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第019部 父よ子よ、そして…/未来からの使者
プロローグ≠000×EXTRA MYROAD 六紙 蒼夜
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「六紙(ろくかみ)さーん、この書類目を通してください」
「ん、分かった」
「六紙さーん、得意先からトラブったから来て欲しいと…」
「あーあそこか、2時間後に行くよ」
「了解です」
「六紙さん、今送ったメール確認してください」
「今、見るよ」
小さな会社、古いビルの1フロアで上司、同僚、部下達が世話しなく動き自身もその波に呑まれている。
毎日日々こんな生活を送る、家族はいない、恋人や親しい人はこの歳で仕事ばかりなのでいない、趣味は最早仕事と言えるだろう。
「今、返した。書類にも目を通したよ、修正箇所書いといたからこれで出して。じゃ、出て来ます」
軋む椅子から立ち上がり掛けていたジャケットを羽織り得意先へ向かう、上司は電話対応しながら手を振ってくれたので今夜も残業だろうと思いながら外へ向かった。
「やっぱり六紙君は頼りになるよ」
「ありがとうございます、また呼んで下さい」
馴染みの得意先へ赴き問題を処理する、本来蒼夜は営業だが社内では便利屋的ポジションで気軽に得意先に呼んで貰いこまごまとしたトラブルを解消し、手堅く地道に信頼を勝ち取っていた。
「ああ、発注掛けておいたから頼むよ」
「はい、またすぐ来ます」
腹の出た中年男性がニコニコと蒼夜を労い蒼夜は頭を下げて得意先の会社を出る、まだ日は高いスマートフォンで連絡事項やこの後の予定を確認しつつ目についた立ち喰いそば屋に入った。
「ありがとうございました、またお願いします」
「ああ、もちろん。やっぱり六紙君に任せて正解だ。また頼むよ」
「はい、失礼します」
また得意先に呼ばれ馴染みの取引き相手に肩を叩かれ頭を下げる、てんぷらそばを食べている時に連絡が入り処理が終わった頃にはすっかり夜だ。
このまま…帰りたい所だが1度帰社しないとと思いながら腕時計を確認するともう九時近い、流石に疲れたといつもの踏切が鳴り立ち止まる。
ぼんやりと流れていく電車を眺め、いつまで続くのか…いっそ退職してしまおうか…ああ、疲れたと思っていれば急に足元に浮遊感を感じ下をみれば黒い丸い穴が空いていて驚く間も無く吸い込まれていく、電車が通り過ぎた頃には蒼夜は跡形もなくいなくなっていた…。
「うわー!…疲れすぎてリアルな夢?錯覚か幻覚でも見ているのかな……もう、本当に有給申請しよう…あー暖かい場所に旅行に…」
鞄を抱え宇宙のような空間を滑っていく、長い幻覚を見る程疲労しているんだ…もう自分はダメかもしれないと思いつつ白い光が見えぽんと弾き出されふかふかした地面に落ちた。
「ようこそ、日本からの召喚者の方…私はこの《アシュエット》の創造神です…」
「え?え」
「私の世界《アシュエット》を救けて欲しく召喚しました」
「え…なんで俺が?」
「因果や運命、魂の在り方…条件は様々です。救けてくれますか?」
優しい穏やかな声に顔を上げれば、少年と青年の中間のような白い衣装に金色の糸で細かな刺繍を施した衣装に身を包んだ人物とその後ろには巨大な地球儀のような球体がゆっくりと自転している。
「……帰れないんですよね?」
「はい、今は帰れません。役目を終えた時に貴方がこの世界に召喚された時間の日本に戻る事が出来ます…救けてくれたお礼に貴方が《アシュエット》で得た魔力や魔法や経験を幸運に換えて日本で生活を送れるようにします」
