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「イケメン」
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「イケメン」
「さて、「英雄伝」のコーナーで一気に差が縮まり混戦模様になってきました。視聴者からの質問コーナーで残ってましたハンドルネーム「モモちゃんは俺の嫁」さんからの質問の「今日の三人の中では誰が一番かっこいいですか?ナンバーワンのイケメンが誰なのか教えてください!」に話を戻そうと思います。
さて、色々とスタッフが調べてくれたようですが、記録上、容姿に対する記述があったのは、金太郎さんと浦島太郎さんのようですねえ―。桃太郎さんについては、「かわいい玉のような男の子」という表記と「成長して立派な男の子になりました。」くらいで、具体的な容姿に対する表記がないんですよねー。テレビCMでは「松田翔太さん」が桃太郎さんやってるんで「カッコいい」イメージが強かったんですが、桃太郎の物語の中では、容姿についての表記がないと同時に、「お姫様」や「お嫁さん」って言葉も出てこないんですよねー。桃太郎さん、女性の「縁」はどうだったんでしょうかねー?」
「うっ、……。」
「どうしました、「へげへげ」の経験とかどうなんですか?」
「……。」
「あっ、ごめんなさい。「ピーチボーイ」もとい「チェリーボーイ」なんですね…。ごめんなさいねー。でも「童貞」もとい「チェリー君」好きな人もたくさんいますから…、「初々しい」というか、「かわいい」というか、「むけてなさそう」とか……、まあ、元気出してくださいね…。」
「のーの」のフォローは全くフォローになっていない。この時点で桃太郎の得票率は続落し、金太郎に抜かれ2位に落ちていた。
「では、桃太郎さんは置いといて、まずは、浦島太郎さんから話を進めましょう。
浦島太郎さん自ら、お話になった「丹後国風土記逸文」を筆頭に「容姿と風流が際立つ」とか、乙姫様が浦島太郎さんに「べた惚れ」で、国に返すのを嫌がって、毎日、宴と「へげへげ」を繰り返したって言う記載が日本書紀、万葉集に限らず、地方に散らばる多数の「浦島」伝説でも常に「村一番の男前」かつ「亀を助ける優男(やさおとこ)」との表記がついて回りますよねー。乙姫様を虜にした秘密はどこにあるんでしょうか?」
「まあ、変に自慢するのも何やけど、姫さんは俺にぞっこんやったで。俺は、それ以上に姫さんにぞっこんやったけどな。亀が化けたという姫さんは、俺の「亀吉」をやさしくかわいがってくれたわなぁ…。優しくさすったり、時には「チュー」とか「パクッ」とかな…。「亀」同士、気が合ったんやろなぁ…。それも、わしの「亀吉」は…」
「そっち」の話になりそうな流れを感じた「のーの」は浦島太郎の話を遮った。「のーの」のパソコンには、「なんで止めるんや!」、「嶋子の話もっと聞きたい!」、「「のーの」出ていけ!」という浦島太郎の話に期待する層と、「子供も見てます。浦島さんレッドカード!」、「「チュー」と「パクッ」はダメでしょう。」、「「亀」、「亀」うざい。」と否定派の意見が次々と並ぶが、肯定派の方がやや優勢だ。しかし、子供視聴者のことを考慮し、「のーの」はブレーキをかけた。
「ちょ、ちょ、ちょっと、浦島太郎さん、ストップ!ストップですよー!その手の話は、ここでは「バツ」です。子供も聞いていますんでねー。私個人的には、すごーく興味あるんですよ!浦島太郎さんの「亀吉」にねー。「亀吉」っておへその下のあの「亀吉」ですよね?ちょっと、女の私からは言いにくいんですけど…。」
「モチのロンや。昔、歌に歌われた、わしのわらべ歌の替え歌があったやろ。
一番が「♪昔々♪へその下♪助けた亀の♪へその下♪竜宮城の♪へその下♪絵にも書けない♪へその下~♪」。
