あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第4部 生きる世界に微笑んで 立ち止まったら空を見上げて編

10 みんなのやりたい事

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「ただいまー」
「おかえりなさい」
「茶飲むか?牛乳もある…」
「のむのむ!お茶も入れる」
「ん、飲む…」
「ああ」
「はい」
「頂きます」
「カイネ、迎えに行って来るー」
「はい、行ってらっしゃい」
ジラ達は茶の席に着き、詠斗はカイネを迎えに店に転移した。
「詠斗さんが戻って来たらお風呂に行きません?」
「良いですね、行きましょう」
「ん…」
「戻りましたー」
「帰りましたー」
『おかえりー』
詠斗達を出迎え一服した所で皆で風呂に向かう、カルやテトラ達にも声を掛て入る事にした。

「千眼、呪いってあるのか?」
「ある…」
「《ロメンスギル》の王と明日謁見なんだが、その王が呪われていると…」
大河が湯船の隣にいる千眼に疑問を投げる、千眼はジラとチグリスの方み横目でみるとジラは上を向きチグリスは明後日の方向を向く、どうやら面倒臭い説明は千眼に丸投げすると決めたらしい。
「あの国の呪いは1人の母…少女と呼べる齢で母になった女の呪いだ…。主達の世界にも呪いはあるだろう…」
「あると言うべきか…不確定で曖昧な物だがな」
「良くない事が立て続けに起きたりすると、呪われているとか言いますね…」
大河の言葉に綴の意見も混じる、千眼はそれに頷いた。
「この世界の呪いは…成就されるまで続く…彼女の呪いは…息子への愛が呪いへと変じた…深い…」
「今の国王も短命で亡くなるんですか?」
「…《ロメンスギル》現国王ラージュ·デイル·アストリガー·ロメンスギルは200年前の王族の血を継いでいない…だから呪いの矛先は3人の婚約者達に向いた…」
「あはは!なるほどやはりそうか!そうだよな!あの第5側室も…よくやるな!今頃墓の下で笑っているだろうなぁ」
ジラの高笑い湯船が激しく揺れる、目頭を押さえて天井を見上げて心底愉快そうに笑う。
「え、どういうこと…」
「前国王の血を引いていないんですか…スキャンダルですよね?」
「…知ったとしても見て見ぬ振りじゃなぁい?現王は民に好かれているし」
詠斗の疑問に綴が答える、向かいでテトラがパシャパシと足を跳ねて遊びなから答えた。
「…それで、婚約者は…」
「全員死んでいるぞ、あれが呪いというか分からんが。呪いというなら呪いだな」
『うわぁー』
異世界のどろどろとした部分が見え隠れする、異世界人達の理解を越えた。
「婚約者達に矛先が向いたのは…」
「200年の彼女の息子を騙して嵌めた血族の娘達だ…」
「その婚約者達の死に方も不慮の事故、毒殺、自殺だから正直呪いかも分からんが…この200年の歴代の王はかなり悲惨な死に方してるし、それは間違いなく呪いだな」
「いつかは止まる…彼女の呪いも呪う相手がいなければ…」
「それもそうだな、ほっとけ気にするなよ、それだけの事をしたんだ。で、明日は城に行って……」
「どうした?ジラ」
「あ、いやなんでもないよー…城に行って、王の話し聞いて適当にやり過ごせば問題ないからさ」
ジラが一瞬だけチグリスの方を見たが、チグリスは気持ち良さそうに湯船に浸かってた。
「そろそろ出るーうー風呂っていいねぇ」
「贅沢ですよ、毎日こんな大きなお風呂に入れて…」
「これで、明日城に行かなければな…」
『う…』
「ラージュ王は戦場にいた方が長いし、感覚は俺らとそう変わらないと思う。案外お忍びで見ていたのかもな」
ジラが立ち上がりカフとナフの糸で作って貰ったタオルでガシガシ身体を拭いていく、他の面子も次々と出て風呂上りに酒や牛乳や果実水を飲んで寛ぐ。
「今日は魚料理にしようかなー」
「良いですね!」
「蒸し焼きと貝もあの貝、見た目は怖いですけど美味しいですよねー」
「肉も付けてよー」
「…唐揚げ…」
『いいねぇ』
皆で盛り上がる、食べ物の話はいつでも平和な気持ちにしてくれた。
「お、みんなもう上がる?」
『もぐ』『もぐぅ』『もっぐ!』『ぴぃ』『きゅう』『ぱしゃ』
ラドゥ達も入れ替えに入ってくれば、後ろにきゅう達もいてそれぞれ小さなタオルを持って準備万端だった。
「みんなー今日は魚だよー。ゆっくりして来てね」
「俺達も行って良い?」
「いいよー」
「ありがとうございます、詠斗さん」
「後で来てね」

