく、人間たちはマサオによく目を留めた。でも、なかなかご飯までくれるヒトはいなかった。
にゃ、にゃ~。
まあ、そのうちいるだろ。
マサオはご機嫌で歩いた。すると、鼻先をかすめる嗅ぎ覚えのない匂いがあった。
フンフンフン。
鼻を動かしてその匂いをしっかりキャッチする。嗅ぎ覚えはないけど、いい匂いだ。これは食べられる何かの匂いだなと思い、マサオはその匂いのする方に進路を定め、再び歩いていったのだそうだ。
いい匂いなのに、その匂いが濃くなるにつれて辺りは薄暗く、小汚い上に狭くなってきた。開放的な環境に慣れているマサオにはあまり好ましい場所じゃなかったけど、でも一度くらいは探索してみるのもいいだろうと思ったって。この匂いのもとがなんなのかも知りたかった。
足の裏が汚れそうだけどって、そこは気になったそうだ。
いい匂いに嫌な臭いが混ざり出す。何かが腐った匂いだ。こういうのはよっぽどじゃない限りは要らない。食べてもペペッと吐き出すほどマズイ。
たまに、暑い日にはオヤッサンがくれた魚が多すぎて食べきれなくて、後で食べようと思っていても、こういう臭さを放つようになったらもう食べられなかった。
でも、いい匂いもちゃんとする。マサオはフンフンと鼻を動かしながら進んだ。
すると、丈夫そうな銀色の扉があって、その辺りから匂いが漏れていた。
ここかぁ。マサオは扉を上から下まで眺める。でも、ぴっちりと閉まった扉は猫を通すほどの隙間もなかった。
にゃ~。
どうしよっかな。
だからといって諦めるのもな、とマサオは考えた。こういい匂いを撒き散らかされていては、尻尾を引かれる思いがする。
ちょっと待ってみようかな。マサオは扉の前の小さな階段の上に座り込んでみた。
いい匂いを嗅ぎながらゴロゴロしていると、ついに扉が開いた。その途端、いい匂いがさらに濃くなる。
真っ白な服を着た人間の男が、口元に白い棒を咥えて出てきたのだ。
「んぁ? 猫が……。待ってたみてぇにしているなよな」
にゃ?
別にアンタを待ってたわけじゃないよと言ってやった。
でも、男にはそんなの伝わらなかった。
頭をガリガリと掻くと、男はまた戸を閉めて中へ戻った。美味しそうな匂いもまた薄らぐ。
でも、マサオがしばらくそこでぼんやりしていると、再び男が出てきた。両手が塞がっているらしく、足で扉を開ける。なんて器用な。
マサオが感心していると、男はマサオの前に『パック』を置いた。小さな丸いパックには牛乳が入っており、もうひとつのパックには白っぽいふんわりとした何かが入っていた。
「ったくよぅ。猫ってヤツはそうやって上目遣いで人間を見てるだけで餌がもらえるんだからいいよな」
いや、くれと言った覚えはない。そっちが勝手に出しただけだろうが。
思わず突っ込みたくなったが、せっかくご馳走してくれるのなら断る気もない。
にゃあ。
ありがとさん。マサオは遠慮なく頂くことにした。
白っぽくてふわっとしたものは、マサオが食べたことのないものだった。
魚とは違う。もっとはっきりとした味があって、でも、なんとも言えず美味い。なんだこれは、とマサオは衝撃を受けた。
ガツガツと夢中で食べていると、男がしゃがみ込んでボソリと言った。
「仕込んだばっかりの牛タンはやれねぇからな。猫には玉ねぎとか駄目だって聞くし、食えるのはそんなところか。まあ、サラダチキンも美味ぇだろ?」
サラダチキン。その名は二度と忘れない。
美味い。その名はサラダチキン。
マサオはサラダチキンを食べ終えると、ありったけの感謝を込めて男の白い脚に体を擦りつけた。
「おわっ! コックコートに毛ぇつけるんじゃねぇよ!」
