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12 ゴーシュとどピンク子ゾウ(ダ●ボじゃないよ)後編
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『また来たのね~ん』
「おう!来たぞ!ほらお土産」
『食べなくても平気なのね~ん』
「でも食えるだろう!ほら、半分こ」
ちょくちょくゴーシュが島に来るようになって暫く経つ、訪れる度に何かしら土産を手にピンクの子ゾウと並んで食べたり話しをしたりして過ごした。
「お前、皇国来ない?俺、そのうち皇帝になるかもしれないし。そしたら此処に来れなくなるだろうし」
『行かないのね~ん』
「ちぇ、皇国だったらみーんな俺の言う事聞くのに」
『それはお前だから聞くのではなく、次の皇帝かもしれないからいうこと聞くのね~ん』
「お前じゃなくゴーシュって呼べって、ま本当に皇帝になるか分からないしな」
ゴーシュが持って来たリンゴモドキを半分に割ってピンクの子ゾウに渡せば長い鼻で貰い口に入れる、味は分かるが空腹は無いので適当に咀嚼して飲み込むそれだけだ。
『食べたなら早く帰るのね』
「来たばっかりだろ」
大体いつも会えばこんな風に他愛もない会話をし、だらだらと過ごすそんな時間は長寿のドラゴンと魔王にとっても長いと思える月日だった。
『最近あいつ来ないのね…ま…いいのね…皇国に眼を合わせれば視れるけれど別にいいのね~ん』
ピンクの子ゾウは大きな木の下で座り目を閉じて、寝たふりをしながら最近来ないゴーシュを思い浮かべる、大きな耳をパタパタさせていれば頭上に影が広がり、大きな銀色のドラゴンが降り立ち人型に転じると背が伸び青年の姿になったゴーシュが笑って立っていた。
「よ!久しぶり」
『静かでよかったのね~んうるさいのが来たのね~』
「俺に会いたかっただろう?どう?俺、成体になったぞ」
『ふうん』
「なんだよそんだけかよ…ほら土産」
『別にいらないのね』
「俺がお前と食いたかったから、ほら食おうぜ」
『……』
「来る回数これから減るかも」
『かまわないのね~来なくてもいいのね~』
「ほんとうつれないよなー…なあ、皇国来ないか?」
『行かないのね~』
「だよな…もっと一緒にいたいんだけど」
『私は別にいいのね~』
「ちぇっ」
リンゴモドキを半分に割ってゴーシュがピンクの子ゾウに渡す、長い鼻で貰い咀嚼した。
「俺皇帝にならなかったんだ」
『ふうん』
なれなかったではなくならなかったというゴーシュ、ピンクの子ゾウは興味無さそうにしている、暫くしてまた来ると言い、リンゴモドキを置いて帰って行った。
『また来なくなったのね~もう来ないのね~』
ゴーシュが来なくなりピンクの子ゾウは鼻先でリンゴモドキを転がしている、腐らないように魔力を注ぎつまらなさそうにしている、つまらない?と尋ねれば『つまらなくないのね~』と返ってきそうな感じだが退屈はしていると伝わってくる様子だった。
少し遠くでゴーシュの気配を感じ慌てて収納にリンゴモドキを仕舞い、いつものように木の下で寛ぐ仕草を取りゴーシュを待った。
「ひさしぶり…会いたかった…」
『べつにな…』
ドラゴンの姿から人型になり薄く笑うゴーシュにいつものように軽口を返そうとすると、左眼が異様に変化していた。
『共生眼…』
「そういう事そういう事…いやあ驚いた!」
『ふうん…』
「ほら、食おうぜ。今日は色々持って来たから」
ピンクの子ゾウが呆然と呟く、ゴーシュは薄く笑って隣に並んだ。
ピンクの子ゾウはゴーシュの左眼をそっと伺う、ローズピンクに染まり薔薇が咲いては散ってを等間隔で繰り返す異様な瞳にピンクの子ゾウは1つの決断を下した。
『ゴーシュ』
「お、初めて俺の名を呼んだな!お前も名前教えろよー」
『私に名前なんかないのね~ゴーシュ、私はここをでるのね~』
「なっ、どこ行くんだ!」
『教えないのね~』
「なんだよそれ、友達だと思っていたのに…」
『……お別れ』
「俺は……ならこの眼でお前を視ても良いか?」
『いいのねえ~』
「………魔王か…」
『数無しなのよね~』
「……俺は…魔王でもいいけど」
『……もう此処には戻らないのね~お別れなのね~』
「なんだよ、俺と来ればいいじゃないか」
