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第五膜 零れた朝露、蜜の残り香編
百三十九射目「再臨」
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―フィリア視点―
剣は、交わらなかった。
ぶつかることなく、上から、下から、
互いの肉を斬り合った。
一瞬の決着……
「せ……せいや……」
ギルアと誠也は、ふたりともバタリと地面に倒れ込んだ。
「勝った……のか??」
森の中が、突然に静かになる。
メラメラと燃える木々に囲まれながら、ただ、
オレの乱れた呼吸音がうるさかった。
終わった、のか?
「………はぁ……はぁっ………! っはぁ……」
涙で視界がぐちゃぐちゃになって、なんにも見えないよ……
誠也は? まだ生きているだろうか?
……会いに行かなきゃ。
死にゆく誠也に……
最後の言葉を聞きに行くんだ……
「……っつ……うあぁあ……」
……諦めるな。
諦めるなよオレ。
まだ助けられるかもしれないだろうが。
もし、誠也がまだ生きているなら、
出血を止めて、あの猛毒の治療薬を回復して……
まだだ……
まだっ……
「あ……!」
倒れた場所から、誰か一人、フラフラと立ち上がった。
「……せ、せいや……??」
オレもふらふらと身体を起こす。
まだ生きているなら、オレが……
「……ぐぎぃぃ、紙一重だったなァ……
いやまさか、相討ち覚悟で踏み込んでくるとは思わなかったなァ……
携帯用の回復魔法陣に助けれたぜぇ……ふぅぅ……」
あぁ、そんなっ……!!
立ち上がったのは、誠也ではなくギルアだった。
「………っ!」
……じゃあ誠也は??
負けた、のか?
「……はぁぁ……
まさかここまで追い詰めれれるとはなぁ……作戦が甘かったか。
さすがですねぇ誠也さん。
俺はあんたのこと、すげぇヤツだったって認めますよ。
死ぬまで覚えておきますからねぇ……
って、もう聞いちゃいねぇか……はははッ」
ギルアは一歩一歩、オレの方へと歩み寄ってくる。
「……えぇと……1、2、3……
あと3人殺して終わりか。
いやぁ、まさか俺が、マルハブシの猛毒を飲むハメになるとはなぁ……
ほんと、信じられねえよ……
しかし、なんとか目的は達成できそうだ……」
……目的、だと??
オレは耳を疑った。
そして激怒した。
「……目的、だと? ふざけるなよっ!!」
オレは、力の限り叫んだ。
「こんな惨殺に目的があってたまるかっ!
真っ当な理由があってたまるかっ!
誠也を返せぇぇッ!!
死ねっ! くそ野郎がっ! 外道のクズがっ!!」
オレは拳を握りしめ、泣き叫んだ。
オレは、無力だ。
戦う力がない。
男に守られるだけの弱い存在。
医者のくせに、誠也の傷を満足に塞げなかった。
誠也の治療を優先して、ニーナやヨウコを見殺しにした……
そして、挙げ句の果てには、誠也さえも失った。
はは……はは……
ほんとに救いようもねぇ……
「……なんで、こんな事にっ……」
……もう、泣く元気もないよ。
もう疲れた……
キィィィィン……
??
なんだろう?
後ろの方から、不思議な音が鳴っている。
神聖な、神々しい、美しい音。
オレの後ろから、真っ白な眩しい光が射しこんでくる。
「……は? 嘘だろ??
この短時間でっ……!!?」
ギルアが目を見開き、冷や汗をかいて狼狽する。
「……再臨の”天使”ってか? ったく、勘弁してくれよ……」
そうか。
オレの後ろにいるのは、”天使”だ。
天使となった、新崎直穂だ……
もう一度、オ◯ニーをして、天使になったのか……
ザク、ザク……
まるで、彼女以外の時間が止まったかのように。
直穂は静かな足音で、オレの方へと近づいてくる。
「許さない」
一言。
新崎直穂は、怒りを込めた言葉を吐き捨てると。
地面を蹴り上げ、空へ飛び上がった。
”天使”直穂は、白い閃光を手のひらに溜めて、天から地へと放射する。
「死ね」
ギィィィィィィン!!!
