あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜

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第5部 ここで生きていく 晴れた日は海を見て編

第1幕 第9話 魔剣モドキ

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「おはようございます、お2人は遅めなんですね」
「ああ、おはよう」
「ん…」
今日は具沢山チーズオムレツとフレンチトーストに果物を混ぜたサラダと塩気の強いスープ、ミルクをたっぷり入れた温かいお茶、既にラジカは食事を済ませていたようで雑誌を読んで過ごしていた。
「フレンチトーストか」
「詠斗さんや率さんが作ってくれました、美味しいですよね。柔らかくて」
「おかわり…」
「ラジカさんは今日は子供達の様子を見た後《ロクロル》に戻るか?俺たちは店が終わった後、《エットナ》で注文していたナップサックを取りに行くが」
「ナップサックとは?」
「行けば分かる」
「気になりますね、良ければ連れて行って下さい」
「分かった」
「毎日こんなに美味しい食事をしているんですね」
「3食おやつもある…」
「そうなんですか」
見たこともない食事しかも大変美味しい、いつもは朝等は食べないラジカもこれには感動した。
「今日も、用意しますから取りに来て下さい」
「ああ、うちの店のポップコーンなんかも後で食べてみるといい。普段はすぐ完売する人気商品だ」
「楽しみです」

「カタンーベルンー今日も頑張ったなー」
「ぱぱー」
「えへへ」
「今日も来てるのか…」
「あっという間ですね」
カタンとベルンを抱き締めるカラクを見て呆れる大河に、あっという間に商品が売れていくのに感嘆の声を上げた。
「後片付けをしたらポップコーンを振る舞うぞ」
「私も手伝いますよ」
「そうか」
孤児院の子供達も手伝いをし、瓦礫の廃墟から来た子は遠目で見ている感じだった。
「貴方達も手伝いなさい、食事も頂いたのでしょう?」
バランスの取れた食事と清潔な服、3階の部屋を貰い各々ゆっくり休めたのだろうおどおどはしているがラジカの言葉に従った。
「院長先生、あの赤ちゃんは?」
「ええ、先程ミルクを飲んで寝ましたよ。ただ…夜ずっと起きているようで職員と交代で見ているのですが、あまり泣かないですし…」
「そうですか、暫くお願いします。お世話が大変ならこちらで引き受けますから」
「大丈夫ですよ、皆もお世話してくれますし。あの子達も少しずつ心を開いてくれていますから…」
「はい」
院長に状況を確認した綴もまずは一安心、モッカも子供達に気に入られ離してくれないらしく孤児院で過ごし、アルケールやナイデル、バルタルやカイネも孤児院で寝起きしていた。
「今日は皆が沢山手伝ってくれたから、早く片付けが終わったな!俺の家のパティ食べてくれ!」
「沢山あるわよ」
「うちのパンも食べて!」
「みんな、ポップコーンも沢山あるから!」
「焼き菓子も少しだけどあるから食べてな」
詠斗が外に出した丸太のテーブルに沢山の料理が並ぶ、ナイルが作ったサンドイッチにパウンドケーキも並び、皆の顔が綻んだ。
ベルンがモギのミルクを皆に振る舞う、子供達が喜んで何度もおかわりした、瓦礫の子供達もガツガツ食べていく、ライルやラキも食事を食べているが品良く食べる姿は何処か周囲と浮いていた。
「このポップコーン、美味しいですね」
「そうでしょ!うちの畑のだよ」
ラジカはポップコーンを気に入りずっと食べている、サクサクと軽い食感に幾らでも進む。
美味しいと食事が美味しく思うのは始めてかもしれない。
「そろそろ、《エットナ》に向かうか」

