【完結】「サバゲー甲子園2043~めざせ日本一のサバゲーチーム!~」

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1-55「ユニバーサルスタジオ」

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1-55「ユニバーサルスタジオ」
 朝食が終わり、門工サバゲー部メンバーがレストランを出ようとすると、夏子が未来に声をかけた。
「未来ちゃん、池田一尉にアグネスとマチルダの今日一日の同行の許可は取ったから、9時半から合流な!私やセシルたちは、ちょっと遅れてユニバで合流させてもらうわな。」
「えっ、夏子さんも一緒に行くんじゃないんですか?すっかりそのつもりで部長も副長もいてますよ。今日は一日「夏子さんの下僕(しもべ)」って言ってましたよ。」
「あー、うれしいこと言ってくれるな!まあ、リトルトーキョーのマルカイマーケットでちょっと買い物していきたいねん。今回、LALWAの3人とアグマチにはいろいろと世話になったから、今晩は私と陽菜ちゃんで腕を振るって日本料理をふるまったろうと思ってな。日本食材の買い物や。
 あと、明日の朝はセシルたちとウォーシャンフロンウォークで朝釣りの約束もしてるから、餌の仕入れやな。私はルアーはどうも好かんねん。やっぱり生エサやないとな。「ゴカイ」や「刺し虫」もリトルトーキョーやったら手に入るみたいやから、今日の内に買っておこうと思ってな。」

 夏子は、未来に説明をすると、アグネスとマチルダを呼んだ。
「ジャア、ミライチャン、キョウイチニチヨロシオネガイシマッサ。」
「ワタシタチカラ、3メートルイジョウハナレタラアカンデ。」
と二人から声をかけられ、
「では、お願いします。」
と未来がお辞儀をして挨拶をすると、アグネスとマチルダのジャケットの内側にスタンガンと思われる黒い塊と小型の拳銃が見えた。(あー、アメリカってみんなこうなんやろか?)未来は心の中で思った。
 集合時間の5分前に張尊が自宅から到着した。なぜか、未来とは目を合わそうとはしなかった。

 「はーい、ユニバ行きのリムジンが出ますよー!皆さん、フリーパス配りますので、首からぶら下げてくださいねー!これは招待客を示す身分証です。並ばないでアトラクションに入れる「フロント・オブ・ライン・チケット」と「VIPエクスペリエンス」です。リストバンドはフリーチケットですのでアトラクション入場時に見せるようにしてくださいね。
 今日のアトラクションのスケジュール表をお渡ししておきますので、お目当てがあれば、先に予定を確認しておいてくださいね。
 お買い物、お土産は最後にユニバーサル・シティーウォーク」で十分時間は取ってますから、極力身軽で楽しんでくださいね。」
と池田一尉は説明すると、門工サバゲー部6人と同行者の陽菜とアグネスとマチルダに渡した。
「じゃあ、後で合流な!」
と言い残し、夏子は上坊たちと別行動に移った。
 
 ユニバーサルスタジオ・ハリウッドに到着すると、6人は歓声を上げてバスを飛び降り、レッドカーペットを小走りに入り口に向かいUSJの前にもある巨大な地球儀のオブジェの前で集合写真を撮った。幣巴と才策夫は未来とツーショットの写真を嬉しそうに撮ってもらい、明日は可偉瑠、張尊とツーショット写真におさまった。
 アグネスとマチルダは有名人と言うこともあって、寄ってくるファンのサインのおねだりに気楽に応じていた。

 入場してアッパー・ロットに入ると、映画でおなじみの人気キャラがみんなを出迎た。最初のアトラクションの「ウオーキング・デッド・アトラクション」では、幣巴と才策夫が未来のペアを賭けたじゃんけんをしていたが、それを無視して、アグネスとマチルダの3人組で入館した。
 暗闇の中で徘徊する生の人間が演じるゾンビは日本のお化け屋敷と違って情緒はないが掴みかかったり、本気で追いかけてくる仕事っぷりに未来は十分な「恐怖」と「楽しさ」を感じた。