なんて騒いでいたけど、多分喜んでいた。
多分。
どれくらい寝ていたのか、マサオは寝ていたんだからよく知らないって。
起きたのは、また人間が車の部屋を開けたからだ。ガチャガチャと荒っぽい音がして、暗かった車の部屋に光が差し込む。人間はそのまま車の部屋に上がってきて、箱を物色し始めたそうだ。
大きいの、小さいの、色々とある。人間は何を基準にして選んでいるのか知らないけど、これだと思うのを見つけたのか、小さな箱を持って車の部屋から飛び降りた。
マサオは、このままここにいるとまた退屈に堪えなくちゃいけないのかと考え、とりあえずこの車の部屋から出ることにした。さっさと後方へ離れてしまえばはねられる心配もないだろう。
人間の横をスルリと抜けると、人間はひどくびっくりしていた。
「ね、猫っ!」
どこからどう見ても猫だろうに。今さら何を言ってるんだろうって、マサオはちょっと可笑しかったそうだ。
――配達員の人だよね、それ。可哀想に。
いや、マサオが荷物に爪を立てないでいてくれて、その人はすごく助かったよ。よかったな。
車の部屋から飛び出して、急いで物陰まで走る。
ただ――
その茂みの陰から見た光景は、マサオが知っているものとは随分違ったんだそうだ。
危ない車が、今までに見たこともない数で行き来している。あんなに連なって走っているのを初めて見たって。
それから、地面だ。ほとんど土がない。一面灰色だった。
人間たちもマサオが知っているヒトたちとは違って、シャカシャカと忙しなく歩いている。もしかすると、若いのかもしれないって思ったそうだ。
ゴー、ゴー、車の走る音だけがマサオの耳によく響いた。
マサオは茂みの中でしばらくじっとしていたらしい。どうしようかな、と。
車が動く速度はとても速いから、ここはマサオが知るどんな場所よりも遠いということになる。もといたところに帰ろうと思ったら、かなりの苦労をすることになるだろう。
――猫の帰巣本能って、すべての猫にあるわけでもないし、いくら野良で外の世界を知っていても、車で長距離移動したんじゃ戻るのは難しいはずだよね。
にゃ?
だろ? と、マサオは軽くうなずいた。
あそこでの暮らしは楽しかったし、安定していたけど、戻れるかどうかもわからないのに必死に頑張って、どうにかして帰りたいかって言えば、マサオはよくわからなかったって。
世の中は楽しいもので溢れているんだから、この知らない土地にも楽しいことがそれなりにあるんじゃないかって気になった――なったの?
にゃあ。
そうそう、なった。って、マサオは軽く答える。
母猫のマサミさんやサブたち、人間のオヤッサンたちに会えないのはちょっと残念だけど、それでもまた新しい出会いもあって楽しく過ごせるかもしれない。マサオは前を向いて茂みから出た。
にゃ、にゃ~。
ご機嫌で見知らぬ街を行く。
慌ただしい喧騒の中でもマサオはマイペースであった。あっちへ行ってもこっちへ行っても知らない場所、知らない顔、唯一同じだと思えるのは空の色くらいだったって。
ここには一体何があるんだろう。期待に胸を膨らませながら道を歩いていると、若い女性の二人組が通りかかり、マサオを見るなり顔を綻ばせた。
「やだ、あの猫可愛い!」
「ほんとだ、見ない顔だね」
なんて言ってる。
にゃあ。
うん、可愛いのは知ってるさってマサオは答えた。
おいでおいでとやたらと言うので、近づいてみた。
「わぁ、人懐っこいね」
人間の女性はマサオの背中をせっせと撫でた。あんまり上手じゃなかったけど。
「この辺りじゃ野良猫も珍しいし、首輪してないけど飼い猫かな?」
野良が珍しい?