そんで二番が「♪乙姫様の♪へその下♪タイやヒラメの♪へその下♪ただ珍しい♪へその下♪開けてびっくり♪へその下~♪」と歌われた「絵にも書けないへその下」でかつ「開けてびっくりへその下」の「亀吉」や。わしのは、ふにゃふにゃの「ゾウさん」の鼻やなくて、「太く」、「長く」、「黒くて」、「硬い」、まさに「アルダブラゾウガメ」の首やで。でっかい「亀吉」や。金さんの「尻えくぼ」ん時みたいに腰蓑まくって見せたろか?」
と、浦島太郎は立ち上がった。ユーチューブ視聴者は、「未知との遭遇」を期待し、浦島太郎肯定派からの投票で、得票カウンターがアメリカ空軍ご用達のM61バルカン砲のように1分6000発の勢いでカウントアップしていく。「のーの」は真っ赤になって想像した。(アルダブラゾウガメ…。たしかガラパゴスゾウガメを超える世界最大の陸ガメ…。乙姫さまはそれをさすったり、口で…。「あー、見てみたいー!」けど、この場で出してもらうわけには…。)葛藤の末、精一杯我慢をして、浦島太郎に言った。
「浦島太郎さん、私自身は浦島太郎さんの「亀吉」に凄く興味があるんですけど、さすがにカメラ入ってますんで、腰蓑はとらないでくださーい。絶対「出しちゃ」ダメですー!」
「さよか、ユーチューブでも生の「亀吉」はあかんか。しゃあないな…。「粗品」の「セ〇ヤ」はもろ出しとったのになー…。」
と残念がった。
気を取り直し、話を金太郎に戻した。「のーの」の前のノートパソコンのモニターの、金太郎宛てのコメントもピックアップした。大きく、深呼吸をしてから金太郎に聞いた。
「金太郎さんには、クマさんに教えてもらった詩(うた)ってどんなものなんですか?都の女性を虜にしてしまう「必殺」の詩(うた)を教えてください!」ってコメントが何通も来てますよー。私も凄―く興味があります。バリバリの「ラブソング」なんでしょうねー!まずは、金太郎さん、クマさんから教わったという「必殺」の詩(うた)を詠(よ)んでいただけないでしょうかー?」
「はい、稚拙な読み手で恥ずかしいのですが、京の都の「詩詠み会」で一番、受けが良かった足柄山の秋の風景を歌った歌を「のーの」さんと視聴者様に送らせていただきます。
では、一句、おっほん、えー「♪山のあけびは何見て育つ。下の松茸見て育つ♪」。そして、クマさんが教えてくれたもう一句が「♪娘良い歳、紫あけび。下の松茸見て割れる♪」。って詩(うた)ですね。
詩会でこの歌を詠(よ)んだときは、速攻、「即OK」の女の人たちが、寄ってきてくれました。京の女の人にも風光明媚な「秋の足柄の風景」って伝わるんですね…。」
「!(ん、何か違うような…。)」
一瞬「のーの」が固まった。しかし金太郎は気にすることもなく続けた。
「寺子屋にも行かず、ろくな教育を受ける機会のなかった私に、上流階級武士必須の「短歌」を教えてくれたクマさんには感謝しかありません…。」
と、悦に入っている金太郎を見て、浦島太郎は吹き出すのを我慢するので精一杯の顔をしている。未だ、詩(うた)の意味を理解しきれていない「のーの」は、パソコンモニターのコメント欄に目をやった。
モニターには次々と新規コメントが上がってくる。「そりゃ金太郎さん、「俳句」じゃなくてただの「エロ都々逸(どどいつ)」でしょー!そもそも5・7・5・7・7じゃないしな―。」、「そりゃ、「合コン」や「やりコン」もとい当時の「詩詠み会」で読んだら、「やりたい盛りの女」は、寄ってくるよなぁ!」、「金太郎さん、まじでこれで「詩詠み会」出てたんっすか!まじ「尊敬」!」、「割れた「あけび」に「松茸」!エロエロー!」、「「あけび」=「まんまん」、「松茸」=「てぃんてぃん」!「のーの」さんわかってますかー?」とのコメントが次々に上がってくる。
(えっ?そういう意味なの?そりゃ、「やりコン」でイケメンマッチョの金太郎さんにこんな意味の歌を歌われたら、その気の女は即「ダム決壊よねぇ…。」それにしても、そこに気づいてない金太郎さん、本当にまじめすぎよねー。好感度上がるわー!投票カウンターも爆上げねー!でも、もう一つの課題にはどう答えるのかなー?)