 ハリーポッターやトランスフォーマーといったユニバーサルスタジオ定番アトラクションを順番に回るのも、「VIPパス」のおかげでストレスなくどんどんこせた。
 昼食に「ピンクス・フェイマス・ホット・ドックス」と「ブードゥー・ドーナツ」を食べていると、上坊や夏子たちがやってきた。LALWAの3人も一緒だった。
 午後はみんなでスタジオツアーに参加し超定番の「ジョーズ」や「ジュラシック・ワールド」の世界を楽しんだ。
 夏の定番イベントのミニオンズ参加のウォーターガンイベントで使用した大型の水鉄砲を6人が肩から下げて歩いている。
「やっぱ、水鉄砲とはいえ、サバゲー部としては負けるわけにはいけへんよな。」
と幣巴がこだわりを持って30ドル出して購入した、飛距離、タンク容量がUSH内最強の水鉄砲を持ってみんなでミニオンズと記念写真を撮った。

 巨大ぬいぐるみ等の豪華プレゼントがもらえる来場者参加イベントのストラックアウトでは現役サバゲー部のメンバーをさしおき、元ソフトボール部のピッチャーだった夏子が大活躍だった。幣巴と才策夫と「私が勝てば、今晩はふたりで私を接待。あんたらが勝ったらおっぱい揉ませたろ!」というどちらに転んでも夏子に損はない無茶苦茶なルールを決め、見事なウインドミル投法で、時速90キロの剛速球で8枚を抜き、ソフトボール大の17ドルする地球儀状のマグカップを景品としてゲットし、二人に勝利した。パネル4枚以下だったサバゲー部の面々は残念賞の水風船をたくさんもらった。
「あー、ウォーターガン大会の時に水風船あったら手りゅう弾になったのになー。残念ながら、もう使い道あれへんよね。」
と未来が言った。
「何言うてんの?膨らませて未来ちゃんシャツの下に入れたら、マチルダや明日に負けへん巨乳の出来上がりやん!」
と夏子が茶化すとみんな笑った。
 上坊、篠原、穴吹たちのピリピリした雰囲気がやや未来には気にかかったが、常に横にいるアグネスとマチルダの大阪弁っぽい日本語を聞いていると、楽しさの方が勝り、午後のUSHを堪能した。
 
 楽しい時間は、早く過ぎるもので、あっという間に午後5時を迎え、土産物の買い物にユニバーサルスタジオ・ストアに向かった。
 家族や学校の友達や大会参加に協力してくれた門工サバゲー部OBのみんなにお土産を買うために6人でワイワイと楽しんだ。なぜか、張尊が未来にシンプソンズの着ぐるみ帽子を買ってかぶせてくれた。(うーん、シンプソンズは周りで誰もかぶってへんよな。どうせなら「ミニオンズ」の方がよかったのに…。)と思いながら、好意を無視するわけにもいかないので、お礼を言ってシンプソンズ帽をかぶったまま店を出た。
 
 買い物が終わり店を出ると、泣きじゃくる4歳くらいの女の子が未来の足にしがみついてきた。「ダディー、マミー」と繰り返し泣きながらしゃくるので一目で迷子であることは分かった。
 未来は周辺をきょろきょろと見回しその女の子を肩車し、ぐるりと360度回った。
「ユア、ファーザーアンドマザー、ワッチ、オア、ノー」
とよくわからない英語で話しかけると、入り口側の方向で両手を振り、こちらに声をかけている男女が目に入った。肩の上の女の子も手を振っている。
 (あぁ、あの人たちがこの子の両親かな?)と思い、未来はグループから離れ、肩車したまま、その二人の方に走っていった。

 「ママー!」
女の子は叫び、女性に飛びついた。女性は、未来の手を取り、強く握った。
「サンクス、サンクス!」
と丁寧にお礼を言われ(あー、無事に両親と会えてよかったな…)と思った瞬間、後ろから男に口にガムテープのようなものを張られ、袋のようなものを上半身に被され自由は奪われ、視野が閉ざされた。




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