「いやー今日も食べた、食べた!美味かった」
「沢山作ったけどすぐ無くなったねー」
「ギョロリとギュロル貝をあんなに沢山…」
ジラが腹を押さえてテントの中のソファに転がる、カイネは布団を敷いて寝る準備に入っている。
今日の夕食はきゅう達が湖から獲って来た魚をふんだんに使った料理と、肉と野菜の炒め物とサラダにスープ、果物というメニューで皆で準備して食べてテントに戻って来ていた。
大河、千眼、ナイル、ナイデル、オリガ達が図書スペースで読書を楽しんでいる、その傍らで率は綴の車の中にあったノートとボールペンを貰い貴族屋敷の店の内装やコンセプトを考えていた。
「詠斗くん、カイネも店を持つか?」
「え?俺も…ですか?俺は今の店でポップコーン作りが良いです、他の人たちも優しいですし…」
「そうか、分かった。詠斗くんはどうだ?」
「あ、ならジャム屋ですかね…、後は保存が効く系の食べ物を売る感じで…」
「それいいな!傭兵やってた時とかは飯苦労したもんなーその辺の食べられる草とか…それすらなければ毒のあるヤツ食ってた…携帯食料…うん、俺も手伝う!」
「毒が有るものは食うなよ…2階の1店舗を任せるからよろしく」
「はい!やってみます」
「詠斗ージャム作りもやるからなー」
「はい!まずは店の内装とか考えます!」
「詠斗君、それならこれを使って下さい。車の中にあった物なので…」
「これ!ノートと筆記用具だ!」
「はい、大河君もどうぞ」
「これは嬉しい、どうも」
「何これ、紙?線?が入ってる」
「あ、俺も貰ってもいいですか?店用に記録とかに使おうかな」
「あ、ならこっちはどう?」
「これも良いです!小さくて是非使わせて下さい」
「なるほどー俺、字は書けないけど面白い。くれない?」
綴が出してくれたノートと筆記用具に興味深々なカイネとジラに渡し、詠斗も小さいメモ帳を渡す。
「ありがとうございます!」
「使い終わったら新しいのあげるから行ってね」
「はい!」
ノートと筆記用具を抱えて嬉しそうにしている、その笑顔を見て綴は日本にいた時の養護施設の子供達の顔を思い出した。
「明日鉱物ダンジョンのドロップ品を売ってまた、送金したいですね…。よし、大河さん決めました!僕あの屋敷の1室を貰って子供達に読み書きや計算を教えたいんです…お金は…無料で…その分ダンジョンで稼ぎますから!」
「分かった、なんなら教室を作っても良い、善行ポイント稼ぎにも良いと思う。金は稼ぎようがあるが、あちらの稼ぎはこういう方面じゃないと難しいからな…」
大河がにやりと笑う、魔法もスキルもまだまだゲットしていくつもりだ、金を稼ぐ、稼ぐだけなら善行ポイントは貯まらないならどうすれば貯まるか、それは慈善活動が手っ取り早い、カイネの孤児院もその一端だった。
「確かに…そうですね…、ありがとうございます大河さん!僕のこの世界での指針が定まりました」
「俺もまだ定まってない、だが本を読んで気ままに生きて行くというのが1つの目標だな」
「俺はここでみんなと楽しく…楽しく…きままに生きて好きな事やりたい事沢山していきたいです!」
「僕も皆さんと、こうして色々な事を話し合ったり、新しい事をしたり自由…そう自由に生きていきたいです!」
綴、大河、詠斗、率の《アタラクシア》でどう生きて過ごしていくかの方向性が徐々に固まっていく、4人とも良い表情をしている、周りでそれを聞いている面々も静かに頷いて聞き入っていた。
暫く話し合いが続き、各々適当な時間で切り上げて眠りに就いた…。
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