【完結】『三太郎の憂鬱~討論!暴論!大激論!~』の巻 「のーの」の有名人さんいらっしゃいの部屋(リメイク版)

のーの

文字の大きさ
9 / 21

「質問コーナー②」

しおりを挟む
「質問コーナー②」
 60秒CMに入り、スタジオの空気は少し緩んだ。相変わらず、不機嫌そうな浦島太郎に桃太郎が話しかける。
「浦島太郎さん、少しは盛り上がること話してくださいよ。小さい子供だって、この番組見てるんですから。僕たちは、子供に夢を与えるのが仕事でしょ?」
「お前みたいな、世間知らずにはわからんよ。世の中の本質は常にレンズを通して映るもんのその奥にあるんや。言葉だけでイメージ作ってるといつか足元すくわれるぞ。」
「えー、なんですか、それ?ただの負け惜しみにしか聞こえませんけどー。」
「お前には、わしからはなんも話すことはあれへん。でもお前は、少し金太郎さんを見習え。」
「そんな、6%の人と1%の人から学ぶことなんか何もないですよ。」
金太郎を挟んで、険悪な雰囲気が湧いた。
「はい、あと5秒で番組入りまーす。5,4,3,2,1、キュー!」

 「はい、お待たせしましたー。おっ、閲覧数キープしていますねー。ロングCM入ると、その間に「オチ」ちゃう人出てきちゃうんですけど、今日は大丈夫でしたー。若干ですけど、このCM中に浦島太郎さん応援のコメントが入ってきてますよ。いくつか読みますねー。
 「浦島太郎さん、乙姫様と「契」ってたんですね。よかったです!」、「浦島太郎さん、シブい!男前だし、眉間に縦に入った皺が大人の雰囲気。」、「浦島さん、この先の発言も期待してますよー。」ってな感じですねー。頑張っていきましょー!
 では、本日二つ目の質問は、ハンドルネーム「知りたいことは闇の中」さんからでーす。
 「三太郎さんに質問です。三人は実在した人なんですか?「三太郎」って言うけど「桃」、「金」と来て浦島さんは「〇太郎」の〇は何もないのでしょうか?それとも「浦」が苗字で「島太郎」が名前なのでしょうか?気になってしまって夜は寝れるけど朝が起きられません。ぜひとも教えてください。」
 と来てますねー。では、今回は、金太郎さんからお願いしますねー。」

 「はい、坂田金時です。もちろん実在しています。ネットを見るとうやむやな話もありますが、源頼光様も四天王の四人も実在の人物です。私は、天歴10年、西暦956年5月に静岡県駿東郡小山町で彫り物師十兵衛の娘、「八重桐」から生まれました。母は、京に上り、宮中に仕えていた、父「坂田蔵人(くらんど)」と結ばれ出産のため帰省しましたが、父が死去してしまったため、故郷の小山の村で私を産みました。
 母と祖父により育てられ、足柄山をベースに彫り物師の祖父のために幼少期から鉞(まさかり)担いで木を切り、森の動物の仲間たちと体を鍛えてきました。
 天延4年3月21日、新暦では976年4月28日に源頼光様と出会い家来となり上洛しました。一つ余談ですが、先ほど浦島太郎さんも某広告制作会社へ苦言を申されておりましたが、私も一点、母の名誉のために発言しておきたいと思い発言させていただきます。
 三太郎のCMシリーズの2018年のCMの一本に濱田岳さん演じる「金ちゃん」そっくりな二人の弟「銀太郎」と「銅太郎」が出てきます。先ほど言いましたように、私の父「坂田蔵人」は、私が生まれる前に死去しております。いくら、後家への「夜這い」が「当たり前」の田舎の村とはいえ、母は武家の家に一度は嫁いだ女でございます。亡くなった父を忘れて、村の男に抱かれ、ましてやその子をふたりも生むような女ではございません。
 「名誉棄損」だ、「損害賠償」だと言うつもりは、全くございません。この番組を見ておられる皆様には、坂田金時に「兄弟はいない」という点は頭の片隅に置いておいていただきたいと思います。
 脱線してしまいましたが、頼光様と上洛しその後四天王の一員となり、永祚(えいそ)2年3月26日、西暦990年4月28日、34歳の時に大江山に酒呑童子討伐に参戦いたしました。討伐後、帝からお褒めの言葉もいただきました。
 寛弘8年12月15日、西暦1012年1月1日に九州の賊を征伐の為、筑紫に向かう途中、今の岡山県勝央町美作で重い熱病にかかり、55歳で死にました。美作の皆様のご厚意で「剛勇の意」である「倶利伽羅」神社、現在の「栗柄神社」を建立いただき、そこに祀られております。
 私からは以上です。」

 「へー、金太郎さん、神社持ちなんですねー!「神様」なんですねー!凄いじゃないですかー!日にちまでしっかり記録が残ってるんで、これは間違い無いですねー。「知りたいことは闇の中」さんわかりましたかー?では、続いて、浦島太郎さんお願いしまーす。」

