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1―4 「未来の勘違い」
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1―4 「未来の勘違い」
未来が教室を出ると、E組の向こうは凄い人ごみになっていた。(あー、あそこから先がクラブ勧誘エリアになってるんやな!「バードウォッチング部」の勧誘も出てるんかな?優しい先輩やったらええなぁ。そんで、イケメンやったら言うことなしやなぁ…、むふふ。)
未来は、さっき見かけた迷彩服の人を探そうと、目を凝らしたが狭い廊下に屯(たむろ)するいろいろなクラブのユニフォームの中の迷彩服は見えなかった。(まぁ、ここは突入あるのみや!)と未来は混雑する廊下に足を踏み入れた。
あっという間に20枚以上のチラシを強引に渡されたり、上着のポケットに放り込まれた。もみくちゃにされながらなんとか下足箱にたどり着いた。中庭に入学式前に見かけた4人の迷彩服の男女がいた。双眼鏡と三脚付きの短眼鏡で下足室を覗いている。(あっ、「バードウォッチング部」発見!周りにほかの人もおれへんしチャンスや!)
慌てて、スニーカーに履き替えて、未来はその4人の元に走った。
4人の前に着くと未来はカバンからグリーン基調のカモフラージュカラーの小型の高倍率双眼鏡を出した。4人の男女はきょとんとしている。迷彩服の女子生徒が未来に聞いた。
「それ、あなたの個人装備なの?防水モデルの25口径の10倍モデルよね。かなり使い込んでるわよねぇ。」
「はい、もう5年使ってます。これなら、どんな森の中でも「的(まと)」を見逃すことはないですよ!たとえ擬態してても大丈夫です!
それにしても先輩!、この短眼鏡見せてもらっていいですか?これって、20倍から60倍のズームタイプですよねー!もう憧れものですよー!」
未来は、今すぐにでも見たいとバタバタと足踏みをしてねだった。
「ふーん、一目でわかるんやなぁ、あなた相当の好き物やね!そりゃ、5年っていうことは10歳からやもんなぁ。その面では私らの先輩やなぁ…。まあ、いっぺん覗いてみいや、これやったら下駄箱の子らのほくろまではっきりわかるで!」
と40メートル先の下足室を指さした。
「えっ、いいんですか?早速見させてもらいますねー!」
と未来は地面にしゃがみこんで短眼鏡を覗き込んだ。
「わー、20倍でもこんなに大きく見えるんやー!きゃー、60倍までズームしたら名札まで読めてしまうわー!向き変えてもいいですケー?」
はしゃぎまくる未来に、再び女生徒が言った。
「いいわよ、好きなとこにむけてくれて。それにしても、あなた、スポッタースコープの使い方、慣れてるわねぇ…。使ったことあるの?」
未来は、三脚の向きを変え、フェンスの外の校外に向け覗き込みながら答えた。
「はい、ずっと今までいたチームで「全体サーチ役」を5年間やらしてもらってましたから。ただ、私のお小遣いではとても手が出なかったんで、いつも借りてたんですけどね。
きゃー、500メートル先でもばっちりですねー!20倍で全体見てそこからズームでスポットかけるってすごいですよー!わー、これで山に行ったら無敵ですよねー!仲間に「的」の位置全部伝えて、絶対逃しませんよねー!」」
それまで黙ってみていた長身の男が未来に聞いた。
「山って、どこ行ってたの?」
「はい、生駒や能勢が多いですねー!そこら辺の山岳フィールドは庭みたいなもんですよ!擬態してる「巣」や「鴨」なんかは、チームの誰よりも早く的確に見つけられるって頼りにされてたんですよー!」
「へー、擬態(カムフラージュネットや草木の偽装)された巣(敵陣地)や鴨(カモフラージュ服やギリースーツのアスリート等)も一発発見か!そりゃ凄いわ。時間あるんやったら、ちょっと部室でゆっくり話したいねんけどどうかな?」
「はい、喜んで!入部前提で来てますから!」
「えー、ほんまかいな!そうとなったら、明日(あす)ちゃん、この子、部室に連れていたって!チラシ配りは明日からでええやろ!今からこの子の歓迎会や!才策夫(ざいつぇふ)、可偉瑠(かいる)お前ら、ケーキとジュース買ってこい!この子が自由に選べるように10種類くらい買ってこいや!あー、財布の中に3000円しかないから、足らん分は才策夫出しといてくれ!頼むわ!」
「わかりました。じゃあ、才策夫副長と表のケーキ屋行って来ます!幣巴(へいへ)部長は明日ちゃんとこの子を接待する準備しててくださいね。」
と言い、才策夫と可偉瑠と呼ばれた迷彩服の男子生徒は走っていった。
幣巴部長と呼ばれた男子生徒と明日と呼ばれた女子生徒と未来が中庭に残された。
「明日ちゃん、ちょっと俺、先に戻って部室片付けてくるから、才策夫たちが帰ってくるまでちょっとこの子の相手しといたってくれるか?」
明日は黙ってうなずくと幣巴は下足室にむかってダッシュした。明日が、未来に聞いた。
「あなた、お名前は?」
「はい、坂本龍馬の「龍」、お寺のお堂の「堂」で「りゅうどう」、未来と書いて「みら」と読みます。よろしくお願いします。」
未来が教室を出ると、E組の向こうは凄い人ごみになっていた。(あー、あそこから先がクラブ勧誘エリアになってるんやな!「バードウォッチング部」の勧誘も出てるんかな?優しい先輩やったらええなぁ。そんで、イケメンやったら言うことなしやなぁ…、むふふ。)
未来は、さっき見かけた迷彩服の人を探そうと、目を凝らしたが狭い廊下に屯(たむろ)するいろいろなクラブのユニフォームの中の迷彩服は見えなかった。(まぁ、ここは突入あるのみや!)と未来は混雑する廊下に足を踏み入れた。
あっという間に20枚以上のチラシを強引に渡されたり、上着のポケットに放り込まれた。もみくちゃにされながらなんとか下足箱にたどり着いた。中庭に入学式前に見かけた4人の迷彩服の男女がいた。双眼鏡と三脚付きの短眼鏡で下足室を覗いている。(あっ、「バードウォッチング部」発見!周りにほかの人もおれへんしチャンスや!)