気を取り直し、「のーの」は金太郎に聞き直す。
「金太郎さん、もう一つ質問コメが来ています。「さっき言われてた「シカやウサギが相手をしてくれました。ですから、初めて女性を相手にした時も失敗することなくうまく「へげへげ」できました。」について質問が来ていまーす。読み上げますねー。
「金太郎さん、シカやウサギと「へげへげ」の練習をしたってことですか?そのシカとウサギは「メス」ですか?それとも「オス」ですか?」と来ていますが、いかがでしょうか?」
と「のーの」が質問を終わるや否や、それまで「紳士」的に対応していた金太郎は、真っ赤な鬼の形相でテーブルを両の拳で打ち据え立ち上がり、大声を上げた。
「私は、こんな侮辱を受けたのは初めてです。まじめに仕官し、京の都の「平安」のために粉骨砕身努力してきました。多少の性癖の違いを指摘されるのはまだ許せます。しかしこれは酷すぎますよ!「のーの」さんはどう思ってるんですか!?」
「えっ、いったい何が…?」
あまりの金太郎の「怒り」の態度にどう対応したらよいのか「のーの」はわからないで言葉に詰まっていると、金太郎が怒りの発言をつづけた。
「「のーの」さん、こんな質問をする視聴者は、即「アク禁」ですよ!そう、今すぐその視聴者を「アクセス禁止」処理してください!「「オス」ですか?」だとー!私が「オス」のシカやウサギと「へげへげ」するような、「変態」とでもいうのか―!今すぐこの場に来い!銘刀「童子切」でその首たたき切ってやる!」
と雄たけびを上げた。
「のーの」の前のテーブル上のノートパソコンのコメント欄には、「あーあ、金太郎さん「ヲワタ」!」、「メスのシカやウサギと「へげへげ」するのは「変態」ではないの?」、「金太郎さんの腹掛け、下の方が盛り上がってる?思い出して「起っき」ちゃったの?」、「金ちゃんの「亀吉」も暴走!」、「獣姦の時点でもうアウト!チェリーのモモちゃんの方がまし」、「結局一番まともなのは「嶋子」!」と次々にコメントが流れ、得票率カウンターと得票率の棒グラフが激しく動く。
「まあまあ、金さん、落ち着いてお座りよ。二十年、動物相手で暮らしてきたんや。無理はないで。347年人社会から離れてたわしにはよおわかる。まあ、座って、茶でもしばいて落ち着くんや。このお茶、金さんの故郷の「足柄茶」の「金茶郎」やないか…。ええ香りが出て、旨いわ…。気持ちも落ち着くでなー。それに視聴者からの質問を読み上げただけの「のーの」さんが悪いわけやないしな…。」
浦島太郎のとりなしで、荒い息を押さえ、金太郎は席に着いた。「のーの」は金太郎の腹かけの「亀吉」のあたりが盛り上がっていることに気が付いた。(金太郎さん、やっぱり、シカさんやウサギさんとのこと思い出して「起っき」してるのかなー。個人的には、どんなプレイやったんか聞きたいけど、ちょっと無理よねー…。)と残念がった。
金太郎票の急騰の後の急落で「三人の得票率」はほぼ横ばいになっていた。ペットオーナーの多くが、金太郎から浦島太郎に乗り換えたようだった。
「さて、番組もいよいよ佳境に入ります。最後は、「言論バトルロイヤル」のコーナー!自己PR、他選手のスキャンダル暴露!なんでもござれの名物コーナーです。このコーナーで奇跡の逆転劇が何度あったことか!視聴者様の皆様も、最終的に誰に投票するのか改めてご検討くださいねー!