『行かないのね~』
「もう会えないのか?嫌だぞ俺は!」
『それは分からないのね~』
「だったらまた逢えると信じているから…名前…」
『ないのね~ん』
「コォン…お前はコォンだ」
『……ゴーシュしか呼ばないのね』
「いいんだよそれで…次逢えたら…そん時は…俺の頼み聞いてくれよ」
『聞ける願いなら聞くのね~』
「はあ」
『私は行くのね~』
「はあ、また必ず絶対会おうな」
ピンクの子ゾウが空間に穴を開けゴーシュに見送られ消えていく、ゴーシュも肩を落としながらドラゴンの姿に戻り皇国へと帰って行く、それから長い長い年月を経て再会する事となる。
「もう、お前は本当に酷いヤツだよ!酷いヤツ!」
カジノタワーのラウンジのカウンターで並んで酒を呑むゴーシュとピンクの子ゾウ、ゴーシュは酒を呑み酔うと絡んでくる、ピンクの子ゾウは嫌そうに太いストローでカウン酒のソーダ割りを飲んでいる、唯一この酒だけは酔う事が出来る。
『うるさいのね~』
「うるさくない!俺がどれほどお前に逢いたかったか!」
『私はお前を視ていたから特に…』
「それはずるいだろう!」
『別に視えるんだからずるくもないのね~』
ゴーシュがピンクの子ゾウを抱えて背中に顔を埋める、周囲はまたかと温かい眼で見てくれていた。
「逢いたかった…コォン…お前も俺に逢いたかったか…?」
『……』
「お前は本当につれないつれない…」
『もう帰るのね』
ピンクの子ゾウ…コォンがコインを支払い転移でゴーシュの家に戻る、コォンがいるので間も無くこの家も新しくなる…住む家などどうでもいいがゴーシュが楽しみにしているので好きにさせている。
『おやすみなのね~ゴーシュ』
ゴーシュをベッドに乗せて掛け布を掛けて、コォンは転移であの島に行く。
酒を呑んで気持ち良くなった日は、ゴーシュの寝顔を見たり島に帰ったりするのが習慣になっていた。
大きな木の下で座り目を閉じて寝たふりをする、ゴーシュが目を覚ました時にコォンがいないと慌てるので暫くしたら帰る、静まり返ったこの静寂が恋しい時もある。
また明日になればゴーシュや魔人達と皇国で何をするだろう、最近目まぐるしい日々が続き変化が激しいが悪くはない。
『また明日なのね~』
そう言って目を閉じる、寝た振りをして今日もコォンは様々な場所の光景を見て過ごした…。
「おう!来たぞ!ほらお土産」
『食べなくても平気なのね~ん』
「でも食えるだろう!ほら、半分こ」
ちょくちょくゴーシュが島に来るようになって暫く経つ、訪れる度に何かしら土産を手にピンクの子ゾウと並んで食べたり話しをしたりして過ごした。
「お前、皇国来ない?俺、そのうち皇帝になるかもしれないし。そしたら此処に来れなくなるだろうし」
『行かないのね~ん』
「ちぇ、皇国だったらみーんな俺の言う事聞くのに」
『それはお前だから聞くのではなく、次の皇帝かもしれないからいうこと聞くのね~ん』
「お前じゃなくゴーシュって呼べって、ま本当に皇帝になるか分からないしな」
ゴーシュが持って来たリンゴモドキを半分に割ってピンクの子ゾウに渡せば長い鼻で貰い口に入れる、味は分かるが空腹は無いので適当に咀嚼して飲み込むそれだけだ。
『食べたなら早く帰るのね』
「来たばっかりだろ」
大体いつも会えばこんな風に他愛もない会話をし、だらだらと過ごすそんな時間は長寿のドラゴンと魔王にとっても長いと思える月日だった。
『最近あいつ来ないのね…ま…いいのね…皇国に眼を合わせれば視れるけれど別にいいのね~ん』
ピンクの子ゾウは大きな木の下で座り目を閉じて、寝たふりをしながら最近来ないゴーシュを思い浮かべる、大きな耳をパタパタさせていれば頭上に影が広がり、大きな銀色のドラゴンが降り立ち人型に転じると背が伸び青年の姿になったゴーシュが笑って立っていた。
「よ!久しぶり」
『静かでよかったのね~んうるさいのが来たのね~』
「俺に会いたかっただろう?どう?俺、成体になったぞ」
『ふうん』
「なんだよそんだけかよ…ほら土産」
『別にいらないのね』
「俺がお前と食いたかったから、ほら食おうぜ」
『……』
「来る回数これから減るかも」
『かまわないのね~来なくてもいいのね~』
「ほんとうつれないよなー…なあ、皇国来ないか?」
『行かないのね~』
「だよな…もっと一緒にいたいんだけど」
