クラス転移した俺のスキルが【マスター◯―ション】だった件 (新版)

スイーツ阿修羅

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第二膜 異世界ダンジョンハーレム編

三十二射目「のみこまれる、白い影」

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「で?直穂なおほちゃん、いつ告白するの?」
「え?」
行宗ゆきむねくんと両想いなんでしょ?早く告っちゃいなよ」

 和奈かずなが、私の背中を流しながら、不思議そうな様子で訪ねてきた。
 行宗ゆきむね君に告白する…考えていない訳ではないのだ。
 私は彼をフッてしまった。
 すぐに謝って、告白すべきなのは分かってる。
 でも、今は無理なのだ…
 恥ずかしすぎて…告白なんて出来ないのだ。
 それに、今は生きるか死ぬかの瀬戸際なのだし。


「でも…こんな時に告白なんて、場違いじゃない?」
「じゃあ、いつ告白するのよ?私達はいつ死ぬかも分からないのよ?」
「そうだね」

 和奈かずなにド正論を返されて、私は口をつぐんだ。


「それに直穂なおほちゃん。行宗ゆきむねくんの頬っぺたをぶん殴ったのに、まだ謝ってないよね?、行宗ゆきむね君に嫌われてもおかしくないよ。」
「あ……」

 そう言えば行宗ゆきむね君に、殴ったことを謝るのを忘れていた。
 行宗ゆきむね君が、私に近づいてきて、「美味しそうな匂いがする」と言ったから、
 私は、汗の匂いを嗅がれたのかと思って、顔を叩いてしまったのだ。
 でもそれは、私の勘違いで、小籠包の匂いの話だったのだけど。
 話が移ってしまい、謝るタイミングを逃していた……
 あぁ…やってしまった……謝らなきゃ……
 
「ごめんなさい……」
「私に謝ってどうする。行宗ゆきむね君に謝らないと。
 それに朝からずっと、行宗ゆきむね君に話しかけてないじゃん。
 そういう小さなマイナスは、積もれば大きなマイナスになるんだよ。
 男が女に冷めるのは一瞬だからね。
 直穂なおほちゃんは行宗ゆきむね君に告白されて、一度、フったんでしょ?
 だったら、今度はこっちから告白するのが礼儀だよ。」

 和奈かずなは真剣な声で厳しい事をいう。
 いや、事実なのだ。 
 私がダメな女なのだ。
 自分の恋心に精一杯で、行宗ゆきむね君の気持ちを考えていなかった。
 私のことが好きで、私に振られた行宗ゆきむね君が、今どんな気持ちなのかということを、考えていなかった。

「ごめん、私が悪かった…。勇気だす、告白するよ。」
「まあ心配しなくても、行宗ゆきむねくんは優しいからきっと付き合えるよ。
 私のおススメの告白はね、今すぐ告白しにいくことだよ、
 素っ裸で大好きって言って抱きつけば、行宗ゆきむねくんも断れないだろうし。」
「変態じゃない!!」

 和奈かずなは楽しそうな顔で、とんでもない提案をする。
 裸で告白するなんて、痴女じゃない!、エロ漫画でしか見たことないよ。

「お…お風呂上がった後に、告白します、絶対…」
「うん!頑張れ!、そうすれば行宗ゆきむねくんも、これからオ○ズに困らなくてウィンウィンだし!」
「えぇ…、それはなんか……恥ずかしいよ……」

 
 和奈かずなは、また私をからかってくる。
 でも不思議と悪い気はしない。 
 応援されている事が分かるからだ。
 よし!私も勇気を出そう。
 人生初の告白だけど、頑張って好きだと伝えるのだ。

「背中、綺麗になったよ。今夜、どんな展開になっても大丈夫だね。あ、避妊具コン〇ームはないから、中はダメだよ。」
「は、話が早いよっ!!
 ………ありがと和奈かずな…もう少しゆっくりしよ。」

 私達は、ゆったりと湯に浸かった。
 あまりの心地よさに、私は頭を空っぽにして、グッタリと身体と癒し……
 いや、リラックスなんてできる訳がない…

 私は、行宗ゆきむねくんへの告白の言葉で、頭が一杯であった。
 好きです、カッコいいです、優しいです……
 ずっと一緒にいたいです、付き合って下さい、愛しています……
 考えれば考えるほど、頭の中が熱くなり、ボーっとしてくる。

 この風呂から上がったら、私は行宗ゆきむね君に告白しないといけない。
 心臓のドキドキが止まらない。
 緊張しすぎて身体が震える。
 もう少し、もう少しだけ、この湯の中にいたい。
 もう少し、心の準備をしたいのだ……



 ヌルッ……

(!?)

 何??今、足元がヌルっとして……

「きゃぁぁぁあっ!!」

 隣から、和奈かずなの悲鳴が聞こえた。
 そして私の足に、白いヌメヌメとしたものが巻き付いてくる。
 え?なに??気持ち悪いっ!?

「いやぁあああ!!」

 私は絶叫した。
 私の太ももに巻き付いたのは、直径30センチほどの白い触手であった。
 私は、両手で掴んで必死に引き剥がそうとする。
 しかし白い触手はビクともしない。
 白い触手は、私の下半身から上半身へとヌルヌルと登ってくる。
 さらに地面から、一本、二本、三本と、同じような白い触手が無数に生えてくる。

(マズイ、マズイ、マジでマズイ!)

 もう手遅れだった。
 沢山の、太くて大きな触手は、私の身体中に巻き付いて離れない。
 柔らかい触手が私の身体中を這いまわり、視界が真っ暗に覆われる。

「んーーやめっ!……うぐぅぅぅ…!」

 遠くから、籠ったような、和奈かずなの悲鳴が聞こえる。

(助けて、助けて……!)

「助けてっ!!行宗ゆきむねくん!!」

 私は声を張って叫んだ。
 でも、声は触手の壁にかき消されて、遠くに届いている気がしない。
 四方八方を触手に囲まれて、息をするのも叶わない。

(このまま、ゲームオーバーなのだろうか……)

 やだ……いやだ……
 私はまだ生きたい…友達と一緒に遊びたい。
 行宗ゆきむね君と恋人になりたい。デートやキスやその先もしたい。
 せめてお母さんとお父さんに、もう一度会いたい。
 学校の先生になりたかった。

 沈んでいく、沈んでいく
 白い触手の中へ、沈んでいく。
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