最強クラスの双子がゲームの攻略を目指す物語

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三章

第10話 護

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 菫、雛、鈴の三人から一人選ぶとしたら、樹は雛を選んだ。
 三人の中で最も可能性の高い人から行くべきだと、樹は考えを述べると茜と陽はそれに同意した。
 そして雛の場所、樹は知らなかったが陽は知っているらしく、陽の案内で樹たちは雛と出会うことができた。

「今日の内に二回もお願いされるとは思ってもいなかったよ」

 ネクロマンサーという特殊過ぎる職に就くプレイヤー。八雲雛は樹たちを歓迎するつもりはないのか、追い返すように手を立てに振る。
 第六の大陸、いや正確に言えば島に近い、そんな小さな土地の中央に位置するダンジョン、幽霊屋敷。ゴースト種のみがスポーンするこのダンジョンは、ダンジョン事態は広くないが、複雑なカラクリで妙に時間がとられる。
 その一室。
 モンスターがスポーンしない部屋を雛は拠点としていた。

「雛の考えからすると、無理。四人集まっても優と隼の二人に勝てる気はしない」
「どうしてもだめ?」

 陽の言葉に雛は悩み。

「どうしてもダメというほどでもない。勝てる見込みがあるなら、聞きたい。それによってはお願いを聞くのも考える」

 雛はそう言って、樹たちの考えを聞こうとする。
 それに代表して樹が答える。

「ない」
「そうはっきり言うんだ」
「時間がないからね」
「なるほど、だいたい分かった」

 雛は樹の考えに気づいたのか、鋭い視線を向ける。

「優との戦いに雛を巻き込む魂胆でしょ。あるいは雛以外を巻き込むつもりかな?」
「別にそう言うわけじゃないよ」

 雛のあさっての考えに樹は慌てて否定する。
 確かに、その手があったかと樹は思う。
 雛に相手プレイヤーの居場所を常に把握するアイテムを使い、優から逃げる際常に雛の場所へ逃げ続ければ、超位転移アイテムの数にもよるが、雛を戦闘に無理やり参加させることも可能である。
 しかし、こんな非道的な行為は流石に樹には出来ない。

「私たちは。そんなことしない」
「さあ、どうだか。元々は陽が樹を殺そうとした結果でしょう? 人を殺すことに戸惑わないプレイヤーならそんなことしても可笑しくないと思うのだけれども」
「違う」

 はっきり違うと言う陽に雛は。

「まあ、仮に違うとしても、勝てる見込みが確実でないなら、雛が仲間になる理由はないよね。それとも雛が仲間になれば、他のプレイヤーが仲間になりやすいから、とかそんな不確定要素でつるつもり?」
「そういうわけじゃない。ただ、雛。友人としてお願い。どうしてもだめ?」
「ダメ。ダメ。ダメ。さあ、帰って。雛以外にお願いすればいい。早く帰って」
「分かった」
「良いの?」

 あまりにもあっさりと諦める陽に樹が聞く。

「雛はこうなったら頑固だから」

 陽は転移アイテムを用意始める。
 それを見て、茜、樹の順に同様に転移アイテムを持ち出す。

「さようなら」

 そして遠くへと転移する。
 あらかじめ決めていた場所へ。





「もう、他のプレイヤーは難しいと思う。むしろトッププレイヤーに近いプレイヤーにお願いした方が可能性がある気がする」

 雛の拠点から離れて、第六の大陸にある街へやってきた樹たち。茜の言葉にそうだねと樹は頷く。

「四宮とか、どう?」
「確かに四宮さんは仲間になってくれそう」
「それ良い」

 すると陽は茜の提案に声をあげた。

「茜と、茜に近い実力のプレイヤー。二人いれば隼と十分戦える可能性がある」
「茜達が隼の相手をしてくれたら、僕と龍と陽さんの三人で優さんと戦えるのか」

 三人で十分勝てる可能性はある。
 できることなら、そこにさらに一人欲しいところだが。

「雛さんはこれでも勝てる見込みないとか言ってきそうだな」
「なら菫。それと鈴に」
「あの二人は雛さん以上に難しいからなぁ」

 樹はそう言って、どうやって説得するかを考える。
 菫と鈴。
 二人を説得することは現状雛以上に難しい。菫の性格と、樹が鈴に嫌われているためである。可能性があるとすれば鈴の方だが。

「何か良い案があれば」

 三人は立って、考え込む。
 時間は有限である。
 優が何時襲ってくるかは分からないのだから、すぐにでも行動するべきだが、それで空回りして失敗すれば元も子もない。
 そんな考える時間。
 油断している時間に一人の男が近づいていた。

「何を話し合っているんだ?」

 それは数度だけ聞いた声。
 樹と陽はその男に気づいた瞬間、臨戦態勢に入る。すると男は両手を挙げて無害を主張する。茜はその男と出会うのは初めてである。
 樹たちにとって、深く知るプレイヤー。何一つ交流のない、化け物の一人。

「おっと争うつもりはないよ。それで何を話しているんだ?」
「…………護」
「そう護。九条護」

 九条護がそこにいた。

「どうして。あなたがここに」
「いや、別に。たまたまさ。たまたま。それと本当に争うつもりはないからさ。武器を収めてくれないか。こちとら失ったペットの補充をしてるだけの安心安全をモットーに生きてるプレイヤーだよ」
「安心安全をモットーにしている癖に、優さんとずっと戦い続ける戦闘狂でもあるよね」
「まあ、そこはほら。プレイヤーはゲーム攻略を目指すものだから。その大きな壁である優に勝負を挑むのは男として当然だろう」

 確かに、護が優以外のプレイヤーを襲ったという話は聞かない。
 仮に襲ってくるようなプレイヤーだとしても、樹と陽。そして茜の三人でも勝てる可能性はあるし、そこにさらに龍を呼べば十分勝機がある。
 大丈夫だろう。
 そう判断して、樹と陽は武器を収める。

「それで、何を話していたんだ?」
「優さんと戦う準備をしている」
「戦う準備? ということはつまり、ルールを破ったのか? なるほど、だから樹と陽が一緒にいるのか。納得。それで、仲間はこの三人だけか?」
「あともう一人いる」
「だいたい予想はつくな。龍か」
「そうだけども」
「…………よし!」

 数度の会話である程度状況が飲み込めたのか、護はそう言って。
 こんな提案をした。

「それに俺も入れてくれないか」
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