 「わしの記録は、西暦720年の「日本書紀」の中の「雄略記」の478年7月の条の記載があるねん。「万葉集」では海神(わだつみ)の娘と結婚したことが記されとる。もっとも古い記録では、713年から715年に成立した「丹後国風土記逸文」に記されてるわ。
 もっとも事実が正確に書かれておるのは、生まれ故郷の宇良神社にある掲示板やな。名前のことは後で説明するわな。伊根町字本庄浜191にある西暦825年建立の宇良神社、悲しいがな俗称の「浦島神社」の名前の方が有名やけど、その掲示板に「祭神、浦嶋子(浦島太郎)」、「相殿神、月讀命(つくよみのみこと)、祓戸大神(はらいとのおおかみ)」との記載の後に「雄略天皇22年(478年)7月7日美婦に誘われ常世の国へ300有余年を経て淳和天皇の天長二年(825年)に帰ってきた。常世の国に住んでいた年数は347年間で淳和天皇はこの話を聞き浦嶋子を「筒川大明神」と名付け小野篁(おののたかむら)(802~853)を勅使として派遣し社殿が造営された。」とある。
 日本最古の「浦島伝説」いうて、宇良神社の言い伝えの記録が全国にある浦島太郎伝説の中で一番古いものなんや。この記録には、海の中の「竜宮城」やなくて、古来中国からの伝説にもある「常世の国」があるとされる「蓬莱山」に行ったと書かれてんねん。「常世の国」言うのは古代日本で信仰された「海の彼方にあるとされる永久不変、不老不死の異世界」やな。俺の場合の蓬莱山は宇良神社の裏の山やけどな。「宇良」の「裏」ってネタとちゃうで。これ、真実。

 アクアラングもない時代になんで亀にまたがって海に潜れんねんなぁ。子供でもおかしいって思うやろ。ほんまは、別嬪さんに誘われて山に行ったらそこが「常世の国」やったちゅう話や。
 ただ、物書きの人らは、本を少しでもおもろしたろうと思ってか、日本書紀でも万葉集でも海に潜ったって書いとんねん。そもそも、わし、帰ってきたんは825年やで。「日本書紀」や「万葉集」はそれを720年や780年に300年後に帰ってきたって書けるねん。
 まあ、21世紀の子孫が20世紀のあかんたれのおじいさんの子供時代に送り込んだ「未来のネコ型ロボット」や、2036年の世界から2000年問題で世界戦争が起こるのを防止するために古いIBMのパソコン取りに戻ってきた「ジョン・タイター」みたいなタイムトリッパーがアドバイスしたんかもしれへんけどな。
 伝記の中で最も古い地元の伝説をまとめた書で「丹後国風土記逸文」の内容を掻い摘んで話させてもらうと
「容姿と風流が際立つ筒川嶋子が船で海に釣りに出るが3日間魚は獲れず、代わりに「五色の亀」が獲れた。嶋子が船で寝ていると「亀」は「美女」に変わっている。嶋子と語らいたくて来たという。舟を漕いで女の住む島に行った。「海上」の島に着くと、7人の童子、ついで8人の童子に「亀姫」の夫がいらした」と出迎えられた。」
 あー、おまけで言っておくと、童子言うのは「昴七星と釣鐘星つまりおうし座に位置する1等星アルデバランの近傍に広がるV字型の星の集団の「精霊」っていう例え」なんやろうなぁ。そんで「饗宴」を受け「契り」を交わす。三年経ち嶋子に里心が付くと、女は悲しむが玉手箱を渡して送り出した。
 「ちなみに「里心」って表記になってんねんけど、わしには年老いた親がおって、親を心配して顔だけ見てくるわってなことで、姫さんとの暮らしに「飽きた」いうことやないねんで。」
と浦島太郎が解説を加えた。
 嶋子は郷里を訪ねるが、家族の消息は得られない。「水江の浦」の嶋子という人が300年前に失踪したと伝わっていると教えられ、約束を忘れて玉手箱を空けると美しい女の姿をした煙が雲を伴い、天上に飛び去って行った。嶋子はその美しい女と再開できなくなったことを悟った。」
 いう話や。海に潜らんだけ、まだリアルやわな。ほんまは、海の向こうの島やなくて、神社の裏山やけどな。そんで、俺は825年に亡くなったちゅうこっちゃ。興味ある人は、宇良神社行って、看板の説明書き見てきたらええで。日本三景の天橋立からちょっと北に30分ほど車走らせたらあるから。そこに俺が、実在した証拠がそこに書かれてるから。
 「のーの」はん、こんなとこでええかな?」
「えっ、ちょっとちょっと、浦島太郎さん、「嶋子」って浦島さんのことなんですかー?「嶋子」って浦島さん女の子だったんですかー?あー、こんがらがってきちゃいましたよー!」
「まあ、名前の件はまた後で説明するわ。今の質問は、「実在する人物」なんかやろ。」
「はい、そうですねー。では、お名前については、後ほどおうかがいしますねー。金太郎さんと同じように、きちんとした年代や記録があるし、なんといっても天皇陛下のお墨付きがありますもんねー。おまけに金太郎さんと同じく「神様」!それも「大明神」ですもんねー!疑う余地はありませんねー。では、最後に桃太郎さんお願いします―!」

 「あっ、ぼ、僕は……。も、桃から生まれたから…。そ、それにおじいさんとおばあさんが住んでた山には役所もなかったんで、出生届も……。でも、愛知県犬山市には「桃太郎神社」もあるし…。」
桃太郎は黙りこくってしまった。
「あー、桃太郎さーん!桃太郎さーん、大丈夫ですかー?」
「……。」
「うーん、黙ってちゃ、番組にならないんで、次の質問に行っちゃいましょー!」


しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...