「みなさん!お待ちしていました!買い取りもしますよ!何かありますか?」
「熱烈な歓迎だね」
「勿論ですとも!ナップサックも出来てますよ!倉庫でウールも待ってます、ささ参りましょう」
倉庫に案内され中に入ればウールの後ろのテーブルに完成したナップサックが並べられている、手に取るとそれぞれ触り心地や色が微妙に異なりまたそれが良く縫い目も丁寧で出来映えも良かった。
「俺、これもらってもいい!ちょっと青みがあっていい!」
「俺はこれ渋い色合いのやつ」
「僕はこの赤みがあるのが欲しいです」
「俺はいかにも革ってやつかな、追加で20注文したい」
「俺はこれ…」
「俺はこの模様があるやつー」
「僕はこの渋いので」
「これは中々便利ですね、私の商会でも売りたいのですが」
晴海、詠斗、率、大河、チグリス、ジラ、綴が選び、ラジカがまじまじとナップサックを手に取り使い方や質を確認し、エッジとウールそして大河に確認を取った。
「注文ありがとうございます。《アウトランダーズ商会》の皆様が良ければ…貴方は?」
「周辺の縫製師達はみんなやる気です、既に問い合わせもきてます!」
「俺達と値段を合わせるなら構わないぞ」
目の下に隈を濃く作ったウールが気合いを入れる、仕入れ値と販売価格を聞いたラジカは少々呆れたが利益は採れると判断し了承した。
「欲が無いですね、いいでしょう、《ラズライール商会》50個注文します」
「《ラズライール商会》!?これはまた随分大物と大河さん達お知り合いになりましたね」
「そうなのか?」
「古くて歴史だけはある商会なだけですよ」
「…《ラズライール商会》支配人様がそうおっしゃるなら」
「50個と20個承りました、5日で出来ますからまたお越し下さい」
「宜しくお願いします。後買い取りも行っているそうなので私も出して構いませんか?」
「勿論ですとも!大河さん達はどうします?」
「今日は特に無いな」
「ラジカさんの品物興味あります」
「大した物ではないです、買い手が付かずもて余していた品々ですから」
「うちの金庫の資産で足りるかな…」
何やら嫌な予感がする、エッジはこういう時の予感は大体当たるタイプだった。

「まずはこのナイフとこの首飾り、彫刻に北の大地に棲息するノーファウンドファットの毛皮。ガラライルの両眼、メッドメソッドの毒肝に爪10本と鱗と牙取り敢えずこんな物で」
「これは…」
「お、メッドメソッドの爪2本俺に売ってよ」
「大河…鱗はカルが喜ぶ」
「なら、爪と鱗は全て《アウトランダーズ商会》で買い取っていいか?」
「差し上げますよ、食事と泊めてもらいましたから」
「そうか」
「ありがとな」
「ありがとう…」
エッジはこの流れを見て思った、その2つで軽く家が買える程の代物だが口を挟む程野暮でもない、ウールが毛皮に釘付けなのでそれは買い取る事にし…。
「ノーファウンドファットの毛皮は美品ですね、こちらは買い取らせて頂きますが…このナイフは呪いを受けていますね、《ズィーガー商会》は呪物は全て買い取り販売は禁止ですので」
「そうですか、また収納袋の肥やしですね。ジラ殿使いませんか?」
ナイフを渡され鞘を抜けば闇色のナイフに目がギョロと3つ生えて動いている、正直気持ち悪く詠斗達は引くが、ジラやチグリスは平然としている。
「うわ、コイツ魔剣のなりかけかいらないいらな…」
鞘に戻してラジカに返そうとすると、黒く輝き細いブレスレットに目が3つ付いたものが聖剣のブレスレットの横に納まった。
「あ、おい!勝手に!」
「おや、主に選ばれましたね。どうぞ差し上げます」
「お前な!押し付けたな」
「さあ?」
「いいじゃん!魔剣の主って!」
「聖剣の主でもあるし」
「カッコいい!」
『え?』
エッジとウールから驚きの声が上がる、歴史上聖剣と魔剣の主等聞いた事がない、ウールとエッジはお互い顔を見合せ聞かなかった事にした。
「え、えと毛皮は買い取ります。他の物はズィーガー様に確認しますので7日後迄お待ち頂けますか?」
「構いませんよ、急いでないですから」
「それならはノーファウンドファットの毛皮は8,000,000ログで如何ですか?」
「妥当でしょう、構いませんよ。商会の口座に入れて下さい」
「承知しました」
「けっこうしますね」
「北にしか棲息しない魔物です、毛皮は寒さや火に強く防具に加工出来ますし、貴族の方の装飾にも人気です」
「へえ」
「貴重な品々を見せて頂きありがとうございます」
「いえ」
「これ、差し入れ。みんなで食べて」
ドーナツ、クッキーや肉等を大量に詠斗が出すと、エッジとウールの目の色が変わる。
「この間頂いたのにまたありがとうございます!とても美味しかったです」
「皆、喜んで食べてました!嬉しいです!」
「また来ますね」
『はい』
「じゃ、孤児院にもどるか?他に行く所とかあれば」
「そうですね、私は今夜人に合う約束があるので《ロクロル》に戻ります」
「なら、この札上げるよ。これに魔力を込めれば《ロクロル》に行けるしまた魔力を込めればテントに戻ってこれるから」
晴海から転移魔法を掛けられ札を貰う、とんでもない代物だこの世にこれが出れば大変な事になるだろうが…余計な事を言わなくても晴海なら渡す相手は選ぶし信頼もされているのだろう、ありがたく頂戴して《ロクロル》に戻った。
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