では、ここで180秒のCMに入りまーす。おトイレに行かれる方はこの機会にどうぞー!では、三分後にお会いしましょうねー!」
生中継のユーチューブにCMが入った。
「さて、「英雄伝」のコーナーで一気に差が縮まり混戦模様になってきました。視聴者からの質問コーナーで残ってましたハンドルネーム「モモちゃんは俺の嫁」さんからの質問の「今日の三人の中では誰が一番かっこいいですか?ナンバーワンのイケメンが誰なのか教えてください!」に話を戻そうと思います。
さて、色々とスタッフが調べてくれたようですが、記録上、容姿に対する記述があったのは、金太郎さんと浦島太郎さんのようですねえ―。桃太郎さんについては、「かわいい玉のような男の子」という表記と「成長して立派な男の子になりました。」くらいで、具体的な容姿に対する表記がないんですよねー。テレビCMでは「松田翔太さん」が桃太郎さんやってるんで「カッコいい」イメージが強かったんですが、桃太郎の物語の中では、容姿についての表記がないと同時に、「お姫様」や「お嫁さん」って言葉も出てこないんですよねー。桃太郎さん、女性の「縁」はどうだったんでしょうかねー?」
「うっ、……。」
「どうしました、「へげへげ」の経験とかどうなんですか?」
「……。」
「あっ、ごめんなさい。「ピーチボーイ」もとい「チェリーボーイ」なんですね…。ごめんなさいねー。でも「童貞」もとい「チェリー君」好きな人もたくさんいますから…、「初々しい」というか、「かわいい」というか、「むけてなさそう」とか……、まあ、元気出してくださいね…。」
「のーの」のフォローは全くフォローになっていない。この時点で桃太郎の得票率は続落し、金太郎に抜かれ2位に落ちていた。
「では、桃太郎さんは置いといて、まずは、浦島太郎さんから話を進めましょう。
浦島太郎さん自ら、お話になった「丹後国風土記逸文」を筆頭に「容姿と風流が際立つ」とか、乙姫様が浦島太郎さんに「べた惚れ」で、国に返すのを嫌がって、毎日、宴と「へげへげ」を繰り返したって言う記載が日本書紀、万葉集に限らず、地方に散らばる多数の「浦島」伝説でも常に「村一番の男前」かつ「亀を助ける優男(やさおとこ)」との表記がついて回りますよねー。乙姫様を虜にした秘密はどこにあるんでしょうか?」
「まあ、変に自慢するのも何やけど、姫さんは俺にぞっこんやったで。俺は、それ以上に姫さんにぞっこんやったけどな。亀が化けたという姫さんは、俺の「亀吉」をやさしくかわいがってくれたわなぁ…。優しくさすったり、時には「チュー」とか「パクッ」とかな…。「亀」同士、気が合ったんやろなぁ…。それも、わしの「亀吉」は…」
「そっち」の話になりそうな流れを感じた「のーの」は浦島太郎の話を遮った。「のーの」のパソコンには、「なんで止めるんや!」、「嶋子の話もっと聞きたい!」、「「のーの」出ていけ!」という浦島太郎の話に期待する層と、「子供も見てます。浦島さんレッドカード!」、「「チュー」と「パクッ」はダメでしょう。」、「「亀」、「亀」うざい。」と否定派の意見が次々と並ぶが、肯定派の方がやや優勢だ。しかし、子供視聴者のことを考慮し、「のーの」はブレーキをかけた。
「ちょ、ちょ、ちょっと、浦島太郎さん、ストップ!ストップですよー!その手の話は、ここでは「バツ」です。子供も聞いていますんでねー。私個人的には、すごーく興味あるんですよ!浦島太郎さんの「亀吉」にねー。「亀吉」っておへその下のあの「亀吉」ですよね?ちょっと、女の私からは言いにくいんですけど…。」
「モチのロンや。昔、歌に歌われた、わしのわらべ歌の替え歌があったやろ。
一番が「♪昔々♪へその下♪助けた亀の♪へその下♪竜宮城の♪へその下♪絵にも書けない♪へその下~♪」。