『私は別にいいのね~』
「ちぇっ」
リンゴモドキを半分に割ってゴーシュがピンクの子ゾウに渡す、長い鼻で貰い咀嚼した。
「俺皇帝にならなかったんだ」
『ふうん』
なれなかったではなくならなかったというゴーシュ、ピンクの子ゾウは興味無さそうにしている、暫くしてまた来ると言い、リンゴモドキを置いて帰って行った。
『また来なくなったのね~もう来ないのね~』
ゴーシュが来なくなりピンクの子ゾウは鼻先でリンゴモドキを転がしている、腐らないように魔力を注ぎつまらなさそうにしている、つまらない?と尋ねれば『つまらなくないのね~』と返ってきそうな感じだが退屈はしていると伝わってくる様子だった。
少し遠くでゴーシュの気配を感じ慌てて収納にリンゴモドキを仕舞い、いつものように木の下で寛ぐ仕草を取りゴーシュを待った。
「ひさしぶり…会いたかった…」
『べつにな…』
ドラゴンの姿から人型になり薄く笑うゴーシュにいつものように軽口を返そうとすると、左眼が異様に変化していた。
『共生眼…』
「そういう事そういう事…いやあ驚いた!」
『ふうん…』
「ほら、食おうぜ。今日は色々持って来たから」
ピンクの子ゾウが呆然と呟く、ゴーシュは薄く笑って隣に並んだ。
ピンクの子ゾウはゴーシュの左眼をそっと伺う、ローズピンクに染まり薔薇が咲いては散ってを等間隔で繰り返す異様な瞳にピンクの子ゾウは1つの決断を下した。
『ゴーシュ』
「お、初めて俺の名を呼んだな!お前も名前教えろよー」
『私に名前なんかないのね~ゴーシュ、私はここをでるのね~』
「なっ、どこ行くんだ!」
『教えないのね~』
「なんだよそれ、友達だと思っていたのに…」
『……お別れ』
「俺は……ならこの眼でお前を視ても良いか?」
『いいのねえ~』
「………魔王か…」
『数無しなのよね~』
「……俺は…魔王でもいいけど」
『……もう此処には戻らないのね~お別れなのね~』
「なんだよ、俺と来ればいいじゃないか」
『行かないのね~』
「もう会えないのか?嫌だぞ俺は!」
『それは分からないのね~』
「だったらまた逢えると信じているから…名前…」
『ないのね~ん』
「コォン…お前はコォンだ」
『……ゴーシュしか呼ばないのね』
「いいんだよそれで…次逢えたら…そん時は…俺の頼み聞いてくれよ」
『聞ける願いなら聞くのね~』
「はあ」
『私は行くのね~』
「はあ、また必ず絶対会おうな」
ピンクの子ゾウが空間に穴を開けゴーシュに見送られ消えていく、ゴーシュも肩を落としながらドラゴンの姿に戻り皇国へと帰って行く、それから長い長い年月を経て再会する事となる。
「もう、お前は本当に酷いヤツだよ!酷いヤツ!」
カジノタワーのラウンジのカウンターで並んで酒を呑むゴーシュとピンクの子ゾウ、ゴーシュは酒を呑み酔うと絡んでくる、ピンクの子ゾウは嫌そうに太いストローでカウン酒のソーダ割りを飲んでいる、唯一この酒だけは酔う事が出来る。
『うるさいのね~』
「うるさくない!俺がどれほどお前に逢いたかったか!」
『私はお前を視ていたから特に…』
「それはずるいだろう!」
『別に視えるんだからずるくもないのね~』
ゴーシュがピンクの子ゾウを抱えて背中に顔を埋める、周囲はまたかと温かい眼で見てくれていた。
「逢いたかった…コォン…お前も俺に逢いたかったか…?」
『……』
「お前は本当につれないつれない…」
『もう帰るのね』
ピンクの子ゾウ…コォンがコインを支払い転移でゴーシュの家に戻る、コォンがいるので間も無くこの家も新しくなる…住む家などどうでもいいがゴーシュが楽しみにしているので好きにさせている。
『おやすみなのね~ゴーシュ』
ゴーシュをベッドに乗せて掛け布を掛けて、コォンは転移であの島に行く。
酒を呑んで気持ち良くなった日は、ゴーシュの寝顔を見たり島に帰ったりするのが習慣になっていた。
大きな木の下で座り目を閉じて寝たふりをする、ゴーシュが目を覚ました時にコォンがいないと慌てるので暫くしたら帰る、静まり返ったこの静寂が恋しい時もある。
また明日になればゴーシュや魔人達と皇国で何をするだろう、最近目まぐるしい日々が続き変化が激しいが悪くはない。
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