慌てて、スニーカーに履き替えて、未来はその4人の元に走った。
4人の前に着くと未来はカバンからグリーン基調のカモフラージュカラーの小型の高倍率双眼鏡を出した。4人の男女はきょとんとしている。迷彩服の女子生徒が未来に聞いた。
「それ、あなたの個人装備なの?防水モデルの25口径の10倍モデルよね。かなり使い込んでるわよねぇ。」
「はい、もう5年使ってます。これなら、どんな森の中でも「的(まと)」を見逃すことはないですよ!たとえ擬態してても大丈夫です!
それにしても先輩!、この短眼鏡見せてもらっていいですか?これって、20倍から60倍のズームタイプですよねー!もう憧れものですよー!」
未来は、今すぐにでも見たいとバタバタと足踏みをしてねだった。
「ふーん、一目でわかるんやなぁ、あなた相当の好き物やね!そりゃ、5年っていうことは10歳からやもんなぁ。その面では私らの先輩やなぁ…。まあ、いっぺん覗いてみいや、これやったら下駄箱の子らのほくろまではっきりわかるで!」
と40メートル先の下足室を指さした。
「えっ、いいんですか?早速見させてもらいますねー!」
と未来は地面にしゃがみこんで短眼鏡を覗き込んだ。
「わー、20倍でもこんなに大きく見えるんやー!きゃー、60倍までズームしたら名札まで読めてしまうわー!向き変えてもいいですケー?」
はしゃぎまくる未来に、再び女生徒が言った。
「いいわよ、好きなとこにむけてくれて。それにしても、あなた、スポッタースコープの使い方、慣れてるわねぇ…。使ったことあるの?」
未来は、三脚の向きを変え、フェンスの外の校外に向け覗き込みながら答えた。
「はい、ずっと今までいたチームで「全体サーチ役」を5年間やらしてもらってましたから。ただ、私のお小遣いではとても手が出なかったんで、いつも借りてたんですけどね。
きゃー、500メートル先でもばっちりですねー!20倍で全体見てそこからズームでスポットかけるってすごいですよー!わー、これで山に行ったら無敵ですよねー!仲間に「的」の位置全部伝えて、絶対逃しませんよねー!」」
それまで黙ってみていた長身の男が未来に聞いた。
「山って、どこ行ってたの?」
「はい、生駒や能勢が多いですねー!そこら辺の山岳フィールドは庭みたいなもんですよ!擬態してる「巣」や「鴨」なんかは、チームの誰よりも早く的確に見つけられるって頼りにされてたんですよー!」
「へー、擬態(カムフラージュネットや草木の偽装)された巣(敵陣地)や鴨(カモフラージュ服やギリースーツのアスリート等)も一発発見か!そりゃ凄いわ。時間あるんやったら、ちょっと部室でゆっくり話したいねんけどどうかな?」
「はい、喜んで!入部前提で来てますから!」
「えー、ほんまかいな!そうとなったら、明日(あす)ちゃん、この子、部室に連れていたって!チラシ配りは明日からでええやろ!今からこの子の歓迎会や!才策夫(ざいつぇふ)、可偉瑠(かいる)お前ら、ケーキとジュース買ってこい!この子が自由に選べるように10種類くらい買ってこいや!あー、財布の中に3000円しかないから、足らん分は才策夫出しといてくれ!頼むわ!」
「わかりました。じゃあ、才策夫副長と表のケーキ屋行って来ます!幣巴(へいへ)部長は明日ちゃんとこの子を接待する準備しててくださいね。」
と言い、才策夫と可偉瑠と呼ばれた迷彩服の男子生徒は走っていった。
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「明日ちゃん、ちょっと俺、先に戻って部室片付けてくるから、才策夫たちが帰ってくるまでちょっとこの子の相手しといたってくれるか?」
明日は黙ってうなずくと幣巴は下足室にむかってダッシュした。明日が、未来に聞いた。
「あなた、お名前は?」
「はい、坂本龍馬の「龍」、お寺のお堂の「堂」で「りゅうどう」、未来と書いて「みら」と読みます。よろしくお願いします。」
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