そんで二番が「♪乙姫様の♪へその下♪タイやヒラメの♪へその下♪ただ珍しい♪へその下♪開けてびっくり♪へその下~♪」と歌われた「絵にも書けないへその下」でかつ「開けてびっくりへその下」の「亀吉」や。わしのは、ふにゃふにゃの「ゾウさん」の鼻やなくて、「太く」、「長く」、「黒くて」、「硬い」、まさに「アルダブラゾウガメ」の首やで。でっかい「亀吉」や。金さんの「尻えくぼ」ん時みたいに腰蓑まくって見せたろか?」
と、浦島太郎は立ち上がった。ユーチューブ視聴者は、「未知との遭遇」を期待し、浦島太郎肯定派からの投票で、得票カウンターがアメリカ空軍ご用達のM61バルカン砲のように1分6000発の勢いでカウントアップしていく。「のーの」は真っ赤になって想像した。(アルダブラゾウガメ…。たしかガラパゴスゾウガメを超える世界最大の陸ガメ…。乙姫さまはそれをさすったり、口で…。「あー、見てみたいー!」けど、この場で出してもらうわけには…。)葛藤の末、精一杯我慢をして、浦島太郎に言った。
「浦島太郎さん、私自身は浦島太郎さんの「亀吉」に凄く興味があるんですけど、さすがにカメラ入ってますんで、腰蓑はとらないでくださーい。絶対「出しちゃ」ダメですー!」
「さよか、ユーチューブでも生の「亀吉」はあかんか。しゃあないな…。「粗品」の「セ〇ヤ」はもろ出しとったのになー…。」
と残念がった。
気を取り直し、話を金太郎に戻した。「のーの」の前のノートパソコンのモニターの、金太郎宛てのコメントもピックアップした。大きく、深呼吸をしてから金太郎に聞いた。
「金太郎さんには、クマさんに教えてもらった詩(うた)ってどんなものなんですか?都の女性を虜にしてしまう「必殺」の詩(うた)を教えてください!」ってコメントが何通も来てますよー。私も凄―く興味があります。バリバリの「ラブソング」なんでしょうねー!まずは、金太郎さん、クマさんから教わったという「必殺」の詩(うた)を詠(よ)んでいただけないでしょうかー?」
「はい、稚拙な読み手で恥ずかしいのですが、京の都の「詩詠み会」で一番、受けが良かった足柄山の秋の風景を歌った歌を「のーの」さんと視聴者様に送らせていただきます。
では、一句、おっほん、えー「♪山のあけびは何見て育つ。下の松茸見て育つ♪」。そして、クマさんが教えてくれたもう一句が「♪娘良い歳、紫あけび。下の松茸見て割れる♪」。って詩(うた)ですね。
詩会でこの歌を詠(よ)んだときは、速攻、「即OK」の女の人たちが、寄ってきてくれました。京の女の人にも風光明媚な「秋の足柄の風景」って伝わるんですね…。」
「!(ん、何か違うような…。)」
一瞬「のーの」が固まった。しかし金太郎は気にすることもなく続けた。
「寺子屋にも行かず、ろくな教育を受ける機会のなかった私に、上流階級武士必須の「短歌」を教えてくれたクマさんには感謝しかありません…。」
と、悦に入っている金太郎を見て、浦島太郎は吹き出すのを我慢するので精一杯の顔をしている。未だ、詩(うた)の意味を理解しきれていない「のーの」は、パソコンモニターのコメント欄に目をやった。
モニターには次々と新規コメントが上がってくる。「そりゃ金太郎さん、「俳句」じゃなくてただの「エロ都々逸(どどいつ)」でしょー!そもそも5・7・5・7・7じゃないしな―。」、「そりゃ、「合コン」や「やりコン」もとい当時の「詩詠み会」で読んだら、「やりたい盛りの女」は、寄ってくるよなぁ!」、「金太郎さん、まじでこれで「詩詠み会」出てたんっすか!まじ「尊敬」!」、「割れた「あけび」に「松茸」!エロエロー!」、「「あけび」=「まんまん」、「松茸」=「てぃんてぃん」!「のーの」さんわかってますかー?」とのコメントが次々に上がってくる。
(えっ?そういう意味なの?そりゃ、「やりコン」でイケメンマッチョの金太郎さんにこんな意味の歌を歌われたら、その気の女は即「ダム決壊よねぇ…。」それにしても、そこに気づいてない金太郎さん、本当にまじめすぎよねー。好感度上がるわー!投票カウンターも爆上げねー!でも、もう一つの課題にはどう答えるのかなー?)
