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三章
第2話 ストロングゴーレム
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始めの大陸にスポーンするゴーレム種の数は8体。
うち、最も強いとされているゴーレムは結のミスで殺してしまったスピカ、正式名ストロングゴーレム。スポーンレベルは81と今の結、そして楓にとっては弱いモンスターである。このモンスターの最も優れている点は攻撃を捨てた耐久型である。
本来スポーンするモンスターはプレイヤーに攻撃をする。その攻撃理由が近くにいるからか、攻撃してきたからかはモンスターによるが、どちらにしろモンスターはプレイヤーに攻撃をする。
しかしストロングゴーレムなど、ごく僅かなモンスターに限り、攻撃しても攻撃を返して来ない、無害のモンスターが存在する。
「ストロングゴーレムは色の森の隣、ダンジョン岩の荒野に出現するわ」
「岩の荒野。名前は聞いたことがあります。でもまだ行ったことがないです」
「そうなの?」
白の世界を出た二人はダンジョン岩の荒野へ向かって歩き出す。
荒野はあれた野原。そこに様々な岩石が配置されているが故に岩の荒野。スポーンするモンスターは野原あるいは岩石に類する種族である。
その一つがゴーレム。
ストロングゴーレムはこの岩の荒野のボスへの入口を守る門番として存在する。
「そう言えば、ずっと聞きたかったのだけれども。どうしてあの二人にあなたが仲間としているの? いえ、言葉が可笑しいわね。失礼だけども、あなただけ明らかにレべルが低いものだから」
「そうですね。出会いは助けてもらったときですね。まだ出会ってから十日ほどでしょうか? そんなに日にちは経っていませんから、私だけレベルが低いのです」
「あの二人の手伝いがあれば、十日で私以上のレベルまで育てれそうだけども」
「樹君と茜ちゃんは、ものすごく慎重ですから」
「過保護ということね」
「そうとも言うかもしれません。私としては強くなりたい反面、そうでもない気持ちもありますから」
「どういうこと?」
「その、弱かったら、ずっと樹君が守ってくれますし」
「ああ」
恥ずかしそうに言う楓にとって樹がどういう存在なのかを結は理解してくる。助けてくれた王子様に近いのだろう。
照れた楓は、過保護の言葉で思い出したように手を叩く。
「そうでした。一応紹介しておいた方が良いですね」
「何を?」
「ブドウちゃんのことです」
楓の言葉で、それは楓の影から現れた。
ブドウと名づけられたシャドースライム。楓を守るように周囲を警戒しながら現れたブドウは茜のペットであり、現在楓の護衛を行っている。
真っ黒なスライムに結はギョッとする。自分でも気づけないほどの強さを持つモンスターが常にすぐそばにいたという恐怖から。
「いつからいたの?」
「最初からです。別行動をするときに、茜ちゃんが私の身の安全を守らせるために。この子の他にも二匹ほど、私を護衛しているみたいですが、私の命令を聞くのはブドウちゃんだけです」
「ものすごい過保護じゃない」
「お恥ずかしいほどに」
親ばかというかなんというか。これがあの二人から楓に対しての愛に呆れながら。
結は物珍しそうにシャドースライムを見る。
「可愛い名前ね。その名前はあなたが?」
「いえ、茜ちゃんです。この子は茜ちゃんのペットですから。茜ちゃんはスライムが好きみたいで、ペット全部がスライム種とか言っていました」
「ものすごいスライム愛ね」
そう言って結は茜がスライムを好きなことを記憶の奥底に残した。
「あれがストロングゴーレムよ」
たどり着いたストロングゴーレムがスポーンするエリア。門の前。
岩の荒野にある荒れた城。その門の前にストロングゴーレムが立ちはだかり、その周りに取り巻きとなるモンスター。ストロングゴーレムを倒さない限り城の中に入る事はできない。
ストロングゴーレムが門を守る中、他のモンスターがプレイヤーを襲うボス前の関門である。
少し離れた所ゆえに、モンスターはまだ二人に気づいておらず、攻撃はしかけてこない。
結は杖を構えて、ペットの捕獲権利を思い出す。
「そういえば、あなたはストロングゴーレムを捕まえる権利が発生するクエストをクリアしている?」
「どんなクエストですか?」
