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第018部 友よ、また…/はじめまして、こんにちは、さようなら
約束破壊1-34(蒐集家事変case1-34エピローグ)
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《アタラクシア》…とある大陸…街の片隅、森の入り口に在る古い歴史ある教会、古い教会の中は広く高く中央の通路の両脇に木のベンチが置かれ正面の壁には祈りを捧げる女性の像、その下で黒い服に身を包む男は人目を惹きつけ過ぎる美しい笑みを浮かべながら跪いて祈りを捧げる。
「おや、破られた約束は2人が赤子に回帰(・・)した事で破られた事が無かった事になりましたか…ナイトメアドラゴンも自我が表に出たようなので良かったのでしょう…」
女性像のヒビが入った小指が逆再生のようにヒビが小さくなり消えたのを見届け、司祭のルシルカは立ち上がった。
「先生!」
「せんせー」
勢いよく教会の扉が開かれ外から元気な少年達が入ってくる、土まみれだが爛漫な笑顔だった。
「ふふ、沢山薬草が採れましたね」
「コイツが探すの上手いから!」
「これだけあったら…剣買えるかな…」
「ばっか!剣てすごーく高いんだぞ!」
「ええ、そうですね」
「……」
少年達の身体に合わせた背負子を下ろし中に自分達で採った薬草をルシルカに見せる、小さい少年は剣が買えると不安そうだが大きな少年は無理だ無理だと言い、ルシルカは自愛を込め淡く微笑む。
小さな少年は黙って俯く目には涙が溜まり今にでも溢れてしまいそうだ、ルシルカは頭を優しく撫でてやる。
「ひっく…冒険者になって…ひっく…お母さんたちを…らくに…ひっくしたあげたい…」
「ええ、そうですね。でもね、身を守る剣や防具にお金をかける事はとても大事な事です。貴方に何かあったらご家族がとても悲しみます」
「はい…」
「さ、顔を井戸の水で洗って薬草を売りに行きましょうか」
『はい!』
小さい少年は頷きルシルカが目元を拭ってやり、大きい少年が手を引いて外の井戸に連れていく、ルシルカは親指の腹に付いた涙を舐め取り笑った…。
「人の悲しみは無垢であればあるほと美味ですね…イトーズさん、セフトさん…約束は続いていますよ?貴方達をずって見ていました。貴方達の感情は美味でした、きっとあの子達の感情も美味なのでしょう」
ルシルカは井戸で水を汲み水遊びに発展した少年達の姿を眺め、赤黒い舌を出し舌なめずりをした…。
「ふええん」
「うー」
「よしよし、元気だなーイトーズとセフトは」
「ほら、ミルク出来たぞー」
『ぐるうるぅ』
「私が飲ませる…ドミニオンズはこっち」
「では、エスティアさんはセフトさんにイトーズさんは私が」
「うむ、唐揚げ出来たぞ」
「スープとご飯も出来ました」
「さ、夕食の準備が出来ました、食べますよ」
『はーい』
《ウワムス国》の図書館のいつもの裏庭、エスティアが連れ帰った赤ん坊と大きな生物ドミニオンズ達に特に何も言わずあっさり受け入れた面々、魔人の子どもたちも興味津々にドミニオンズに群がり好きにさせていた。
唐揚げが好きと言うので歓迎会がてらオジガトが唐揚げを城の料理人達と一緒に大量に揚げ《クナアンジ二ツ国》のテオハリドも夕食の支度を手伝っている、《ウワムス国》の権力者達の厨房兼食堂は基本此処である。
愚図るイトーズとセフトをアコミアとキッフがあやし、哺乳瓶にモギのミルクを用意したエスティアが飲ませると言いヒスンスがキッフからイトーズを抱っこしミルクを飲ませる、良い飲みっぷりにヒスンスは笑った。
「ほれ、ドミニオンズ食え。ミルクもな後、野菜も」
オジガトが更に山盛りの唐揚げとミルクと茹で野菜をてんこもりにして置いてくれ、ドミニオンズは『ぐるうるぅ』とむちゃむちゃ食べている。
「エスティア…」
「父さん、俺の子ども。イトーズとセフト…」
「うん…」
連絡を受けたグローリーがやって来てエスティアがイトーズとセフトと紹介しグローリーは頷く、沢山ミルクを飲んで満足そうにげっぷをした彼らは腕の中で静かだ。
「よろしくね…イトーズ…セフト…俺はエスティアのお父さん…」
「じゃ、グローリーはおじいちゃんかー」
「いきなり孫が出来たな!」
「グローリー殿孫は………良いものですぞ!」
グローリーが挨拶し、アコミアとキッフが笑うオジガトは少し考え笑った。
「夕食が冷めますよ、貴方も食べていってはどうです?」
「うん…おじいちゃんだよ」
グローリーは頷いて祖父だと挨拶を交わした、メンルェトは子ども達が椅子に座ってグローリーの事も待っているので、椅子に座って食事をしていくように促す、子ども達に囲まれグローリーは世話をしながら賑やかな夕食を楽しむ、食後のデザートにはフルーツをたっぷり使ったゼリーを持って来ているのでそれを皆で食べるのが楽しみだが…イトーズとセフトの小さな小さな小指に結ばれた糸が気になる、そして彼らを見守る男にも、グローリーの視線に気づき此方を振り返れば男は笑って口元に指を立てた。
彼らを心配しているのか、グローリーに会釈をした後すぐに溶けるように姿を消した、糸は短くただ動きに合わせてゆらゆら揺れていた。
「……」
『いただきまーす』