気を取り直し、「のーの」は金太郎に聞き直す。
「金太郎さん、もう一つ質問コメが来ています。「さっき言われてた「シカやウサギが相手をしてくれました。ですから、初めて女性を相手にした時も失敗することなくうまく「へげへげ」できました。」について質問が来ていまーす。読み上げますねー。
「金太郎さん、シカやウサギと「へげへげ」の練習をしたってことですか?そのシカとウサギは「メス」ですか?それとも「オス」ですか?」と来ていますが、いかがでしょうか?」
と「のーの」が質問を終わるや否や、それまで「紳士」的に対応していた金太郎は、真っ赤な鬼の形相でテーブルを両の拳で打ち据え立ち上がり、大声を上げた。
「私は、こんな侮辱を受けたのは初めてです。まじめに仕官し、京の都の「平安」のために粉骨砕身努力してきました。多少の性癖の違いを指摘されるのはまだ許せます。しかしこれは酷すぎますよ!「のーの」さんはどう思ってるんですか!?」
「えっ、いったい何が…?」
あまりの金太郎の「怒り」の態度にどう対応したらよいのか「のーの」はわからないで言葉に詰まっていると、金太郎が怒りの発言をつづけた。
「「のーの」さん、こんな質問をする視聴者は、即「アク禁」ですよ!そう、今すぐその視聴者を「アクセス禁止」処理してください!「「オス」ですか?」だとー!私が「オス」のシカやウサギと「へげへげ」するような、「変態」とでもいうのか―!今すぐこの場に来い!銘刀「童子切」でその首たたき切ってやる!」
と雄たけびを上げた。
「のーの」の前のテーブル上のノートパソコンのコメント欄には、「あーあ、金太郎さん「ヲワタ」!」、「メスのシカやウサギと「へげへげ」するのは「変態」ではないの?」、「金太郎さんの腹掛け、下の方が盛り上がってる?思い出して「起っき」ちゃったの?」、「金ちゃんの「亀吉」も暴走!」、「獣姦の時点でもうアウト!チェリーのモモちゃんの方がまし」、「結局一番まともなのは「嶋子」!」と次々にコメントが流れ、得票率カウンターと得票率の棒グラフが激しく動く。
「まあまあ、金さん、落ち着いてお座りよ。二十年、動物相手で暮らしてきたんや。無理はないで。347年人社会から離れてたわしにはよおわかる。まあ、座って、茶でもしばいて落ち着くんや。このお茶、金さんの故郷の「足柄茶」の「金茶郎」やないか…。ええ香りが出て、旨いわ…。気持ちも落ち着くでなー。それに視聴者からの質問を読み上げただけの「のーの」さんが悪いわけやないしな…。」
浦島太郎のとりなしで、荒い息を押さえ、金太郎は席に着いた。「のーの」は金太郎の腹かけの「亀吉」のあたりが盛り上がっていることに気が付いた。(金太郎さん、やっぱり、シカさんやウサギさんとのこと思い出して「起っき」してるのかなー。個人的には、どんなプレイやったんか聞きたいけど、ちょっと無理よねー…。)と残念がった。
金太郎票の急騰の後の急落で「三人の得票率」はほぼ横ばいになっていた。ペットオーナーの多くが、金太郎から浦島太郎に乗り換えたようだった。
「さて、番組もいよいよ佳境に入ります。最後は、「言論バトルロイヤル」のコーナー!自己PR、他選手のスキャンダル暴露!なんでもござれの名物コーナーです。このコーナーで奇跡の逆転劇が何度あったことか!視聴者様の皆様も、最終的に誰に投票するのか改めてご検討くださいねー!
では、ここで180秒のCMに入りまーす。おトイレに行かれる方はこの機会にどうぞー!では、三分後にお会いしましょうねー!」
生中継のユーチューブにCMが入った。
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