容赦のない閃光の一撃が、眼の前で爆ぜた。
凄まじい爆風で、オレの身体は後ろへ吹っ飛ばされた。
昼間以上の眩しさで、視界全部が真っ白にトんだ。
直穂……
「逃がさない」
直穂は、そんな言葉だけを残して、
次の瞬間には、オレの視界から消えていた。
剣は、交わらなかった。
ぶつかることなく、上から、下から、
互いの肉を斬り合った。
一瞬の決着……
「せ……せいや……」
ギルアと誠也は、ふたりともバタリと地面に倒れ込んだ。
「勝った……のか??」
森の中が、突然に静かになる。
メラメラと燃える木々に囲まれながら、ただ、
オレの乱れた呼吸音がうるさかった。
終わった、のか?
「………はぁ……はぁっ………! っはぁ……」
涙で視界がぐちゃぐちゃになって、なんにも見えないよ……
誠也は? まだ生きているだろうか?
……会いに行かなきゃ。
死にゆく誠也に……
最後の言葉を聞きに行くんだ……
「……っつ……うあぁあ……」
……諦めるな。
諦めるなよオレ。
まだ助けられるかもしれないだろうが。
もし、誠也がまだ生きているなら、
出血を止めて、あの猛毒の治療薬を回復して……
まだだ……
まだっ……
「あ……!」
倒れた場所から、誰か一人、フラフラと立ち上がった。
「……せ、せいや……??」
オレもふらふらと身体を起こす。
まだ生きているなら、オレが……
「……ぐぎぃぃ、紙一重だったなァ……
いやまさか、相討ち覚悟で踏み込んでくるとは思わなかったなァ……
携帯用の回復魔法陣に助けれたぜぇ……ふぅぅ……」
あぁ、そんなっ……!!
立ち上がったのは、誠也ではなくギルアだった。
「………っ!」
……じゃあ誠也は??
負けた、のか?
「……はぁぁ……
まさかここまで追い詰めれれるとはなぁ……作戦が甘かったか。
さすがですねぇ誠也さん。
俺はあんたのこと、すげぇヤツだったって認めますよ。
死ぬまで覚えておきますからねぇ……
って、もう聞いちゃいねぇか……はははッ」
ギルアは一歩一歩、オレの方へと歩み寄ってくる。
「……えぇと……1、2、3……
あと3人殺して終わりか。
いやぁ、まさか俺が、マルハブシの猛毒を飲むハメになるとはなぁ……
ほんと、信じられねえよ……
しかし、なんとか目的は達成できそうだ……」
……目的、だと??
オレは耳を疑った。
そして激怒した。
「……目的、だと? ふざけるなよっ!!」
オレは、力の限り叫んだ。
「こんな惨殺に目的があってたまるかっ!
真っ当な理由があってたまるかっ!
誠也を返せぇぇッ!!
死ねっ! くそ野郎がっ! 外道のクズがっ!!」
オレは拳を握りしめ、泣き叫んだ。
オレは、無力だ。
戦う力がない。
男に守られるだけの弱い存在。
医者のくせに、誠也の傷を満足に塞げなかった。
誠也の治療を優先して、ニーナやヨウコを見殺しにした……
そして、挙げ句の果てには、誠也さえも失った。
はは……はは……
ほんとに救いようもねぇ……
「……なんで、こんな事にっ……」
……もう、泣く元気もないよ。
もう疲れた……
キィィィィン……
??
なんだろう?
後ろの方から、不思議な音が鳴っている。
神聖な、神々しい、美しい音。
オレの後ろから、真っ白な眩しい光が射しこんでくる。
「……は? 嘘だろ??
この短時間でっ……!!?」
ギルアが目を見開き、冷や汗をかいて狼狽する。
「……再臨の”天使”ってか? ったく、勘弁してくれよ……」
そうか。
オレの後ろにいるのは、”天使”だ。
天使となった、新崎直穂だ……
もう一度、オ◯ニーをして、天使になったのか……
ザク、ザク……
まるで、彼女以外の時間が止まったかのように。
直穂は静かな足音で、オレの方へと近づいてくる。
「許さない」
一言。
新崎直穂は、怒りを込めた言葉を吐き捨てると。
地面を蹴り上げ、空へ飛び上がった。
”天使”直穂は、白い閃光を手のひらに溜めて、天から地へと放射する。
「死ね」
ギィィィィィィン!!!
容赦のない閃光の一撃が、眼の前で爆ぜた。
凄まじい爆風で、オレの身体は後ろへ吹っ飛ばされた。
昼間以上の眩しさで、視界全部が真っ白にトんだ。
直穂……
「逃がさない」
直穂は、そんな言葉だけを残して、
次の瞬間には、オレの視界から消えていた。
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