【完結】「サバゲー甲子園2043~めざせ日本一のサバゲーチーム!~」

のーの

文字の大きさ
15 / 63

1-15 「特訓」

しおりを挟む
1-15 「特訓」
 銃がそろったことで、全員の気合のギアが3段上がった。愛銃を抱えてのランニングは学校内に限られたが、各自実践に備えた銃の持ち方や担ぎ方に体を慣らしていった。
 可偉瑠が、レーザーマーカーを改良した照準チェッカーを製作し、実銃での照準訓練も始まった。引き金をレーザーマーカーに連動させたシステムは、走りながらの射撃や、銃架を使用しない状態での射撃姿勢の確認に大いに役に立った。

 夏子が、実弾の薬莢を大量に仕入れてくれたこともあり、弾頭無しの空砲で発射時の銃の跳ね上がりや、連射時のぶれも確認できるようになった。才策夫、可偉瑠、明日の3人はM157を活用したパーティーでの連携作戦や、風や気象条件による弾道補正にも慣れてきた。
 上坊と可偉瑠が一緒に製作した、シューティングシミュレーションシステムを銃とジャケットに仕込むことで、実際の大会と同じように、ヒットしたときの信号をジャケットが判断することができるようになり、3対3のチーム戦や、6人でのバトルロワイヤル形式の個人戦が練習に加わった。

 未来もP90に慣れ、近距離戦闘からロングレンジ射撃までこなせるようになってきた。また、バードウォッチャーとして鍛え上げた洞察力をサバゲー部のメンバーに伝授することで全員の索敵能力が飛躍的に上がった。ギリースーツ等の偽装を読み取るコツを丁寧に教えることと、高倍率のスコープを使う際の注意点を伝授した。

 特に、遠距離狙撃を主として行う幣巴と才策夫は、未来に学ぶところが多かった。一生懸命に自分の知識をメンバーに分け与える未来に対して、幣巴と才策夫は、クラブの先輩、後輩以上の感情を抱くようになっていたのだが、未来はそんな二人の感情に気づいてはいなかった。元来、同世代の男子生徒との交際歴がなく、バードウォッチングサークルでも、大人に交じっての活動だったので仕方がなかったといえる。

 大会が近づくにつれ、特訓は激しくなり、張尊がついてこれないシーンが目立ってきた。面倒見の良い明日が優しく声をかけると、へたばっていた張尊も頑張りを見せるのだが、いかんせん体力面が伴っていないので厳しい。
「張尊君、筋肉がこわばってしもてるね。いったん解(ほぐ)さんと、どんどん疲労がたまる一方やから、マッサージしてあげるわ。」
と明日が部室のコット(簡易ベッド)でパンパンに張った張尊の僧帽筋から広背筋、大殿筋、大腿二頭筋までマッサージしてやると、嬉しそうに
「明日さんは、僕の女神様です…。こんな、ダメダメな僕にも常に優しくしてくれますもんね…。」
といつも呟くのが練習後の日課になっていた。

 特訓が始まって1週間、上坊からサバゲー部の6人に通達があった。
「明日から、僕の仲間の穴吹智のとこのテレビ番組制作会社が、みんなの活動の密着取材に入る。部費稼ぎの、銃の加工や、発注処理のシステムや対応から取材したいって言うとったから協力したってくれな!
 あと制作会社がいくらか費用を協力してくれるちゅうことになったから、合宿するぞ。場所は、なっちゃん、もとい間呈のお母さんの知り合いの山一つを借り切るから、実銃を持って山間戦闘の訓練と長距離射撃も試せることになったんや!
 あと、おせっかいとは思ったけど、お前らの大先輩で、20年前の大阪カクイ主催の全国サバゲー大会の優勝チームも急遽応援に来てくれることになった。
 まあ、きっかけはともかく「20年前にロシアとウクライナの戦争を止めた「6人の高校生」の話」は有名やから聞いたことくらいはあるやろ!
 サバゲーの世界大会まで行ったここのOBが練習に参加してくれることになったから、胸を借りるつもりで頑張ってこい。40前のおっさん、おばはんやと思ってなめとったらえらい目にあうぞ。何ちゅうても3人は現役自衛官やからなぁ!」

 「上坊先生、その6人のOBの方も合宿に来られるんですか?準備はどうしたらいいんですか?」
「坂川さんの借りてくれた山って、宿泊施設はあるんですか?」
幣巴と才策夫が質問をした。
「あぁ、もちろん食事なんかはこっちで用意するのが礼儀やろ。宿泊は、近くのロッジを借り切ってるから、食事は自炊な!
 僕と陽菜先生と坂川さんとカメラ担いで穴吹君が来るから全員で16名や。メニュー作りと食材の買い出しまでは、お前らで考えとってくれな!」


しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。

遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。 彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。 ……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。 でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!? もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー! ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。) 略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる

グミ食べたい
青春
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。 彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。 だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。 容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。 「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」 そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。 これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、 高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件

遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。 一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた! 宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!? ※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...