「二つほどあるわ。ストロングゴーレム討伐のクエストと、スルトル討伐のクエスト。前者はストロングゴーレムだけになるけども、後者はこの大陸で捕獲可能なすべてのモンスターに対して効果を発揮するから。ペットを捕まえる際はスルトル討伐をこなした方が良いのだけれども」
「それでしたら、終わっていますので。権利があります。つい数日前に倒しました」
「あなたが自分一人で?」
「はい」
「すごいわね」
その事実に素直に賞賛の声をあげる。
「今の私なら十分勝てるだろうけども、あなたはまだ200レベルほどでしょ? それで一人は中々できることじゃないわよ」
「いえ、その、完璧に一人だったというわけでもないのですが」
そんな楓の言葉は結には届かない。
結と楓、二人の存在にストロングゴーレムが気づいたからである。
ストロングゴーレムが辺りのモンスターに命令を与えるかのように指を二人へと向ける。するとモンスターが一斉に二人に襲い掛かった。
「始めましょう。私が取り巻きを倒すから、あなたは一人でストロングゴーレムに攻撃をすれば良いわ」
「わ、分かりました」
楓も同様に杖を構える。
そして取り巻きを無視してストロングゴーレムへ向けて走りだす。その横で楓を攻撃しようとするモンスターを正確な攻撃で、結は倒していく。
攻防など発生させない。
楓は攻撃魔法、アケルナーを発動する。
わずか二発でストロングゴーレムは倒れることとなる。
ストロングゴーレムを倒したことにより、辺りのモンスターはデスポーンする。結が楓へ走って追いつく。
「案外、あっさり終わりましたね」
「そういうものよ。でもまだ、捕まえていないでしょ?」
「はい」
楓が頷く。
モンスターの捕獲は一定の確率により、必ず捕まえれるわけではない。
「なら、またスポーンするまで、一度この辺りから出ましょうか」
「なんか、すごく地味な作業ですね」
「ゲームなのも。ある程度の作業は必要よ」
そんな時であった。
始めに反応を見せたのはブドウであった。次に結。最後に楓。
その順に、その存在に気づいた。
まるでこの辺りなど敵ではないと言わんばかりに。真っ白な服を着た女性が結と楓のもとへ歩いて近づいてくるのである。
結と楓はその服に見覚えがあった。そう巫女服と呼ばれるものである。
「ハズレ? 見知ったモンスターがいたけども。あれは違う」
うち、最も強いとされているゴーレムは結のミスで殺してしまったスピカ、正式名ストロングゴーレム。スポーンレベルは81と今の結、そして楓にとっては弱いモンスターである。このモンスターの最も優れている点は攻撃を捨てた耐久型である。
本来スポーンするモンスターはプレイヤーに攻撃をする。その攻撃理由が近くにいるからか、攻撃してきたからかはモンスターによるが、どちらにしろモンスターはプレイヤーに攻撃をする。
しかしストロングゴーレムなど、ごく僅かなモンスターに限り、攻撃しても攻撃を返して来ない、無害のモンスターが存在する。
「ストロングゴーレムは色の森の隣、ダンジョン岩の荒野に出現するわ」
「岩の荒野。名前は聞いたことがあります。でもまだ行ったことがないです」
「そうなの?」
白の世界を出た二人はダンジョン岩の荒野へ向かって歩き出す。
荒野はあれた野原。そこに様々な岩石が配置されているが故に岩の荒野。スポーンするモンスターは野原あるいは岩石に類する種族である。
その一つがゴーレム。
ストロングゴーレムはこの岩の荒野のボスへの入口を守る門番として存在する。
「そう言えば、ずっと聞きたかったのだけれども。どうしてあの二人にあなたが仲間としているの? いえ、言葉が可笑しいわね。失礼だけども、あなただけ明らかにレべルが低いものだから」
「そうですね。出会いは助けてもらったときですね。まだ出会ってから十日ほどでしょうか? そんなに日にちは経っていませんから、私だけレベルが低いのです」
「あの二人の手伝いがあれば、十日で私以上のレベルまで育てれそうだけども」
「樹君と茜ちゃんは、ものすごく慎重ですから」
「過保護ということね」
「そうとも言うかもしれません。私としては強くなりたい反面、そうでもない気持ちもありますから」
「どういうこと?」
「その、弱かったら、ずっと樹君が守ってくれますし」
「ああ」
恥ずかしそうに言う楓にとって樹がどういう存在なのかを結は理解してくる。助けてくれた王子様に近いのだろう。
