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3-5 夕食
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夕食は一切会話のない暗い雰囲気、というわけではなく、明るい音楽が流れているのもあるが、それよりも、ティナがひたすら俺に対して話を持ち出してきた点が強い。
「テバイさんは明日、何かご予定が?」
ただ、雰囲気は最悪であるのは間違いない。
出された夕食は野菜を中心としたもので、肉はない。魚が少しあるぐらいである。エルフは肉が食べられないのだろうか?
「明日は特にない、かな?」
俺はリリの方を見る。すると、リリは首を横に振って否定する。
「明日はやっぱり…………」
「なら良かったです。明日一緒に街の中へ出かけませんか?」
「あの、それは出来ないかな」
「しばらくこの宿に泊まるんですよね? でしたら、良いお酒を買いに行きましょう。明日の晩にでも一緒にお酒を飲みませんか?」
「あの、ティナちゃん?」
「街の中の方に良いお店を知っているんです。一緒に行きましょう。そうしましょう」
話を聞いてくれない。
なんて思っているとリリがしびれを切らした。
「ティナちゃん、私とテバイは明日用事があるからダメよ」
「…………」
するとティナの表情が曇る。が、すぐに名案が思いついたかのように。
「そうですか。それは残念です」
素直にそう言ったのだ。
そう、まるで何か悪巧みを考えているかのような、そんな表情。
俺はリリと顔を見合わせる。
「では、リリさん。明日はリリさんにテバイさんを貸しますので、今日のお風呂と寝る時間は私に貸してくださいね」
「どうしてそうなるの!」
「リリさん、子供みたいな我が儘を言わないでください」
「え? え? 私、間違っていないよね?」
ティナの子供を叱るような言葉にリリが騙される。
「うん、リリは間違ってない。ティナちゃん、風呂も寝るときも一人で良いから」
「ですが、背中を流す時とか、人肌が恋しい時に私は重宝しますよ?」
「別に良いかな」
「そうよ。うん。だって、テバイには私がいるから」
「リリもいいかな。今日は一人で入りたい気分だから」
「何ですと!」
「ふふふ」
すると、ティナが笑った。
「ティナちゃん、何笑ってるの!」
「だって、リリさんが」
この一部始終がツボにはまったのか、その後もティナの笑いは止まらなかった。
少しだけ、雰囲気良くなった。
「テバイさんは明日、何かご予定が?」
ただ、雰囲気は最悪であるのは間違いない。
出された夕食は野菜を中心としたもので、肉はない。魚が少しあるぐらいである。エルフは肉が食べられないのだろうか?
「明日は特にない、かな?」
俺はリリの方を見る。すると、リリは首を横に振って否定する。
「明日はやっぱり…………」
「なら良かったです。明日一緒に街の中へ出かけませんか?」
「あの、それは出来ないかな」
「しばらくこの宿に泊まるんですよね? でしたら、良いお酒を買いに行きましょう。明日の晩にでも一緒にお酒を飲みませんか?」
「あの、ティナちゃん?」
「街の中の方に良いお店を知っているんです。一緒に行きましょう。そうしましょう」
話を聞いてくれない。
なんて思っているとリリがしびれを切らした。
「ティナちゃん、私とテバイは明日用事があるからダメよ」
「…………」
するとティナの表情が曇る。が、すぐに名案が思いついたかのように。
「そうですか。それは残念です」
素直にそう言ったのだ。
そう、まるで何か悪巧みを考えているかのような、そんな表情。
俺はリリと顔を見合わせる。
「では、リリさん。明日はリリさんにテバイさんを貸しますので、今日のお風呂と寝る時間は私に貸してくださいね」
「どうしてそうなるの!」
「リリさん、子供みたいな我が儘を言わないでください」
「え? え? 私、間違っていないよね?」
ティナの子供を叱るような言葉にリリが騙される。
「うん、リリは間違ってない。ティナちゃん、風呂も寝るときも一人で良いから」
「ですが、背中を流す時とか、人肌が恋しい時に私は重宝しますよ?」
「別に良いかな」
「そうよ。うん。だって、テバイには私がいるから」
「リリもいいかな。今日は一人で入りたい気分だから」
「何ですと!」
「ふふふ」
すると、ティナが笑った。
「ティナちゃん、何笑ってるの!」
「だって、リリさんが」
この一部始終がツボにはまったのか、その後もティナの笑いは止まらなかった。
少しだけ、雰囲気良くなった。
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