「それって…幸運て…良い事が起こるという事ですか?」
「そうですね、日本で矛盾が起こらないよう配慮した幸運が齎されます」
「…分かりました…俺は六紙 蒼夜といいます、その仕事お受けします」
「よろしくお願いします、蒼夜」
目の前の神という存在が《アシュエット》で役目、仕事を完了させれば日本に帰れる上に幸運にも恵まれる…良い事だ。
普通は戻れなかったりするだろう、詳しくはないがファンタジー作品では元の世界に戻れないのが当たり前だ。
元の世界、日本に帰してくれるならやってみようと引き受けた…。
「って引き受けて…まさかのもう300年目…まだまだ…先は長いって…」
「そりゃ、あんたが気軽に神の依頼を受けたりするからさ」
「そうなんだけどね…」
まさかの引き受けた仕事が数百年単位になるとは…蒼夜は肩を竦める、話し相手は馴染みの占い師の昔は美人だったであろう老婆だった。
「仕事は大変、部下も上司も同僚もいないブラック業務。あー相方が欲しいね」
「あんたの相方は白い髪に片目が潰れた人物さ、まだこの世界にいないね」
「え、見えたの?」
「視えた、あんたと知り合って初めてあんたを占えた…ま、死んじまったから視えたんだろうね」
「……」
「そんな顔しなくてもいいさ、あんたには似合わないから」
「そうだね」
「じゃ、私はいくよ、見送っとくれ」
「わかった」
「…蒼夜、ありがとね、会いに来てくれて」
「…うん、おやすみ」
「ああ…おやすみ、あんたはめんどうな星の下にいるが大丈夫さ、途中で挫けずにあんたが信じた道を進みな」
「ありがとう」
蒼夜は収納空間から天秤を取り出す、傾いている天秤を老婆の前に翳せば笑った老婆の姿が揺らぎ煙のように消えていく、蒼夜はそれを見送った。
「君みたいに皆自分が死んだ事を自覚してれば仕事は早いんだけどね…」
蒼夜は溜息を吐いて天秤をしまい歩き出す、誰かとこのやるせない気持ちを共有したい、誰かに理解して欲しかった…。
「ん、分かった」
「六紙さーん、得意先からトラブったから来て欲しいと…」
「あーあそこか、2時間後に行くよ」
「了解です」
「六紙さん、今送ったメール確認してください」
「今、見るよ」
小さな会社、古いビルの1フロアで上司、同僚、部下達が世話しなく動き自身もその波に呑まれている。
毎日日々こんな生活を送る、家族はいない、恋人や親しい人はこの歳で仕事ばかりなのでいない、趣味は最早仕事と言えるだろう。
「今、返した。書類にも目を通したよ、修正箇所書いといたからこれで出して。じゃ、出て来ます」
軋む椅子から立ち上がり掛けていたジャケットを羽織り得意先へ向かう、上司は電話対応しながら手を振ってくれたので今夜も残業だろうと思いながら外へ向かった。
「やっぱり六紙君は頼りになるよ」
「ありがとうございます、また呼んで下さい」
馴染みの得意先へ赴き問題を処理する、本来蒼夜は営業だが社内では便利屋的ポジションで気軽に得意先に呼んで貰いこまごまとしたトラブルを解消し、手堅く地道に信頼を勝ち取っていた。
「ああ、発注掛けておいたから頼むよ」
「はい、またすぐ来ます」
腹の出た中年男性がニコニコと蒼夜を労い蒼夜は頭を下げて得意先の会社を出る、まだ日は高いスマートフォンで連絡事項やこの後の予定を確認しつつ目についた立ち喰いそば屋に入った。
「ありがとうございました、またお願いします」
「ああ、もちろん。やっぱり六紙君に任せて正解だ。また頼むよ」
「はい、失礼します」
また得意先に呼ばれ馴染みの取引き相手に肩を叩かれ頭を下げる、てんぷらそばを食べている時に連絡が入り処理が終わった頃にはすっかり夜だ。