照れた楓は、過保護の言葉で思い出したように手を叩く。
「そうでした。一応紹介しておいた方が良いですね」
「何を?」
「ブドウちゃんのことです」
楓の言葉で、それは楓の影から現れた。
ブドウと名づけられたシャドースライム。楓を守るように周囲を警戒しながら現れたブドウは茜のペットであり、現在楓の護衛を行っている。
真っ黒なスライムに結はギョッとする。自分でも気づけないほどの強さを持つモンスターが常にすぐそばにいたという恐怖から。
「いつからいたの?」
「最初からです。別行動をするときに、茜ちゃんが私の身の安全を守らせるために。この子の他にも二匹ほど、私を護衛しているみたいですが、私の命令を聞くのはブドウちゃんだけです」
「ものすごい過保護じゃない」
「お恥ずかしいほどに」
親ばかというかなんというか。これがあの二人から楓に対しての愛に呆れながら。
結は物珍しそうにシャドースライムを見る。
「可愛い名前ね。その名前はあなたが?」
「いえ、茜ちゃんです。この子は茜ちゃんのペットですから。茜ちゃんはスライムが好きみたいで、ペット全部がスライム種とか言っていました」
「ものすごいスライム愛ね」
そう言って結は茜がスライムを好きなことを記憶の奥底に残した。
「あれがストロングゴーレムよ」
たどり着いたストロングゴーレムがスポーンするエリア。門の前。
岩の荒野にある荒れた城。その門の前にストロングゴーレムが立ちはだかり、その周りに取り巻きとなるモンスター。ストロングゴーレムを倒さない限り城の中に入る事はできない。
ストロングゴーレムが門を守る中、他のモンスターがプレイヤーを襲うボス前の関門である。
少し離れた所ゆえに、モンスターはまだ二人に気づいておらず、攻撃はしかけてこない。
結は杖を構えて、ペットの捕獲権利を思い出す。
「そういえば、あなたはストロングゴーレムを捕まえる権利が発生するクエストをクリアしている?」
「どんなクエストですか?」
「二つほどあるわ。ストロングゴーレム討伐のクエストと、スルトル討伐のクエスト。前者はストロングゴーレムだけになるけども、後者はこの大陸で捕獲可能なすべてのモンスターに対して効果を発揮するから。ペットを捕まえる際はスルトル討伐をこなした方が良いのだけれども」
「それでしたら、終わっていますので。権利があります。つい数日前に倒しました」
「あなたが自分一人で?」
「はい」
「すごいわね」
その事実に素直に賞賛の声をあげる。
「今の私なら十分勝てるだろうけども、あなたはまだ200レベルほどでしょ? それで一人は中々できることじゃないわよ」
「いえ、その、完璧に一人だったというわけでもないのですが」
そんな楓の言葉は結には届かない。
結と楓、二人の存在にストロングゴーレムが気づいたからである。
ストロングゴーレムが辺りのモンスターに命令を与えるかのように指を二人へと向ける。するとモンスターが一斉に二人に襲い掛かった。
「始めましょう。私が取り巻きを倒すから、あなたは一人でストロングゴーレムに攻撃をすれば良いわ」
「わ、分かりました」
楓も同様に杖を構える。
そして取り巻きを無視してストロングゴーレムへ向けて走りだす。その横で楓を攻撃しようとするモンスターを正確な攻撃で、結は倒していく。
攻防など発生させない。
楓は攻撃魔法、アケルナーを発動する。
わずか二発でストロングゴーレムは倒れることとなる。
ストロングゴーレムを倒したことにより、辺りのモンスターはデスポーンする。結が楓へ走って追いつく。
「案外、あっさり終わりましたね」
「そういうものよ。でもまだ、捕まえていないでしょ?」
「はい」
楓が頷く。
モンスターの捕獲は一定の確率により、必ず捕まえれるわけではない。
「なら、またスポーンするまで、一度この辺りから出ましょうか」
「なんか、すごく地味な作業ですね」
「ゲームなのも。ある程度の作業は必要よ」
そんな時であった。
始めに反応を見せたのはブドウであった。次に結。最後に楓。
その順に、その存在に気づいた。
まるでこの辺りなど敵ではないと言わんばかりに。真っ白な服を着た女性が結と楓のもとへ歩いて近づいてくるのである。
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