マサオのいたところでは野良猫が圧倒的に多かった。野良が珍しいなんて、それこそ珍しいところだ。いろんなところがあるもんだなって思ったそうだ。
「迷子猫じゃないといいんだけど」
ある意味迷子だけど、別に困ってはいない。
にゃあ。
お気遣いなく、とマサオは言っておいた。
この女性たちは可愛いと褒めてくれたが、ご飯を振る舞ってくれる感じがしない。仕方がないので今日のご飯を調達しなくては。
尻尾をピンと立てて、マサオはさらに道を行く。
しかし、本当に車の多いところだ。ブーブーとうるさい。そのせいで煙や臭いがひどかった。
前にいた場所では海の匂い、重たい風が当たり前だった。あれはまだマシだったなとすでに懐かしく思ったって。
それでも、ヒトだけはとても多い。さっきも言われたように野良猫が珍しいらしく、人間たちはマサオによく目を留めた。でも、なかなかご飯までくれるヒトはいなかった。
にゃ、にゃ~。
まあ、そのうちいるだろ。
マサオはご機嫌で歩いた。すると、鼻先をかすめる嗅ぎ覚えのない匂いがあった。
フンフンフン。
鼻を動かしてその匂いをしっかりキャッチする。嗅ぎ覚えはないけど、いい匂いだ。これは食べられる何かの匂いだなと思い、マサオはその匂いのする方に進路を定め、再び歩いていったのだそうだ。
いい匂いなのに、その匂いが濃くなるにつれて辺りは薄暗く、小汚い上に狭くなってきた。開放的な環境に慣れているマサオにはあまり好ましい場所じゃなかったけど、でも一度くらいは探索してみるのもいいだろうと思ったって。この匂いのもとがなんなのかも知りたかった。
足の裏が汚れそうだけどって、そこは気になったそうだ。
いい匂いに嫌な臭いが混ざり出す。何かが腐った匂いだ。こういうのはよっぽどじゃない限りは要らない。食べてもペペッと吐き出すほどマズイ。
たまに、暑い日にはオヤッサンがくれた魚が多すぎて食べきれなくて、後で食べようと思っていても、こういう臭さを放つようになったらもう食べられなかった。
でも、いい匂いもちゃんとする。マサオはフンフンと鼻を動かしながら進んだ。
すると、丈夫そうな銀色の扉があって、その辺りから匂いが漏れていた。
ここかぁ。マサオは扉を上から下まで眺める。でも、ぴっちりと閉まった扉は猫を通すほどの隙間もなかった。
にゃ~。
どうしよっかな。
だからといって諦めるのもな、とマサオは考えた。こういい匂いを撒き散らかされていては、尻尾を引かれる思いがする。
ちょっと待ってみようかな。マサオは扉の前の小さな階段の上に座り込んでみた。
いい匂いを嗅ぎながらゴロゴロしていると、ついに扉が開いた。その途端、いい匂いがさらに濃くなる。
真っ白な服を着た人間の男が、口元に白い棒を咥えて出てきたのだ。
「んぁ? 猫が……。待ってたみてぇにしているなよな」
にゃ?
別にアンタを待ってたわけじゃないよと言ってやった。
でも、男にはそんなの伝わらなかった。
頭をガリガリと掻くと、男はまた戸を閉めて中へ戻った。美味しそうな匂いもまた薄らぐ。
でも、マサオがしばらくそこでぼんやりしていると、再び男が出てきた。両手が塞がっているらしく、足で扉を開ける。なんて器用な。
マサオが感心していると、男はマサオの前に『パック』を置いた。小さな丸いパックには牛乳が入っており、もうひとつのパックには白っぽいふんわりとした何かが入っていた。
「ったくよぅ。猫ってヤツはそうやって上目遣いで人間を見てるだけで餌がもらえるんだからいいよな」
いや、くれと言った覚えはない。そっちが勝手に出しただけだろうが。
思わず突っ込みたくなったが、せっかくご馳走してくれるのなら断る気もない。
にゃあ。
ありがとさん。マサオは遠慮なく頂くことにした。
白っぽくてふわっとしたものは、マサオが食べたことのないものだった。
魚とは違う。もっとはっきりとした味があって、でも、なんとも言えず美味い。なんだこれは、とマサオは衝撃を受けた。
ガツガツと夢中で食べていると、男がしゃがみ込んでボソリと言った。
「仕込んだばっかりの牛タンはやれねぇからな。猫には玉ねぎとか駄目だって聞くし、食えるのはそんなところか。まあ、サラダチキンも美味ぇだろ?」
サラダチキン。その名は二度と忘れない。
美味い。その名はサラダチキン。
マサオはサラダチキンを食べ終えると、ありったけの感謝を込めて男の白い脚に体を擦りつけた。
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