このまま…帰りたい所だが1度帰社しないとと思いながら腕時計を確認するともう九時近い、流石に疲れたといつもの踏切が鳴り立ち止まる。
ぼんやりと流れていく電車を眺め、いつまで続くのか…いっそ退職してしまおうか…ああ、疲れたと思っていれば急に足元に浮遊感を感じ下をみれば黒い丸い穴が空いていて驚く間も無く吸い込まれていく、電車が通り過ぎた頃には蒼夜は跡形もなくいなくなっていた…。
「うわー!…疲れすぎてリアルな夢?錯覚か幻覚でも見ているのかな……もう、本当に有給申請しよう…あー暖かい場所に旅行に…」
鞄を抱え宇宙のような空間を滑っていく、長い幻覚を見る程疲労しているんだ…もう自分はダメかもしれないと思いつつ白い光が見えぽんと弾き出されふかふかした地面に落ちた。
「ようこそ、日本からの召喚者の方…私はこの《アシュエット》の創造神です…」
「え?え」
「私の世界《アシュエット》を救けて欲しく召喚しました」
「え…なんで俺が?」
「因果や運命、魂の在り方…条件は様々です。救けてくれますか?」
優しい穏やかな声に顔を上げれば、少年と青年の中間のような白い衣装に金色の糸で細かな刺繍を施した衣装に身を包んだ人物とその後ろには巨大な地球儀のような球体がゆっくりと自転している。
「……帰れないんですよね?」
「はい、今は帰れません。役目を終えた時に貴方がこの世界に召喚された時間の日本に戻る事が出来ます…救けてくれたお礼に貴方が《アシュエット》で得た魔力や魔法や経験を幸運に換えて日本で生活を送れるようにします」
「それって…幸運て…良い事が起こるという事ですか?」
「そうですね、日本で矛盾が起こらないよう配慮した幸運が齎されます」
「…分かりました…俺は六紙 蒼夜といいます、その仕事お受けします」
「よろしくお願いします、蒼夜」
目の前の神という存在が《アシュエット》で役目、仕事を完了させれば日本に帰れる上に幸運にも恵まれる…良い事だ。
普通は戻れなかったりするだろう、詳しくはないがファンタジー作品では元の世界に戻れないのが当たり前だ。
元の世界、日本に帰してくれるならやってみようと引き受けた…。
「って引き受けて…まさかのもう300年目…まだまだ…先は長いって…」
「そりゃ、あんたが気軽に神の依頼を受けたりするからさ」
「そうなんだけどね…」
まさかの引き受けた仕事が数百年単位になるとは…蒼夜は肩を竦める、話し相手は馴染みの占い師の昔は美人だったであろう老婆だった。
「仕事は大変、部下も上司も同僚もいないブラック業務。あー相方が欲しいね」
「あんたの相方は白い髪に片目が潰れた人物さ、まだこの世界にいないね」
「え、見えたの?」
「視えた、あんたと知り合って初めてあんたを占えた…ま、死んじまったから視えたんだろうね」
「……」
「そんな顔しなくてもいいさ、あんたには似合わないから」
「そうだね」
「じゃ、私はいくよ、見送っとくれ」
「わかった」
「…蒼夜、ありがとね、会いに来てくれて」
「…うん、おやすみ」
「ああ…おやすみ、あんたはめんどうな星の下にいるが大丈夫さ、途中で挫けずにあんたが信じた道を進みな」
「ありがとう」
蒼夜は収納空間から天秤を取り出す、傾いている天秤を老婆の前に翳せば笑った老婆の姿が揺らぎ煙のように消えていく、蒼夜はそれを見送った。
「君みたいに皆自分が死んだ事を自覚してれば仕事は早いんだけどね…」
蒼夜は溜息を吐いて天秤をしまい歩き出す、誰かとこのやるせない気持ちを共有したい、誰かに理解して欲しかった…。
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