いつも広い空の下で彼らは食事を摂る、崇幸が造ってくれたベビーカーにイトーズとセフトを乗せ、彼らは星が瞬く空を眺めイトーズが小さい手を伸ばした…。
「あっ…」
「小さい手で星を掴もうとしているんですね、いつかは届きますよ、貴方の想いも願いも…」
ヒスンスが傍らのイトーズに微笑む、ヒスンスは彼らの数奇な運命とこれからの安寧を祈った…。
「おや、破られた約束は2人が赤子に回帰(・・)した事で破られた事が無かった事になりましたか…ナイトメアドラゴンも自我が表に出たようなので良かったのでしょう…」
女性像のヒビが入った小指が逆再生のようにヒビが小さくなり消えたのを見届け、司祭のルシルカは立ち上がった。
「先生!」
「せんせー」
勢いよく教会の扉が開かれ外から元気な少年達が入ってくる、土まみれだが爛漫な笑顔だった。
「ふふ、沢山薬草が採れましたね」
「コイツが探すの上手いから!」
「これだけあったら…剣買えるかな…」
「ばっか!剣てすごーく高いんだぞ!」
「ええ、そうですね」
「……」
少年達の身体に合わせた背負子を下ろし中に自分達で採った薬草をルシルカに見せる、小さい少年は剣が買えると不安そうだが大きな少年は無理だ無理だと言い、ルシルカは自愛を込め淡く微笑む。
小さな少年は黙って俯く目には涙が溜まり今にでも溢れてしまいそうだ、ルシルカは頭を優しく撫でてやる。
「ひっく…冒険者になって…ひっく…お母さんたちを…らくに…ひっくしたあげたい…」
「ええ、そうですね。でもね、身を守る剣や防具にお金をかける事はとても大事な事です。貴方に何かあったらご家族がとても悲しみます」
「はい…」
「さ、顔を井戸の水で洗って薬草を売りに行きましょうか」
『はい!』
小さい少年は頷きルシルカが目元を拭ってやり、大きい少年が手を引いて外の井戸に連れていく、ルシルカは親指の腹に付いた涙を舐め取り笑った…。
「人の悲しみは無垢であればあるほと美味ですね…イトーズさん、セフトさん…約束は続いていますよ?貴方達をずって見ていました。貴方達の感情は美味でした、きっとあの子達の感情も美味なのでしょう」
ルシルカは井戸で水を汲み水遊びに発展した少年達の姿を眺め、赤黒い舌を出し舌なめずりをした…。
「ふええん」
「うー」
「よしよし、元気だなーイトーズとセフトは」
「ほら、ミルク出来たぞー」
『ぐるうるぅ』
「私が飲ませる…ドミニオンズはこっち」
「では、エスティアさんはセフトさんにイトーズさんは私が」
「うむ、唐揚げ出来たぞ」
「スープとご飯も出来ました」
「さ、夕食の準備が出来ました、食べますよ」
『はーい』
《ウワムス国》の図書館のいつもの裏庭、エスティアが連れ帰った赤ん坊と大きな生物ドミニオンズ達に特に何も言わずあっさり受け入れた面々、魔人の子どもたちも興味津々にドミニオンズに群がり好きにさせていた。
唐揚げが好きと言うので歓迎会がてらオジガトが唐揚げを城の料理人達と一緒に大量に揚げ《クナアンジ二ツ国》のテオハリドも夕食の支度を手伝っている、《ウワムス国》の権力者達の厨房兼食堂は基本此処である。
愚図るイトーズとセフトをアコミアとキッフがあやし、哺乳瓶にモギのミルクを用意したエスティアが飲ませると言いヒスンスがキッフからイトーズを抱っこしミルクを飲ませる、良い飲みっぷりにヒスンスは笑った。
「ほれ、ドミニオンズ食え。ミルクもな後、野菜も」
オジガトが更に山盛りの唐揚げとミルクと茹で野菜をてんこもりにして置いてくれ、ドミニオンズは『ぐるうるぅ』とむちゃむちゃ食べている。
「エスティア…」
「父さん、俺の子ども。イトーズとセフト…」
「うん…」
連絡を受けたグローリーがやって来てエスティアがイトーズとセフトと紹介しグローリーは頷く、沢山ミルクを飲んで満足そうにげっぷをした彼らは腕の中で静かだ。
「よろしくね…イトーズ…セフト…俺はエスティアのお父さん…」
「じゃ、グローリーはおじいちゃんかー」
「いきなり孫が出来たな!」
「グローリー殿孫は………良いものですぞ!」
グローリーが挨拶し、アコミアとキッフが笑うオジガトは少し考え笑った。
「夕食が冷めますよ、貴方も食べていってはどうです?」
「うん…おじいちゃんだよ」
グローリーは頷いて祖父だと挨拶を交わした、メンルェトは子ども達が椅子に座ってグローリーの事も待っているので、椅子に座って食事をしていくように促す、子ども達に囲まれグローリーは世話をしながら賑やかな夕食を楽しむ、食後のデザートにはフルーツをたっぷり使ったゼリーを持って来ているのでそれを皆で食べるのが楽しみだが…イトーズとセフトの小さな小さな小指に結ばれた糸が気になる、そして彼らを見守る男にも、グローリーの視線に気づき此方を振り返れば男は笑って口元に指を立てた。
彼らを心配しているのか、グローリーに会釈をした後すぐに溶けるように姿を消した、糸は短くただ動きに合わせてゆらゆら揺れていた。
「……」
『いただきまーす』
いつも広い空の下で彼らは食事を摂る、崇幸が造ってくれたベビーカーにイトーズとセフトを乗せ、彼らは星が瞬く空を眺めイトーズが小さい手を伸ばした…。
「あっ…」
「小さい手で星を掴もうとしているんですね、いつかは届きますよ、貴方の想いも願いも…」
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