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第3部 歩く路は笑顔で 余裕を持って進んでいこう
4 異世界流夜の過ごし方5
しおりを挟む「きゅう達も帰ってきたしご飯にするよー、今日の飯は味噌汁と芋とトウモロコシとキノコの炒めたやつはパンに挟むと美味しいと思うーのと、サラダは今日大河さんが買って来てくれてたレモンみたいなやつと塩で味付けしたやつねーこれも味見したけど美味しかったよ」
「率くんの歓迎会も含め、魚好きだと言うことできゅう達が獲って来てくれた大きい魚を蒸し焼きとムニエル風にしている」
「ありがとうございます。魚も好きなので嬉しいです、きゅうやみんなありがとう」
「後は肉適当に焼いたもの…早く食いたい」
「デザートは果物を切った物、飲み物はお茶と果実を絞った物を用意した」
それぞれ準備した物を紹介、きゅう達も誇らしげに胸を張っている。
「それでは」
『いただきまーす』
わいわいと夕食が進む、率も場に馴染み沢山食べてお代わりもしていた。
「お肉や魚は新鮮で美味しいですね、野菜も見た事ないものばかりですが味は日本に在る物に近いですし…キノコも美味しいです」
「そう、俺も初めてこのキノコを食べた時すごく美味しくてびっくりした!」
詠斗と率がキノコを褒める、チグリスは肉を食べまくり、ナイルは上品にサラダや果物を食べ、千眼はバランスよく野菜や肉を口に運び、大河はムニエルに醤油を掛け味噌汁を飲んでいる。
きゅう達も大量の野菜や肉、魚と果物をむしゃむしゃ食べて幸せそうな顔をしている。
「ふう、食べた食べた」
「僕もお腹いっぱいです」
夕食が終わり皆で片づけを行いテントに戻って、寝る準備を始めていく。
「率くん、携帯は持ってきたか?」
「あ…いえ…持って来てないです」
「なら、千眼頼めるか?」
「ああ…」
大河が自分のスマホを率に渡すと決めると2台になる、それに千眼が蝶を吸い込ませ初期化して渡した。
「今のは一体、これは…」
「日本から持ち込んだ物は人に譲る、売る、消化、破損するとの分の数が増えるだろう。俺のスマホで良ければ使ってくれ。初期化はしたが今千眼が使えるようにしてくれたから、ラインと電話カメラ機能は使える」
「神様達から聞いたんですが、僕も持ち物が無かったので…でも良いんですか?貰って」
「もちろん、後これはショルダーバッグと詠斗くんがこの世界で広めた巾着袋と、後布団ととりあえず現金は100万円位で足りるか?」
「あ、俺も100万渡すね」
「えぇっ!い、いやこのショルダーすごい良い物ですよ!それに200万なんて大金…」
率がここに来て一番の驚きの声を上げる、大河と詠斗が顔を見合わせる。
「ダンジョン潜ると1回で家一軒買える位稼げるから、気にしなくていい」
「え、あ、なるほど…僕もダンジョン潜ろうかな…」
「それも良いが、稼ぐなら店を作る手伝いを頼みたい。屋敷も購入したからな部屋数12部屋、フードコートみたいにして飲食以外の店も出すから是非手を貸して欲しい」
「はい、是非よろしくお願いします」
「話しがまとまったみたいですね、シャワー浴びようか」
その場で率以外の面子が服を脱ぎだす、脱いだ服はそのまま詠斗の水と風魔法を使い粉々にした石鹸で洗濯機のように洗濯していく。
「ここで脱いでシャワーと洗濯するんですか?」
「あ、ごめんね。他の人と一緒にシャワーとか嫌だよね」
「なら…これで見えない」
少し離れた場所に千眼が黒い蝶達を飛ばし衝立代わりに仕切りになってくれる、そちらにも詠斗が上に水と火魔法で調節したお湯を出してくれる。
「はい、シャンプーリンス石鹸タオルね。服は脱いだら洗濯するね。パジャマは俺の服でいいかな?それとも風魔法ですぐ乾かすから来ている服にする?」
「いえ、詠斗さんの服を貸してくれると嬉しいです…」
「分かった、じゃあどっちのシャツがいい?あとこれズボンね」
しゃちくTシャツと一式渡され蝶々の衝立の方に向かって服を脱いでシャワーを浴びる、程よい温度でシャワーは気持ち良かった、
こんなに軽い気持ちでシャワーを浴びたのは何時ぶりだろうか…明日はみんなと一緒に浴びよう、まさか異世界で1日目からシャワーなんて浴びれるとは思わなかったから驚いただけで皆と入る事に抵抗はなかった。
「さっぱりしました」
「あ、率くん。歯ブラシこれ、新品だからね!」
「ありがとうございます!浄化魔法があるけど、やっぱりあると気持ちさっぱりしますから」
「私も、シャワーとこれがないと…」
「ん…」
「私も…」
「詠斗くんに感謝だな」
「えへへ」
詠斗が照れくさそうに笑い、それぞれ布団を敷いて早々にチグリスが布団に入り眠りに入る。
率も布団を渡されナイルの隣に敷くと急激な眠気が襲ってくる、緊張や日本であった事見知らぬ地…疲労は思いの他蓄積されていたのかそのまま寝てしまった…。
「ん…」
ふと目が覚める、白い空間と静かな寝息喉がカラカラになっている身体を起こせば離れた場所の図書スペースで千眼ときゅうが本を読んでいた。
「今茶を淹れた所だ…飲むか?」
「はい…」
千眼の方に行くと声をかけられ丸太の椅子に座る、不思議と座り心地は良かった。
「蜂蜜を入れた、花の香りが良い…」
白く華奢な指先には率が塗った爪は夜をイメージした物、彼に良く似合っている。
「美味しい…」
「それは良かった…」
千眼魔王…魔王という名が付くようには見えないが、その美しさは神秘的というより魔的という言葉が相応しい、『悪役令嬢は王子さまより執事がお好き』※というタイトルのライトノベルを読んでいるがその佇まいも綺麗だった。
『きゅ!』
「そろそろ散歩か…」
『きゅ!』
「今からどこかに行くんですか?」
「きゅうの散歩をしに森へ来るか?」
「はい…」
薄く微笑む魔王に誘われ伸ばされた手に、自分の手を乗せる…ひんやりとした滑らかな手、千眼の足元から蝶の群れが現れ3名を森へと運んでくれた。
「夜の森ははなんだか作り物みたいです、風もないし音もないし」
「生き物が少ない…」
『きゅ!』
きゅうは楽しそうにゆっくり歩く、甲羅に乗せたウィンは毛布代わりのハンカチの中ですやすや眠っていた。
「きゅうは美味しそうに食べるね。この木苺みたいなの僕も摘んで帰ろうか…」
『きゅ!!』
きゅうが首を上下に動かすおススメしてくれているようだ、1つ試しに口に入れてみると瑞々しさと甘酸っぱさが程よく沢山摘んで収納に入れる、きゅうもむしゃむしゃ葉っぱや枝もお構いなしに食べていく。
「そろそろ戻ろう…」
千眼が率に手を差し出す、率がこくりと頷き手を乗せてテントの空間に戻り再び布団の中に戻る、なんだかよく眠れそうだった…。
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